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ソニン「ほんとはね。」

86 :名無し娘。:2004/06/26(土) 00:13

その流れに耐え切れなくなったのか、やがて少女が小さな声で言葉を発した。
「ねえ……美貴ちゃ…」

「っさい!」言い終るまでもなく、その『美貴ちゃん』と呼ばれかけた女性が一蹴した。
まるで待つことに専念する以外、何事をも受け付けないとでもいうような強硬な反応だった。

しかし、一蹴された当の少女の方は、その反応がまるで予想通りであったかのように、
特に驚く様子も見せず、また再びの緊張感と、そしてゆっくりとした時間の流れに身を戻していた。

それもそのはず、少女が声をかけたのはこれで三回目だったのだ。
最初は五分と少し前。その時の反応は、まだ会話として成立するだけの余裕があった。
その次は三分前。その時は「気が散るから黙ってて」という言葉が返ってきた。
そして今。さすがに限界に近づいている、と少女はそう受け取っていた。

少女の名前は紺野あさ美。モーニング娘。5期メンバーの一人であり、
彼女が声をかけた女性、6期メンバーの藤本美貴とは、藤本が編入する以前から友達の間柄だった。

ただ、今の状態を友達と、そう呼べるかどうか、それには疑問が残るかもしれない。
今では紺野は藤本の友達ではなく、藤本派の一構成員と見なされているのだから。
例え二人にそのつもりは無くても、周りの者たちはそう認識していた。

それに、派閥で言えば確かに、紺野は藤本派に所属していた。
問題はそこに主従関係があるか否か、そして二人がそれを必要としているか否か、という点だろう。

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