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Les Miseraberryz
- 1 :A:2007/09/17(月) 13:00
- 原作 ビクトル・ユーゴー
- 30 :名無し娘。:2007/09/17(月) 13:22
- すげー
登場人物がみんな生き生きしてるよ
- 31 :A:2007/09/17(月) 18:31
-
1ヶ月が過ぎた。
- 32 :A:2007/09/17(月) 18:32
- ル ’ー’リ<あ、いけない。もうこんな暗いのに水がなくなりそう
おいリサコ、水汲みにいってこい!
州*‘ -‘リ<あしたじゃだめ?
ル ’ー’リ<いま行ってきて!
あと帰りにパン買ってきな
州*‘ -‘リ<ぱんのおかね…
ル ’ー’リ<お金お金ってうるさいなぁ!ほら!
床に投げ落とされたお金を拾うリサコ。
ポケットに詰めると桶を持って暗く寒い外へと出た。
距離のある水汲み場まで歩き、水を汲む。
ちょっと歩いては立ち止まり、手にはぁはぁと息をかけて暖める。
州*‘ -‘リ<さむいゆー
持っていた桶が急に軽くなった。見ると誰かが一緒に持っている。
从o゚ー゚从<お嬢ちゃんどうしたのこんなところで?
州*‘ -‘リ<水汲みを頼まれたんだゆー
从o゚ー゚从<こんな夜中に?私が持ってあげるよ
州*‘ -‘リ<うぅん。じぶんでもたないとおこられるから
从o゚ー゚从<可哀想に。お嬢ちゃん、名前は?
州*‘ -‘リ<りさこ
マアサの足が止まる。しげしげと見ればその顔は痩せており
絶えず大人のこちらの顔色を覗くようにしている。
- 33 :A:2007/09/17(月) 18:32
- 州*‘ -‘リ<ただいまだゆー
ル ’ー’リ<遅い!走って帰って来い!
あれ…そちらは宿屋へのお客様でしょうか?
从o゚ー゚从<いや、私はチナミさんに頼まれてリサコを迎えに来たんだ
ル ’ー’リ<そんな急に言われても
彼女には金貨20枚の貸しがあるんだが
从o゚ー゚从<私が払います
カバンから金貨を取り出すマアサ。
ル ’ー’リ<あぁ、慌てて間違った。20枚じゃなくて50枚だった。
从o゚ー゚从<そうですか
残りを追加するマアサ
ル ’ー’リ。o(これは!まだまだお金が貰えるぞ!)
ル ’ー’リ<いや、やはりお金の問題じゃないんです
私達は家族同然に今まで暮らしてきてました
あなたは本当に彼女の使いなんですか?
从o゚ー゚从<ここにチナミさんに書いてもらったメモがあります
それは仕送りに添えられていた手紙と同じ文字だった。
ル ’ー’リ<ぐっ…
- 34 :A:2007/09/17(月) 18:32
- 从o゚ー゚从<さぁ行こうか、リサコ
州*‘ -‘リ<ままは?
从o゚ー゚从<リサコのお母さんはね、亡くなったんだよ
州*‘ -‘リ<しんじゃったの…?
从o゚ー゚从<これからは私が君を責任持って育てる
一緒に、来てくれるかな?
リサコは迷わずにこくんと頷いた。
モモコの元よりはどこでも幸せだろうと思ったことと、
何よりこの、自分を連れて行こうとする人物が
とても優しそうに見えたから。
- 35 :A:2007/09/17(月) 18:32
- さてなぜユリナに捕まったマアサがリサコの前に現われたか?
裁判の結果無期懲役となったマアサが船着場へと運ばれた。
これから乗り込む船の準備を待っていると、
マストの上の船員が風に煽られてバランスを崩した。
誰もがどうしようどうしよう?と騒ぐ中でひとりだけ
マストを駆け上り船員を助けた人物がいた。
船員は助かった。
だが代わりに助けにいった囚人が海に落ちた。
しばらく海を捜索したがその体はどこにも見つけららず、
警察はマアサを水死したものとして扱った。
この結果に疑いを持った人物がひとり。
川*^∇^)||<囚人は手かせをされていたはずなのに
マストに登れたということは
手かせを外して脱走する準備をしていたに
他ならない!マアサは生きているはずだ!
- 36 :A:2007/09/17(月) 18:33
- 市長時代に稼いだお金を持って
目立たないようにひっそりと暮らすマアサとリサコ。
州*‘ -‘リ<ねぇねぇ
从o゚ー゚从<うん?
州*‘ -‘リ<ママってよんでいい?
もしかしてこういうのささいな幸せですが、
もしかしてこういうのほんとの幸せですね。
- 37 :A:2007/09/17(月) 18:33
- 幸せながらも、執拗にマアサを探すユリナの噂を聞いては
居場所を転々とする生活。
一度もう絶対絶命と思われたことがあった。とある夜。
川*^∇^)||<この先は行き止まりのはずだ
从o゚ー゚从<さぁリサコ、この塀を飛び越えて!
州*‘ -‘リ<わかった。ママも早く!
从o゚ー゚从<この屋敷の関係者に会わないことを願って!
塀の向こう、誰かの屋敷の庭に飛び込むと
ランタンの明かりが飛び込んできた。
洲´・ v ・) <物音がしたから来てみれば……そこに居るのは誰?
えっラビさん?
从o゚ー゚从<うわぁ懐かしい呼び名。ってあなたはアイリさん?
門を叩く音と声がする。
川*^∇^)||<警察だ。開けろ。不審者を探している!
洲´・ v ・) <……警察に追われてるんですか?
从o゚ー゚从<アイリさん、お願い!突き出さないでほしいの!
洲´・ v ・) <いいですよ
从o゚ー゚从<えっ?そんな簡単に……
なぜ警察に追われてるかも聞かなくて良いんですか?
洲´・ v ・) <私はあなたを信頼しております。
それに、私が馬車の下敷きになりかけてたとき
あなたは原因を聞いてから助けてくれましたか?
さぁ早く裏口からお逃げなさい
警察は私が時間を稼いでおきます
- 38 :A:2007/09/17(月) 18:33
- 門を叩く音が次第に大きくなる。
アイリは眠そうな仕種で門を開ける。
洲´・ v ・) <どうしたんです?こんな夜更けに
川*^∇^)||<この辺で不審な二人組みを見なかったか?
ひとりは初老で、もう一人は若い娘なんだが
洲´・ v ・) <えぇっと、初老の男性と若い娘ですか?
川*^∇^)||<いや女性だ。初老の女性
洲´・ v ・) <若いといいませんでした?
川*^∇^)||<初老の女性と若い女性だ
洲´・ v ・) <どっちなんです?
川*^∇^)||<二人組だと言っただろう!ビキビキ
- 39 :A:2007/09/17(月) 18:33
-
そんな日々が10年目に差しかかろうとしていた頃……。
- 40 :A:2007/09/17(月) 18:33
- 第九章 ミヤビ君
ここはナツヤキ男爵の館。小さいながらもお金に困るようなことはない。
そして当主のミツオは今にも息を引き取りそうだった。
(0―0ヽ)<ミヤビよ、お前がこのナツヤキ家を継ぐにあたり
話しておかなければならないことがある……
ノノl∂_∂'ル<はい
(0―0ヽ)<私がナツヤキ家に婿入りする前の話だが
戦争のとき、私はひとりの兵士に命を救われた。
もしその者がナツヤキの家を訪ねて来ることがあったら
もてなしてあげて欲しい
ノノl∂_∂'ル<わかりました
して、その方の名は?
(0―0ヽ)<その者の名は、モモコという……
ナツヤキ家を頼んだぞ、ミヤビ
そう言ってミツオは息を引き取り、
ミヤビが新たなナツヤキ家の当主となった。
- 41 :A:2007/09/17(月) 18:34
- ちなみにミツオの話の真実はこう。
時は戦争中。
ル ’ー’リ<戦うのは他の人に任せてモモは
倒れた人から財布を取ったり時計を取ったり
あぁ忙しい
(0―0ヽ)<………
ル ’ー’リ<むむむ。こいつ、良い服着てる!
ってことはお金もいっぱい持ってるのでは!?
ガサゴソガサゴソ
(0―0ヽ)<……ウッ
ル ’ー’リ。o(げげげ!まだ生きてた)
(0―0ヽ)<……君は?
ル ’ー’リ<あなたを戦地から安全なここまで引っ張って
助けた者です
(0―0ヽ)<そうか、ありがとう……
私はテラダ大佐だ
命が助かったら礼をしたいからぜひ
名前を教えてくれ……ウウッ
ル ’ー’リ<モモコ、と申します
- 42 :A:2007/09/17(月) 18:34
- 爵位を継いだミヤビは社会、主に政治について
よく考えるようになった。お風呂の時、寝る前ーとか。
散歩中にもこうして。
ノノl∂_∂'ル。o(このままでは貴族と民衆の格差は
開く一方だ。これでいいのだろうか?)
州*‘ -‘リ<今日の晩ご飯は何にしましょう?
从o゚ー゚从<そうだねぇ…
いきなり売店でごっつんこ。
ノノl∂_∂'ル<す、すいません。ぼーっとしてました
州*‘ -‘リ<こちらこそ
ノノl∂_∂'ル。o(かっ、可愛い人だ!)
州*‘ -‘リ。o(すっ、素敵な人!)
ノノl∂_∂'ル<あ、あの私、ミヤビと申します。
良かったらお名前教えていただけますか?
州*‘ -‘リ<リサコと申します……ミヤビさん
从o゚ー゚从<あの〜
ふたりは急速に親しくなっていった。
- 43 :A:2007/09/17(月) 18:34
- 時代は変動を迎えていた。
働いても働いても暮らしの楽にならない民衆。
民衆からの税収で豊かな暮らしの約束された貴族。
両者は話し合いの余地もなく、いつ革命が起こるか、
時間の問題であった。
ノノl∂_∂'ル<ねぇリサコ聞いて。僕は今の世の中を変えるため
革命軍に入ることにした
州*‘ -‘リ<そんなの危険だわ!
ノノl∂_∂'ル<これ以上、重税で苦しむ人々を見ていられない
僕は爵位を持つことが恥ずかしくない
時代にしたいんだ!
……革命は本日夜、決行するって
真っ青な顔で家に帰ったリサコ。
从o゚ー゚从<リサコ、どうも近々革命があるらしく
警察が多く出歩いている。
その中にユリナ君も居るらしい
……また移動しなくてはならないようね
州*‘ -‘リ<私、この街に居たい
从o゚ー゚从<リサコ!?
もしかして、ミヤビ君のこと?
州*‘ -‘リ<……はい
リサコからミヤビが革命に参加することを聞いたマアサ。
リサコの肩に手を置いて言うと、家を飛び出した。
从o゚ー゚从<ここで待ってなさい
私がミヤビ君を説得して来るわ
- 44 :A:2007/09/17(月) 18:34
- 市民vs警察の銃撃戦が今にも始まりそうなバリケードの側。
ミヤビが居た。
从o゚ー゚从<ミヤビ君
州*‘ -‘リ<あっ、あなたはリサコさんの……
手伝いにきてくれたのですか?
从o゚ー゚从<そうよ
从o゚ー゚从。o(今何を言ってもきかないだろう。
危なくなったら彼を連れて逃げよう)
近くで騒ぎが持ち上がる。
川*^∇^)||<いや、本当に私は一般市民で君達の味方だ
リ ・一・リ<嘘だね!俺は警察でお前を見たことがある。
間違いなくコイツは警察だ。
我々のスパイに来たんだ。処刑すべきだ!
縄でぐるぐる巻きにされるユリナ。
川*^∇^)||<くっ、これまでか…
从o゚ー゚从<向こうのバリケードで銃撃戦が始まった。
この男の処刑は私がするから
君達は支援に行きなさい!
川*^∇^)||<お前は!……こんな形で会うとはな
- 45 :A:2007/09/17(月) 18:35
- 縛られたユリナと、銃を持つマアサ。ふたりだけが残された。
川*^∇^)||<今まで追いかけた恨みが晴らせるな
さぁマアサ、私を殺すがいい
从o゚ー゚从<……
マアサは銃を空に向けて2発、撃った。
从o゚ー゚从<さぁ、縄をほどいてやるから逃げろ
川*^∇^)||<なぜ殺さない?
从o゚ー゚从<殺したくないからだ
川*^∇^)||<ここで殺さないと私はお前を捕まえるぞ
从o゚ー゚从<私にはもう少しだけやることがある
リサコのためにあの青年を守らねばならない。
それが済んだらいつでも捕まってあげる
川*^∇^)||<……
- 46 :A:2007/09/17(月) 18:35
- 銃撃戦の激しい場所。
革命軍は警察の圧倒的な武力の前に今にも屈しようとしていた。
ミヤビは、腕から血を流し倒れていた。
从o゚ー゚从<しまった!……いや、まだ息があるわ!
でもひどい傷。早く病院へ連れていかないと
ミヤビの上着を破いて包帯代わりに銃創をしばり血を止める。
持ち前の怪力でその体をかつぐと、警察の居ない場所へと逃げ込んだ。
下水道へ。
ノノl−_−'ル<…………
从o゚ー゚从<ハァハァ……明かりは、まだか
体を水浸しにしながら歩き続ける。
その上、ひとり背負っているからマアサの体力がどんどん
なくなっていく。やがて、遠くに明かりが見えた。
从o゚ー゚从<着いた!
しかしマアサひとりではミヤビを地上へ上げるのが難しい。
そこに人影が通りかかった。それは……
从o゚ー゚从<すまない、そこの人!
この人を持ち上げるのを手伝ってくれ!
ル ’ー’リ。o(こいつ!こいつは忘れても俺は覚えてるぞ。
あの預かったガキを連れ去った女だ。
金持ちだと思ったら、こういうことか)
- 47 :A:2007/09/17(月) 18:35
- ル ’ー’リ<あぁいいよ
モモコがミヤビの体を引き上げ、マアサが下から押し上げる。
ミヤビもマアサも無事、地上へと出れた。
从o゚ー゚从<ありがとう
ル ’ー’リ<いいってことよ
モモコはマアサにばれないようにさりげなく、
ミヤビの服の袖の一部を破り、ポケットに入れた。
ル ’ー’リ。o(モモはこういうことには勘が働くんだから。
これは良い強請りのネタになりそうな気がするぞ)
- 48 :A:2007/09/17(月) 18:36
- ミヤビの体を病院の前に下ろし、ドアを叩く。
人が出てくる前に姿を消し、家に戻ろうとするマアサの前に
ユリナが現われた。
川*^∇^)||<待っていたぞ
从o゚ー゚从<来たな、ユリナ君。ちょっと待っててくれないか?
リサコにミヤビ君が助かったことを告げに行きたい
川*^∇^)||<…………よかろう。ここで待っている
从o゚ー゚从。o(! まさか良いというとは思わなかった)
リサコに革命は市民軍の敗北であること、
ミヤビ君は無事で病院に運ばれたらしいことを告げた
マアサが戻ってくると、そこにユリナの姿はなかった
从o゚ー゚从<おい、ユリナ君!どこへ行った!
- 49 :A:2007/09/17(月) 18:36
- ユリナは街を歩いていた。
川*^∇^)||。o(なぜアイツは自分のことも構わず
他人のために動くのだ?犯罪者のくせに)
川*^∇^)||。o(犯罪者はすべて卑しい者だ。
私は今までそう信じ、そう行動してきた)
川*^∇^)||。o(法律は絶対で、
すべての犯罪者に適用されるべきなのだ)
川*^∇^)||。o(そう、信じてきた、のに……)
橋の側でユリナは歩みを止める。きれいな月が映っていた。
ユリナは拳銃を手に取った。
川*^∇^)||。o(罪にも理由があり、
法にも慈悲があるべきなのかも知れない)
川*T∇T)||。o(しかし、やはり私は認められない!)
銃声が1発静かに響き、
やがて何か大きなものが川へ落下する音が続いた。
- 50 :A:2007/09/17(月) 18:37
- 第十章 善き人
- 51 :A:2007/09/17(月) 18:37
- マアサがナッチ司教と出会ってから、もう数え切れない程の
年月が過ぎた。
怪力を誇った体も老いには勝てず、寝ている時間のほうが
長くなり始めていた。マアサはミヤビ君を家に呼んだ。
从o゚ー゚从<ミヤビ君はリサコのことをどう思っているの?
ノノl∂_∂'ル<あのっ、近いうちに結婚を申し込もうと思ってます
从o゚ー゚从<それを聞いて安心したよ
あの子と私は血が繋がっていないのです
ノノl∂_∂'ル<それは、リサコさんから聞いています
从o゚ー゚从<……ミヤビ君、実は私は前科者で犯罪者なのです
もしあなたがリサコを幸せにしてくれるなら
私はもう思い残すことはありません
私はリサコと離れて住もうと思います
ノノl∂_∂'ル<あなたが居なくなったらきっと
リサコが悲しむことでしょう
……でも、それも良いかも知れません
まだ世間では前科者や犯罪者に対する見方は冷たかった。
それを知っているマアサは自分から離れることを申し出た。
从o゚ー゚从<リサコをよろしく
- 52 :A:2007/09/17(月) 18:37
- 州*‘ -‘リ<ねぇ、なんでママ一緒に住まないの?
从o゚ー゚从<リサコはもうすぐ結婚するんだから、
相手の家に行っていろいろ学ぶ必要あるでしょ
だから街の近くに住んだほうが良いけど
私は森や自然の近くに住みたいの
ナツヤキ男爵の館に出入りするリサコをひとりの女が見ていた。
周りの人に話を聞けば、ナツヤキ男爵とリサコが近々結婚するという。
女はにやりと笑いながらナツヤキ家の門を叩いた。
ル ’ー’リ<男爵様、このたび結婚をされるようですね
おめでとうございます!
ノノl∂_∂'ル<どこのどなたか存じませんがありがとうございます
ル ’ー’リ<私はモモコと申すものですが、まぁそんなことより
ひとつ情報があるんですが買いませんか?
ノノl∂_∂'ル。o(モモコだと!)
ル ’ー’リ<あなたの結婚相手のリサコさんの親御さんについて。
金貨10枚です。聞かないと絶対後悔しますよ
ノノl∂_∂'ル<彼女の本当の親じゃないって事は知ってるけど?
ル ’ー’リ<うっ。ま、まだありますよ。
その本当の親じゃない彼女の過去ですが……
ノノl∂_∂'ル<前科者だということももう知ってるよ?
ル ’ー’リ<えっ!?
あぁぁえぇと、じゃあこれは?その親御さんが
あの革命の日の夜に
死体からお金を盗んでいたって話は知ってますか?
ノノl∂_∂'ル<何だって!?その革命には私も居たんだぞ!
あの神聖な戦いの場でそんな卑劣なことが!
- 53 :A:2007/09/17(月) 18:37
- ル ’ー’リ<あの女が下水道を死体を担いで歩いてたんですよ
たぶん目立たない場所で
持ち物を漁るつもりだったんでしょう
証拠もありますよ。その時に私会ったんですから
モモコがあの日、こっそり破った袖の切れ端を見せると
ミヤビの顔色が変わった。そして力いっぱいモモコを突き飛ばした!
ル ’ー’リ<何するんですかぁ!
ノノl∂_∂'ル<その服は私の服だ!
あの日、バリケードから私を病院まで連れて行って
くれたのが誰なのかずっと解らなかった!
彼女だ!彼女が私をおぶって下水道を歩き
警察の追っ手を逃れながら私を助けてくれたんだ!
お前はあの人の悪い真実を教えようとして逆に
あの人が聖人であることを証明したんだ!
ミヤビは金貨200枚の入った袋をモモコの足元に投げつけた。
ノノl∂_∂'ル<それをやるから、私の前から消えうせろ!
ル ’ー’リ<えっ、こんなに!
ノノl∂_∂'ル<昔、お前は戦場で大佐を助けただろう
ル ’ー’リ<大佐じゃなくて将軍でしたよ。大将のテラダ様です
ノノl∂_∂'ル<大佐だ!そのお礼も含めての金だ!
そしてもう二度と私の前に姿を見せるな!
ル ’ー’リ<????ドユコト?
- 54 :A:2007/09/17(月) 18:38
- ノノl∂_∂'ル<リサコ!おいで!
州*‘ -‘リ<どうしたの?
ノノl∂_∂'ル<君のお母さんに会いにいく
君と結婚したら僕の家で一緒に暮らそうって
お願いに行くんだ!
州*‘ -‘リ<えっ。でも……
ノノl∂_∂'ル<僕の親戚なんか気にするな!
誰が何と言っても、今度は僕があの人の
チカラになる番だ!
州*‘ -‘リ<はい!
- 55 :A:2007/09/17(月) 18:38
- ベッドに横たわるマアサの顔は穏やかだった。
从o゚ー゚从。o(もうリサコは安心だ。私の役目は終わった)
从o゚ー゚从。o(たった一つの教えを)
从o゚ー゚从。o(あの日聞いたたった一つの教えを守ったおかげで
私の人生は幸福なものとなった)
从o゚ー゚从。o(私は、幸せな人間だ)
今まさにマアサの生命の火が消えようとしているところに
そうなる運命だったかのように駆け込んでくるミヤビとリサコ。
州*‘ -‘リ<ママ!
ノノl∂_∂'ル<何で言ってくれなかったんです!
あなたが僕の命の恩人だと
从o゚ー゚从<私はもうすぐこの世を去る
リサコ、お前のおかげで素晴らしい人生だったよ
ミヤビ君、リサコを宜しく頼む
- 56 :A:2007/09/17(月) 18:38
- 州*‘ -‘リ。o(ママ、もう助かろうとしてない……)
ノノl∂_∂'ル<せめて、神父様を呼んできます
从o゚ー゚从<神父様ならもう、ほら、そこにおられる
三人の他には誰も居ないこの部屋でマアサが指をさす。
その先には――。
- 57 :A:2007/09/17(月) 18:39
-
Å
- 58 :A:2007/09/17(月) 18:39
- なんのへんてつもない墓地の片隅の
名前だけが刻まれた石が、彼女の墓であった。
ただ誰かが鉛筆で書いた詩がうっすらと読める。
運命の荒波を生きた彼女、
その天使を失なう時に死にたり。
それは自然のなりゆきである。
昼の後に夜が来るごとく。
- 59 :A:2007/09/17(月) 18:39
- おわり
- 60 :A:2007/09/17(月) 18:41
- >>29
いつまでも二人でならば人生楽しんで行けそうだね
>>30
原作はもっとみんな活き活きしてます
- 61 :名無し娘。:2007/09/17(月) 19:23
- 号泣した
- 62 :名無し娘。:2007/09/17(月) 22:31
- これ最初しか知らなかったけどこんな凄い話だったのね
- 63 :名無し娘。:2007/09/17(月) 22:47
- 桃子いい性格してるわ
- 64 :名無し娘。:2007/09/17(月) 23:19
- ある意味優勝候補だな
- 65 :名無し娘。:2007/09/17(月) 23:29
- 素直に感動した
- 66 :名無し娘。:2007/09/17(月) 23:33
- 配役がぴったりなんだよね
- 67 :名無し娘。:2007/09/17(月) 23:37
- ヨカタ
原作も読んでみるわ
- 68 :名無し娘。:2007/09/18(火) 01:37
- 思わず二回読んだ
- 69 :A:2007/09/20(木) 00:19
- >>61
原作も号泣するよ
>>62
パンを盗んで19年牢獄に……だけ何で有名なんだろうね
>>63
プロですから
>>64
りさこ優勝!
>>65
原作も感動するよ
>>66
そう?ナッチマアサリサコユリナ以外は変えても良さそうだよ
>>67
青い鳥文庫「ああ無情」がお勧め
短くまとまってるのに感動のポイントを外してない
>>68
原作も読むといいよ
- 70 :名無し娘。 :2007/09/25(火) 01:01
- レミゼのミュージカルは初演から見てるけど原作は一度も読んだことがない
一回読んでみようかなぁ
テナ、アンジョ、マリウスと男性陣がかなり省略されてるのはベリメンの
人数の関係でしょうがないんだろうけど、やっぱり残念でした
テナ妻がももちなのはぴったりだと思いました
とにかく作者さん、乙
演劇版からこれ借りてきました
AAに続くベリ、キュ合同での登場人物が多いヴァージョンも期待したいです
ジャジャジャジャ、ジャン♪(ごわぁぁ〜〜〜〜〜〜ぁぁあああぁ〜〜ん!)
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- 71 :名無し娘。:2007/09/27(木) 22:36
- もしかして作者さん 保育にもスレをお持ちでは?
(ちがったらごめんちゃい)
- 72 :A:2007/10/06(土) 23:16
- >>70
人が足りないのもありますが個人的にABCカフェの辺りは
それほど感動しなかったので省略しました
>>71
持ってないですよ
- 73 :名無し娘。:2007/10/07(日) 00:01
- Aさんはどのコテハンかカミングアウトしないんですか?
- 74 :A:2007/10/13(土) 09:16
- >>73
しないよ
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