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ドンドコ ドンドコ ドンドコドーン
- 1 :名無し娘。:2003/09/09(火) 21:21
- ごめん
- 10 :名無し娘。:2003/09/13(土) 15:30
- >>9
俺は貴様ほど急ぎすぎもしなければ、狩板に絶望もしちゃいない。
- 11 :名無し娘。:2003/09/13(土) 15:50
- >>10
なら今すぐ狩住人全てに良スレを授けてみせろ!
- 12 : :2003/09/13(土) 19:18
- 貴様をやってからそうさせてもらう!!
- 13 :名無し娘。:2003/09/13(土) 20:07
- >>12
あんた!ちょっとセコいよ!
- 14 :名無し娘。:2003/09/13(土) 20:21
- この板、狩狩は、狩板のスレと新スレを繋ぎあわせて建造された、
極めて不安定なものである。
それも、過去の狩板消失論争で生まれた狩板民の為に、急きょ建造されたものだからだ。
しかも、狩ROMがネタ書きに対して行った施策はここまでで、スレさえ立てれば良しとして
彼等はROMにひきこもり、我々にネタを解放することはしなかったのである。
狩のネタ書き、例総合は、乱立ばっかで更新全然してねえスレすなわちたとえば〜スレを復活させようとしたとき、
例総合は狩住民に黙殺された。そしてその住民は糞スレをかたり、狩板にあいうえお作文を
仕掛けたのである。その結果は諸君等が知っているとおり、( `.∀´)<インポインポインポ!に終わった。それはいい。
しかし、その結果、狩板住民は増長し、狩板のネタスレは過疎化し、吉澤太りすぎスレのような糞スレ乱立スクリプト
を生み、狩板の思い出を語る雑スレの四夜連続祭りともなった。これが難民を生んだ歴史である!
- 15 :名無し娘。:2003/09/13(土) 20:31
- ここにいたって私は、この板が今後、絶対に衰退を繰り返さないようにすべきだと確信したのである。
それがこんな演説を書き換えたものでワラタのレスを狙う作戦の真の目的である!
これによってネタ書きのネタを書く気力である、ROMにネタの感想を書かせる!」
諸君! 自らの道をひらくため! この板のための良ネタを手にいれるために、あと一息!
諸君等の力を私に貸して頂きたい! そして私は、インポのもとに召されるであろう!!
- 16 :名無し娘。:2003/09/13(土) 20:37
- >>14
その歴史、思いっきり間違ってるんですけど。
- 17 :名無し娘。:2003/09/13(土) 20:53
- マジにネタレスってヤツか?
- 18 :名無し娘。:2003/09/13(土) 20:57
- マジレスは否定しろ
- 19 :名無し娘。:2003/09/13(土) 20:58
- なんでネタにマジレスをする!?.
これでは、スレが寒くなってネタが書き込めなくなる! ネタスレの冬が来るぞ!
- 20 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:03
- ネタスレの連中は、自分達の事しか考えていない
だからマジレスすると宣言した
- 21 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:06
- ROMがROMに罰を与えるなどと!
- 22 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:06
- そうか、ROM達はマジレスを求めていたのか
それで、それをネタ職人は迷惑に感じて、マジレスをネタにしたんだな
- 23 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:10
- >>21
この私、名無し娘。がマジレスしようというのだよ!ネタ職人!
- 24 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:11
- エゴだよそれは!
- 25 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:13
- ネタスレがもたんときが来ているのだ!
- 26 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:15
- くだらないネタをこのスレに書き込む。総員、ワラタ用意
- 27 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:19
- これではガンダムスレだよ
- 28 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:20
- ネタ書きも断定はしていないのですが
このネタは旧シャア板への書き込みの誤爆だということで
- 29 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:23
- 凄いネタじゃないか
- 30 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:23
- なんてスレだい!この板は娘。がメインだってのに
- 31 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:33
- ネタ職人は、名無しと一緒にマスオ荒らしと戦ったが
あれでスレに住んでるROMの連中の実態がわかって
本当に嫌気がさしたんだぜ
- 32 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:36
- ばかな!ローカルルール違反だ!
- 33 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:41
- ここにもマジレスが一発・・・?やるな名無し娘。・・・!
- 34 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:42
- ええい、名無し娘。達、一番熱量の高いネタだ。ワラエー
- 35 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:43
- マジレスの事を知らないんだな・・・マジレスはいつもインテリが始めるんだ。
夢みたいな目標を持ってやるからいつも過激な事しかやらない!
- 36 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:45
- 煽りをやられただけなんだからさあ!
突っ込みが足らない!
まだもう一レスできる!ネタを!.
- 37 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:47
- マジレス・・・行け!忌まわしい糞スレと共に
- 38 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:48
- 糞スレにはコピペ荒らしの仕事が山ほどあるよ
- 39 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:49
- 私はネタスレ再建と打倒コピペ荒らし以外に興味は無い
- 40 :名無し娘。:2003/09/13(土) 21:50
- あ・・・あたしがマジレスを受けている!?
- 41 : :2003/09/13(土) 23:05
- 馬鹿な・・・クソスレと踏んだこのスレがここまで来るとは・・・
分からない・・・何が真実なのか私にはわからない・・・
ララァ・・・私を導いてくれ!!!
- 42 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:19
- スケベども!
- 43 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:22
- アンタのレスなんて聞けないよ!
- 44 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:25
- アタシのレスに色んなレスが返ってくる・・・・・・!
気持ち悪い・・・・・・ッ!
- 45 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:26
- なんなの・・・遊んでるんじゃないの・・・?
- 46 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:29
- 厨が敏感すぎたんだ・・・
ストレートにネタに反応するから・・・
- 47 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:30
- あんたがいなけりゃ狩にいられたのにー!!
- 48 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:36
- ROM専どもにその才能を利用されている者が、言うことか!
- 49 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:38
- 狩板が・・・死ぬ!?
- 50 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:38
- 私たちを見捨てるつもりなんですか・・・?
- 51 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:40
- 狩板の崩壊は始まっているんだよ!
- 52 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:43
- こんなことに付き合う必要はない!
- 53 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:45
- レスが集中しすぎて、鯖が落ちているのか・・・?
- 54 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:45
- ジエン?
- 55 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:47
- 全部俺
- 56 :名無し娘。:2003/09/13(土) 23:51
- それでも狩住人ですか!軟弱者!
- 57 :例総合:2003/09/14(日) 00:00
- マジレスが来たか!
厨なら下がれ!
- 58 :名無し娘。:2003/09/14(日) 00:04
- スレが安定して続くためには!
- 59 :名無し娘。:2003/09/14(日) 00:06
- ボブ・・・どこいっちまったんだよぉ・・・
- 60 :名無し娘。:2003/09/14(日) 00:16
- ジーク ジエン! ジーク ジエン!!
- 61 :名無し娘。:2003/09/14(日) 00:29
- みんなー!狩狩はいいとこだぞー!早く移ってこーい!
- 62 :名無し娘。:2003/09/14(日) 00:50
- ボブ如きに、狩狩を盛り上げられることがでっきるわっきゃねーだろー!
- 63 :名無し娘。:2003/09/14(日) 00:56
- このスレはまだ夏なのか?
- 64 :名無し娘。:2003/09/14(日) 01:19
- 憎んでくれていいよ
- 65 :名無し娘。:2003/09/14(日) 12:30
- ネタかけない子にはお仕置きをしてあげないとねぇ
- 66 :名無し娘。:2003/09/15(月) 16:41
- 狩狩は伊達じゃない!
- 67 :名無し娘。:2003/09/19(金) 14:03
- ヒトイネ
- 68 :名無しちゃんいい子なのにね:2003/09/20(土) 00:53
- 从^◇^从<スレ、ここからsageていけばいいよね。
从#~∀~#从<厨房が入ってこなければよろしい。
……というわけで、このスレ、頂いてもいいかしら?
- 69 :名無しちゃんいい子なのにね:2003/09/20(土) 00:58
- ごめん。スレ、あったわ(汗
- 70 :名無し:2003/10/06(月) 23:16
- いただくかな・・・
- 71 :名無し娘。:2003/10/06(月) 23:18
- どうぞ
- 72 :名無し:2003/10/07(火) 00:54
- 明日あたりに短編モノを・・・
- 73 :名無し娘。:2003/10/07(火) 19:34
- >>72
期待スパサゲ
- 74 :名無し:2003/10/07(火) 22:54
- もう少しかも・・・
- 75 :名無し:2003/10/08(水) 16:25
- 機動戦士ガンダム系小説
〜白銀のMS〜
- 76 :名無し:2003/10/08(水) 16:26
- 地球連邦軍 北米大陸第4基地 士官用の宿舎棟。
宿舎の長い廊下にズラッ、と並ぶドアの数。
ドアにはそれぞれの部屋番号が刻んである。
「ゴトウ大尉!!ゴトウ大尉!!起きて下さい!!」
オガワ軍曹はそう叫びながら、<51>と刻まれたドアを叩く。
もう10分以上こうしているのに、出てくる気配は全く無い。
それでも少女はドアを叩き続ける。そして、名前を呼びつづける。「ゴトウ大尉!!」と。
「もう・・・何で出てきてくれないんですかっ!!」
オガワはドアを叩く手を止め、がっくりとうなだれた。
一般兵用の部屋のドアは薄いスチール製だが、士官用のドアは固い鉄製になっている。
鉄ドアを叩き続けたオガワの手は真っ赤になっていた。
その時、廊下を駆ける音と共に聞きなれた声が耳に飛び込んできた。
「オガワ!!ごっちん起こせた!?」
その声の主は、オガワの所属するプッチ隊の副隊長 ヨシザワ少尉だった。
- 77 :名無し:2003/10/08(水) 16:26
- 「ヨシザワ少尉・・・ダメです!!全然起きて来てくれません!!」
「そうか。OK。そんじゃ私が起こすよ。」
ヨシザワはオガワの横に立つと、1回深呼吸をした。
そして次の瞬間、固めた拳で思いっきりドアをぶん殴った!!
ガーーーーンッ!!!
ものすごい音だ。例えるなら耳元で金だらいをハンマーで思いっきり叩くくらいの轟音。
この音を聞いて眠っていられるものはいない。最強の目覚まし時計である。
案の定、数秒後にドアは開き、中からは眠たそうに目をこするゴトウ大尉が出てきた。
タンクトップに短パンというかなりラフな格好だった。
「んん〜?何だよぉ〜折角気持ちよく寝てたのに・・・」
「何だよじゃないよ!!ごっちん!!今日は<午後1:00から新型MSの機動実験がある>って中将が言ってたじゃん!!」
ヨシザワのその言葉を聞いて、ゴトウの顔が一瞬で強ばった。
- 78 :名無し:2003/10/08(水) 16:26
- 「んああっ!!しまった!!忘れてたよ!!早くいかないと!!」
「もう予定時間を20分も過ぎてます!!大尉!!すぐに身支度をして格納庫まで来てください!!我々は先に行きます!!」
「うん!!分かったよ!!」ゴトウはそれだけ言うとすぐに部屋に引っ込んでいった。
「よしっ。そんじゃオガワ!格納庫までダッシュね!!」
「了解です!!」
オガワとヨシザワは踵を返すと、一気に駆け出した。
上官からは<廊下を走るな>と教えられていたが、今はそんなことを気にしている場合じゃない!
その頃、格納庫ではプッチ隊のオペレーターのアヤカ軍曹がゴトウ大尉の遅刻の事で嫌味を言われまくっていた。
「全く・・・軍人としての自覚はあるのかねぇ。君のとこの隊長さんは。」
アゴにたくわえた白ひげをなでながら笑うのはヤマザキ少将だ。
戦闘に関することは何も出来ないクセに、ただその階級の高さだけで威張っているその男は全ての兵から嫌われていた。
所詮は紙の上での戦争しか知らない、クソ野郎だ。
アヤカはそう思いながら「申し訳ございません。」と感情のこもっていない無機質な返事をした。
- 79 :名無し:2003/10/08(水) 16:27
- 「全く・・・少しくらいMSの腕がいいからって調子に乗ってもらっちゃ困るんだよ。軍人は時間に厳しくないとねぇ。」
ヤマザキのゴツゴツした手がアヤカの腰に伸びた。
「少将・・・やめて下さい。」
アヤカがその手を払おうとして・・・止めた。
自分は軍曹で相手は中将。階級では圧倒的な差がある。
軍人は階級にうるさい生き物だ。一つでも階級が上の相手には絶対に服従しなければならない。
ましてや、相手が中将ともなれば逆らう事などまず、無理だ。
(ヨシザワ少尉がゴトウ大尉を愛称で呼んでいることなど、本来、ありえないことだ。)
「ん?今、何か言ったかな?」
ヤマザキは汚い笑みを浮かべながらアヤカの顔を覗き込んでくる。
「いえ・・・。」アヤカはそう答えるしかなかった。
「中将の奴、また始めやがったぜ。」
「ばかっ!聞こえちまうだろ!!」
メカニック達がMSの整備の手を止め、囁き出す。
だが、それもヤマザキが一睨みしただけで収まった。
- 80 :名無し:2003/10/08(水) 16:27
- ヤマザキはその反応に満足したかのようにフフン。笑うと、さらに言葉を続けた。
「アヤカ軍曹・・・君にはあのMSが見えるかな?」
ヤマザキの指差す先には、RX−79(G) 通称:陸戦ガンダム があった。
「ハイ。」アヤカは頷いた。お尻をまさぐるヤマザキの手の感触に耐えながら。
「あのMSは我がニューバーン基地が連邦軍より機動実験を任された機体なんだ。
本当なら今頃には実験を完了させ、その報告書を本部へと送らなくてはならない。
それなのに!!予定時刻を20分過ぎた今になってもテストパイロットは現れない!!
これはとんでもない事なんだよ!!アヤカ君!!もしかしたら連邦軍本部の怒りを
買って、あのMSを回収されてしまうかもしれない!!
そして、もう2度と我が基地には新型MSが来なくなってしまうかもしれない!!
この基地の格納庫は陸ジムだけになってしまうかもしれないんだ!!!」
ヒートアップするヤマザキ少将。
そこに、オガワ軍曹とヨシザワ少尉が現れた。
そして、その後ろにはノーマルスーツに身を包んだゴトウ大尉が立っている。
- 81 :名無し:2003/10/08(水) 16:27
- 「ゴトウ大尉!!只今、到着しましたぁっ!!」
ゴトウはヤマザキに敬礼をする。
しかし、まだ寝ぼけているのかその手は逆だ。
「君の遅刻グセはいつになったら治るんだろうなあ?ゴトウ大尉?」
ヤマザキはようやくアヤカのお尻から手を放すと、ゴトウに歩み寄る。
アヤカはその隙にオペレーター席へと走った。
「いやぁ・・・申し訳ございません。」
ゴトウは相変らず逆の手で敬礼したまま、とりあえず謝った。
「君は本当に分かっているのか!?軍人は時間にルーズじゃいかんのだ!!」
ヤマザキがゴトウの髪の毛を掴み取る。
「イタタッ・・・少将!!止めて下さい!!」
「少将!!」これにはヨシザワも止めに入る。
しかし、ヤマザキは髪を引っ張る手を止めようとはしない。
- 82 :名無し:2003/10/08(水) 16:28
- そこに、アナウンスが流れた。
「ゴトウ大尉。MSへの搭乗願います。直ちに機動実験を開始します。」
アヤカの声だった。
それを聞くとヤマザキは仕方なく手をはなした。
そして、舌打するとそのまま格納庫から立ち去っていった。
「ごっちん、大丈夫?」
心配そうなヨシザワにゴトウは「うえ〜ん。痛かったよぉ〜」と抱きついた。
ヨシザワはそのゴトウの体を暖かく迎えてやると、「よしよし。」と背中を叩いてあげる。
その姿はまるで赤ん坊をあやしている母親のようだ。
ゴトウは少しの間ヨシザワの肩に顔をうずくめると、静かにその体を離した。
そして満面の笑みで、
「ありがと!大分落ち着いたよ!!そんじゃそろそろ行ってくんね!!」と言うと、陸戦ガンダムの方へ駆けて行った。
陸戦ガンダムの胸部からはワイヤーが真っ直ぐに垂れていた。
ゴトウはそれに掴まると、先端についた足のせにブーツを引っ掛けた。
するとワイヤーが巻き上げられ、ゴトウの体は陸戦ガンダムの機体の前を昇っていく。
そして、コックピットへとたどり着くと素早くその身を滑り込ませた。
「ゴトウ大尉!」コックピット脇によせられた作業用タラップから声が投じられた。
見ると、そこには整備兵のコンノ伍長が立っていた。
- 83 :名無し:2003/10/08(水) 16:28
- コンノはコックピットを覗き込みながら、「整備は完璧です!!」と言ってくれた。
「うん。いつもありがとね。」ゴトウはそれに笑顔で返すと、コックピットの開閉スイッチを押した。
ハッチが閉ざされると、モニターが作動する。
そこでゴトウは自分がシートベルトを装着していない事に気付いた。
「あっ!!計器のチェックもやってないや!!あとヘルメットも!!」
ゴトウは慌ててシートベルトをすると、ヘルメットをかぶった。
そして急いで計器のチェックをしようとしたとき、通信用モニターにアヤカの姿が生じた。
「準備はよろしいですか?大尉。これより機動実験を開始しますが・・・その前に簡単に説明をさせていただきます。」
「あっ!!ちょっと待って!!計器のチェックがまだなの!!まぁ、コンノちゃんが整備してくれてたから問題無いと思うけどさ。」
ゴトウはそういいながら大まかな計器をササッ、と見ていく。
「うん。全て異常なし!!」
その作業はわずか2秒ほどでおわった。
「それでは説明です。今回の機動実験では、遠隔操作された無人MSと戦闘していただきます。
ターゲットは全て鹵獲した敵軍MSで全部で5機です。それらを全て倒したら帰還して下さい。」
「うん。分かったよ。」
ゴトウはそれだけ言うと、ヘルメットのバイザーを下ろした。
- 84 :名無し:2003/10/08(水) 16:28
- そして、格納庫のシャッターが開ききったのを確認すると、ゴトウはぺダルを踏み込んだ。
「ゴトウ大尉!!行きます!!」
陸戦ガンダムが低い音をたて、歩き出した。
ガンダムは格納庫を出ると、アスファルトで舗装された道を進んでいく。
こうして機動実験の行われる訓練所まで向かうのだ。
「あ〜あ。ここの訓練所嫌いなんだよねぇ〜。ビルに付いてるカメラは滅茶苦茶もろいし、壊したら怒られるし・・・。」
ゴトウはコックピットの中で愚痴った。
それにアヤカが返答する。
「仕方ないですよ。この基地はこの訓練所しか無いんですから。それに、どんな環境でも戦うのが兵士ってものです。」
「う〜ん。ま、そうだけどさ。」
ゴトウは納得したようなしてないような感じの返事をすると、ペダルをさらに深く踏み込んだ。
すると、ガンダムは走り出す。
- 85 :名無し:2003/10/08(水) 16:29
- 「確か時間無いんだよね?じゃ、ちょっと急ごう!」
「そうですね。でも・・・大尉が寝坊しなければ急ぐ必要も無いんですけどね・・・。」
「うん・・・。ゴメンね・・・。ちゃんと目覚ましセットしたんだけどなぁ〜。」
「と、いうより何で昼間まで寝ていられるんですか?普通、朝になったら目が覚めません?」
「いやぁ〜ゴトウは目覚ましが無かったらずっと、起きれないね。多分、夜まで寝てたよ。」
「そうですか・・・。」
アヤカは呆れ顔で返すと、それ以上何も言わなくなった。
やがて、陸戦ガンダムは訓練場に到着した。
石畳の敷き詰められた地面の上に、無数のビルが立ち並んでいる。
これらのビルには全て計測用のカメラが取り付けてあり、あらゆる角度から実験機の姿を映し出せるようになっている。
そして、それらをグルリと囲む背の高い鉄条網。
この景観はいつ見てもどこか不自然さを感じてしまう。
閉鎖的というか何と言うか・・・。
一応言うと、この訓練場は縦横、共に1000メートルというなかなかの広さを誇っているのだが、
それでも、どうしてもこの閉塞感を拭い去る事は出来なかった。
- 86 :名無し:2003/10/08(水) 16:29
- 「それでは只今より機動実験を開始します!準備はよろしいですか!?」
モニター越しにアヤカが言った。
「いつでもいいよ!!」
「では始めます!!敵MS降下!!」
アヤカの声を合図に、一機のザクが地上に降り立った。
ザクは着地と同時にマシンガンを放ってくる。
ゴトウは機体を手近な、ビルの影に滑り込ませると、それを回避した。
そして、手早く100ミリマシンガンを装備すると、一気にバーニアを吹かしてビルから踊り出た。
猛スピードで接近してくるゴトウ機にザクは再びマシンガンを放つ。
しかし、ゴトウは機体を少し右にずらしただけでそれを回避すると、そのままザクに体当たりを敢行した。
陸戦ガンダムの全体重をかけたタックルを喰らったザクは大の字の体勢で後ろへ吹っ飛んでいった。
ゴトウ機はすぐにバランスをとると、仰向けの姿勢のまま動けぬザクに、100ミリを撃ちこんだ。
全身穴だらけになったザクは傷口から黒煙を噴出させながら、沈黙した。
「次は!?」陸戦ガンダムは頭部を動かしながら索敵する。
その時、センサーに新たな反応が現れた。
「あそこか!!」ゴトウは機体は180度反転させた。
そして、すぐさまガンダムにバックステップを踏ませていた。
今までいた場所にバズーカが着弾したのはそれとほぼ同時だっただろうか。
- 87 :名無し:2003/10/08(水) 16:29
- 閃光と爆音と共に、バズーカ弾が爆発する。
「あんなとこから狙ってきやがって!!」
ゴトウ機は爆風に包まれながらも、100ミリを頭の高さまで持ち上げた。
その延長線には、塔の上でバズーカを構えるザクの姿があった。
「消えろっ!!」ズダダダッ!!
100ミリから銃弾が放たれ、塔の上にいたザクが爆発した。
「3機目は!?」
3機目は、ガンダムの背後に迫っていた。
その手にはヒートホークが握られている。
ガンダムはザクがその獲物を振り下ろすよりも早く、ザクの胸部に肘を叩き込んでいた。
そしてザクがよろめいた隙に振り返ると、その頭部に直接銃口をくっつけ、引き金を引いた。
零距離射撃を受けたザクの頭は瞬間的に爆発する。それに遅れて胴体も地面に崩れ落ちた。
「4機目!!」
マシンガンを連射しながら間合いを取ろうとする4機目にゴトウはビルを盾にしながら接近すると、
一気にマシンガンと持ち替えたビームサーベルを突き立てた。
サーベルは綺麗に貫通して背中、そしてバーニアも突き破った。
ザクのモノアイが光を失った。それを確認するとゴトウはようやくサーベルを引き抜く。
- 88 :名無し:2003/10/08(水) 16:30
- 「次でラストか・・・。」
ゴトウはビームサーベルをしまうと、再びマシンガンを装備した。
ピピピッ。警戒音がコックピット中に鳴り響く。
ロックオンされている!?
ゴトウは瞬時の判断で横に飛んだ。
そこに、マゼラトップ砲が撃ち込まれる。
「コンピューターごときに不意をつかれるなんて!!」
ゴトウはビルの影に隠れたザクを発見すると、一気に銃弾を撃ちこむ。
ズダダダッ!!
弾丸の列によって胸部に穴を開けられたザクはそのまま前のめりに倒れこんだ。
「終わり・・・っと。」ゴトウは手にした100ミリを下ろした。
「大尉。お疲れ様です。素晴らしい戦いっぷりでしたよ。」
アヤカのねぎらいの言葉に、ゴトウは「ありがと。」とだけ返した。
「それでは、そのまま帰還してきてください。」
「ん・・・。分かった。」
ゴトウは訓練所から出ると、今まで来た道を引き返そうとした・・・まさにその時!!
陸戦ガンダムに大きな影がかぶった。
見上げると、低空飛行するジオンのガウの腹がみえた。
- 89 :名無し:2003/10/08(水) 16:30
- 「ねぇ。ねぇ。アヤカ。何かガウが飛んでるよ。」
大きな影は飛行するガウに引っ張られ、陸戦ガンダムから離れていく。
「ガウですか?」
「うん。しかも・・・基地の方角だ!!」
「えっ!?」
モニター内のアヤカの顔が驚愕に歪んだ。
「とりあえず、ゴトウ大尉。そのガウを追跡してください!!私はすぐにこの事を基地中に伝えます!!」
「分かった!!」さっきとはまるで違うはっきりとした返事だった。
陸戦ガンダムはバーニアを全開にして加速すると、ガウの追跡を始めた。
- 90 :名無し:2003/10/08(水) 16:30
- 「イイダ少佐。何か見たことも無いMSが当機の後を付いて来ます。」
ガウの操縦席に座ったカゴ少尉が振り返り際に言った。
「どれどれ?」イイダ少佐は運転席のモニターを覗き込む。
そこには確かに、ガウを追跡する正体不明のMSの姿が映っていた。
「なるほど。どーやら連邦軍の新型みたいだね。今からニューバーン基地を強襲するって事がバレたかな?」
イイダ少佐の言葉に、後ろにいた2人の兵が笑った。
「少佐。それはありえないよ。」「今回の作戦は私達の独断なんだから。」
「イシカワ・・・ヤグチ・・・。うん。それもそうだね。カオリ、心配しすぎだよね。
でも・・・!!偶然であるにせよ、あの新型MSは作戦実行の障害になりそうだね。今のうちに、片付けておこうかな。」
そう言うとイイダは、格納庫へと向かっていった。
「あっ!!待って下さいよ!!少佐がいなくなったら誰が指揮取るんですか!!」
「あんたに任せるよ!!ヤグチ大尉!!」イイダは振り返らずに言った。
「もう!!勝手なんだから!!」ヤグチと呼ばれた小さめの士官はぷう、と頬を膨らませた。
- 91 :名無し:2003/10/08(水) 16:31
- 陸戦ガンダムのセンサーが反応すると共に、追跡中のガウから一機のMSが降下してきた。
「あれは!?」ゴトウは陸戦ガンダムを止めると、マシンガンを構えた。
降下してきた全身ブルーのMSは、その手には巨大な剣、もう一方には盾を装備していた。
仄かに光るモノアイが、ガンダムをにらみつける。
「あれは確か・・・グフってやつか。」
ゴトウは一人つぶやくいた。
「やっぱデータに無いMSだね。新型か。どことなく連邦の白い悪魔・・・ガンダムに似ているけど・・・。」
イイダはマシンガンの銃口をこちらに向けた敵MSを見て、言った。
「まぁ、新型だろうと旧型だろうとあんまり関係無いけどね。どっちにしろ・・・沈んでもらうんだから!!」
イイダはグフの左手に仕込まれた5連装マシンガンを放った。
その弾丸は、敵MSの構えたマシンガンに命中し見事、爆発させた。
「うわわっ!!」突然のマシンガンの爆発にゴトウは一瞬、ひるんだ。
その隙にグフは信じられないスピードで間合いを詰めると、一瞬でガンダムの懐に入り込みヒート剣を突き出した。
- 92 :名無し:2003/10/08(水) 16:31
- ガシッ!!
ゴトウはそれをシールドで受け止める。
そして、残った右腕でグフを思い切り突き飛ばしていた。
ガンダムの一押しで、グフのコックピット内は激しく揺れた。
イイダは操縦桿にしがみついてその衝撃に耐えると、一旦バックステップを踏んで間合いを取った。
ゴトウは、相手が離れた隙にビームサーベルを抜き出した。
そして、今度はゴトウから仕掛けた。
「うおおおおっ!!」ガンダムがビームサーベルを振り下ろす!!
「やあああっ!!」グフはヒート剣を下から振り上げた。
ガキイイインッ!!!!
ヒート剣とビームサーベルが交差し、激しく火花を散らした。
- 93 :名無し:2003/10/08(水) 16:32
- 続きは20日後くらい・・・。
- 94 :名無し娘。:2003/10/08(水) 17:04
- コンノはなぜプッチ側?
- 95 :名無しちゃんいい子なのにね:2003/10/09(木) 19:00
- >>94
ニック・オービルよろしくブラウエンジェル状態なんじゃないかな?
と、邪推してみる。
- 96 :携帯から愛を込めて:2003/10/09(木) 22:24
- 微妙に設定があやふやな所もあるけど、 それでもなかなか。
- 97 :名無し娘。:2003/10/10(金) 00:04
- 設定なんてものはおいおい分かってくるもので、最初から説明するような小説は
作者に技量がないだけ
- 98 :名無し娘。:2003/10/11(土) 00:42
- なんていうか相性いいのな、ガンダムとハロプロ。
- 99 :名無し娘。:2003/10/11(土) 00:47
- そうか、設定を決めないことが小説を上手く書く第一歩ってわけだ
- 100 :名無し娘。:2003/10/16(木) 22:42
- どうでもいいがスレの最初の方の流れにやたら逆シャアネタが多かったので個人的にツボ。
たった一つのレスでガンネタの流れができるのが凄いなあとオモタヨ。
小説もがんがってね。
- 101 :名無し:2003/10/25(土) 22:36
- よ〜く読み直してみると致命的なミスを発見。
>>76 で基地の名前が「北米大陸第4基地」になっていますが、
「北米大陸ニューバーン基地」の間違いです。
- 102 :名無し:2003/10/28(火) 00:58
- 明日更新します。
- 103 :名無し:2003/10/29(水) 00:22
- 陸戦ガンダムとグフが戦闘を開始した頃、基地内では緊急警報と共にアヤカのアナウンスが流れていた。
「現在、ガウが接近中!!各員!戦闘配置につけ!!繰り返す・・・・」
アヤカは格納庫脇に取り付けられたオペレーター席でこの言葉を呪文のように繰り返していた。
本来、敵の接近に対してどう対処するかは司令官の判断によって決まる。
だが、この基地の司令官であるナカザワ中将は現在、ジャブローの連邦軍本部で会議の真っ最中だ。
こういった場合、指揮権は副指令にまわされる。
だが、副指令であるヤマザキ少将は姿すら見せようとしない。
恐らく今頃、部屋でシーツにくるまって震えているか、脱出用の車でも用意しているのだろうか。
いずれにせよ、ろくなもんじゃない。
「何であんなのが少将なんだろうなぁ・・・。」
アヤカはぼやいた。
- 104 :名無し:2003/10/29(水) 00:22
- その時、陸戦ジムのコックピットから通信が入った。
急いで繋ぐと、それはヨシザワ少尉からだった。
ゴトウの見送りをした後もそのまま格納庫に残っていた彼女は、アヤカの緊急警報が流れるとすぐにMSへ乗り込んだのだ。
「アヤカ!ガウが接近中って本当!?」
「はい。ゴトウ大尉が訓練所で目撃しています!!」
「訓練所って事は・・・もうすぐそこにいるって事じゃん!!
こんなに接近されるなんて監視塔は何をやってたんだよ!!
とにかく・・・!!ヨシザワ少尉!発進する!!!」
「了解!!すぐにカルテット隊も出撃させます!それまで何とか持たせて下さい!」
「OKOK。」
ヨシザワはヘルメットをかぶり、そのバイザーを閉じると一気にペダルを踏み込んだ。
- 105 :名無し:2003/10/29(水) 00:23
- その頃、ガウの内部では既にMSの降下準備が始まっていた。
ぶかぶかのパイロットスーツに身を包んだヤグチ大尉は、
格納庫前でパイロット全員(総勢10名)を集め、作戦前最後のミーティングを行っていた。
「いくら勘の鈍い連邦だってそろそろこのガウに気付いたはずだ。ここまで近づいたらステルスは使えない。
という事で・・・今より作戦を実行する!!
いいか?我々の目標はあのニューバーン基地の破壊だ。
ただし、破壊といっても壊すのは中枢部と防御施設だけ。MS格納庫などはなるべく残したい。」
「えっ?でも格納庫を残しといたらMSがバンバン出てきますよ?」
そう言うのはイシカワ中尉だ。
「確かにな。だから、いち早く中枢部を破壊して奴等の戦意を喪失させるんだ。
司令部が失われれば連邦兵も降伏せざるをえないでしょ?」
「まぁ、そうかもしれませんね。連邦兵は素人ばっかですからね〜。
ちなみに・・・向かってくるMSは全部撃破していいんですよね?」
「うん。許可する。」
「やった〜♪ハッピ〜♪」イシカワ中尉はそれを聞くとうれしそうに格納庫内へと一人駆け込んでいく。
「あっ!おい!待てったら!!全くあいつは・・・。
あっ!そうそう。ドップ班の皆は私達がMSの気をそらしている内に、中枢部を攻撃してね。
高射砲にだけは気をつけて。もし、危なくなったらカゴ少尉にこのガウの主砲を撃つように言うからさ。」
「了解!!」8人のドップのパイロットは声を揃えて敬礼する。
「よし!!それでは作戦を開始する!!各自、自機に搭乗せよ!!」
「了解!!」またも、一糸乱れぬ敬礼を見せると8人のドップパイロット達は格納庫へと降りていく。
その後にヤグチが続いた。
- 106 :名無し:2003/10/29(水) 00:23
- 「うわわっ!!もうこんな近くにいるのかよ!!」
陸ジムのモニターには迫り来るガウの姿がデカデカと映っていた。
「この距離でメガ粒子砲撃たれたらもう終わりじゃんか!!」
そう叫びながらヨシザワは照準機を引き出すと、装備したバズーカを構えた。
「距離は・・・250メートルか。エンジンをぶっ壊してやる!!」
ドンッ!!轟音が響き、バズーカ弾が白煙の尾を引きながら発射される。
それは見事にガウの底面に命中した。
だが、命中した部分はわずかに黒ずんだだけでさほど効果があったようには見えない。
「あそこは装甲が固すぎるか・・・。ならば!!」
ヨシザワは狙いを左翼に変えた。
「ぶっ壊れろ!!!」
陸ジムがバズーカを連射する。
その強烈な反動に機体を激しく揺らしながら。
発射された5発のバズーカ弾は全て狙いどおり左翼に命中し、炎を噴出させた。
「良し・・・!!次で終わらせてやる!!」
ヨシザワはバズーカを構えなおすと、左翼の付け根の部分を照準に入れた。
この部位を破壊できれば左翼はもげ落ち、ガウは飛行する事もままならなくなるだろう。
そうなってしまえばこっちのものだ。
- 107 :名無し:2003/10/29(水) 00:23
- 「いっけえぇぇぇッ!!!」
ヨシザワは照準機を覗き込んだまま、操縦桿上のボタンを押した。
それに呼応して陸戦ジムがバズーカをぶっ放す。
ドーーーンッ!!!
轟音と共に放たれたバズーカ弾は、狙い通り左翼の付け根に向かって伸びていく。
確実に命中するコースだ。
よしっ!!ヨシザワは右手で小さくガッツポーズをつくった。
脳裏に左翼を失い墜落していくガウの姿が浮かぶ。
だが、次の瞬間にモニターに映った映像はヨシザワの想像したものとは全く異なっていた。
突如、ガウのハッチから一機のドムが飛び出した。
ドムはそのまま機体を反転させると、背中のバーニアを全開にして、着弾直前のバズーカ弾に急接近する。
そして、手にしたビームサーベルでバズーカ弾を綺麗に一刀両断した。
二つに割れたバズーカ弾はその場で爆発を起こす。
- 108 :名無し:2003/10/29(水) 00:24
- 「なっ・・・。」
ヨシザワは絶句した。
攻撃に失敗したからではない。
そのドムの動きのスムーズさに絶句しているのだ。
あの一瞬で、バズーカ弾の動きを捕らえ・・・斬っただって?
人間業じゃない・・・。
一体どんな奴が乗ってるんだ?あのドムには?
ヨシザワは操縦桿を握る手が小刻みに震えているのに気付いた。
「くっ!!何ビビってんだよ!!!」
ヨシザワは操縦桿を強く握り締めると、照準機を覗き込む。
そして、恐れを振り払うかのようにバズーカを連射した。
ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!
3発の弾を吐き出した後、バズーカの残弾数は0になる。
- 109 :名無し:2003/10/29(水) 00:24
- ヨシザワ機はそれを地面に投げ捨てると、空中に停止したままのドムをにらんだ。
3発同時だ。今度は受け止められないだろう・・・。
しかし、ヨシザワの予想はまたも外れる事になる。
ドムはサーベルを一閃させただけで3発の弾を全てを断裂させてしまったのだ。
「・・・・。」
ヨシザワは今度こそ言葉を失った。
ただただ、呆然と破壊されたバズーカ弾の巻き起こす爆風を見つめていた。
その爆風の中から猛スピードでドムが飛び出してくる。
ドムはサーベルを水平に構えた姿勢で、一気に地面への降下を始めた。
- 110 :名無し:2003/10/29(水) 00:26
- 切りが悪いので近いうちに続きを載せます。
- 111 :読者:2003/11/11(火) 23:57
- 更新お待ちしてます
- 112 :名無し:2003/11/13(木) 23:08
- ドムは着地すると、一気にヨシザワ機に迫る。
「く・・・くるな!!」
ヨシザワ機はシールドを構えたまま2・3歩後退する。
ヨシザワは心底恐怖していた。このドムは今まで戦場で出会って来たドムとは全くレベルが違う。
こんな動きをする奴は一度も見た事がない!どんな化物が乗っているんだ!?このドムには!?
気が付けば、ドムは自機の眼前に迫っていた。
モニター一杯にサーベルを振り上げたドムが映る。
- 113 :名無し:2003/11/13(木) 23:08
- 「うわああああっ!!」ヨシザワは叫ぶと同時に、自機にバックステップを踏ませる。
その直後に振り下ろされたドムのビームサーベルが、ヨシザワ機の胸部を縦に斬った。
ヨシザワ機の傷口から火花が飛び散る。
「くっ!!」
ヨシザワは斬られた衝撃で傾きかけた機体を何とか立て直すと、ビームサーベルを引き抜こうとした。
だが、ドムはそんな時間すら与えてくれない。
ドムは一歩ヨシザワ機に接近すると、右手から左手にサーベルを持ち換え、そのまま突き出してきた。
- 114 :名無し:2003/11/13(木) 23:09
- ヨシザワは瞬時にシールドを斜めに構える。
突き出されたサーベルの切っ先は、傾いた盾の表面を滑ってあらぬ方向へとその刃をずらした。
「今だッ!!」
ヨシザワ機はがら空きになったドムの顔面に拳を叩き込む。
十字型のモノアイカメラに亀裂が走った。
ヨシザワ機はさらに拳を叩き込む。
今度はカメラ表面の破片が飛び散った。
- 115 :名無し:2003/11/13(木) 23:09
- ここでドムも反撃に出る。
空いた右手でヨシザワ機の腹を殴りつけたのだ。
重量型MSドムのパンチを喰らったヨシザワ機はその衝撃で前のめりになってしまう。
ドムはそれを見計らうと一旦後ろへ下がり、そのまま猛スピードで体当たりを仕掛けた。
ガーーーーンッ!!!
ヨシザワ機はアスファルトの道の脇に取り付けられたフェンスを突き破り、その向こうの草原へと機体を滑り込ませる。
緑の草花が一斉に宙を舞い、その身を焼け焦がしながらゆっくりと地面へ落ちた。
- 116 :名無し:2003/11/13(木) 23:10
- 「うぐっ・・・くっ!!」
ヨシザワは仰向けになった陸ジムのコックピット内でうめいた。
モニター画面に思いっきり打ちつけた頭が痛い。
割れた額から流れる血がゆっくりとヘルメットの中へ溜まっていく。
ヨシザワは額の出血よりもまず、モニターへ目をやった。
しかし、モニターは暗く閉ざされ、一切の映像を映していなかった。
「メインカメラが・・・壊れたか・・・。サブカメラは・・・。」
ヨシザワは寝たままの姿勢でカメラの切替のスイッチを入れる。
しかし、モニターは相変らず反応しない。
- 117 :名無し:2003/11/13(木) 23:10
- ここでヨシザワは合点がいった。
「なるほど・・・内部の装置全てが壊れたんだな・・・。」
それ程、あのドムの体当たりのダメージは大きかったわけだ。
と、なればこの陸ジムはもう戦え無い。早い所脱出してすぐに新しい陸ジムに乗り換えないと・・・。
ヨシザワはヘルメットを取ろうとして、自分の指先が震えている事に気付いた。
それは指先だけじゃない。体全体が小刻みに震えているのだ。
そういえばさっきから視界が妙に揺れる。それに気分も悪いな。吐きそうだよ。
ヨシザワはヘルメットを取るのを止めて、浮かした頭を再びシートにうずめた。
- 118 :名無し:2003/11/13(木) 23:12
- 「考えてみれば内部装置壊れてるんだから・・・コックピットも開くはず無いな・・・。
って事はここに閉じこめられたまんまか・・・。いつあのドムが止め刺しに来るかも分からないのに。」
そう考えると何故か笑みが浮かんできた。頭を打った衝撃で神経がおかしくなっているのか、諦めの笑みか。
それは本人にも良く分からなかった。
「ゴッチンは・・・ちゃんと勝ったかなぁ。あのドムの仲間って事はそいつも相当強いだろうし・・・。
第一そのドムもまだ片付いてない。あのままドムが格納庫に攻撃を加えたらアヤカや整備兵の皆は・・・。」
粉々に砕け散ったバイザーの奥から覗くヨシザワの瞳が、少し上に動いた。
ぼんやりとした頭の中に、仲間達の笑顔が浮かんでくる。
そして、その笑顔があのドムの姿によって押し潰されていく。
「・・・そんなのダメだ!!」
ヨシザワはここで我に返った。
- 119 :名無し:2003/11/13(木) 23:12
- 「あの子達を死なせるわけにはいかない!プッチ隊の副隊長として!そして1人の軍人として!!」
ヨシザワは、陸ジムの操縦桿を握りしめる。
そして、思いっきりペダルを踏み込んだ。
すると、起動音と共に陸ジムの上半身が起き上がる。
「良しッ!動力部は生きてるッ!!」
陸ジムは地面に片手を付くとゆっくりと立ち上がった。
「まだ立てるの・・・・?」
ドムのパイロットは草原からその巨体を立ち上がらせる陸ジムを見てつぶやいた。
陸ジムは全身の装甲がひしゃげ、内部の機械やパイプが剥き出しになっている。
特に頭部は全体にヒビが走り、火花が激しく散っていた。
どこからどう見ても動ける状況じゃない。
- 120 :名無し:2003/11/13(木) 23:13
- それなのに、陸ジムはゆっくりと歩き出す。
おぼつかない足取りではあるが、それでも一歩一歩確実に、こちらに向かって歩いてくる。
「大したものね。その闘志は。」
ドムはビームサーベルを握りなおすと、正面に構えた。
その時、ドムのコックピット内に通信が入る。
「ヤグチ大尉!!私の出撃はいつなんですか〜!!早く戦いたいよ〜!!」
その声に、ヤグチは渋面をつくりながら答える。
「だから、ドップの攻撃を妨害しようとするMSを一蹴するのがあんたの仕事だって言ってるでしょ?イシカワ中尉?」
「でもそのドップが全然出撃しないじゃないですか〜。」
「それはガウの左翼が燃えているからよ!ドップは4機ずつ両翼から出る事くらい知ってるでしょ?」
「じゃあ、右翼から4機だけで出てそのまま中枢部に突っ込めばいいじゃないですか!それに何でMSが一機しか出てこないんですか!!」
「そんなのオイラが知った事か!大体、カオリが一人で戦いに出ちゃうから・・・。」
その時、格納庫のハッチが開き新たなMSが1機、現れた。
- 121 :名無し:2003/11/13(木) 23:13
- 「新手か!!仕方ない!イシカワ!よ〜く聞けよ!!お前はまず、カゴにガウを着陸させるように言え。
ドップはまだ、出撃させなくていい。そして、ガウが着陸したらドップのパイロット4人を降ろすんだ!」
「ガウを着陸させるんですか!?そんな事したら一瞬で破壊されますよ!?」
「着地させるのは、基地の中枢部の真ん前だ。そこにガウを着地させれば、ガウが攻撃される事はない。」
「何でですか?」
「ガウを破壊したら大爆発が起こる。もし、中枢部の真ん前に停まったガウが大爆発したら・・・」
「なるほど!!これなら連邦軍はガウを壊すわけには行かないですね!それでドップのパイロットは・・・・」
「質問は後だ!!イシカワ!!お前はすぐにこの旨をカゴに伝えろ!!いいな!?」
ヤグチは乱暴に通信を切った。
何故なら、格納庫から現れたMSがマシンガンを放ってきたからだ。
- 122 :名無し:2003/11/13(木) 23:14
- ヤグチは銃弾を回避しながら、相手の分析を始める。
モノアイカメラがMSの姿をしっかりと捕らえた。
(さっきの陸ジムにカメラを叩かれたが、表面のレンズが割れただけで壊れてはいない。)
「あれは・・・ザクか!?」
ヤグチはビームサーベルをしまうと、腰部に収納していおいたマシンガンを取り出した。
MMP-80型90mmと呼ばれるそのマシンガンは、ザクや陸ジムのものより、装弾数・威力と共において上回っている。
ヤグチはまず、全身を連邦のパーソナルカラーである白に染めたザクに攻撃をしかける。
ダダダダダッ!!
薬莢を飛ばしながらMMP-80型90mmが吠える。
- 123 :名無し:2003/11/13(木) 23:14
- ドムによって放たれた銃弾の列がオガワのザクに向かって伸びる。
オガワはそれを、肩のシールドで受けた。
「くっ!!」
シールドにぶち当たった銃弾は、それを突き破ってそのまま肩に突き刺さる。
ザクの右肩が火花と共に激しく跳ね上がった。
「オガワ軍曹大丈夫ですか!?」
アヤカからの通信に、オガワは答えられなかった。
オガワは機体を立て直しながら、ザクマシンガンを撃ちかえす。
だが、ドムは余裕でそれを回避し、ドリフトしながらこっちに迫ってくる。
- 124 :名無し:2003/11/13(木) 23:14
- 「くっ・・・!!これならどうだ!!」
次にオガワは、銃身を扇状に動かしながら引き金を引いた。
これにより、銃弾は180度のあらゆる角度に向かって飛んでいく。
「なるほど。考えたね。これならどこに避けても銃弾は命中する。でも・・・上はどうかな!?」
ヤグチはドムを宙に舞わせた。
足下を、銃弾が通り抜けていく。
「かかったな!!」
ここでザクはドムに向かってクラッカーを投擲した。
クラッカーはドムの目の前で8つに分かれると、そのまま爆発する。
- 125 :名無し:2003/11/13(木) 23:14
- 「しまった!!」
ヤグチのドムは爆風に煽られ、地面に落ちた。
アスファルトに一瞬にして大きな亀裂が走る。
「くっ・・・!!やってくれる!!」
ヤグチは急いでドムを起こそうとした。だが、倒れた機体の上にのしかかったザクがそれを許さない。
ザクはマシンガンをヒートホークに持ち替え、それをゆっくりと振り上げた。
「まずい!!」
ヤグチは、ドムのバーニアを全開に噴かした。
それによって、ドムの機体が瞬間的に浮き上がりザクを跳ね飛ばした。
跳ね飛ばされたザクは地面を転がり、ドムは素早くその身を起こす。
そして、倒れたザクの頭部にマシンガンを撃ちこんだ。
- 126 :名無し:2003/11/13(木) 23:15
- ザクの頭部は完全に爆発し、ザクはピクリともしなくなった。
ヤグチは間髪入れず後ろを振り返る。
そこには、ヨシザワの陸ジムが立っていた。
その手にはビームサーベルが握られている。
「音を頼りにここまで歩いてきたの?ご苦労様でした。」
ヤグチはそのボロボロの陸ジムにもマシンガンを撃ちこむ。
陸ジムは腹から炎を噴き出すと、そのまま2つに割れた。
先に上半身が地面に落ち、煙を噴き出す下半身が遅れて崩れ落ちる。
2機が沈黙したのを確認すると、ヤグチはアヤカ達のいる格納庫へと歩を進めた。
- 127 :名無し:2003/11/13(木) 23:16
- >>111 長らくお待たせして申し訳ございません。
- 128 :名無し娘。:2003/11/14(金) 17:03
- 更新乙
一つ気になったんだが、ドムの装備してるのはヒートサーベルでは?
細かいコト言ってスマソ
続き期待してるよ
- 129 :名無し娘。:2003/11/14(金) 17:25
- ジオンのMSってギャンしかビームサーベル装備してないんだっけ?
それを換装したんでしょ
- 130 :名無し:2003/11/14(金) 18:28
- >>128 調べてみたらご指摘通りでした。すみません。
これからはビームサーベルと書き直します。
>>129 フォローありがとうございます。
ただ、ギャンのビームサーベルはかなり特異な形状で
ドムには似合いそうにないので、ヒート剣と書き直す事にしました。
- 131 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:15
- ザ――ッ。
アヤカの座る通信席のモニターが、砂嵐に覆われる。
今まで、コックピット内のオガワ軍曹を映していたモニターだ。
「オガワ軍曹!!軍曹!?」
アヤカは何度も通信機を通じてオガワに呼びかける。
しかし、返事は無い。
「そんな・・・!!」アヤカは狼狽しながらキーボードを叩いた。
するとモニターが三つにコマ割りされ、それぞれにオガワ機・ヨシザワ機・ゴトウ機の内部が映し出された。
しかし、オガワ機のコマとヨシザワ機のコマにはあの砂嵐が映るだけで、唯一映っているのはゴトウ機のコマだけだった。
アヤカは直ちにゴトウ機に通信を送る。
- 132 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:15
- 「大尉!!戦況はどうですか!?」
返事はすぐに返ってきた。
「このグフ!そーとー強いよッ!!かなりのパイロットが乗ってるみたい!!所で、そっちはどうなってるの!?」
「こちらは・・・。」アヤカは一瞬、ヨシザワ少尉とオガワ軍曹がやられた事を言おうか言うまいか迷った。が、言う事にした。
「ガウより降下してきたMSによりヨシザワ機とオガワ機が大破しました。現在、基地所属のMS隊は・・・キャアッ!!!」
突如、通信が切れた。
アヤカの悲鳴と何かが崩れるような大きな音と共に。
- 133 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:15
- 「アヤカ軍曹!!」
ゴトウは一瞬、通信機に目を落とした。
その瞬間、陸戦ガンダムの警戒音が激しく鳴り響く。
「えっ!?」ゴトウが再びモニターに目を戻した時、そこにはヒート剣を振り上げたグフが大きく映っていた。
「しまった!!!」
シールドで防ぐ間も無く、グフのヒート剣が陸戦ガンダムの肩口に振り下ろされる。
ガンッ!!
機体の損傷する音と共に、コックピットが一瞬右に傾いた。
「落されたか!?」
ゴトウはサブカメラで剣を打ち込まれた右肩を見た。
グフのヒート剣は陸戦ガンダムの肩の装甲を叩き破りながらも、そこで止まっていた。
- 134 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:16
- 「一体どういう装甲してるの・・・?このMSは?」
イイダとゴトウが全く同じタイミングで言った言葉だった。
だが、これはゴトウにとってはうれしい誤算だ。
ゴトウは肩口からヒート剣を抜こうとするグフに胸部バルカンを撃ちこんだ。
高速で発射される弾丸がグフの胸部の青い装甲を少しずつ引き剥がしていく。
「くっ!!化物めっ・・・!!」
グフは右に跳んでバルカンの雨から逃れると、シールドの下からヒートロッドを引き出した。
「喰らえっ!!」
ヒートロッドが強烈な電気を帯びながら振り回される。
だが、陸戦ガンダムは素早く屈み込んでそれを避けた。
そして、屈んだ体勢のまま手にしたビームサーベルをグフへと突き出した。
- 135 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:16
- ザシュッ!!
グフの腹にビームサーベルが突き刺さる。
「ぐうっ!?」
激しく揺れるグフのコックピットの中で、イイダはうめいた。
機体の異常を知らせるランプがけたたましく鳴り響く。
「くそっ!!こんな所でやられるわけにはッ!!」
イイダは警告ランプを無視して、操縦桿を翻した。
それに呼応してグフの腕が、陸戦ガンダムの肩にめり込んだヒート剣の柄を掴んだ。
「まだ動くの!?」
ゴトウは叫びながら、ビームサーベルをさらに深くに刺し込んだ。
- 136 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:17
- グフの傷口の周りの装甲が溶けて、液体となり下に流れていく。
(その液体には冷却水も混じっているようだった。)
それでもグフは止まらなかった。
「おおおおッ!」
グフはその腕を震わせながら、ついにヒート剣を引き抜いた。
こうなってしまうとまずいのはゴトウの方である。
今、陸戦ガンダムは屈んだ状態である上、ビームサーベルのせいで腕も固定されている。
この体勢で攻撃されたら回避しようがないのだ。
グフは引き抜いたヒート剣を両手で握ると、左肩の辺りまで振り上げる。
「させるかっ!!」
ゴトウはグフの腹の中のビームサーベルを思いっきり押し上げた。
ビームサーベルの光が、かつての傷口から上へと線を造りながら伸びていく。
新たに生まれた傷口から激しく火花がほとばしった。
グフのコックピットに鳴り響く警告ランプの音が一層に高まる。
だが、イイダはそれを全て無視した。
このヒート剣で、この新型の首を刈ればそれで勝負は決まる。
警告ランプの指示に従うのはそれからでいい!!
「死ねッ!!新型ッ!!」
イイダは十分に力を溜めた後に、ヒート剣を思いっきり振りかぶった。
- 137 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:17
- ゴオオオオッ!!!
剣に宿る熱が、周囲の空気を焼き焦がしながら陸戦ガンダムに迫る。
そして、ついに剣の腹が陸戦ガンダムの首に入った。
だが、それと同時に、グフのモノアイが光を失った。
ガンダムのビームサーベルが核融合炉を擁する腰から、コックピットのある胸部にかけて、完全に切り裂いたのだ。
グフの両手が力無く落ちて、ヒート剣をこぼした。
「勝った・・・。」
ゴトウはビームサーベルを収束すると、機体を立ち上がらせた。
陸戦ガンダムはわずかに首に切り込みが入ったものの、さほど重傷ではないようだ。
ビームサーベルが引き抜かれたグフは、そのまま仰向けに倒れこんだ。
腹から胸にまでかけて開いた傷が激しく燃え盛る。
- 138 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:17
- 「強敵だった・・・。」
今回勝てたのは機体の性能のおかげだ。
もし、陸ジムなんかでこいつと対峙していたら間違いなく死んでいた。
そんなことを思いながらも、ゴトウは機体を反転させ、一気にバーニアを噴かせた。
早く基地まで戻らなければ。
アヤカはヨッスイ〜とオガワがやられたと言っていた。
さらに、その直後の爆発音と共に通信も途切れた。
これは相当やばい事になっているに違いない。
「みんな・・・生きててよ・・・。」
ゴトウは猛スピードで推進する陸戦ガンダムのコックピット内で一人つぶやいた。
その時、はるか後方でイイダのグフが爆発を起こしたが、もはやゴトウには関係無かった。
- 139 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:19
- 私(プッチ隊のオペレーター:アヤカ・キムラ)は、両手をあげた状態で格納庫の床に座り込んでいた。
それをやっているのは私だけじゃない。整備兵や駆けつけたMSパイロット。
とにかく、この格納庫にいる人間全員がこのポーズで床に座り込んでいる。
それは何故か?
理由は簡単。ドムがシャッターを壊して格納庫内に入ってきたからだ。
そのドムのパイロットはマシンガンの銃口を私達に向けながら言った。
「全員、手を上げてその場に座るんだ。言う事を聞いてくれれば危害は加えない。」と。
私はオペレーター室を出て、崩れるようにしてその場に座り込んだ。
勿論、両手をあげるのも忘れなかった。
壊されたシャッターの向こう側に、炎をあげて燃え盛る陸ジムの姿があった。
あれはヨシザワ少尉のMSだ。その手前には頭部を失ったザクが横たわっている。
オガワ軍曹のザクだ。
- 140 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:19
- 2人は無事なのだろうか?もしかしたらダメかもしれない。
それに、ゴトウ大尉は?通信を繋いだ時、相当強いパイロットと戦っていると言っていた。
もし、これでゴトウ大尉までやられてしまっていたらプッチ隊はもう・・・
そう考えると、アヤカの瞳から涙がこぼれてきた。
ヤグチは、ドムのモノアイカメラを左右に動かしながら格納庫内に並ぶMSを見ていた。
左から、陸戦ジムが2機に全身を白に染めたズゴックが一機。その隣りは3つ空いていて、右端の方に見慣れないMSが3機。
「よし、大体の目星はついた。おい!!イシカワ!!聞こえるか!?」
ヤグチはガウ内のイシカワのMSに通信を送る。
「ハイ。聞こえてますよ・・・。」
返ってきたその声は先程のハイテンションとは正反対にかなり沈んでいた。
- 141 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:19
- 「ん?どうしたイシカワ?」
「たった今、カゴから連絡があって・・・イイダ少佐が戦死したそうです・・・。」
「えっ・・・。」ヤグチは一瞬言葉を詰まらせた。が、すぐに持ち直した。
「そうか・・・分かった。イシカワ。カゴにドップを4機出すように言ってくれ。そして、出撃できなかったパイロットは
パラシュートでオイラの元へ。そしてイシカワ。お前も出るんだ。ガウに寄って来るMSを全て撃破しろ。」
ヤグチは冷静に、イシカワに命令した。今はイイダの死を悲しんではいられない。
イイダがいないからこそ迅速に動かないといけない。
この作戦を必ず遂行する。涙を流すのはそれからでいい。
- 142 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:27
- 「・・・・。分かりました。」
イシカワはヤグチと同じくらい冷静に答えた。
どうやらイシカワもヤグチと同じ事を思っているようだ。
「よし!それじゃあ行動に移ってくれ!!」
「了解!!!」元気のいい返事が聞こえて、通信は切れた。
ヤグチはそれを確認すると、通信用モニターに向けていた視線を正面に戻した。
整備兵達は先程と変わらず、万歳をしたまま地面に座っている。
他の一般兵達も同じだ・・・と思いきや、一人掲げた両手をこっちに向かってしきりに振っている者がいた。
作業服を着ている所からして整備兵のようだ。
「お前、何をしている?」
ヤグチの声がマイクを通じて、外に流れた。
すると、その整備兵は両手でメガホンを作って叫んだ。
「ジオンの馬鹿野郎め!!たった今、この基地の防衛部隊が出動した!お前はもうオシマイだ!!」と。
- 143 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:54
- 「防衛部隊・・ね。」そう言うとヤグチはドムの操縦桿を軽く倒した。
それと同時に、ドムの右手が振りあがり、その整備兵に向かって真っ直ぐ落ちていく。
「えっ・・・!?うわああああっ!!」
迫り来る巨大な鋼の拳にその整備兵は悲鳴をあげた。
ドンッ!!!
轟音と共に、格納庫自体が大きく縦に揺れた。
衝撃で天井のライトが何個か床に落ちて割れた。
だが誰もライトのことなど気にとめない。
ただただ、呆然として目の前で起こった惨劇を見つめていた。
恐怖のあまり言葉も無くして。
床に叩きつけたドムの拳がゆっくり持ち上がった。
拳の底から赤い雫がポタポタと流れ落ちる。
そして、その下には無数の砕け散った床(セメント製)の破片と一緒に何か赤黒いものが転がっていた。
もし、それをよ〜く観察してみればきっとそれが元人間だったものだという事が分かるだろう。
ビリビリに破けた真っ赤な作業服に、飛び散る臓物、粉々になった各部の白い骨。
周囲に満遍なく散った茶色いカスみたいなものは俗に言う脳漿というやつだ。
数秒して、思い出したように女性兵が悲鳴をあげた。
それを皮切りにして他の兵達も騒ぎ始める。
その様子を見ながらヤグチは言った。
「誰が動いていいと言った?両手をあげて座れ・・・。守れないならここにいる全員、叩き潰してもいいんだ。」
再び、ドムの手が振りあがる。
拳についた赤い液体が勢いで飛び散り、床にいくつかの点をつくった。
兵達は全身を震わせながら、手を上げその場に座り込んだ。
- 144 :読者:2003/12/17(水) 23:48
- うわっ
ヤグチ残酷・・・
- 145 :名無し娘。:2004/01/17(土) 23:30
- ホセ
- 146 :名無し娘。:2004/02/02(月) 21:04
- メンドーサ
- 147 :名無し娘。:2004/02/03(火) 23:15
- おもしろいでーす。イイダ少佐が戦死ですか・・・残念
- 148 :名無し娘。:2004/02/11(水) 09:37
- コウシンマダカナ
- 149 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:17
- そろそろいけそうです。
- 150 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:44
- 「あっ・・・あ・・・あ!!」私(ことアヤカ)はそれ以外の声は何一つ出せなかった。
何故かって?それは格納庫を占拠していたドムがいきなり素手で整備兵一人を叩き潰したからだ。
私はそのつぶされた整備兵の事を知っている。プッチ隊専属の整備兵だったからだ。
確か名前はタケヒト=ムラヤマ上等兵。おしゃべりな人で作業中によく無駄口を叩いては整備兵長に怒鳴られていた。
そのムラヤマ上等兵は、今や物言わぬ肉の塊になってしまった。
たった一瞬で。ただ少し口を開いただけで。
私は本当に何もいえなかった。ガクガクと震える両足を押さえつけるので精一杯だった。
怖い!怖い!怖い!怖い!!両の頬に伝わる涙をぬぐおうともせずにただひたすら私は震え続けた。
何で?何でこんな事になったのよ!?何で管制塔はガウの接近に気付かなかったの!?
何で迎撃に出たヨシザワ少尉とオガワ軍曹はやられてしまったの!?
ドムの両足の間から向こう側の景色がかすんで見える。
そこには確かに、頭を失って倒れこむザクとまっぷたつになっている陸ジムの姿があった。
何で・・・ゴトウ大尉は戻って来てくれないのよ!?
アヤカは心の中で絶叫すると、ただひたすら泣き続けた。
- 151 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:44
- 「これが俺たちの初舞台か。緊張するな。」
「敵MSは絶対にオレが落すぜ!!」
「馬鹿野郎!オレに決まってるだろう!?」
「ハァ。いいよな。ジムに乗れる奴は。オレなんて戦車だぜ?」
ニューバーン基地の中で最も大きな規模を持つ02格納庫では、
15機の陸戦ジムと5機の61式戦車がスタンバイしていた。
これらのMSと戦車のコックピットには、初出撃に胸を躍らせる若きパイロット達がいた。
彼らのノーマルスーツの胸の部分には「訓練兵」のマークがある。
「まあ、いいじゃん!戦車でもさ!!」
「なら交換しやがれ!」
「絶対に嫌だ!!」
この陸ジムのパイロットと61式戦車のパイロットとのやり取りを聞いて、
他の訓練兵は笑い声をあげていた。
まるで、これが初出撃とは思えないリラックスぶりである。
そんな彼らを叱責する怒号がいきなり飛んだ。
「貴様ら!何をふざけている!!」
- 152 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:45
- 「ひっ・・・!!」その怒号を聞いて訓練兵達は一瞬で静まり返った。
「これは訓練じゃない!実戦なんだ!!もっと気を引き締めろ!それでも基地防衛部隊か!」
「ハイ!失礼しました!アサド教官!!」
全員が声を揃えて謝罪する。
アサド教官。この言葉はこのアサドという男が基地防衛部隊・隊長であり、
訓練兵達の教官である事を示している。
この基地では新しく配属されてきた新兵達を訓練兵と呼称し、
MSの操縦などの必要技術をある程度叩き込んだ後にこの基地防衛部隊に入隊させる。
そこでさらに厳しく訓練を積んでやっと卒業。そして、一人前の兵士として扱われるのだ。
つまり、基地防衛部隊というのは新兵達の教育カテゴリーの内の1つでもあった。
- 153 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:45
- 本来、ほとんどの兵士が実戦を経験するのは基地防衛部隊を出てからである。
しかし、彼らはまだ入隊してから1ヶ月のまさに素人兵。
そんな彼らが実戦に出なくてはいけないことをアサド教官はあまり良く思っていなかった。
こいつらには軍人として足りないものが多すぎる。
出撃前の軽口がいい証拠だ。できるものならまだ実戦には出したくない。
今のままなら確実に敵に殺されるからだ。
が、「出動命令には逆らえんか・・・。」
アサドはそうつぶやくと、ノーマルスーツのヘルメットをかぶった。
そして、全機に対して通信を送る。
「我々の任務はガウの撃墜と第4格納庫の解放だ。
現在エース部隊専用の第4格納庫上空にジオンのガウが一機。
そして、第4格納庫には一機のドムが人質をとってたてこもっている。
これの迎撃に向ったプッチ隊のMSが2機やられた。
この事より、敵は相当の実力を持っていると考えられる。」
「プッチ隊の奴らが弱すぎただけじゃないですか?」
訓練兵の誰かが笑いながら言った。
アサドはそれを無視すると言葉を続ける。
- 154 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:45
- 「ここから第4格納庫は目と鼻の先だ。
ここを出たらすぐに二手に分かれて各自の持ち場へ向え!
自分の担当場所は分かってるな!?ガウの周囲に14機、格納庫には1機だぞ!?」
「了解!!」
アサドは全員の返事を聞くと、隊長機のペイントがされた陸ジムの歩を進ませた。
その後ろに訓練兵達のMSと戦車が続く。
開け放たれたシャッターから外に出ると、
アサドはすぐに陸ジムのバーニアをふかせて第4格納庫へととばした。
それに訓練兵達も続いていく。
- 155 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:46
- 「駄目です!高度が保てません!!」
ガウの通信兵が悲鳴に近い叫びをあげる。
ガウは左翼を壊された影響で、その高度を下げつつあった。
「くっ・・・!」カゴは操縦桿を必死で引き戻し高度をあげようとするが、もはや詮無きことだった。
「このままじゃ墜落する!」カゴがそう言いかけた時、モニターにいくつものMS反応が現れた。
「何!?この数・・・!?」
見ると一機の陸ジムが、第4格納庫と基地を隔てるフェンスをジャンプして飛び越え、こちら側に降りてきていた。
それに続いて後続の陸ジム達も同じようにフェンスをジャンプし、こちら側に着地する。
そして、着地した陸ジム達はすぐさまガウを包囲し始めた。
「何だってこんな時に!あいつら、ここでこのガウを落とす気か!?」
「あわわわ!ヤグチ大尉!どうしましょう!?」
カゴはヤグチに助けを求めて通信を繋いだ。
- 156 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:46
- 「悪いけど、それはできない。」
「いいから、人質を解放するんだ!!」
「今、出来ないと言ったはずよ。」
「???ヤグチ大尉?」
通信機から聞こえてきたのはヤグチの声、そして聞き覚えの無い男の声だった。
「この声・・・そうか!今、下にいる陸戦ジム部隊の奴がヤグチ中尉の所にも行ってるんだ!!」
「あっ!なるほど。だから人質って・・・!!サカキさん、頭いいね〜!!」
(ちなみにサカキとは通信兵の名前である。)
サカキは「普通に考えりゃ分かるだろ。」と思いながらも言わなかった。
その時、ガクンッ!!といきなりガウの機体が大きく縦に揺れた。
そして、一気に落下が始まる。
- 157 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:46
- 「げっ!!マズイ!!落ちてる!!」
カゴは操縦桿を掴み取ると一気に右へとなぎ倒した。
ガウはそれに呼応して右へとスライドを始める。
大きく広がった右翼が先程、陸ジム達が飛び越えたフェンスを突き破り倒壊させた。
それにも構わずガウはその巨体を強引に滑らせ、基地の中枢部ともいえる横長の建物の前に着陸した。
「アサド教官!あのガウを蜂の巣にしてしまいましょう!」
いきなり大移動したガウに向かって訓練兵達がマシンガンを向ける。
「馬鹿!よせ!今撃って爆発でもしたら基地が吹っ飛ぶぞ!まさか、あのガウ・・・これを狙っていたのか!」
アサドはわずかに戦慄しつつも訓練兵達に再びガウを包囲するように指示した。
アサドの指示を聞いて訓練兵のジム達は倒れたフェンスを踏みつけ、ガウの元へと走る。
- 158 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:47
- それと同刻・・・。
「とりあえず、指示された所に着陸できたね。」
「確かに・・・お見事です。」
カゴは誇らしげに笑みを浮かべながらイシカワとドップに出撃指示を出した。
「イシカワ中尉!ドップ4機と出撃してください!今、敵基地中枢部前に着陸しました!!」
「ったく、いきなり落ちるんだもん。びっくりしたわよ。
ま、とにかく了解。私とドップはわらわら出てきた陸ジム達を始末すればいいんでしょ?」
「ハイ!お願いします!!」カゴははっきりと答えた。
イシカワはそのカゴの毅然とした態度に満足感を覚えながら自らのMSを起動させた。
「さて・・・イシカワ、行くわよ!!」
イシカワはMSの歩を進ませると、ハッチの前まで歩いた。
「カゴ!ハッチを開いて!じゃないと出られないわよ。」
「それが・・・さっきから開閉スイッチを押してるんですけど動かないんです。壊れちゃったみたいですね。」
「ハァ!?」
「だから・・・自分で壊して出てください。中尉のMSなら余裕ですよね。何でしたっけ?その蒼くて気持悪い奴・・・。」
「ハイゴックよ!名前くらい覚えない!!」イシカワは怒鳴りながらガウの分厚いハッチをぶっ叩いた。
- 159 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:47
- 明日にでももっかい更新します。
期間が空いてしまってすみませんでした。
- 160 :読者:2004/02/17(火) 23:44
- 待ってましたー!
更新お待ちしてます
- 161 :名無し娘。:2004/03/09(火) 10:44
- hozem
それにしてもこのスレタイ見ると天空のレストランを思い出す。
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