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NACCI

1 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/13(金) 22:33
In Another Time, In Another World...

26 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/15(日) 18:59
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

27 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/15(日) 18:59
「――ヴォイス!はぁ。アヤさん可愛かったぁ」
頬を紅らめながら真似してる、そんなアイも負けずに可愛いです。
シアターを出る頃には太陽灯はすっかりオレンヂに傾いていて、
私達はとりあえず落ち着こうとカフェで向かい合っていた。
「女ふたりで宝塚ってのもアレですけどね」
ストロー咥えてそう呟くけど、アイには届いてないみたいだった。

28 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/15(日) 19:00
「なぁなぁエリは今日の見てマキさんとアヤさんどっちが良かった?」
「リカさん。2代目マツリング・ピンクになるとこが良かった」
「あ、えぇねぇ。容赦、しないよ!って決め台詞も素敵やったなぁ」
またしてもうっとりのアイ。
アイスラテをとっくに飲み干した私のグラスの中で、語りっぱの
アイのたっぷり残ったアイスオレのグラスの中で、窓越しに注がれる
早春の夕陽射しを受けた氷が見てる間に小さくなってく。
そんな気がした。

29 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/15(日) 19:00
「行きますか」
こくり。同時に立ち上がった。ここはこの辺りじゃ珍しい有人の
キャッシャーで、まぁそこもお気に入りで通ってるんだけど。
「1200Yenになりまぁす」
「別々で」
「できませぇん」
ジェリービーンに眉毛が生えたような店員さんにカードを渡して
チェック。ぱっ、と一瞬引かれたYenが表示されたんだけど――。
あれ?

30 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/15(日) 19:01
「ほい。あっしの分の600Yen、引いて」
カードを重ねる。お互いの指紋認証後、アイのカードから私のカードへ
600Yenが移ってきた。じっと見てても別におかしい動きは、ない。
「エリってばどうしたの?」
「さっきの会計さ、600Yenしか引かれなかった気がするんだ――」
まるでアイスラテをおごってもらったみたいに。
アイは指で作った銃を私に向ける。「ラッキーだね」と笑って撃った。

31 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/15(日) 19:02
お母さん、あっし今日やっと小説総合スレに登録されそうやよ

32 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/15(日) 19:03
( ^▽^)<31は雑談ですよー

33 :名無し娘。:2004/02/15(日) 21:48
自分で登録してもよかったのに。

34 :名無し娘。:2004/02/16(月) 18:18
( ^▽^)っ●ウンコクエ!!

35 :名無し娘。:2004/02/16(月) 19:57
( `ー´)カエセ!!ウンコジャナイベ

36 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/16(月) 22:30
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

37 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/16(月) 22:31
太陽灯が月光灯へと切り替わった。お風呂はエアシャワーで適当に
済ませようと思ってたら、湯舟がはってあった。肩までつかり100を
いいかげんにカウントダウン。
「きゅーじゅきゅー、さんじゅごー、じゅーにぃ、ぜーろ」
濡れた髪をタオルに包んだままで夕食。メニューに目を見張った。
今日は何かのお祝い?ってくらいにお肉いっぱいだった。

38 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/16(月) 22:31
「すごいのよ。天然のが合成より安かったんだから」
と嬉しそうにお母さん。味オンチだから合成養殖培養天然を問わず
お肉好き好きな私にお父さんが「食べさせ甲斐がないな」と一言。
「エリは成長期なんだからいーっぱい!食べますよぉーだ」
べっ、と舌を出した。

39 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/16(月) 22:32
消灯。温まったアクアベッドに身体を浸した後で、忘れてた!と
目覚ましをセット。改めてどろりとした感触につかり目を閉じた。
身体の外と中の水分が入れ替わるような、この感触が好き。ふぅ、と
息をついたらなぜが別れ際のアイが頭に浮かんだ。
そうかもね。
今日はなんかラッキーが色々とあった気がする。うん、おやすみ。

40 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/16(月) 22:32
>33
( ^▽^)<誰かが登録してくれるのに憧れてたんです…

41 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/16(月) 22:32
>34
( ^●^)<オカワリ♪

42 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/16(月) 22:33
>35
(●^▽^)<もうおそいですよー

43 :名無血 ◆M3vD7.K722 :2004/02/16(月) 22:33
もっと素敵なトリップ目指します

44 :名無し娘。:2004/02/17(火) 20:49
機械で探すトリップ?近未来的だね。

45 :名無血 ◆M3vD7.K722 :2004/02/17(火) 22:42
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

46 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/17(火) 22:43
つくりもののような世界。
歩くたび靴は汚れて、触れるたび棘が指にささって、でも不思議と
これもアリって思えて。ムービーの中でだけ、教科書の中でだけ
見た、昔々に私達が住んでたって星のよに草の緑と水の青が見える。
「こんなの嘘だよね」
声がして振り向けばショートカットの女の子。流行らない真っ白の
ワンピースを着て枯れた木に寄り掛かって私を見てた。

47 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/17(火) 22:43
「こんなの?」
「緑がぱーって散らばって、青がばーって広がってるの」
否定的な口調とうらはらの笑顔でその子が言う。歳上かな?でも
手をかざすその仕種が可愛くて、なんか微笑ましい。
「でも、すっごく昔はこうだったって習ったよ」
「誰かが言ってた、ってやつ?」
「うん。あわをくうって誰かが言ってた、ってやつ」

48 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/17(火) 22:44
「エリは面白い子だね」
はて?なんでこの人は私の名前を知ってるんでしょう?
ってゆうかあなたは誰?見知らぬあなたが居る見知らぬ世界。
「もしかして夢?」
「なんだ、ちゃんとわかってたんだ。ねぇ、また来て良いかな?」
そう訊く彼女の後ろ、太陽灯が強過ぎて目を細めた。
――違う、太陽灯じゃない。あの空にまるく光ってるの、なに?
「どこへ?」

49 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/17(火) 22:44
「ここへ」
可愛い顔して指差したのは、地面つまり、夢の中へ?
「また来れるんなら良いけど」
「けど?」
「あなたの名前を教えてくれなきゃダメ」
「なんだそんなこと」
極上の笑顔から名前が洩れる。見てるこっちがドキドキするよ。
「なっち」
ナッチ。そう口唇を開こうとした瞬間、身体ががくがく揺れた。

50 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/17(火) 22:45
>44
(●^▽^)<まぁストリップだなんて…エッチ!

51 :名無血 ◆sN0aP1I/zA :2004/02/17(火) 22:46
今日のトリップ占いは、吉と出ました

52 :名無血 ◆sN0aP1I/zA :2004/02/17(火) 22:46
以外と良いかも…

53 :名無し娘。:2004/02/18(水) 22:18
もっと過激に!                         なんちゃって。

54 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/21(土) 19:22
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

55 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/21(土) 19:22
自分で仕掛けた目覚ましにちょっとムカムカしながら、起きた。
ゼリーミールをずるずるすすり、顔を洗って歯を磨く。動きやすい
パンツとシューズに着替え家を飛び出す――前のいつもの儀式。
壁のブロマイドにキス。うん、今日は昨日素敵だったリカさんと。
ウォーカーは朝のラッシュでぎっしりだけど、このぎっしり、
嫌いじゃない。
人に挟まれ隙間から見たタワークロックは0920時。まだまだ余裕。
そこでふと、何かへんてこな夢を見た気がしたって気がした。

56 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/21(土) 19:23
結局はっきりと夢を思い出せないまま、スクールへ到着。
「おっす」
「おはよん」
笑顔のアイとタッチ。その机の上に広がるブロマイドは昨日アイが
買ってったやつ。アヤさんが微笑んでリカさんがウィンクしてて
マキさんが凛々しい。
「あっし入るなら桜組がええな。アヤさんがおるし」
「私は乙女組だな。昨日のリカさん素敵だったし」
「浮気者。こないだまではマキさんアヤさんて言うとったのにぃ」
ふくれるアイと笑う私。先生が来るまでそんなことをしてた。

57 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/21(土) 19:23
マセマティクスの公式が頭を通り抜けて行き、私は窓の外ばかり
見ていた。シャインフィルタにうっすら顔が映ってて、にこりと
してみたりむすっとしてみたり。自分で言うのもなんだけど、割と
整った可愛い顔じゃないかと思う。
実はアイとふたり、秘密で考えてることがある。スクールを卒業
してもシニアに進学しないで、宝塚のスクールに行きたいってこと。
こう見えてもシナプスは運動能力を優先させてるんだからね。

58 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/21(土) 19:23
「Mz.ERI. 答えなさい」
突然呼ばれて視線を戻すと、教卓の向こうから先生がじろりと
睨んでた。全然聞いてなんかなくて、当然答えられなくて、必然
私は立たされる。みんな笑った。アイも。
クラスの外で水入りポット両手に瞳を閉じれば、まぶたに浮かぶ
未来の姿。シアターでライトを浴びて、高らかに歌い踊る、私。

59 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/21(土) 19:24
>53
(●^▽^)<これ以上お見せすると怒られちゃいます…

60 :名無し娘。:2004/02/21(土) 21:19
舞台が未来だからかな。文体もそんな気がしてならない。

61 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/22(日) 09:23
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

62 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/22(日) 09:24
廊下のはずがクラスの中で、まばたきの間に生徒は私独りだけ。
「あれ?」
「こんにちはエリ。約束通り、また会えたね」
そう教卓から微笑むのは、いつもの先生じゃなくて、ショート
カットの幼な顔。黒のスーツを着てて、赤いフレームのレンズを
人差し指でつん、と持ち上げ気取ってる姿。
「えっとぉ」
この人を知っている。眉根を寄せて考えて、唐突に思い出した!
「ナッチ?」
確信を込めた質問に気取った笑顔のまま、こくり。
「Yes. でも今は先生をつけること」

63 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/22(日) 09:24
「これ、なぁんだ?」
ナッチ先生が取り出した、と言うかいつ手にしたの?掲げるは
小さくて汚れてるけどまごうことなくお野菜で、もしかして私
バカにされてるのかしら。
「キャロット」
「あたりだからはい、プレゼント」
ぽん、と目の前に現れたキャロットを慌てて両手でキャッチした。

64 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/22(日) 09:25
「受け取るんだ」
自分からプレゼントって言っておいて驚いてるナッチ先生。
「キャロット大好きなんです」
「こんなちっちゃくて、こんな汚れてても?」
「ちゃいこーです。実はエリってば味オンチなんです」
言ってから気づいた。ナッチが居るってことはこれって――。
「もしかして夢?」
先生はまた「Yes.」と赤いフレームを押し上げながら笑顔で。
そして、衝撃。

65 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/22(日) 09:25
>60
(●^▽^)<そんなに褒められると照れちゃう…

66 :名無し娘。:2004/02/23(月) 22:31
落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です。

67 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/24(火) 19:56
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

68 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/24(火) 19:57
「立ったまま眠るとは良い度胸ね、Mz.Eri」
ずきずきと痛む頭をさするとぽっこりとたんこぶがあった。
「どんな良い夢を見てたのかしら?」
「あのぉ」と口にして口ごもる。どんな夢だっけ?なんか
何かがどーのこーのだった気がして気になり考え込む。
あっ、と熱視線で我に返ると、先生のこめかみに血管が
浮いていた。まずい、と思うも時すでに遅しで。
「Mz.Eri. グラウンドを10周、今すぐ行ってらっしゃい」

69 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/24(火) 19:57
まだ肌寒い春風を受けて走るグラウンドは、頭を冷静に
冴え渡らせた。息がほんの少し白く私は手にふぅと吹きかけ。
チェッカーが残り03周を告げる頃、記憶を辿り続けた私の
頭の中は、キャロットでいっぱいになっていた。
確かに見た。
夢の中で私は見たことないよな小さく汚れたキャロットを
両手で抱えて――かじろうとでもしてたんでしょうか?

70 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/24(火) 19:58
お風呂上がり。食卓についた私は目を見張る。キャロット
シチュー、ベークドキャロット、キャロットガレット、
キャロットグラタン、スティックキャロット、キャロット
ジュース。見事なまでにオレンヂ一色だった。
「安かったのよ」
お母さんが笑ってる。大好物だって味オンチだって食べ飽きは
するってのに。黙々と口へ運び嫌々食べ終えるのと同時だった。
デザート登場。キャロットグラッセにキャロットスフレに
コンポートキャロット。気が遠くなりかけた。

71 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/24(火) 19:58
暗闇の中、アクアベッドに横たわり思い出すのは夢の中の
キャロットとさっき見たキャロット。あんな失敗作みたいの
見たの絶対初めてなのに、なんで夢に出て来れたんだろう?
そしてそんな夢の後のあんなご飯。
「偶然って、怖い」
と安易で適当な結論を導き出した私は、眠さに身を任せた。

72 :名無血 ◆BLdFgnqET2 :2004/02/24(火) 19:59
>66
(●^▽^)<時には無理するのも良いよ…でもたまには私を頼って…

73 :名無し娘。:2004/02/25(水) 22:25
なんかキャロットの夢見そう

74 :名無し娘。:2004/02/26(木) 01:38
( ^▽^)っ●ウンコクエ!!

75 :名無し娘。:2004/02/26(木) 20:27
>>74
( ^∇^)<しないよ!

76 :名無し娘。:2004/02/26(木) 20:58
( TーT)ダカラウンコジャナイッテ・・・

77 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/29(日) 12:04
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

78 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/29(日) 12:05
「春眠、暁を覚えずって昔々に誰かが言ってた」
視界に映るは見知らぬ天井。白をベースに細いラインで、
ところどころで変なオブジェが薄い光を放ってる。
「あれは蛍光灯」
「それも誰かが言ってたんですか?」
横になってる身体を起こした。側には真っ白い服に身を
包んだ見覚えある顔。ねぇナッチ、ここってさぁ。

79 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/29(日) 12:05
「また夢の中だ」
「そぉよぉ。それはさておきこの白衣どう?」
くるっと回転するナッチ。スカートの裾がふわり。
「可愛い。天使みたい」
「おっエリりん鋭いねー。これは白衣の天使の制服です」
目を細めてナッチはそう笑うけど私の頭に疑問が浮かぶ。
天使に制服なんてあるのでしょうか?
「あったのさ。昔ナース今ホスピタルコンシェルジュ」
ホスコン?あれを人間が勤めてた時代っていったいいつ?
「お熱測りまちゅよー」とナッチ。自分で言って笑ってます。

80 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/29(日) 12:06
「これ何だ?」
ナッチの右手を見て「キャロット」と私。
「じゃあこれは?」
ナッチの左手を見て「出来損ないのキャロット」と私。
「で、エリが落としたのはどっちのキャロット?」
「どっちも落としてませんよ」
「正直者ぉ」と投げつけられて、私は何とかふたつとも
キャッチする。

81 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/29(日) 12:07
「キャロットに限らずお野菜の栽培方法、知ってる?」
白い頭飾りを直しながら、ナッチ。もう絶対に私のこと
バカにしてるでしょ?
そんなのとっくの昔にエレメンタリーで習ってるんだから。
「ゼラチナスキューブに種を浸せばそれだけで育つよ」
そう、勝手に大きくきれいな形に育つはずなのに――。
「どうしてそっちがちっちゃいのかは解らない?」
私は素直に頷いた。

82 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/29(日) 12:07
「ゼラチナス栽培発明以前は、お野菜は不格好だったのよ」
左手の中を見た。そう言われてもふぅん以外に何て言えば
いい?って言うか夢の中までスクールみたいだなんて!
「もしそんな時代に戻ったとしたらエリどうする?」
私は瞬き首をかしげる。んんっ?どうするってどういう意味?
「戻ったらって発明されたものは消えないし」
「じゃあ質問訂正。ゼラチナス栽培が禁止されたら?」
騒音、振動、そして光が射す。あぁん、もう!
「不格好でもお野菜はお野菜です!」
消える寸前、叫んだ。

83 :名無血 ◆.T4PnNuODU :2004/02/29(日) 12:07
>73
(●^▽^)<読み通りの展開ですみませーん

84 :名無血 ◆N8BJks0RAo :2004/02/29(日) 12:08
>74
(●●^▽^)<オカワリ

85 :名無血 ◆N8BJks0RAo :2004/02/29(日) 12:08
>75
(●●^▽^)<シテモイイジャン!

86 :名無血 ◆DPZsBTlouw :2004/02/29(日) 12:09
>76
(●●^▽^)<これいったい何ですかー?

87 :名無し娘。:2004/02/29(日) 18:40
トリップは毎回変えるのか?

88 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/03(水) 02:24
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

89 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/03(水) 02:24
バイザーいっぱいに広がるNonCarrerの羅列。
私は手の甲のプラグを抜きながら、消える寸前のエリの
叫び顔を思い出して笑う。
――おかえりなさい。今日もオーバーまで居ましたね。
アサミの声が頭の中に届いた。ぺろりと舌を出して、
ごめんねのサイン代わり。
――私の時はそんなに居なかったくせにぃ。
甘ったるく消えてった言葉が、バイザーに映り流れてく。

90 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/03(水) 02:25
――明日も入るんですか?偶然を起こすんですか?
呆れたように、アサミ。私はそれを否定する。エリと
話すのは楽しいけど、あの子のセンスはもう解ったし
とりあえずは終わりにしなくちゃ。
――あら意外。もちろんセレクトですか?
こくん。感じるでしょ?あの子はきっとなっちと一緒で
アサミと一緒。遥か遠いterraを愛せる存在。
「だからラストプレゼント。2013C-42A-8をお願い」
さっきのと違うプラグがふわりと浮かぶ。手の甲へ
差し込むと、バイザーにミニチュアの街並が映り込んだ。

91 :名無血 ◆5Zw4Kn/jfI :2004/03/03(水) 02:25
>87
(●●^▽^)<美しいトリップを探してトリップ中ですよー

92 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:45
スクールに着いたばかりの私にオフィサールームに来なさいと
メッセージ。
何ですか?それはつまり、朝から怒られるってことですか?
「失礼しまぁす」
ノックと小声の挨拶で開けたドアの先に、見えた見慣れた姿。
「アイ?」
「遅いよエリ。待ってたがし」
そう答えるアイの顔は笑みをたたえてる。そりゃアイは
品行方正才色兼備文武両道風紀委員でオフィサールームの
常連かも知れないけど、私は何も持ってない子ですから。
緊張なんです、嫌な予感です。

93 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:46
(●^▽^)<上のは失敗…ごめんなさい…

94 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:47
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

95 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:47
スクールに着いたばかりの私にオフィサールームに来なさいと
メッセージ。
何ですか?それはつまり、朝から怒られるってことですか?
「失礼しまぁす」
ノックと小声の挨拶で開けたドアの先に、見えた見慣れた姿。
「アイ?」
「遅いよエリ。待ってたがし」
そう答えるアイの顔は笑みをたたえてる。そりゃアイは
品行方正才色兼備文武両道風紀委員でオフィサールームの
常連かも知れないけど、私は何も持ってない子ですから。
緊張なんです、嫌な予感です。

96 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:48
「えっ?」と聞き返してしまった。「私達が?」
「そう。我がスクールからの今年度トレーデストよ」
アイを見ると、アイもこちらを見ていた。信じられない。だって
アイはさておき私は成績優秀でも運動抜群でもないのに。
「でね」先生が首をひねった。「行き先のスクールだけど」
「中央のスクールですよね?」
さらりと言うアイ。そして気づく。こいつもしかしてトレードを
意識してた?独りだけ先に中央へ行く気だったな?
アイを横目で睨むとウィンクで答えて来た。ちろと舌を出して。

97 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:48
「それが違うの。あの貴方達、宝塚歌劇団って知ってる?」
「はぁ」
「そこの養成スクールなのよ。中央は何を考えてるのかしら」
呆れたように、先生。アイはいつも以上に目を見開いてて、
私は口唇の端が釣り上がるのを止められない。
「だから無理強いはしないわ。貴方達、嫌だったら――」
「行きます!」
即答した。そして、私とアイの答えがきれいに重なってた。

98 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:48
何だって言うの?ここのところの私の回りの素敵な出来事は。
まるで偶然がわざとに、必然にされて集められているみたいで。
窓の外からはちょっときつめの太陽灯。目を細めながら出した
結論は、そうねきっと春だから。
平均普通の私、何もないエリにも春が来たってことで。

99 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/04(木) 07:49
(●^▽^)<レスがなくても何のそのー

100 :名無血 ◆LyaWUwpkA6 :2004/03/04(木) 07:50
(●^▽^)<げっとひゃくー

101 :名無し娘。:2004/03/04(木) 15:20
( ^▽^)っ●ウンコクエ!!

102 :名無し娘。:2004/03/04(木) 17:10
( ^▽^)<しないよ

103 :名無し娘。:2004/03/04(木) 17:46
>>89
NonCareer?

語り手が変わったときは分かりやすく印を付けた方がいいと思う。

104 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/11(木) 21:38
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

105 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/11(木) 21:39
ふと、目が醒めた。何だか眠り過ぎたように重い身体。
アクアベッドから起きあがって壁を見れば1015時って。
え――――っ。
飛び起きた。ミキってばどうして起こしてくれないのよ
と横のベッドを見れば空っぽ、というか使った形跡無し。
そして思い出す。
ミキってばトレーデストとやらに選ばれたとか選ばれない
とかで、昨日から地方区のシニアに0100月間行かされるん
だか行かされないんだか言ってたよな言ってないよな。

106 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/11(木) 21:40
着替えをしながらゼリーミール。瞬間で食べ終わって
ホント便利。ブレザーをはおりバッグを背負って、どうせ
遅刻だけど、ゆっくりするのは性に合わないから飛び出した。
ラッシュアワーも過ぎてがらがらのウォーカーをスカートの
裾を抑えながら走る、走る。
そんな間に頭をよぎる記憶。もやがかかったうっすらな記憶。
あの夢の中の、白いワンピースの娘は、誰?

107 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/11(木) 21:40
スクールに駆け込んでも早足のままに目指すは私のクラス。
見たことない子が今まさに開けようとしてるドアに手をかけ
「ごめんね」
呟いて飛び込んだ。みんながきょとんと私を見たかと思えば、
直後大爆笑。マキもリカもお腹を抱えてけたけたくすくす。
「アヤ、あんたどこからトレードされて来たのさ」
はいぃ?
リカが指差す先、ボードに書かれたERIの文字。ぴん、と来た。
さっき廊下に居た子がミキの代わりのトレーデストなんだ。

108 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/11(木) 21:40
「エリです。よろしくお願いします」
ぺこり、と頭を下げる様が可愛い過ぎて、シニアの子とは
思えない、なんて思っていたら。
「シニアは04の月からで、今はまだスクール通いです」
ちょっと待って。じゃあミキはもう一度スクールに行かされて
いるわけ?
「私達とトレードされてるなら、きっとそうだと思います」
「まぁミキは地図の上下も解らない娘だからアリだよね」
マキがそう言って、クラスはまた笑いに包まれた。

109 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/11(木) 21:41
エリちゃんは空席、つまりミキの席、つまり私の隣に座った。
「こんにちは」の言葉に私もサービスと微笑みでいっぱいの
「よろしくね」を返す。あは、紅くなっちゃった。
「どう、宝塚?」
「緊張します。皆さんシアターで見たことある方ばかりで」
消え入りそうな声で言い切った。私の目を見ながら。ぴょこんと
芽生える悪戯心が語りかけて来る。からかっちゃえって。
「本性はみんなぐーたらだから幻滅するよ、きっと」
エリちゃんの耳に唇を寄せ、吐息をあてるように、囁いた。

110 :名無血 ◆WxIKIDfelM :2004/03/11(木) 21:41
>101
(●●^▽^)<オイシー

111 :名無血 ◆f0eEKYr9QM :2004/03/11(木) 21:41
>102
(●●^▽^)<したりしなかったりですよー

112 :名無血 ◆FCIZ4ZgtQI :2004/03/11(木) 21:42
>103
(●●^▽^)<通信が切れたって意味ですよー

113 :名無血 ◆TNtxZb.j4Y :2004/03/11(木) 21:42
(●^3^)三● プッ

114 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 00:03
放課後、私はエリちゃんを連れて家へ帰る。
なんと学校の席だけじゃなく、寮でまでミキの部屋を使う
らしい。エリちゃんが大人しそうな子で良かったと心から
思った。一ヶ月くらいなら仲良くやれるよ、きっと。
「じゃあミキはエリちゃん家に泊まってるのかな?」
「……たぶん」
指をくわえながら、エリちゃん。ミキってば釣り目で
気が強そうなくせに実は人見知りだから、相当胃とか
痛めてるんだろうな。そう思ったら笑ってしまう。ふふっ。

115 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 00:04
「……豪華で質素ですね」
私の部屋に来てエリちゃんはそう言ったきり黙って
しまった。
「これがあの派手な宝塚の裏側です」
飾り気のない部屋に、ずらりと並んだ服だけが華美で。
「今日一日どうだった?」
「楽しかったです」
小さなテーブルをはさんで向かい合った。
お互いのことを訊き話し、たまにしんとした空気が
流れたりする。それでも居心地が悪くないのはきっと、
エリちゃんが良い子だからかな、うん。

116 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 00:04
クロックが2230時のベルを鳴らし、私達はアクアベッドの
スイッチを入れる。体を浸しながらスピーカーを通して
会話を続けながら、やがてあの子の寝息が聞こえだすまで。
そして私も瞳を閉じる。
胸の上でゆるく指を組んで、行き先は夢の中。
夢の、中へ…。
「ふえっ!?」
鼻をつままれて、起きた。

117 :名無血 ◆dLiN3EYkn. :2004/03/23(火) 00:05
(●^▽^)<忘れた頃に更新ですよー

118 :名無血 ◆ZAjQvDdhIs :2004/03/23(火) 21:38
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

119 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 21:39
ぐるりと水平線。私ってば、水の上に立ってます。
そして目の前にはあの笑顔。ここのところおなじみの――。
「おっす。なっちだよ」
同じように水の上に立ってるけれど、私は驚いてしまう。
ひざからすとんと棒のようなソックス、短か過ぎるスカート、
小さ過ぎるブルーの上着はおへそを覗かせて。
「いやぁ、なっちもさ、コギャルに憧れる訳さ」
訳さと言われましても。

120 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 21:39
ナッチがぐーにした右手を出す。ぱっと広げるとぴちぴちと
魚が飛び跳ねてて、私はうわぁと後ずさり。苦手なんだよね。
「もしかして嫌い?」とナッチ。私はこくこく。
「丸い目とか青いうろことか冗談でしょ!って感じ」
「残念。…Fallen…」
突然、本当に突然、視界が真っ赤になった。水も、空も、
ナッチも、その手の中の魚も。
として停止した。ゆらゆらの波と跳ねてた魚とナッチの笑顔。
まるで造り物のように固まって――崩れた。

121 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 21:39
「ええぇぇぇぇぇぇ!?」
飛び起きた。視界に映る見慣れた光景にほっとしながら
私はおでこの汗をぬぐう。背中もぐっしょり汗をかいてて
気持ち悪さに私は脱ぎ捨て着替えを取りに行こうとする。
「あっ…」
そこで振り返りほっとする。良かった、エリちゃんは
起きてないみたい。見られたらちょっと恥ずかしいもん。
おろしたての真っ白のシャツを着て、私は暗闇に独り
ふぅと息をつく。
…憶えてない。解ってるのはすごく怖い夢だった、って
気がするだけ。

122 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 21:40
目を閉じ髪をかきあげる。頬をぴしゃぴしゃ両手で叩く。
何よそれ。アヤあなたシニアでしょ?宝塚トップでしょ?
スクールの子に笑われちゃうわ。
胸の動悸も完全におさまり、私はアクアベッドに横たわる。
「おやすみ、エリちゃん」
かすかな寝息に向かって呟く。そしてもう一度、瞳を閉じた。

123 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/03/23(火) 21:41
(●^▽^)<……負けませんよー

124 :名無し娘。:2004/03/23(火) 22:08
誰に?何に?

125 :名無し娘。:2004/03/25(木) 00:07
負けるなよウンコ

126 :名無し娘。:2004/03/30(火) 00:21
( ^▽^)っ●ウンコクエ!!

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