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NACCI
- 1 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/13(金) 22:33
- In Another Time, In Another World...
- 126 :名無し娘。:2004/03/30(火) 00:21
- ( ^▽^)っ●ウンコクエ!!
- 127 :名無し娘。:2004/03/30(火) 01:47
- だからそれをなっちに返せ
- 128 :名無し娘。:2004/03/30(火) 15:42
- >>126
( ^∇^)つ●ウンコクエ!!!
- 129 :名無し娘。:2004/03/30(火) 18:28
- (●´ー`)<?
- 130 :名無し娘。:2004/04/11(日) 14:36
- むむっ
- 131 :名無血:2004/04/15(木) 17:13
- 「お名前は?」
白い服の女が言った。
「マキですけど?ってかあんたこそ誰?」
「なっちですけど」
びみょーな真似がしゃくに触る。
- 132 :名無血:2004/04/15(木) 17:16
- 「空は好き?」
はぁ?
ふざけんなと言おうとした口が開かない。風が
飛び込んでくる。落ちてるんですけど!
「えぇぇぇぇぇぇ?」
目の前の女は白いスカートを両手で抑えてて、
何かどこかで見たような映像。
- 133 :名無血 :2004/04/15(木) 17:19
- 私死ぬんだ。宝塚トップになったばっかりなのに。
「死なないよ。だって夢だもん」
えっ?
がくり、と振動。狭いアクアベッドの中で姿勢は
めちゃめちゃ。わざとかよ、って感じ。
ふと見た横には愛ちゃんがすやすや眠ってました。
- 134 :名無血:2004/04/16(金) 12:44
- 愛ちゃんはブルーストライプのシャツ着て寝てて、
さっきまでの子とはどうも別人みたい。って事はやっぱり。
「夢で良かった」
出した声がしんとした部屋に響く。覚えてるのは何となく
の見た目だけ。ショートカットで白い服だったってだけ。
どんな顔でどんな声でどんな名前だったか?
夢のお話なのに、やけに私は気になっていた。
- 135 :名無血:2004/04/16(金) 12:44
- ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
- 136 :名無し娘。:2004/04/19(月) 14:02
- ( ^▽^)っ●ウンコクエ!!
- 137 :名無し娘。:2004/04/22(木) 22:51
- 走れ。飛べ。そして更新せよ。
- 138 :名無し娘。:2004/04/23(金) 05:30
- ふと読んだ時から気になって
読み続けています。
更新お待ちしておりますよ
- 139 :名無血:2004/05/08(土) 14:04
- 一緒に練習を始めてみれば、それはもうエリちゃんもアイちゃんも
すごいもんで、最近のスクールの子はこんななのってリカもアヤも
勿論私も呆然とする訳で、ふと急に地図の上下も解らないままに
トレーデストに選ばれたミキを案じてしまったりします。
「身体を動かすの好きなんで」
照れたように笑ってそう言うふたり。私達も宝塚トップとは言え
うかうかしてられませんね、なんて目配せしあったりする。
- 140 :名無血:2004/05/08(土) 14:04
- ストライドを計り距離を決める。最初ゆっくりだんだん速く。
踏切台で思いきり飛び、空中で伸身のまま一回半横にひねる。
私やアヤはスタンドなしでも出来るけど、リカはスタンドなし
じゃ思いきり踏み切る事も出来ない。
「リカはアイドル路線だけで飛べずに満足するつもり?」
「しないよ」とリカはべっと舌を出す。「そんなつもりない」
遠くからリカがぎゅっと拳を握るのが見えて次の瞬間、リカは
スタンドの無い踏切台へと助走を始めた。
- 141 :名無血:2004/05/08(土) 14:04
- 残念ながらリカはおっきいおしりで着地しちゃって「ふぇっ」
なんて高い声を上げて私の笑いを誘うけれど。
「マキ!」
アヤが青い顔で「見て」と指差す先、まだリカちゃんが座ってる
エアシートを目がけて助走する姿が見えた。アイちゃんだった。
絶対ぶつかる。なのにアイちゃんは止まらない。そのままリカに
向かって踏み切り、飛び越すのかと思いきやまるでタックルの
ようにぶつかりふたりはごろごろんと転がる。
「ちょっと何すん――」
リカが怒りの声を上げるのとほぼ同じだった。それまでリカが
居た場所の上に、天井からライトがぐしゃりと落ちて潰れた。
- 142 :名無血:2004/05/08(土) 14:05
- 「天井のライトがぐらついてんのが見えたんで」
助けたはずのアイちゃんが真っ青な顔で言う。それもそうかも。
ちょっと間違えば自分も巻き込まれてたんだから。怖いな。
トレーニングはちょっと騒然、授業も中断、私とアヤとエリちゃん、
壁にもたれて落ち着こうとする。
メディカルに念のため運ばれたリカちゃんとアイちゃんを想って
みたり。ふぅと息つく。初めてだよ、こんな体験。
- 143 :名無血:2004/05/08(土) 14:05
- ふと気付くと知らない人が居た。白くタイトなスカートとジャケット、
整った顔つき、ショートカットの髪のすべてが凛々しい美人さん。
歳は私達より十歳は上っぽい見た事ない人。誰?
先生との会話にこっそり聞き耳たててると、どうもから中央から来た
人っぽかった。ってか中央凄過ぎ速過ぎ。もう人を寄越すなんて。
私はぼ――っとその人を見ていた。こんな人絶対知らない、なのに
見た事ある気がする。何よそれどういう事か自分でも解らない。
回りに視線を移せばエリちゃんもアヤもその美人さんを見ていた。
- 144 :名無血:2004/05/08(土) 14:06
- (●^▽^)<ウンコスキスキ♪
- 145 :名無し娘。:2004/05/12(水) 20:43
- こらこら
- 146 :名無血:2004/05/16(日) 10:19
- ふいにその人がこっちを見た。でも私を見なかった。
誰を見てるんだろ?この中で顔が知られてるのは私とアヤ。
じゃあアヤだ。そう思ってアヤを見れば、私の想いが
伝わってたのか、ふるふると首を横に振る。
「エリちゃん?」
「はい」
エリちゃんは前を見たまま。
「視線を感じる?」
届けると消えそうに小さな声で「感じます」と返ってきた。
- 147 :名無血:2004/05/16(日) 10:20
- メディカルに行けばなごやかに話し合あってるリカと
アイちゃん。こっちの気も知らず笑顔なんか浮かべてる。
「ダイのオトナがだよ?もうね、気になって」
「素敵やよ」
何の話?と訊けば、さっき中央から来たっていう美人さんが
ふたりの様子を見にここに来たって。しかもふたりも私と
同じようになんかDeja-Vuを憶えたらしい。既視感。
「え、私もそう思ったよ」
「あの。私もです」
アヤもエリちゃんも。なんと五人全員だった。ふぅと息つく。
「あれ誰?」みんなの声が揃った。
- 148 :名無血:2004/05/16(日) 10:20
- ヒューマノイドよ、と後で先生に教わった。常に中央と
電波交信で情報交換しているそうで、だから今日の対応も
速かったのねとなんか納得。
「モデルはおるんですか?」と訛りまじりでアイちゃん。
そっか。確かにヒューマノイドならモデルとなった
ヒューマンが居るはず。
「さぁ」先生はそう言ってため息をつく。「それより次作の
ダンスレッスンはどこでしたら良いかしら?」
ふっとミキの顔が浮かんだ。
「主役が帰って来てから考えましょう」と苦笑いを浮かべた。
- 149 :名無血:2004/05/16(日) 10:21
- 「もう次の作品って決まっとるんですか?」
夜。アクアベッドの向こうからアイちゃんが私に問いかける。
私はやや時間を置いての返事。
「決まってるよ。次はミキが主役なの。これ絶対秘密」
「ミキさんってマッキング・ゴールドでは悪役でしたよね」
「そう」リカを襲う男役。好演でした。「どう思った?」
「これ絶対秘密ですよ。悪役がすっげぇ似合っとりました」
「伝えとく」と言うとアイちゃんは悲鳴を上げた。
「これも絶対秘密だよ」私は声をひそめる。「次のって
実はマッキング・ゴールドの続編。悪役主役Version」
アイちゃんの唾を飲む音が聞こえた。ごくりって。
「タイトルは、逆の立場から見えてくるもの、って事で」
- 150 :名無血:2004/05/16(日) 10:22
- ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
- 151 :名無血:2004/05/16(日) 10:22
- (●^▽^)<トリップの文字列忘れちゃいましたー
- 152 :名無血:2004/05/21(金) 21:10
- 「エリ」
鼻をつままれた。つまんでる相手は猫のようなブラックの
タイツに身を包み頭にはスコープをつけてる。けれどその顔は
見慣れてて、そして何だか懐かしい。
「ナッチ」
「久し振り。エリは元気そうだね」
いつもと違う、と気付いた。ナッチの笑顔が弱々しい。
嫌だ取り戻してよあの極上の、天使の微笑み。
「ナッチは元気じゃないの?」
「あんまり」と髪をかき上げて。「手痛いミスしちゃった」
ミス?
- 153 :名無血:2004/05/21(金) 21:10
- 「セルフコントロールミス」
私の前にはナッチだけが在って、その他には何もない。
突然。
「異常に気付くのが遅れてあやうく殺しちゃうとこだった」
無数の光の点が生まれて、すごい速さで私達の廻りを駆け巡る。
「時間が無いの」
「ジカン?」
やがて光はひとつに集まり、大きな青い球になる。そして
ナッチと私の真上で止まる。すっごく、きれい。ため息出ちゃう。
「これ、何」私は指差した。
「terra」ナッチも指差した。「永遠に辿り着けない到達点」
- 154 :名無血:2004/05/21(金) 21:11
- そっとナッチが一歩近付いた。私は黙って見ていた。
「エリの夢、知ってる。宝塚に入りたいんだよね?」
こくりと頷く。そんな私の頬にナッチが両手を添える。何となく
何が起こるか解った。私はそのままで居た。
「なのにごめんね。急だったからエリしか見つけられなかった」
べっ、とナッチが舌を出す。舌の上には青い光。サファイア?
ナッチの顔が目の前にある。私は瞳を閉じる。唇にむにゅっと
触れる感覚。口の中に柔らかいものが入って来る感覚。
んっ。
何かが喉の奥に落ちた。きっとさっきの青い――。
- 155 :名無血:2004/05/21(金) 21:11
- ナッチの顔が離れ、私は唇を手の甲でこする。
「待ってる」ってナッチが言った。「エリが来てくれるの」
また来ても良いって訊いたのは、ナッチだったのに。
視界がぼやける。すべてがラスタースキャナイズされる。
揺れる世界、鳴り響くノイズ、つままれる鼻。
「こら!」
瞬きの向こう、ほっぺをふくらませて怒ってるのは……アヤさん?
- 156 :名無血:2004/05/21(金) 21:11
- ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
- 157 :名無血:2004/05/21(金) 21:12
- (●^▽^)<誰かが言ってたって、誰かが言ってた。
- 158 :名無血:2004/05/22(土) 12:08
- 鼻をつまんでもエリちゃんはぼうっとしてて、私はほっぺを
ぷっくらさせる。0002日目から遅刻させちゃう訳にはいかない。
「速く用意しないとスクールに遅れるよ」
でもエリちゃんの瞳は空中に焦点をあわせ薄く唇をあけてて、
何だか私はつまんだ鼻から手を離すタイミングを見失う。
「私、中央に行ってきます」
突然の言葉。口で息しながら濁点を多くしてエリちゃんが言う。
「え?何よそれ何なの何よ。って言うかスクールは?」
「今日はお休みになります」
「はい?」
にこりと笑うエリちゃん。パジャマのまま飛び出していった。
- 159 :名無血:2004/05/22(土) 12:09
- よく解らないまま歯磨き顔洗い着替えてスクールへ。
クラスの前にはマキとリカとアイちゃんがつっ立ってた。
「お休みだって」
「しかも私達のクラスだけ」
見れば古臭いことに貼り紙なんかがあって、ダンスコントロールも
シングコントロールも、私達のクラスだけ異常発覚らしい。
「エリちゃんの言う通りだった」
「あれ?そう言えばエリは今日はおらんですか?」
アイちゃんに訊かれた私は首をかしげるジェスチャー。
「中央に行くって、パジャマのまんまで出かけていった」
「はい?」
「とりあえずお茶する?」マキが言って、私達はあっさり賛成。
- 160 :名無血:2004/05/22(土) 12:09
- ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
- 161 :名無血:2004/05/22(土) 12:10
- ライトムーヴへ飛び乗る。行き先は「中央」へ。光の速さで
辿り着き、なのにお金も請求されない。解ってしまった。
今の私は特別なのだ。
きっとあの青い光。ある程度なら、思った事を思った通りにして
しまえる。大金持ちにも、何か権威ある行動も出来る。そして私は
それを「中央」へ向かう事に活用していた。0001秒でも速く。
ウォーカーを歩く人の間をすり抜けた。おじさんおばさん達が
私の事をじろじろ見てる。へへん、可愛いでしょ?このパジャマ。
- 162 :名無血:2004/05/22(土) 12:10
- 首が痛くなるほど見上げても、先端は消失点になってて見えない。
全面がシャインフィルタになってる超巨大なタワー。写真でしか
見たことなかった「中央の中央」。この☆の総べてを司る場所。
サンダルをからころ鳴らしゲートへと歩く。ゲートの横には
ガーディアンのようなヒューマノイドが02体、微動だにせず。
「おい、危ないぞ!」
太ったおじさんが私に声をかけるけど、何言ってんの?って
感じで私はあっさりゲートをくぐる。最上階目指して
エレベーターカプセルを探してきょろきょろ。何だかゲートが
うるさいなと振り返れば、さっきのおじさんがガーディアンに
入館を止められているのが見えた。
- 163 :名無血:2004/05/22(土) 12:11
- 「最上階に行きたいんですけど」
受け付けにいる美人さん、きっとヒューマノイドの彼女に訊くと
「あちらです」と教えてくれた。昨日宝塚スクールに来た人とは
別人だけど、世界には色々な美しさがあるんだよね。
ふわりと体が浮く感覚。デジタルカウントが見る見る上昇していき
7230で止まった。ドアが開いた先には、ギャリルドゥグラス。
壁に床に天井に私の姿が何重にもなって映ってる。そしてまたドア。
ドアには無数のタッチキーパネルと短い文章があった。
Please Enter Pass Word
- 164 :名無し娘。:2004/05/23(日) 17:33
- ほほう
- 165 :名無血:2004/05/23(日) 23:11
- ためらいも悩む暇もなく、私は思い付くままパスワードのキィに
手を這わせ指をすべらせる。頭をかすめたキィワード。
h o h o u
なのにうんともすんとも言いません。開きもしない、警報が鳴る訳
でもなく。ちろりと唇に舌を這わせた。乾いてる。あれ?
やがてエージアウトして入れたワードが消えた。私はふぅと息つき
リトライすべくリタッチする。
- 166 :名無し娘。:2004/05/24(月) 21:06
- それで?
- 167 :名無血:2004/05/25(火) 08:03
- なんでそんな事考えたんだろう?頭をよぎってくんだろう?
絶対違う。心の中のそう訴えるサイン。でも、と私は手をかざす。
s o r e d e ?
やっぱりドアは開かない。解っていたんだ、でもちょっとだけ
恥ずかしくて、照れてうつむき、唇を噛む。こらっ。
そもそも問いかけってどういう事?
自分に聞いても答えは返ってこなくて、そしてエージアウト。
- 168 :名無し娘。:2004/05/25(火) 17:15
- きゃめい
- 169 :名無血:2004/05/26(水) 08:01
- 「名前…そう、名前なのよ」と呟く。
ドアの向こう宛てでもなく、誰宛てでもなく、自分宛てでもなく。
うっすらと光を放つ壁の文字列に人差し指を尖らせ走らせる。
c a m e i
打ち込んでから気付く。私の名前じゃ、ない。服を着替える時を
惜しんで来たってのにその時使って何をやってるんだか。
キヤメイの並びを見つめているとやがて融けるように消える。
「違う。呼ばれた私じゃなくて、呼んだ――」
また呟いてしまう。
- 170 :名無し娘。:2004/05/26(水) 18:45
- なっち
- 171 :名無血:2004/05/27(木) 08:05
- 今まで何度も会った彼女。なのに記憶に残らない彼女。
そして今、青い光を受けた私の中で大きな位置を占める彼女。
そう、きっと彼女が答えなんだわ。
n a c c i
音も無くドアが開き私はサンダルをからころ鳴らして中へ。
結構歩かされた先、うっすらと影が見えて来る。椅子に座り顔の
半分をバイザーで覆った小さな女の子とその椅子に寄り添って立つ昨日
宝塚のスクールに来た美人さんの姿。
「思ったより遅かったね」バイザーの下で唇が動く。「ようこそ、エリ」
「お待ちしておりました」と美人さんが微笑み。
私は小首をかしげてウィンク。夢の外で会うの初めてだね、ナッチ。
- 172 :名無血:2004/05/27(木) 08:05
- 後ろでドアが閉まる。薄暗い部屋の中、赤や青のライトがあちこちで
点滅してる。無数のケーブルがナッチ達の後ろに散らばっている。
「いっぱい間違っちゃた」
「見てたよ」と言うナッチの声が笑ってる。きっとバイザーの下で瞳も。
私も舌を出してはにかむ。美人さんも手で口を抑え微笑む。
「エリ」
「んっ?」
「来てくれてありがとう。でも本当に良いの?」
本当に良いの?その言葉が私の胸にちくりっと刺さる。
あの夢の中で教わった。夢があるのにごめんねってナッチが言った。
つまりそれは私の未来が夢が変わってしまうって事。
- 173 :名無血:2004/05/27(木) 08:06
- 「良いよ」呟いたはずの言葉がやけに部屋中に響いた。「だってもう
青い光も飲み込んじゃったし」
「まだ吐き出せるよ」
「モグモグモグモグ、ウェーウェーって?」
「そう。モグモグモグモグ、ウェーウェーって」
時間が止まったような一瞬の沈黙が来て、そして一瞬で去って行く。
ナッチのバイザーにライトが映り込んでいる。
「夢は叶ったもん。宝塚の養成スクールに入る事できたし。それに」
「それに?」
「昔教科書で見た青と緑の★、とてもきれいで大好きだった」
- 174 :名無血:2004/05/27(木) 08:06
- (●^▽^)<正解は出ないかと思ってましたー
- 175 :名無し娘。:2004/05/27(木) 08:50
- 新井素子を思い出した
- 176 :名無血:2004/05/29(土) 10:40
- 「最初から説明するね」
すっ、と部屋が真っ暗になった。かと思ったらいきなりぽつんと
小さな光が浮かぶ。ぽつん、ぽつん、ぽつんと無数に広がる。
「これが世界」
「セカイ」
「中心を見てて」と言われ私は、頷き顔を上げる。
くるくると回るのは、ちょっとだけ大きな炎の球。やがて炎は
小さくなって、消えて、茶色の球形になる。でも止まらない。
冷え続け凍り、溶けて青になり、青の側に緑が産まれる。
回りの光は光のままで、中心のそれだけが変化し続けてる。
「もしかしなくてもこれってterraだよね?」
「Yes.でもまだ終らないよ」
んっ?色が濁り出した。緑が黒に、青が赤に。そしてterraの
横にぽつりとシルバーの点が産まれる。シルバーはやがてterraと並ぶ
大きさの球になると、完全に黒くなったterraから離れ進み出した。
「これが私達の今居る場所、shipです」
あっと言う間の物語。terraの歴史なんて、私の青春の1ページの、
その1行にも満たない速さ。
- 177 :名無血:2004/05/29(土) 10:41
- のろのろと進むshipを、ぼんやりと眺めてた。スクールで私達は、
故郷の星を離れ旅を続けるうちに、次の移住地を発見し今こうして
住んで居ると習ったのに。
「旅立ちはもう6000年も前の話。真実は消える様に忘れられました」
こんな大事な事を大の大人が忘れるものなのでしょうか。
「はい。旅の結末の統べてをナッチに委ねて」
視線をshipからナッチへ移す。バイザーで表情は解らないけどこんな
小さな子に…って違う。こう見えてナッチは6000年生きてるんだ。
「生きてるよな生きてないよな」
どゆ意味?
「なっちも実は0005人目なのさ」
ぴん、と来た。つまり私に遺志を受け継いで欲しいって訳ね。
0006人目のなっちとして!このshipを統べて!
- 178 :名無血:2004/05/29(土) 10:42
- 「もしだよ、もし。もし私が断ったらどうするの?」
「デリートかな。そして急いで次をセレクトする」
それは怖い話です。
「ライト点けて欲しい」
言うなりshipとterraが消え、真っ暗から真っ白になり、私は
「ひっ」と声を出してしまう。無数のケーブルがナッチの手に
足にコネクトされ、指先を動かすのすら戸惑うんじゃないの?
「そうでもないよ」とナッチは指を持ち上げる。「驚いた?」
「驚いた」
私は頷く。夢の中のナッチと違い過ぎるもん。
「バイザーも取ろっか?」
ゆっくりと指先が持ち上げるバイザーの中に剥き出しで回路とか
配電線がちらと見え、私は瞳を閉じた。
- 179 :名無血:2004/05/29(土) 10:42
- No.0001へ選ばれたのは夢の中のナッチ。
「私達の役目はshipの中の1億2千万人の保護です」
No.0002には背の小さな金髪の娘。
「そしてそれは第二のterraを見つけるまで終わりません」
No.0003の目が離れた少女。
「ナッチがセレクトした誰かがナッチと共にnacciとして」
No.0004が八重歯で舌っ足らずの子。
「そして私はNo.0005として0800年程、ここで過ごしました」
美人ヒューマノイドさんの声が透き通る響き渡る胸を掴む。
もうキャロットが食べられない。カフェでアイスラテも飲めない。
シアターで宝塚も見れない。もう家族にもアイにも会えない。
でも、ね。――それはそれでええやんって、誰かが言ってた。
- 180 :名無血:2004/05/29(土) 10:43
- 「受け入れてもらえそうですね…すみません」
美人ヒューマノイドさんが私の瞳を覗き込み言う。まぁ、デリートは
嫌ですし。ここに来てたった0005分。せめて少しでも前向きにね。
「私が頼り無かったばっかりに結論を急がせてしまって」
美人さんの髪が指の端が足の爪先が薄くなった?気がした。
「でもこれで大丈夫、完璧です。これできっと」
気だけじゃない。実際に薄くなっていき砂の城のように崩れる。
ナッチは知ってたかのように微動もせず。もしかしてあの青い光を
私に渡してしまったから?根拠なんて無いけどそんな気がした。
突然の真実、突然の交代劇、突然のサヨナラ。突然過ぎる。
「一族は滅びない」
- 181 :名無血:2004/05/29(土) 10:43
- ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
- 182 :名無血:2004/05/29(土) 10:43
- (●^▽^)<気分が良くなってきたので歌を歌います
- 183 :名無し娘。:2004/05/30(日) 15:16
- エントリーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
- 184 :名無血:2004/05/31(月) 08:03
- (●^▽^)<春はお別れの季節です♪みんな旅立って行くんです♪
- 185 :名無血:2004/05/31(月) 08:03
- 「おはよ。なんか眠そうだね」
「太陽光が出るまで勉強してたからね。今日マセマティクスの試験だし」
「げっ!今日だっけ?」
「今日だよ。もしかして勉強して来なかったとか?」
「そのもしかしてでございます」
- 186 :名無血:2004/05/31(月) 08:03
- (●^▽^)<淡く色づく桜♪花びらもお祝いしてくれます♪
- 187 :名無血:2004/05/31(月) 08:04
- 「アイスオレとアイスラテとアイスエスプレッソで1700Yenになりまぁす」
「別々ってお願いできますか?」
「できませぇん」
「じゃああたし代表して払う。このカードから引いてください」
「ありがとぉーございましたぁー」
- 188 :名無血:2004/05/31(月) 08:04
- (●^▽^)<ずっと仲良しで居てくれた♪刻は想い出の宝物♪
- 189 :名無血:2004/05/31(月) 08:04
- 「ミキちゃん。お父さん、晩ご飯ですよ」
「わぁ嬉しい。私、お肉大好きなんです。いただきまぁす」
「ミキちゃんみたいに喜んでくれる子が居るとおばさんも作り甲斐あるわ」
「やっぱり若い子が居ると食卓が賑やかで良いな」
「…じゃあ明日はミキ特製パスタをご馳走しますね、おじさま、おばさま!」
- 190 :名無血:2004/05/31(月) 08:05
- (●^▽^)<そんな悲しまないで♪目の前の階段を上るだけ♪
- 191 :名無血:2004/05/31(月) 08:05
- 「落ちぶれましたわねマキさん。宇宙刑事は私ひとりで充分ですわ」
「貴女に全然かなわない。成長したわね。さぁリカ、私をデリートなさい」
「もう思い残す事はなさそうね。マッキング・メガフォン、転送!」
「あは、雲間から太陽灯が射し込んでる…。雪は止んだ、か」
「それではさようなら。フレッシュ・ヴォイス!」
- 192 :名無血:2004/05/31(月) 08:05
- (●^▽^)<そうよ手を振って♪だめよ泣いたりしちゃ♪
- 193 :名無血:2004/05/31(月) 08:06
- 「マキさんアヤさんリカさん。アイです。スクール卒業して正式に入学しました」
「待ってたよ、久し振り。こちらこそよろしく」
「はい、よろしくお願いします!…でも何か変な感じなんですよね」
「あ、アイちゃんも?実は私も気持ちがもやもやしてるんだぁ」
「この時の喜びを分かち合える誰かがおったような気がするんやけど…」
- 194 :名無血:2004/05/31(月) 08:06
- (●^▽^)<あぁいつまでも私達は振り向けばほら友達♪
- 195 :名無血:2004/05/31(月) 08:07
- 壁を埋め尽くす無数のモニターが0001秒おきに映像を切り替える度、
自分達がshipのクルーと知らない1億2千万の姿が映し出される。
その中にささやかな哀しみやひそやかな不幸せを見つけると、
ナッチは「7463F-21M-6をお願い」と声をかけ私がそれを差し出す。
ケーブルを替えればそれは、さりげなく緩和され、私達は微笑みを浮かべる。
偶然と必然を司りながら、まだ見ぬ故郷に思い馳せ――。
- 196 :名無血:2004/05/31(月) 08:07
- This Is A True Love Story.
Mothership Continued Everlasting Voyage.
In Another Time, In Another World...
- 197 :名無血:2004/05/31(月) 08:08
- (●^▽^)<じゃあね!
- 198 :名無し娘。:2004/05/31(月) 17:30
- またね
その顔文字好き
- 199 :名無し娘。:2004/05/31(月) 23:59
- テンポがよくて面白かったよ
- 200 :名無し娘。:2004/06/04(金) 02:54
- 急に終わったな、つらかったのか?
まー乙。
- 201 :名無し娘。:2004/06/10(木) 21:22
- じゃあね!
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