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(　´�D｀)＜鈴木あみ裁判はいつ終わるんれすかね？

1 ：名無し娘。：2003/09/29(月) 02:56

(　;´�D｀;)＜・・・

51 ：名無し娘。：2003/10/10(金) 22:49

落ちぶれたというか、もともと（略

52 ：名無しω：2003/10/11(土) 11:40

おいおいクズがωを捨てちまったよ

53 ：名無し娘。：2003/10/28(火) 23:05

hozenっと

54 ：名無し娘。：2003/11/02(日) 15:44

このスレを保全する意味があるのかと(ry

55 ：名無し娘。：2003/11/05(水) 21:04

和解だってね｡これでこのスレも
-------　糸冬　了　------

ttp://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-031105-0005.html

56 ：忍者おじゃ丸：2003/11/19(水) 21:45

　　　　　| | |　
　　　　　| | ||　
　 　 　 　 | ||　
　　　　　　　|　 　 　＿＿
　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ　／ 　　 ＼
　　　　川o･-･)＜ 　…。　 |　　
　　　~（　」)V,_」、＼＿＿／
　　　 と､＿)∪ﾉ ｼｭﾀｯ!

　　　　　　　 　 　 　＿＿
　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ　／ 　　 ＼
　　　　(･-･o川＜ 　…。　 |
　　　~（　」)V,_」、＼＿＿／
　　　 と､＿)∪ﾉ

　　　　　 　　 　 　 　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ 　／ 　　　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 从o･-･o）＜　このスレ使ってもいいですか？ |
　　　~（　」)V,_」 、＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　 と､＿)∪ﾉ 　

57 ：名無し娘。：2003/11/19(水) 21:49

>>56
yorosii

58 ：忍者おじゃ丸：2003/11/19(水) 23:40

　　　　　　　　　　　 ＿＿__
　　　　　　　　　　／　＿＿＼　ﾋｭｰ
　　　　　　　　　/　 ,/ヽ))））ﾉノ,
　　　　 　 　 　 |　 ,⊂川o･-･)つ＜では、遠慮なく…
　　　　　　　 　 ゝ/／＿_yノ'
　 　 　 　 　 彡 （,／ （,/

59 ：忍者おじゃ丸：2003/11/19(水) 23:45

Hunt1.Mid-Night of Tokyo City

東京。満月はとうに南天高く上っていたが、街が眠りにつく気配はない。
夜の大地を照らす満月の存在を否定するがごとく、ビルのネオンが輝く不夜城。
車から吐き出される排ガス、店々から絶え間なく立ち昇る蒸気や煙、
そして行き交う人々の呼気で、辺りの空気は沼のように澱んでいる。

大通りからそう遠くないところに、それはあった。
浮浪者やならず者の巣、スラム街。
その一角で死闘が繰り広げられていた。

ドガァッ！！

大男が金網を突き破り背後へと吹き飛ばされていく。

｢くそぉ… あのガキァ… どこへ行きやがった！？｣
大男はゆっくりと上体を起こし周囲を見回す。

｢出てきやがれぇぇっっ！！｣
巨漢は凄まじい声で咆哮すると、手当たり次第に周りの建物を壊し始めた。
その鍛え上げられた両腕はハンマーのごとく、コンクリ壁を砕いてゆく。
恐らく、その両腕にに捕まったら、人間であれば難なく四肢を引き千切られてしまうだろう。
普通の人間ならば…

60 ：忍者おじゃ丸：2003/11/19(水) 23:50

｢おいおい。そんなにはしゃがなくたってオイラは逃げやしないって。｣
声のするほうに目を向けると、なんとも小柄な少女の姿が目に入った。
その途端、男の目の色が変わった。

｢そこかぁぁぁぁぁぁ！！｣
獲物を見つけた野獣のように凶悪な笑みを浮かべると、
巨漢はその全身にエネルギーを漲らせ、その少女へと襲い掛かってゆく。
だが…

｢遅いよ…｣
小柄の少女が漆黒の空へと飛翔する。
常人の何倍もの跳躍力は、それはまさに飛翔というに相応しい“能力”だ。

彼女はそのまま巨漢の背後に降り立つと、振り向きざまに左腕を巨漢に向けた。
そして素早く…
｢セクシービーム！｣
一条の光線を発射した。

61 ：忍者おじゃ丸：2003/11/19(水) 23:55

｢ぐぁっ！！｣
うめき声を上げ巨漢が後方へと倒れ伏す。
｢ここまでだね…｣
｢なめるなぁっ！！｣
大男がその拳にエネルギーを収束させ、少女に向かって振り下ろす。
だがそれを少女は見極めて交しつつ、巨漢の胸部に右手をかざした。
｢そっちこそ、なめんなよ。｣
そして素早くエネルギー波を放った。

｢ぐあっ… バ… カ…… な…｣
胴体に穴をあけられ、為す術も無く倒れ込む巨漢。
少女はそんな彼を冷ややかに見詰めていた。
その余りに冷たい視線に思わず身をすくませる巨漢。
｢ま、待ってくれ！助けてくれ！命は… 命だけはぁっ！！｣

迫り来る彼女に哀願するように叫ぶ大男。
そんな彼に向かって少女は冷ややかに言い放つ。
｢そんなこと言われてもさぁ、アンタ相当な殺人鬼じゃん。
　裁判やっても死刑だからさ、助けても意味ないんだよね。
　それに、助けるのがオイラの仕事じゃないんだよ。じゃ！｣
｢え…｣
それがその男の最後の言葉だった。
黄色い閃光に飲み込まれ、その体は塵一つ残さず消えてゆく。

62 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:00

｢ふん… オイラをチビってバカにした罰だ。筋肉だけのデカ物はキライなんだよ。｣
男の消滅を確認すると、少女は、短く彼(のいた場所)に向かって呟いた。
その時…

｢隊長！！ ヤグチ隊長ご無事でしたか！？｣
数人の男が彼女のもとに走りよってくる。
皆市街戦でも行うような格好である。

隊長と呼ばれた少女、ヤグチは彼らの姿を見止めると静かに口を開いた。
｢見ての通りだよ。それよりこいつの手下どもは？｣
｢はっ、それは我々特殊部隊が全て漏らさず処分いたしました。｣
｢あっそ… じゃ、これで今回の任務は終了だな。後の事は処理班に任せて帰るぞ。｣
｢はっ！！｣
帰還の指示を部下に下すと、ヤグチはエアバイクに乗り込み、颯爽とその場を後にする。

｢すげえな… 流石はヤグチ隊長だ…｣
ヤグチを追い、エアバイクに乗り込みながら、一人の隊員が口を開く。
｢ああ、あの大男にゃ他の部隊員が既に１０人やられてるってのに、
　相手に反撃すら許さずにさっさと処分しちまうんだもんな〜…｣
｢やはり、元･狩娘(ハンター)だけはあるな。格が違うな。｣
｢オレも能力者に生まれたかったぜ…｣
他の隊員も口々に隊長であるヤグチを賞賛する。
そんな彼らの声を聞いてか聞かずか、ヤグチは夜のハイウェイを飛ばす。
苛立ったように歯を噛み締めながら。
(ぬぁにが隊長だ。こちとら好きでやってんじゃねぇよ…)

63 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:05

狩娘−Hunter−







時は２２世紀…
科学分野の著しい発達により、人類はかつてないほど豊かな生活を送っていた。

だが、それはあくまで表面上の話で、犯罪も複雑かつ巨大なものとなっていた。
人間性思考を備えたロボットの兵器利用、遺伝子操作による戦闘的な人体改造、
科学の発展そのものが犯罪の発展に繋がるようになっていた。
このような犯罪は急激に増加し、一時は深刻な社会現象になるに至った。

その事態を収拾すべく発足したのが、対特殊犯罪警察組織“シティガーディアンズ”だった。
だが相手は人間以上の身体能力を備えたロボットや改造人間。
当然人間をどんなに訓練しようと彼らに対抗するのには限界がある。
故に、“シティガーディアンズ”のメンバーには特殊訓練を受けた人間の他に、
優秀な戦闘能力を持つロボットや改造人間も混ざっているのだ。

ヤグチもまた、狩娘(ハンター)と呼ばれる特殊能力を備えた改造人間である。
彼女は一部隊の隊長として、日々都市の平和を脅かす者を狩るのであった。
しかし…

64 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:10

｢お疲れ、ヤグチ。｣
その日の任務を終え、ガレージにエアバイクを停めるヤグチに向かって、
明るく声をかけてくる女性が一人。
彼女は中澤裕子。“シティガーディアンズ”の総指揮を任されている。
前線に立つことは今は無く、この基地で隊員のサポートをする。
隊員からの信頼は非常に厚く、頼れる姉御的存在でもある。

｢出迎えごくろうさん。｣
素っ気の無い挨拶すると、ヤグチは足早に自室に向かった。

｢ったく、もう少し気の利いたことは言えへんのかいな。｣
廊下の角に消えたヤグチに向かって、裕子は呆れ半分で呟いた。
｢あのじゃじゃ馬も、いつまで下でいてくれるかな…｣

65 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:15

ザァァァァァァァァァ…

ヤグチはシャワーを浴びていた。
水量を最大にして、滝のようなシャワーを浴びる。
それが彼女の仕事後の日課であった。
だが、仕事の汗を流すとか、疲れを飛ばすという意味で浴びてるわけではない。
ただ、大量の湯を肌に打ちつけ、熱とわずかな衝撃を感じること。
それが彼女が唯一ヒトでいられる瞬間であった。

｢ふぅ…｣
ヤグチは大きく息を吐き、自分の両手を見つめた。
健康的な色、つや、そしてよく水滴を弾く様は、若さの証だ。
だが、ヤグチはそんな恵まれた体に納得はしていない。
年齢の割に、身長が150cmに満たないとかいう問題ではない。
指紋も生命線も汗腺もあり、何もかも常人と変わらない皮膚の内側…
彼女の体内の大半は普通の人間とは異なる。
その違いが能力と引き換えの犠牲であり、小さな体に刻まれた大きな傷だ。

66 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:20

ドクン…！

真っ黒な… 闇に包まれた世界が続く。

(…ここはどこ…？)

真っ黒な闇の中にヤグチただ一人。
浮遊感も重力感もまるでない。

(…オイラは… 一体なんだ？ どうしてここにいる！！）

その次の瞬間、ヤグチの頭に鈍い激痛が走り、目から火花が飛び散った。
それと同時に声が、どこかで聞いた声が聞こえてきた。

『ヤグチ逃げろ！ ここは……が抑えるから！！』
『死ねぇ！ ……の仇ぃ！！』

閃光… 爆音… 衝撃…

｢うああああああああああっ！！！｣
強烈な痛みと共にヤグチの意識は闇に飲み込まれた。

67 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:25

｢あああああっ！！｣
一吠えして、ヤグチはシャワーを止めた。
シャワーを全開にしていると、いつしか回りの音が聞こえなくなる。
自然と自分の体のことを考え、深みにはまる。
そして今のように、過去の断片がフラッシュバックする。
これ以上続けると、自分であり続けることが困難になる。
だから止めた。
現実に戻ってきた。

ピチョン… ピチョン…

垂れた前髪から落ちる水滴が床に落ちる音。
ヤグチはその音にあわせて呼吸を整える。
いつもと変わらない日課、それゆえに疲れる日課。
ヤグチはいつもこうして疲れに疲れてから眠る。

68 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:30

閑静な一等地に佇む豪奢な邸宅。
その一室… 広いホールに設置された一台のグランドピアノを、
品のいいとはいえないスーツに身を包んだ一人の中年男性が奏でていた。
弾いている曲もクラシックではなく、昔流行った歌謡曲のようなものだ。
調子よく歌まで歌っている。

｢どうですか、矢口真里の成績は？｣
そんな彼の傍らで紺の軍服に身を包んだ一人の女性が口を開く。
彼女は一枚のデータディスクを手に愉快そうに笑みを浮かべていた。

｢さすがに元･狩娘だけはあるな。ホンマ処理がスムーズに進むわ。
　それから、あの娘の経歴に関しては調べられるだけ調べておいた。
　詳しくはそのディスクを見てくれればわかる。｣
｢ほな、こっちもお渡しします。｣

ピアノを奏でながら答える中年に、軍服の女性も別のデータディスクを取り出すと、
中年の背後に立っている、これまたヤクザなスーツの中年の男に手渡した。

｢…確かに…｣
どちらかといえば締まりの無い、下品な笑みが印象的なその男は、
女からディスクを受け取ると、手に持った携帯端末でそのデータ内容を確認する。

69 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:35

｢それにしても中澤、狩娘をよく配下に置いたな。裏切りはせんのか？｣
ピアノの中年が女性… “シティガーディアンズ”総指揮の中澤裕子に向かって口を開く。

｢大丈夫ですよ。あの子との間には“契約”があります。｣
｢“契約”ね…｣
携帯端末を見ながら、もう一人の中年が呟く。
｢そっちの管理は大丈夫なんだろうな？｣
｢ええ。一番使える“駒”を配置してありますので。｣
｢駒？｣
｢ええ、ウチ直属の優秀なヤツが。｣
裕子は自信満々といった様子で、男達に答える。
｢もう既に貴方の傍におりますがね。｣
｢…！｣

ピアノの演奏が止まった。

｢今日も完璧です…｣
何時現れたのか、知らぬ間にピアノの男の真後ろに誰か付いていた。
その者の背中に右腕を押し付けている。
何時でも武器や技をを出せる体勢なのか。
それとも単なる威嚇なのか…

70 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:40

｢おいおい、何もそこまでしなくてもええよ。｣
｢…わかりました。｣
次の瞬間には、気配もろとも消えうせていた。

｢駒か… ホンマお前も中々喰えんヤツやな。｣
平静を装いつつも、男の心中は決して穏やかではない。
いつの間にか全身が汗でびっしょりになっていた。
本気で殺されるかと思った。

｢喰えんヤツですか… お褒めの言葉と受け取っておきますよ。
　ほな、ウチは次の用事があるんでこれで失礼しますわ。｣
そう言うと裕子は一礼し、足早に中年達の前から立ち去る。

その姿を見つめながら、中年は先ほど裕子からディスクを受け取った男に向かって口を開く。
｢和田さん… 兼ねてよりの打ち合わせ通り、『M-Force』の量産頼みますよ。
　本格的な戦力増強までには、まだいくらか時間がるはずやとは思いますけど。｣
｢わかった。研究所の方には急ぐよう指示はしておく。いよいよやな…｣
｢ええ。今を置いて他に好機はないでしょうや…｣
椅子から立ち上がると、中年は窓の外を見詰めると口元に笑みを浮かべる。
｢オレらがこの国、いやこの星の覇者となる絶好の機会はな…｣

71 ：忍者おじゃ丸：2003/11/20(木) 00:40

Hunt1.Mid-Night of Tokyo City
>>59-70

72 ：名無し娘。：2003/11/20(木) 00:52

再利用乙

これからの展開に期待

73 ：名無し娘。：2003/11/20(木) 11:04

川o･∀･)つ＜いいね、こーゆーの好き。
　　　　　　　ガンガってくらさい。　　

74 ：名無し娘。：2003/11/20(木) 15:50

スケールがでかいな

がんがって完結させてくれ

75 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:15

Hunt2.Explosion Demon of the Sun

真っ暗だった。辺り一面、光すら射さない暗闇だった。

｢ここは…？｣
無限に続く暗闇の中で、ヤグチ…矢口真里は独り立ち尽くしていた。

｢オイラは… 誰…？｣
自分の名前すら忘れてしまった。自分は何者なのか…
その時、前の方から光が射してきた。余りの眩しさに、ヤグチは思わず目を凝らした。

｢ヤグチ…｣
前方から、人の声がしてきた。何となく聞き覚えのある女性の声であった。
目が慣れてきた真里は声のした方を向いた。
するとそこには、真里とさほど背丈の変わらない少女が立っていた。
柔らかな笑みで、温かさを感じる雰囲気。
ただ普通の人と違うのは、背中に大きく広がる白い翼…

｢行くよ、ヤグチ。｣
彼女は手を伸ばし、真里を招いている。

｢あ、ああ…｣
真里が手を伸ばそうとすると、突然前方の光が明るさを増してきた。
余りもの眩しさに、真里は再び目を凝らした。
そして数々の絵が、真里の頭を過ぎった。

76 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:16

白と黒の衝突…
この星を覆い尽くすような閃光…
廃墟と化した大都市…
傷つき、動かなくなった自分の体…
そんな自分を見下ろす紺色の軍服…
辺りには様々な残骸…
残骸…
残骸…


｢うっ！！｣
真里は何かの音に気づき、目が覚めた。
それは緊急事態を知らせるサイレンだった。

『緊急事態発生！ 緊急事態発生！ 待機中の隊員は直ちに出動せよ！！』

けたたましく放送が流れる。
急いで体を起こす真里。
窓の外はまだ暗く、壁掛けの時計を見ればまだ真夜中である。

｢ちっ… 悪ぃ寝起きだぜ。一回裕子の野郎を問い詰めにゃ気がすまねぇな…｣
真里はそうつぶやくと司令室へと走っていった。
夜はまだ長い。

77 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:18

夢から覚めた真里は、急いで司令室へと向かっていった。
そして慌しい隊員達の波をかわし、司令室へと入った彼女は、
司令室の中心にいた裕子を見つけるとそばに駆け寄っていった。

｢おい裕子ぉ！ 緊急事態っていったい何なんだよ！？｣
先の夢のこともあり、苛立ちを裕子にぶつける真里。
だが、そんな真里に構わず、裕子は周りにいた隊員に二三指示を与えると、
ゆっくりと真里に向き合った。

｢ヤグチ、落ち着いて聞いてくれるか。｣
いつもとは違う様子なので、この事態が尋常でないものを真里はすぐに感じ取った。
｢新宿のビル街でビル爆破が立て続けに起こったんや。しかもな…｣
｢しかも…？｣
｢単なるテロとかやとええねんけど、どうも主犯は狩娘らしいねん。｣
｢ふ〜ん…｣
そう淡々と返しつつも、真里は自分の拳に力が入っていることに気づいていない。
特殊能力を持つ者同士の、命を懸けた戦いは避けられまい。
知らず知らずの内に、気分が高揚してきているのだ。

78 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:18

｢爆弾使いか…｣
｢ヤグチ、心当たりはあんのか？｣
｢ああ。そいつを始末すればいいんだろ？｣
｢そうや。犠牲は最小限で頼むで。｣
｢無理な注文だね。オイラ達が戦えば、明日新宿と言う都市はこの国から消えてるさ。｣
｢それでも… や。ウチとの“契約”、忘れてるわけやないやろ？｣
｢…！｣
｢シティガーディアンズの一隊長なら、それに見合う行動を示してもらわなあかん。｣
先に問い詰める予定だったのが、逆に弱点として突かれてしまった。
かつて命を助けてもらった以上に、真里は裕子に対して“契約”で縛られている。
どんな形にしろ、この“契約”を破棄すれば、真里には味方がいなくなる。
利用するつもりが利用され続けていることは薄々感じている。
しかし、そんな契約上の味方でもいなければ、真里は困るのだ。

｢わーかった。わかったよ！ さっさと行って、さっさと片づけてやるさ。
　アイツがいりゃあ、被害は最小限に済むかも知れないんだけけどな〜…｣
吐き捨てた最後の言葉が、唯一の抵抗だった。

｢おめーら、行くぞ！｣
真里は待機していた部下達を引き連れ、エアバイクの格納庫へと向かった。
途中、何箇所か壁に拳をぶつけながら。

79 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:19

｢おうおう… 苛立っとるな。｣
ただでさえ小さい背中が見えなくなるのを確認すると、
裕子は携帯端末をデスクのコネクタに繋げた。

慣れた手つきでパッドを叩くと、端末の画面にはある女性の顔が表示された。
裕子と同い年ぐらいで、ネズミっぽい顔つきの意志の強そうな女性だ。
少し視線を逸らすと、ガレージから次々とエアバイクが出動しているのが窓越しに確認できる。
先頭を行くのは勿論真里だ。

｢ヤグチ… コイツ相手に本当に被害を少なくしてくれるかいな…｣
裕子はそう呟くと、端末を操作して別の回線に接続した。
今度はテレビ電話のようで、しばらくすると相手が登場した。

『中澤さん、お呼びですか？』
若い声。先程中年の後ろをとった人物の声だ。
｢新宿の爆弾魔なんやけどな…｣
『はい、情報は入っています。狩娘のようですね。』
｢主犯は判っとるけど、他に配下のヤツがおるかもしれん。
　どうせザコやろうからとっつかまえて情報を得て来い。
　くれぐれもヤグチには気づかれないように頼むで。｣
『わかりました。』

80 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:19

摩天楼の間をすり抜けると、やがて副都心･新宿が見えてくる。
だが、輝くビル街は見る影もなく、赤い炎の森と化している。

｢ひっでぇな…｣
都市の変わり様に、真里は呻いた。
シンボルでもある高層ビル群は無惨にも瓦礫の山とかし、周りに人々の死体が散らばっていた。
虫の息の人々の呻き声が熱風の起こす爆音と共に響き、血と焼けた人の臭いが充満していた。
中には腕や足だけという酷いものもある。

だが敵に対する怒りもそこそこに、真里は背後の隊員に指示を与える。
｢おめぇらは生きている人々の救助を優先しろ。ヤツはオイラが狩る｣
｢はいっ！｣
数人の精鋭を矢口に残し、素早く隊員達は散った。

｢野郎どもいくぜ！｣
｢はっ！｣
真里達はエアバイクを最高出力で噴かせると、勢い良く新宿の真っ只中へと突っ込んだ。
街中を疾駆するエアバイクは当然のように即座に発見され、真里の行く手を阻むが如く、
無数の人型ロボット達が武器を手にエアバイクの前に立ち塞がる。
爆弾魔の置き土産か、それとも便乗犯のものか、どちらにしろ敵に変わりない。

｢急な飛び出しは自殺行為だぜ。どきなっ！｣
そう言い放つと真里は右手を一閃し、衝撃波でロボット達を薙ぎ払った。
ロボット達はそれぞれぶつかり合って、みな無残に四散していった。

81 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:20

｢フン… 今ごろノコノコ現れたんかい。ヤグチ…｣
あるビルの一室から、真里のエアバイク部隊を見据え、冷笑を浮かべる女性。
先程裕子の携帯端末に表示され、この事件の主犯の狩娘である。
彼女の背後には他に二人居並んでいた。
二人とも、年齢は彼女の半分ほどの少女だ。
｢おいお前ら。アイツはウチにやらせな。さっきの花火なんじゃ準備運動にもならなかったしな。｣
｢あれだけ暴れておいて、まだ足りませんか？｣
｢お豆、アンタ判ってないね〜。ビルぶっ壊すのとレベルの高い狩娘と戦うんじゃ雲泥の差だよ。｣
｢そ、そうですかぁ…｣
お豆と呼ばれた、眉毛が特徴の少女は、納得がいかないようだ。
というより、狩娘同士の戦いを体験したことがないので、実感がわかないだけだ。

｢まあええわ。高橋とお前は渋谷方面に向かいつつ、被害を広げな。
　シティガーディアンズも手が出せないほどに、派手にやんなよ。｣
そう言い放つと、彼女は勇んで出撃していく。

その姿を見据えながらお豆と呼ばれた少女が苦笑しながら口を開く。
｢結局、矢口さんとやりたいだけじゃ…｣
｢あの人ぐらいの実力者なら、強き者を目の当たりにしたら戦わずにはいられないんちゃう？
　真の狩娘ってのは、生まれき戦いに飢えた戦士なんじゃないかなとあっしは思うよ。｣
もう一人の少女は、自分勝手な上司に呆れつつも一定の理解を示してはいる。
｢ま、それよりも指示は出たから、行くやよ。｣
｢了解。｣

82 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:22

｢くそ！ 遅かったか！！｣
天高くそびえる摩天楼。
だがその人類繁栄の象徴たるビル群はすでに骨組みだけと化している。
隊員たちは苦虫を噛み潰したような表情でその様を見据え歯噛みして悔しがった。

｢落胆するのはまだ早ぇぜ。壊されたものはあとで立て直しゃいい。
　そしてオイラ達は犯人を狩ればいい… それだけの話なんだからよ。｣
そんな真里の傍らから、一人の部下が口を開く。

｢そうですよね隊長。俺達はシティガーディアンズの精鋭部隊。
　さっさとヤツらを見つけ出し、思い知らせてやりましょう！！｣
｢ああ… 期待してるぜ。だが、そいつの相手はオイラ一人だ。｣
｢え？ そいつ？？？｣
｢…！！｣
思わず目を見開く隊員達。
気配すら感じさせず、自分達の居並ぶ真っ只中に単身現れた女性の姿に、
みな愕然とした表情を隠せない。

｢来たな。狩娘で爆破にかけてはトップクラスの女…｣
｢私と戦う資格があるのはやはりお前だけだね、ヤグチ。
　他の雑魚どもにはコイツらで遊んでもらおうかね！！｣
そう叫ぶと、女性は予め周囲に伏せておいた配下のロボット兵達に攻撃の合図を下し、
真里達の部隊を周囲から完全に包囲孤立させる。

83 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:22

一方その様子は、真里と別れた救助部隊からも確認された。
｢おい！！ 隊長の小隊が奇襲を受けているぞ！！｣
｢何人か早く救援に向かわねば！！｣

｢無駄ですよ。｣
浮き足立つ部下達の叫び声のなか、二人の少女が割って入ってきた。
先程のお豆ともう一人だ。

｢な、何だお前たち！？｣
｢無駄とはどういうことだ？｣
｢あなた達、矢口さんたちを奇襲している方をご存知ですか？｣
叫ぶ隊員達に向かい問い掛けるお豆。
若干挑発口調なのが、非常に気になる。

｢まあ、知ってるのは元･狩娘の矢口さんだけですけどね。あなた達には教えておきますよ。
　あの方は『太陽の爆裂鬼』稲葉貴子。狩娘では並ぶ者のない、爆弾製造能力を持った方です。｣
｢爆破製造能力… あ、あの女が今回の！？｣
｢ええ。そして私たちは稲葉さん直属の狩娘、新垣理沙と…｣
｢高橋愛やよ。短い間やけど、よろしく。｣
｢よろしく… だと！？｣
理沙と愛の言葉と態度に部下達が騒然とする。
と同時に、誰ともなく特殊銃に手をかけていた。

84 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:23

｢あらぁ…！｣
｢理沙ちゃん、あの人たちやる気やよ。｣
十数もの銃口を向けられても、余裕の理沙と愛。
それが隊員たちの戦闘意欲に火をつけた。

｢この小娘達も処分対象だ！ さっさと始末して、矢口隊長を援護するぞ！ 全員構えっ！！｣

小隊長の命令に反射的に、みな銃床の下側を左手で押しあげる形でマシンガンを翻し、
二人の少女を斜めに傾くオプチカルサイトにおさめいれていた。

｢敵、狩娘二名。｣
｢了解！｣
｢撃てっ！！｣

ダダダダダダダッ！！

一斉射撃がはじまった。
まったく避けるそぶりも見せず、不敵な笑みを浮かべる二人の少女に、
対特殊犯罪用の高性能炸裂弾の嵐が襲い掛かる。

85 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:23

｢無駄ですよ。｣
｢な…！？｣
理沙の一言で、全て止まった。銃弾が。
生気を失ったように、そのまま重力に任せて落ちた。
地面に落ちた鋭利な銃弾は、皆白い輝きを発している。
凍結している。

｢これはいったい…？｣
｢あっしの能力やよ。｣
呆気にとられる隊員たちの目の前に、愛は手のひらを差し出した。
すると手のひらの上に、半透明な球体が出現した。
と同時に、辺りの気温が急激に低下し始めた。

｢愛ちゃんは凍気を自在に操れるんですよ。
　離れた物体も凍らせることが出来ます。｣
理沙が説明する。
先の銃弾も、愛の凍気によってエネルギーが失われたというのだ。
常軌を逸脱している能力に、隊員達は固まった。

｢次はアンタ達の番やよ。｣
そう言い終わらない内に、局地的な吹雪が辺りを覆った。
残されたのは、見事な氷像のみだった。

86 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:24

それに気付かず、真里の部隊は稲葉貴子達に必死の抵抗を続けていた。
雑兵同士の抗争は、やはり貴子配下のロボット達がガーディアンズ側を圧倒している。
既に隊員の中には数人死者も発生しているようだ。
だが隊長である真里はそんな部下達に構っている暇はなかった。
それだけ稲葉貴子という狩娘のステータスが高いのだ。

｢おい… あんまりアイツらを殺すなよ。あとで上司に叱られんのオイラだからよ。｣
｢お前んとこの部下がヤワなだけやろ？ 助けてやればええやん。｣
｢生憎それが出来なくてな…｣
｢ふん、安心しいや。お前が上司とやらに叱られることはない。
　この稲葉貴子がこの場でお前を狩ってやるからや！！｣
すると貴子の周囲に、ビル瓦礫やら小型のメカやら、あらゆる物質が集まり始めた。
貴子を中心とし、一種のバリアを築いているようにも見える。

｢ウチの“能力”はどんなガラクタからでも爆弾を作れること。こんな風にな！｣
すると、浮遊しているガラクタはいくつかのまとまりに収束すると同時に、
みるみるうちにその形状を変化させていき、球体へと化してゆく。

｢…今更言われんでも知ってる。｣
すると真里は隊員達の屍の上を飛び越えながら、貴子と距離を置いた。

87 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:25

だがそのタイミングを見計らったかのように、貴子は爆弾を放った。
｢逃げるのは結構やけどな、次の動作までには必ず隙が生じるで！！｣
｢どうかね…｣
貴子の言葉に冷笑を浮かべる真里。

｢セクシービームサーベル！！｣
真里はエネルギーを収束させ、右手に鞭状の武器を創り上げた。
彼女は爆弾が接触するよりも早くサーベルを出現させると、
見えない斬撃で爆弾の雨を貴子に弾き返した。

(そいつはフェイクやでヤグチ！！)
貴子は新たな爆弾を手に取ると、帰ってきた爆弾にそれをぶつけ、
お互いの爆風でその威力を相殺する。
辺りは黒煙に包まれた。

｢行け！ ロボットども！！｣
貴子が叫ぶ。
と同時に、ガーディアンズ隊員を片付け、手持ち無沙汰だったロボット達が、
弾かれたように煙の中から真里に向かって飛んできた。

｢ザコどもに構っているヒマねぇんだよっ！！｣
ビームサーベルを一閃させ、一気にロボット兵を斬る真里。

88 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:25

だが次の瞬間…

　ギィンッ！！

｢なにぃっ！？｣
突如真里の周りにロボットの残骸が集まり、真里を封じ込めてしまう。
残骸は次第に収束すると同時にその形状を変化させていき、十字架を形成していく。
唖然とする真里を捕らえたまま、十字架は地面に突き刺さった。

｢かかったなヤグチ。お前はもうその十字架からは逃げられん。｣
｢くっ… くそっ！！｣
真里の両腕両足は十字架に飲み込まれており、自由が利かない。

｢おまえは光のエネルギーを自由に操るが、手が使えなければ意味がないやろ？｣
｢チッ…｣
舌打ちをしつつも、真里は力ずくで拘束を破ろうとした。
だが、逆に十字架に締め付けられてゆく。

｢さっきの訂正や。ウチの“能力”はどんなガラクタからでも爆弾を作れること。
　ただしその際にはウチの意のままに形作ることができる。こんな風にな！
　爆弾とその威力だけに気ぃとられすぎやで、おチビちゃん。｣
｢くっ… このぉ…！｣
｢覚えておけ、ザコにもこんな利用法もあるって事をな。さあ、花火の時間や。｣
次の瞬間、貴子は十字架に向け右拳を振りかざした。それが起爆の合図だった。

89 ：忍者おじゃ丸：2003/11/21(金) 00:26

Hunt2.Explosion Demon of the Sun
>>75-88

90 ：おじゃ丸通信：2003/11/21(金) 00:27

　　　　　| | |　
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　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　　　　川o･-･)
　　　~（　」)V,_」
　　　 と､＿)∪ﾉ ｼｭﾀｯ!

　　　　　　　 　 　 　＿＿
　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ　／ 　　 ＼
　　　　(･-･o川＜ 　…。　 |
　　　~（　」)V,_」、＼＿＿／
　　　 と､＿)∪ﾉ

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　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ 　／ 　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 从o･-･o）＜　ども。忍者おじゃ丸です。　|
　　　~（　」)V,_」 、＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　 と､＿)∪ﾉ 　



　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜『狩娘−Hunter−』をお読みいただき、ありがとうございます。
　　　　　　　　まだまだ初っ端の初っ端ですが、しばらくお付き合い下さい。
　　　　　　　　娘のオリジナル小説書くのは久々なので、レスもらえて嬉しいです。
　　　　　　　　私は“レスくれくれ”なので、話の合間に盛り上げていただけると幸いです。
　　　　　　　　では個別レスをば…

91 ：おじゃ丸通信：2003/11/21(金) 00:27

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜まずは>>72さん。
　　　　　　　　｢つかみはオッケー（古…）｣ってことでよろしいですか？
　　　　　　　　今後の展開ですが、色々構想はありますのでお楽しみに。
　　　　　　　　（…ってゆーか、作り溜めしとけよ→自分）

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜続いて>>73さん。
　　　　　　　　バカな！ この私が二人！？ 川o･∀･)
　　　　　　　　…という冗談はおいといて、この路線が気に入っていただき良かったです。
　　　　　　　　娘小説のバトルものって案外多くない（と思う）ので、がんばります。

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜ラストに>>74さん。
　　　　　　　　そう、スケール“は”大きいんですよ。脳内計画はね…
　　　　　　　　既に矢口、中澤、稲葉、高橋、新垣（名前が出てる者）は登場させましたが、
　　　　　　　　他にもハロプロメンバーを片っ端から出す予定です。
　　　　　　　　従来の概念をぶち破るようなキャラも出したいですね。
　　　　　　　　巨大化するいいらさんとか、聡明ななっちとか、人気アイドルのケメコとか…
　　　　　　　　とにかく、これだけは約束します。完結はさせます！
　　　　　　　　挫折するにしても、ジャンプ10週打ち切り漫画の要領で締めます。

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜これからは週末中心に、最低でも週一回更新で参りますので、ヨロシク。

92 ：名無し娘。：2003/11/21(金) 00:40

川o･∀･)つ＜バトルモノはそれほど少なくないよ
　　　　　　　実際おいらも書いてたし。
　　　　　　　Ｍ刑事はご存知ですか？川o･ｰ･)
　　　　　　　これからの展開に期待します。がんばれ！　　　

93 ：名無し娘。：2003/11/21(金) 01:28

高橋の冷気ってのはいい設定だと思った

飯田は念力、安倍は毒になるのか・・・？

94 ：名無し娘。：2003/11/21(金) 17:37

（・∀・）ｲｲﾖｲｲﾖｰ

95 ：名無し娘。：2003/11/21(金) 20:47

新垣「里沙」ね。次からは訂正ﾖﾛ

96 ：名無し娘。：2003/11/26(水) 15:54

先にアドバイスしておこう。
亀井「絵里」だからな。
出す際にはﾖﾛｼｸ

97 ：名無し娘。：2003/11/27(木) 22:48

先に出しておくぉー
市井「紗」耶香だからにぇー

98 ：おじゃ丸通信：2003/11/27(木) 23:09

　　　　　| | |　
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　 　 　 　 | ||　
　　　　　　　|　
　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　　　　川o･-･)
　　　~（　」)V,_」
　　　 と､＿)∪ﾉ ｼｭﾀｯ!

　　 　 　 　　 　 　 　＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
　　　　ﾉﾉﾉﾉﾊヽ 　／ 　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　 从o･-･o）＜　明日夜更新予定です。　　|
　　　~（　」)V,_」 、＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿／
　　　 と､＿)∪ﾉ 　

99 ：おじゃ丸通信：2003/11/27(木) 23:10

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜>>92さん
　　　　　　　　｢M刑事｣は読んでいました。読者レスもしたことあります。
　　　　　　　　｢娘。戦記｣も含め、ハロプロキャラ総登場なのはすごい。
　　　　　　　　で、92さんは名無し狩人氏とは別の方ですよね？ 本人！？
　　　　　　　　別の方なら何を書かれていたんでしょうか？

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜>>93さん
　　　　　　　　高橋･新垣は、最初は稲葉配下（というか7AIRつながり）で、
　　　　　　　　空気関係の能力にしようかなぁ〜なんて思ってました。
　　　　　　　　でも、それじゃ空気と水と塩（笑）しか芸がなくなるので、
　　　　　　　　存在自体が寒い（と思われている）高橋は雪女にしますた。
　　　　　　　　稲葉さんが爆弾魔なのはボンバーだから、以上です。
　　　　　　　　なお、未登場の人物の能力予想をされると、パクります。多分。

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o・∀・o）＜>>94さん、どーもどーも！ もっと褒めて！！
　　　　　　　　
　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･д･o）＜最後に、私としたことが… 迂闊っ！！
　　　　　　　　　“新垣里沙”┬を辞書登録しますた。
　　　　　　　　　五期までは辞書登録してあったつもりでしたが…

　　　　　　　　　安部なつみ　飯田佳織　安田系　市井沙耶香　知真理
　　　　　　　　　後藤真紀　石川里香　吉沢瞳　籠藍　ついののみ
　　　　　　　　　高橋哀　小川琴美　紺野あさ美　新垣理沙
　　　　　　　　　…これで完璧です。

　　　　　　　　　>>95さん、ご指摘ありがとうございました。
　　　　　　　　　>>96さん、調べたところ、亀井絵里は大丈夫ですた。
　　　　　　　　　>>97さん、上のは冗談で、市井紗耶香は間違えません。

100 ：名無し娘。：2003/11/27(木) 23:11

期待sage！
ｲｲﾖｲｲﾖ！

101 ：名無し娘。：2003/11/27(木) 23:32

川o･∀･)つ＜「９２さんは名無し狩人氏」・・・です。
　　　　　　　
川o･∀･)つ＜レスを頂いたそうで・・・どうもです。
　　　　　　　そーですか・・レスを・・・・川o･ｰ･)　　　
　　　　　　　

102 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:48

Hunt3.Hunter of Shadow

ドォォォォォォォン！！


｢…！？｣
凄まじい爆音が轟き激しい爆風が巻き起こる中で、
何故か貴子は違和感を覚えた。
思いのほか、威力が弱いのだ。
真里を消すついでに、新宿も消滅させるつもりだったのだが…

｢あっちゃ〜ん、詰めが甘いよ。｣
｢…ヤグチ！？｣
黒煙の向こうに薄っすらと見える小さな影。
紛れもなく、真里だ。

｢そんなバカな… あの十字架から逃れられるはずない！！｣
貴子は悲鳴のような絶叫を上げると、次々と爆弾を放った。
だが、それは真里に到達する前にみな爆発し、消えてゆく。
｢！？｣
貴子が目を見開く。
今の現象はまるで真里に吸い込まれてゆくようにも見えたのだ。

｢信じられへんっ！！｣
ヤケクソ気味に爆弾を作り、放つ貴子。
だが、貴子の命とも言える無数の爆弾を、
真里はいとも簡単に消滅させて見せたのだ。

103 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:49

そんな彼女に慄然と身を震わせながら貴子が叫ぶ。
｢ヤ… ヤグチ… お前は… お前は一体…！？｣
｢さっきのアンタの言葉、訂正してあげるよ。
　オイラは光のエネルギーを自由に操るが、手が使えなければ意味はない。
　だけど、手が使えるようになりゃ、爆発のエネルギーはオイラものさ！！｣
愉快そうに笑みを漏らし、真里が貴子を見据える。

｢なるほど…｣
ようやく貴子は合点がいった。
爆発の刹那、真里の腕は十字架から解放される。
その僅かな一瞬で、真里は爆発のエネルギーをほとんど吸収してしまったのだ。
だから爆発の威力は低かった。だから真里は無事だった。

｢腕が解放されるか、胴体が吹っ飛ぶか… どっちが先か、一か八かの賭けだったけどね。
　でもオイラ運はいいみたいだね。おまけにこ〜んなお土産もいただいたことだし。｣
｢くっ…！｣
一気に立場は逆転した。
真里の両腕には溢れんばかりの光のエネルギーが蓄積され、今にも爆発しそうな勢いだ。
それを抑えていられる真里の体と能力が驚異的なのだが。

104 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:49

｢さっきののしつけて返すぜ！ スーパーセクシービーム！！｣
｢くっ…！｣
避けきれない！
威力の増した必殺光線は、貴子の右腕を消し飛ばした。

｢ぐああああああっ！！！｣
｢手加減しなかったら、今頃アンタはこの世にはいないぜ。｣
絶叫を上げ膝を突く貴子に向かい冷笑を浮かべる真里。

｢ぐっ… 何てことや…｣
レベルが違い過ぎる…
それだけの事だが、残酷な事実だった。
あれだけの破壊光線を放ったと言うのにも関わらず、
未だ真里の腕には、爆発のエネルギーが燻っている。
次くらえば腕だけでは済むまい。

｢くっ…！！｣
敗北を悟った貴子は、その場に崩れた。
体を震わせながら、残った左拳で地面を何度も叩きつける。

105 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:50

｢アンタにとってオイラは相性が悪かったんだよ。ただそれだけさ。｣
｢ヤグチ… こ、殺せ…｣
敵に情けを乞うことは恥、とするプライドによる最後の抵抗だ。

｢勿論そのつもり。けどよ、その前に訊きたいことがある。アイツは生きているのか？｣
｢ア… アイツだと…？｣
｢『漆黒の破壊魔』のことだ。｣
その言葉に、貴子の眉間がピクッと反応した。

｢ああアイツか… ふっ… 傷を癒し眠ってるところや。すぐに蘇るで。｣
｢やっぱそうか… じゃあ冥土の土産にオイラに訊くことはないか？｣
｢そうだな… ウチを倒しても“組織”の狩娘はまだまだおる。
　いつまでそんな防衛組織の部隊長などしているつもりや？
　強大な“組織”を敵に回して、勝てると思っているんか？｣
｢さあね。｣
｢ひどいやっちゃな… ちゃんと答えろや。まあええ。勝者の特権てことにしたるわ。｣

次の瞬間、貴子は自らをガラクタで包み、自爆した。
軽く都市一つ吹き飛ばす凄まじいエネルギーを残らず吸収しつつ、真里は呟いた。
｢だぁから被害を広げるなっつーの…｣

106 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:50

｢あれは…！｣
｢稲葉さん…！？｣
迫り来る隊員たちをみな氷像にし、鑑賞タイムとしゃれ込んでいた愛と里沙は、
貴子の死を直感的に悟った。

｢愛ちゃん、ターゲット変更だね。｣
｢うん。あっし達の手で矢口さんを殺るよ…｣
正直、二人がかりで勝てるかどうかはわからない。
だが、全身の震えが止まらない。
強き者と戦えることの喜びか、恐怖そのものが楽しみなのか…
それは彼女達にもわからない。

｢よっしゃあ！｣
｢行くやよ！！｣

ジャラアアアアアアア…！！

だがその時、愛と里沙の後方から何かが伸びてきて、
二人をまとめて拘束してしまった。
鎖のようだ。

｢動かないでもらえますか？｣
丁寧な口調だった。
しかし、まるで闇からの囁きの様にも聞こえた。

107 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:51

｢ハアッ！｣
｢フンッ！｣
突然のことではあったが、愛と里沙は少しも動じることなく、
力ずくで鎖を引きちぎると、声のしたほうを振り向いた。

｢！！｣
だが、目の前には夜の闇が広がっているだけで、
人影はおろか、気配さえも微塵も感じない。
だが、鎖も声も夢や幻ではなく、紛れもなく本物だった。
それより問題だったのは、その“相手”の接近に全く気付かなかった事だ。

｢愛ちゃん…｣
｢わかってる…｣
理由はわからないが、自分達が狙われている以上、呑気に構えてはいられない。
二人は見えぬ敵に対し死角を作らぬよう、背を合わせた。
神経を極限まで尖らせ、次に備える。

ズバッ！！

｢うわっ！｣
｢里沙っ… 何やよ！？｣
突如里沙の正面に刃が現れ、斬りかかってきた。
全く想定外の攻撃に里沙はただ後方にかわすしかなく、
背を合わせていた愛ともども、バランスを崩してしまった。

108 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:51

｢くっ… くそっ！！｣
舌打ちし、体勢を立て直す里沙と愛。

｢全部まとめてやってやるがし…！｣
凍気を扱う愛にとって人数的な不利などは物の数ではない。
先の隊員達など軽い準備運動程度で、百人近い兵隊を擁する師団を相手にしたこともある。
それだけの数を一度に相手に出来るだけの強さも自信も愛にはある。
だが、闇の向こうに感じる僅かな気配の群れ…
恐らくは最低でも十数人ほどの集団は、そんな愛と里沙を意にも介さずに、
蜘蛛の子を散らすようにその場から逃げ去っていく。

｢あれ…！？｣
｢逃げた？ いや。おかしいやよ…｣
圧倒的に有利な状況からの敵前逃亡は明らかに不自然だ。

｢里沙、追うやよ！｣
｢お… おう！｣
だが、愛は敢えて追うことにした。
例え相手がどのような策を弄していようと、狩娘のプライドがある以上、
目の前の獲物をみすみす取り逃がすことは出来ない。
敵の策を回避し、逆に相手を返り討ちにすればいいだけだ。
姿の見えない者達との追いかけっこが始まった。

109 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:52

｢待てっ！｣
｢このぉ！！｣
舞台は既に、多くの広葉樹が並ぶ森を持つ、巨大な公園の中へと移動していた。
見えぬ敵を追いかけ、愛と里沙はひたすらに疾駆していた。
少なくとも１０人はいることは判っている。
だが、狩娘二人に気配すら感じさせないとは、只者ではない。
敵の正体は未だ判ってはいないが、身のこなしといい完璧な気配立ちといい、
相手は尋常の訓練を積んだ者達ではないようだ。
言うなれば、“忍び”としての訓練を受けた者達…

｢里沙っ！！｣
｢おわっ！｣
咄嗟に愛と里沙は身をかわす。
林の奥から一直線に、小さな刃のようなものが放たれた。
闇から闇に消えていったので、何かまでは判別できなかった。

焦ったら負けだ…
必死に神経を尖らせ周囲を窺う愛と里沙。

110 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:52

｢そこやよ！！｣
｢愛ちゃん！？｣
刹那、愛が飛翔する。
先程の刃の弾道の真反対側。

｢双氷刃(そうひょうじん)！！｣
両腕に凍気を凝縮させ、二本の刺々しい剣を出現させると、
愛は猛然とその場目掛けてダッシュした。

案の定、そこには先程の一人と思われる黒装束の敵がリモコンらしきものを手に佇んでいる。
どうやら先ほどの刃は遠隔操作によるトラップだったようだ。
リモコン操作の際に生じた僅かな空気の流れに気づいた愛は、まっすぐ敵に向かう。

｢…！！｣
無言だが、慌ててその場から離脱しようとする黒装束。
｢逃すかぁ！！｣
その彼に向かって、愛は左手に持っていた氷の剣を投げつける。
氷の剣は唸りを上げて黒装束を追い、瞬時に敵を貫いた。

111 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:53

呻き声一つあげることなく、黒装束が倒れ伏す。
だが、愛は違和感を覚えた。
あまりにも手ごたえがないのだ。
これでは釈然としないので、愛は死体に近づいた。

｢これは…！｣
すぐに答えは出た。この敵はニセものだった。
氷の刃に貫かれていたのは、黒装束を纏った丸太一本。
どうやら変わり身のようだ。

ビッ！！
ビシュッ！！

｢うあっ！！｣
その隙を狙っていたかのように、無数の刃が愛を背後から貫いた。
その場には他にも隠れていたようだ。
危うく膝をつきそうになるが、すんでの所で愛は耐えた。

112 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:53

｢愛ちゃん！｣
｢里沙、大したことはないやよ。｣
駆け寄ってきた里沙に対し、浅手であることをアピールする愛。
それよりも、次の攻撃に備えなければならない。
背中に刺さった二三本の刃を抜き捨てると、両腕に凍気を集中させる。

だがそんな愛と里沙に、敵は更に追い討ちをかける。
不意に二人の足に何かが引っかかる。

｢ワイヤー！？｣
｢里沙っ、飛ぶやよ！！｣
鋭利な棘が仕込まれた有刺ワイヤーだ。
危うく足を刈られる寸前で、愛と里沙は上空へと飛翔する。
だが、それは敵にとって計算の内だったようだ。
瞬時に木々の間から無数のワイヤーが放たれ、愛と里沙の全身に纏わりくと、
二人はなす術も無く地面へと叩きつけられた。

｢ちっきしょう…｣
｢お返しやよ！！｣
まんまと捕らえられたことに歯軋りする里沙に対し、
愛は逆にワイヤー伝いに凍気を送り込んだ。

113 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:54

｢どう？｣
｢さあ… ね…｣
霜が張り付いたワイヤーを握りながら、愛は曖昧に答えた。
またしても手ごたえは微妙だ。
ワイヤーを手繰り寄せてみると、どれも途中で切られていた。
鋭利な切り口から、凍気が達する前に、敵が切ったものと思われる。
また敵は闇に消えた。
愛と里沙はまだ、攻撃に転ずることは出来ない。


（もうそろそろいいでしょう。矢口さんから随分離せましたし。）
氷のように冷たく鋭い視線が愛と里沙を貫いた。
それが敵の最終予告だった。
｢里沙、伏せろ…！！｣
｢ええっ！？｣

ズガガッ！！

気づくのがまた遅れた。
闇の向こうから放たれた数本の刃が、再び愛を貫いた。
一方里沙は愛に叩きつけられるような格好で、難を逃れていた。

114 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:55

｢ぐあっ…｣
｢愛ちゃん、しっかり！｣
先程まで必死に耐えてきた愛だったが、ここに来てついに膝をついてしまった。
愛が二度にわたって受けた刃の先には、特製の毒薬が仕込まれている。
普通の人間なら即死だが、狩娘に対しても遅効性の毒になるだけという、恐ろしいものだ。
もはや愛の肉体は毒に徐々に侵食されるのみ。
このままほっておいても死は免れないだろう。
だが与えられている指令は、抹殺ではなく情報の収集だ。
少しでも相手の情報を得ることが出来れば、任務完了である。

（では、仕上げにかかるとしますか。）
闇の狩人は虚空へと飛翔し、月明かりの下にその姿を晒した。

｢うっ！｣
草や土の擦る音さえ微塵も出さずに着地した敵に、愛と里沙は気づくのが遅れた。
里沙は愛をかばうように、敵と愛との間に立つ。
敵は黒覆面に黒装束。
薄々感じてはいたが、やはり忍び。
それも先の声から女忍者、くノ一のようである。

115 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:55

｢お、お前は何者やよ！？｣
｢『暗影の狩人』忍者おじゃ丸… とでも名乗っておきましょう。｣
覆面のくノ一は、そう答えた。

｢お… おじゃ丸ぅ！？｣
｢アンタ、ふざけてんの？｣
｢ふざけてなどいません。それは今の私の名前以外の何物でもありません。｣
こんなふざけた相手に翻弄されてたことに、腹を立てる愛と里沙。
一方、おじゃ丸は冷静に、のらりくらりとかわす。
おそらく、口では勝てないだろう。
そう感じた愛は、痺れる体を奮い立たせ、凍気を集中させる。

｢なら、そのふざけた名前を二度と言えないようにするやよ！！｣
｢愛ちゃん！｣
｢…！！｣
次の瞬間、おじゃ丸の足元で小さな竜巻が発生し始めた。

｢凍りつくやよ！！｣
そう愛が叫んだ次の瞬間には、おじゃ丸は巨大な竜巻に飲み込まれてしまった。
“ヴァーティカル･ブリザード”…
その名の通り、局地的に氷の竜巻を発生させる技だ。
普段は集団相手に使う凍気技を変形させ、強力な相手を凍らせる、愛の最大奥義だ。
中心気圧と風速は、一時的ながら台風の暴風圏を軽々越える。

116 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:56

｢これでどう…｣
愛の渾身の技が、黒衣のくノ一を捉えた… かに見えた。
だが…

｢ぐっ…！？｣
激しい虚脱感が愛の全身を覆い尽くす。
｢愛ちゃん！？｣
（こ… これは…）
おじゃる丸の毒が今、愛に対して牙をむき始めたのだ。
それにともない、ヴァーティカル･ブリザードの竜巻も次第に小さくなってゆく。

｢…！？｣
｢そんな…！｣
…と、竜巻の中に人影がいるのが確認できた。
やがて竜巻が収まると、おじゃ丸はさっきの場所に、何事も無かったかの様にたたずんでいた。
愛は、敵の想像以上の強さに焦り始めていた。

｢そんなバカな…！ アイツはヴァーティカル･ブリザードをまともに食らったはずやよ…
　それなのに何で無傷やの！？ 信じられん。アイツは一体何者なんやの？」
愛は窮地に立たされてしまった。
この技を食らってまともにいれた者は今まで一人もいないのである。
皆見事な氷の彫像になり、瞬時に竜巻で粉々にされていたのだ。
それ程強力な技を持ってしても、あのくノ一には効かなかったのである。
愛は焦った。

117 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:57

｢火遁の術…｣
そうおじゃ丸が呟くと、彼女の周りに炎の竜巻が発生した。
彼女はこの炎の竜巻で、ヴァーティカル･ブリザードを相殺したのだ。
だが、このことによって、愛と里沙は敵の正体の一部に気づいた。
人智を超えた能力を備えた少女…
おじゃる丸もその定義に見事に当てはまる。

｢あの炎、単なる炎じゃないやよ。｣
｢うん。アンタも狩娘だろ？｣
｢まあ、そういうことになりますね。｣
肯定してはいるが、曖昧に答えるおじゃ丸。
呆気にとられる愛と里沙をよそに、彼女は続ける。

｢『孤高の雪女』高橋愛さん。あなたに打ち込まれた毒薬…
　それが普通のものではないことが、容易に判ると思います。
　何しろ、私が調合した特製なので、解毒剤もこれだけ。｣
おじゃ丸は懐から小さなビンを取りだす。

｢何が… 言いたいやよ…？｣
毒が回ってきたのか、息も絶え絶えになりながら、愛が訊く。

｢…取引をしましょう。｣
｢取引ぃ！？｣

118 ：おじゃ丸：2003/11/28(金) 21:58

>>102-117
Hunt3.Hunter of Shadow

119 ：おじゃ丸通信：2003/11/28(金) 21:58

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　 　　＿＿＿＿＿
　　　| 　　　　　　　|＼ﾍﾟﾗｯ
　　　| 　　　　　　　￣|
　　　| 　　　　　　　 　|
　　　| 　　　　　　　 　|
　　　| 　　　　　　　 　|
　　　| 　　　　　　　　 |
　　　| 　　　　　　　 　|
　　　| 　　　　　　　 　|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　 　　＿＿＿＿＿
　　　| 　　　　　　　|＼
　　　| 　　　　　　　￣|
　　　| 　　　　　　　 　|ﾉﾊヽ
　　　| 　　　　　　　 　|-･o）＜ども。おじゃ丸です。
　　　| 　　　 　　 　⊂Γ )
　　　| 　　　　　　　　 |ノ
　　　| 　　　　　　　 　|
　　　| 　　　　　　　 　|
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
　 ﾉﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o・∀・o）＜いやぁ、矢口さんにゃ悪いんですけどぉ、もう主役ってカンジ？
　　　　　　　　　タイトルも『狩娘−Hunter−』から『忍たまおじゃ丸』でいーじゃん！
　　　　　　　　　…っちゅーわけで、本日のレスいてまえ！！

120 ：おじゃ丸通信：2003/11/28(金) 21:59

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜まずはキリバンダーの>>100さんですね。
　　　　　　　　そうそう。いつの間にかこのスレ上がってましたね。
　　　　　　　　これで今狩狩で話題沸騰中の“さしみ賞”も少しは狙えるでしょうか？
　　　　　　　　羊の小説投票では欄外というかゴミ箱だったので、欲しいかも。

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･o･o）＜そして驚きなのは>>101さん！
　　　　　　　　なんと名無し狩人氏だったんですね！ おじゃまビックリ！！
　　　　　　　　｢娘。戦記｣ほぼ毎日ご苦労様です。あれだけスラスラ書いてみたい…

　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）＜さぁて来週の『狩娘−Hunter−』は？

　 ﾉﾉﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　ﾉﾉ〜＾◇＾）＜キャハハ！ AAのヅラがなんとなく使いまわしの主役ヤグチだよん！
　　　　　　　　　なんか早くも主役交替ってか？ ジョーダンじゃねぇよ！
　　　　　　　　　でもオイラ強いっしょ。今ならボディガード安くしときまっせ。
　　　　　　　　　え？ オイラの異名？ ああ、『太陽の爆裂鬼』とかみたいなヤツか。
　　　　　　　　　いやね、実はまだ決まってなくてさぁ、オイラも困ってんだよね〜。
　　　　　　　　　『狂気の145センチ』とか『たとえば君が』とか『あなたがいるから』とか…
　 ﾉﾉﾉﾉﾊヽ
　从o･-･o）/＜それではまた来週この時間にお会いいたしましょう。
　　　　　　　　　おじゃバ〜〜〜〜イ！！

121 ：名無し娘。：2003/11/29(土) 21:51

同期なのに紺野に負ける高橋が不憫

122 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 11:58

川’ー’川 ＜どーも。『孤高の雪女』高橋愛やよ〜。あっしの活躍…

川’ー’川 ＜活躍…？

||'-' 川＜>>121さん…

（；・ｅ・）＜こ… これからが勝負だニィ！

123 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 11:59

Hunt4.Break Down Negotiations

｢そう、取引です。こちらがご用意する品はご覧の通り、毒薬の解毒剤です。
　これが欲しければ、貴方達の今回の作戦と、“組織”の目的を教えて下さい。
　本当なら貴方達を捕らえて、拷問にかけるのが手っ取り早いんですけど、
　こういう取引のほうがスマートですから。ね、どうしますか？｣
｢なっ…！｣
一気に勝負に出たおじゃ丸に、愛と里沙は絶句する。
冗談ではない。
命惜しさに、こんなふざけた忍びに情報を渡すなどもってのほかだ。
あくまで自分達は“組織”の駒だ。
秘密を固く守るのは義務であり常識だ。

｢愛ちゃん、ここは私に任せて。すぐに終わらす。｣
｢里沙…｣
愛の一歩前に踏み出した里沙は、おじゃ丸を指差し、言い切った。
｢悪いけど、そんな条件は飲めないね。力ずくでもそれを渡してもらう！｣

ブチッ！

里沙は自分の眉毛を数本抜き、それらにエネルギーを与えた。
すると眉毛であったものは瞬時にブーメランへと形を変える。
｢この『眉毛の魔術師』新垣里沙がね！｣

124 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:00

｢おやおや、交渉決裂ですか… でもしばしの猶予を差し上げましょう。
　もし取引をするつもりがあるのでしたら、この解毒剤を差し上げます。｣
里沙の能力を目の前にしても、顔色一つ変えず、おじゃ丸は解毒剤を懐にしまった。

｢猶予だって？ そりゃこっちのセリフだ。命が惜しければさっさと渡せ！！｣
ブーメランを力任せに投げつける里沙。
だが、おじゃ丸は楽々かわすと、里沙に対しても刃を放った。

｢新垣さん、貴方にも取引を申し込みましょうか。｣
｢イヤだね！ 眉毛ニードル！！｣
数本の黒い針が刃を弾き返す。
畳み掛けるように里沙はさらに沢山の眉毛を抜く。
これだけ抜いてもまだ濃いのだから、技は無尽蔵に出せる。

｢眉毛ネット！！｣
里沙はおじゃ丸を丸ごと包むように巨大な網を放った。
だが突如現れた投網に対しても、おじゃ丸は冷静に対処する。

｢どんな達人でも、技を放つ一瞬に必ず隙が出来ます。｣
力強く地面を蹴って網を回避すると同時に、里沙の懐に回りこんだ。

（速いっ…！）

125 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:00

｢それでは一発。｣
里沙に毒薬を仕込んだ刃が迫る。
だが、次の瞬間…

｢フリーズ･ブロウ！！｣
｢…！｣
二人の間を遮るように、愛が凍気を放った。
予想外の一撃に、ギリギリのところでおじゃ丸は上方に回避した。
しかしその行動は愛と里沙には予測可能であった。

｢い… 今やよ里沙ぁ！！｣
｢くらえっ！ 眉毛ニードル！！｣
空中で隙だらけのおじゃ丸に、無数の針が迫る…
が間一髪、おじゃ丸は空気を蹴るようにして回避した。

｢何っ！？｣
予想外の行動に里沙は理解が追いつかなかった。
だが、少し離れたところにたたずむおじゃ丸の姿を見てその疑問は解決した。

｢グライダー…！｣
黒装束の聖衣の背中に広がった大きな翼…
それはもともとおじゃ丸が装備していたものだった。
単なるグライダーも、おじゃ丸の“能力”によって若干の飛行が可能になるのだ。
隙だらけの空中において針の雨を回避できたのは、この翼のおかげであった。

126 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:02

｢まさか毒でリタイアの高橋さんが攻撃してくるとは思いませんでしたよ。｣
｢こっちも… そんなに手品を… 仕込んでるなんて… 思わなかった… やよ…｣
今の一撃で体力を消耗したのか、姿勢が保てず膝から崩れる愛。

｢愛ちゃん無理しないで！ ここは私が…｣
駆け寄って愛を支えようとする里沙。
だが、愛はその手を跳ね除け、再び立ち上がった。

｢愛ちゃん…！｣
｢毒を撃たれたのは… あっしのミスやよ… 解毒剤は… あっしの手で！！｣
すると愛は全身に凍気を纏い始めた。
白いベールに包まれ、愛の体がキラキラと輝く。

｢なるほど、自分の体を凍気で包み、極度の低温状態に保つわけですか…
　そうすれば血流も悪くなり、毒の侵食も遅らせることが出来ますね。｣
その様子を見ていたおじゃ丸は、納得したように頷く。

｢そ、そうやよ… 凍気を扱うあっしには… 低体温であろうと不自由はないやよ！｣
｢しかしそれでも毒の進行を僅かに遅らせただけ。あなたに勝ち目は…｣
｢ある！ 覚悟するのはお前やよ！！｣
｢こ、これは…！？｣

127 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:02

おじゃ丸は最初何が起こったのか解らなかった。
愛の言葉に驚いて身体を動かそうとして、自由が利かなくなっていたのだ。
それは、足下から高速で這い上がってきた凍気だった。
愛は公園の芝生越しに、おじゃ丸に向かって凍気を送り込んだのだ。
両足が完全に地面と一緒に凍結するまでわずかゼロコンマ数秒。
そのときには全身が凍気の浸食を受け、首から下は自由に動かせなくなっていた。

｢里沙に気を取られている間に、ちょっと地面に仕掛けておいたやよ。
　こうすれば、アンタが炎の術を出す暇もなく、凍らせられるがし。｣
｢新垣さんとの連携プレーも、地面から気を逸らさせるためですか…｣
｢そうやよ。里沙には悪いけど、よけられることも承知のうえでね。｣
｢…抜かりましたね。｣
完全に一本とられたとばかりに、おじゃ丸は悔しさを露骨に漏らした。
それを聞いて、愛と里沙の表情が緩む。

｢さあ解毒剤を渡してもら……｣

ガッッ！！

鈍い低音と重い衝撃が、逆転劇を演じたはずの愛の言葉を途中で遮った。

128 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:03

｢な… なん… やよ…？｣
愛は後頭部を襲った激痛の正体を知ろうとして振り向こうとしたが、
何か黒い物を視界の隅に収めたところで耐えきれなくなり、顔から地面に倒れ込んだ。
その愛に向かって、芝生を踏みしめる音さえ立てずに近づいてくる。

｢バカな…！｣
愛にかわって里沙が絶句した。
愛を攻撃したその者とは… 何とおじゃ丸であった。

｢どういうことだ！？ お前はここに！！｣
確かに、氷漬けのおじゃ丸は逃げてはいない。
そして今、愛を不意打ちしたのもおじゃ丸だ。
その理不尽さに、里沙の思考回路は固まった。

｢お…… お前は……｣
｢まだ口が利けましたか。さすがですね。｣
冷たいが、その丁寧な口調は紛れもなく本物だ。
理由はどうあれ、これだけ不意打ちばかりくらって倒れているなど、誇りが許さない…！

｢お… のれ……！｣
執念で立ち上がろうとしたが、ダメージが大きいのか、愛はすぐまた地面を舐めることになった。

｢恐ろしい執念ですねえ、狩娘ってのは。｣
｢この高橋愛… お前のような卑怯者に屈する膝は持っていないやよ！｣
｢卑怯者… ですか。貴方達にそんなこと言われる筋合いはありませんが。
　私は一人の忍びですので、これが私の“正々堂々”とした戦いですよ。｣

129 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:04

おじゃ丸の口調が芝居がかったものからやや固さを持ったものに変わった。
里沙だけは見ることが出来たが、おじゃ丸の顔から皮肉っぽい笑みが消えていた。

｢正々堂々と戦えば、負けることも許されると思いますか？
　目的を為すためにはいかなる手段を使っても勝たなければなりません。
　なぜなら、自分の正義を掲げることが出来るのは常に勝者だけだからです。
　いかにお題目を掲げて綺麗に戦ったところで、負けてしまえば何も出来せん。
　“死人に口無し”って言うでしょう。死人には法の保護もないですしね。｣
｢ぐっ…｣
｢…｣
二人とも何も言い返せなかった。
自分達だって卑劣なテロ行為で先手を取ったからに他ならない。
おじゃ丸に何を言おうと、負け惜しみ同然なのだ。

｢私には私のやるべき任務があります。それを遂行するまでは死ねません。｣
愛と里沙には分からなかったが、これはおじゃ丸自身に対する叱咤だった。
自分の本当の役目はまだ果たしていない。

｢だ… 黙れぇ！ 眉毛ウィップ！！｣
おじゃ丸の口撃に耐え切れなくなった里沙が、飛び掛ってきた。
眉毛を変幻自在の鞭に変え、おじゃ丸を捕らえようとする。

｢…少しは話を聞いて欲しいものですが。｣
捕らえどころのない、水のような動きでおじゃ丸は鞭をかわす。
｢仕方がありません。“正々堂々”やってやりましょう！！｣
｢…！！｣

130 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:05

里沙は自分の眼を疑った。
両目を何度も手でこすった。
視力が低下したのかと思った。
おじゃ丸が分裂した。

｢これは…！｣
｢どうです？ おなじみ“分身の術”です。｣
１０人ほどに分身したおじゃ丸は、一斉に答えた。

｢なるほど…｣
ようやく合点がいった。
最初愛と里沙を襲ってきた集団は、皆分身だったのだ。
愛に凍らされたのも分身だろう。
その凍らされたおじゃ丸は既に消えていた。
恐らく不意打ちしたのが本物だったのだろう。
その本物も、もはやどれだか判らなくなってしまったが。

｢何度も言いますが、自分の力を余すことなく見せることが“正々堂々”なら、
　私の分身の術も、勿論この範疇に入ります。全然卑怯じゃありません。｣
｢今更くどい。こっちも力の全てをぶつけてやる！！｣
既に愛は冷凍睡眠の状態だ。
毒の進行を遅らせているとはいえ、里沙にとっては非常に気がかりだ。
１０人相手にひるんでいる暇などない。
｢いくぞ！！｣
｢…！！｣

131 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:06

里沙は鉄砲玉のように、真っ正面のおじゃ丸に襲いかかった。
弦がちぎれる寸前まで引き絞られた弓のようなものだったので、
里沙はたぎらせていた怒りを爆発的に振るうことになったのだ。

｢眉毛クロウッ！！！｣
太い針状に変形させた眉毛を右手に仕込み、相手を貫く拳である。
このスピードなら避けられるはずがなかった。
あらかじめその動きを予想しているのでも無い限り。
だが正面のおじゃ丸は、その動きを完璧に先読みしていた。

｢何っ！！｣

喉元を目がけて一直線に迫った里沙の右手が、おじゃ丸の首を貫いたときには、
他のおじゃ丸が既に里沙の左側に回り込んでいた。
里沙の一撃に触れたのは、正面のおじゃ丸の残像のみ。
先読みしていたとはいえ、相当の速さが無ければ出来ない芸当だ。

｢いただきます！｣
鋭利な手甲鉤をはめたおじゃ丸の右腕が、がら空きの左肩へと命中… する寸前、

｢眉毛クロウアッパーッ！！！｣
｢うっ…！！｣
反応できるはずが無いと思われた左腕が、手甲鉤を弾き返した。
耳障りな金属音が響く中、里沙とおじゃ丸集団は再び距離を取った。

｢…信じられませんね。よく反応できたものです。｣
この交錯で里沙を仕留めるつもりだったおじゃ丸は驚愕の色を隠さずに呟いた。

132 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:07

｢忠告しておくよ。本気でくるなら、その分身を解いたほうがいい。｣
｢…！ 今ので気づかれましたか、分身の弱点に…｣
言葉少なであったが、里沙の言わんとしていることにおじゃ丸は気づいた。
彼女の分身の術の弱点は、精神力の膨大な消費にある。
スピードやパワーを1/10にしてしまわなういようにするためなのだが、
やはり分裂させてしまった弊害は僅かながら残ってしまう。
分身1/2と1/10を比べてみて、里沙はその僅かな差に気づいたのだ。

｢どうやら高橋さんより侮れないようですね、あなたは…｣
能力そのものという点では愛の凍気に分があるが、
戦闘における洞察力などは里沙に軍配が上がる。
実戦では、こういうサポートで力を発揮する者ほど脅威である。

｢いいでしょう。１対１で！｣
そう言うと、おじゃ丸は一人に収束し芝生を駆けた。
あっさりと仕留めることが出来るほど、里沙が容易な敵でないことは確認できたので、
とにかく自分のペースに巻き込むよう、接近しつつ無数の手裏剣を繰り出す。

｢眉毛アーマー！！｣
全身を覆う鋭利なデザインの鎧を武装すると、里沙は防御の構えに入る。
手裏剣を避けきれずに、鎧は幾度と無く衝撃に震える。
元は眉毛とはいえ、里沙の創りだした鎧はそう簡単に打ち破られるものではないが、
その強度と防御力に頼りきるのは危険だった。

｢とあっ！｣
かわす動きが大きくなった、とおじゃ丸が気づいたときには、里沙は斜め後方へと跳んでいた。
同時に彼女はまた眉毛を抜いている。

133 ：哀さん通信：2003/12/06(土) 12:08

｢眉毛アクス！！｣
里沙が扱うには少し大きめの斧が現れた。
彼女はその大きめな斧を片手で振り上げた。
ゆっくりとした動作に見えるのに、それだけで大気が唸りを上げる。
空気との摩擦で火がつきそうな程だ。

｢くらええっ！！｣
思い切り振りかぶった横薙の動きから、斧をおじゃ丸目がけて投げつけた。
まるで意志があるかのように、斧はアーケインを完璧に捉える。
様々な武器を創り扱いこなすことも、彼女の真の“能力”の一つなのだろう。

｢やはり侮れませんね…｣
里沙と距離を置きつつ、おじゃ丸は呟いた。
鎖分銅を取り出し、回転しながら飛んでくる斧めがけて放つ。
だが、

キィィィィィン！！

弾かれた。
斧は軌道を変えることなく、おじゃ丸に向かってくる。

｢くっ…！！｣
斧と直接対抗するのは不利と判断したおじゃ丸は、素早く横飛びで斧をかわした。
しかし、高速回転する斧が発生させる竜巻のような気流からは逃げ切れなかった。

パシッ！

楕円軌道を描いた斧が里沙の手元に戻ってくるのと、
鋭利な気流によっておじゃ丸の覆面が切り裂かれたのはほぼ同じだった。

134 ：哀さん通信 by おじゃ丸：2003/12/06(土) 12:10

>>123-133
Hunt4.Break Down Negotiations

||'-' 川＜ど… 毒が…

135 ：名無し娘。：2003/12/06(土) 17:56

新垣・鬼太郎・里沙か

136 ：名無し娘。：2003/12/14(日) 01:17

とうとう止まっちまったな

137 ：名無し娘。：2004/01/05(月) 22:54

更新希望。

138 ：名無し娘。：2004/02/02(月) 21:04

帰ってくるさ。

139 ：名無し娘。：2004/02/18(水) 15:05

帰ってこないと思います

140 ：名無し娘。：2004/02/19(木) 04:46

返してくれるさ

141 ：名無し娘。：2004/03/07(日) 22:14

大々的に始めたくせに結局この程度か
最初は良かったんだけどなぁ

142 ：名無し娘。：2004/03/10(水) 21:23

で、どんなネタスレにする？

143 ：名無し娘。：2004/03/23(火) 16:42

戻ってくるのかこないのかそれが問題だ

144 ：名無し娘。：2004/03/23(火) 16:50

何ヶ月待つつもりなのよ

145 ：agere：2004/04/06(火) 12:52

みんな大変そうだね

146 ：名無し娘。：2004/04/21(水) 19:49

戻ってきたじゃないか

147 ：名無し娘。：2004/04/22(木) 23:20

ヤンジャンさんおかえり〜〜〜

148 ：名無し娘。 ：2004/05/03(月) 23:22

｢あ゛〜… 久々のシャバの空気はうめぇなぁ｣
都会の薄汚れた空気を煙草を吸うように味わいながら、少女は呟いた。

｢しっかしあんなに裁判が長引くなんて思ってもなかったぜ｣
｢それでもこれだけ短い刑期で終えられたんだ。少しは私に…｣
｢ああ。感謝してるしてる！ これもみんなアンタのおかげさ｣
感謝の意など微塵も見せず、後方の女性に礼を言う少女。
よく作られた笑顔が非常に判り易い。
だが女性の方はそんなことを少しも気にせず、不敵な笑みを浮かべている。

｢望みがある｣
｢望み？ かつては敵だったこのアタシに一体何をしてほしいんだ？｣
｢一級ハンターとしての腕を借りたいのさ。あいつらを潰すために｣

149 ：名無し娘。：2004/06/05(土) 00:40

保全の守

150 ：名無し娘。：2004/07/08(木) 22:18

しんどいのか？

151 ：名無し娘。：2004/08/08(日) 20:03

しんどいいうな

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