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れいな VS ピスタチオ

1 :名無し娘。:2006/09/28(木) 11:13
勝つのはどっち?

30 :名無し娘。:2007/01/08(月) 23:28
4714

31 :名無し娘。:2007/01/17(水) 16:24
狩狩でう○こさんの続き物が読めるとはありがたやありあがたや

32 :名無し娘。:2007/01/22(月) 00:55
れいなはとりあえず山に向かって叫んだ。
うにゃーとまるで猫が轢かれる時に出すような声で。
それはののたんと再び出会えた喜びの声であり
れいなが高野山にやってきた事をののたんに知らせる声だった。
「あほがおるな」
「のんの事れすか?」
「否定はせえへん」
ふたりは一瞬れいなを見たがすぐ話と視線をそらした。
ののたんはれいなに気づかなかったのか?
それとももうれいなの顔を忘れてしまったのか?
いやどちらも不正解だ。れいなは直感で感じ取っていた。

無視だ。絵里とさゆみの得意技だ。
ののたんはれいなともう関わりたくないと思っているのだ。
なぜ?あんなに愛し合ったふたりなのに。
私の他に大切な人が出来たの?なにその女?
キィィ!このメスブタが!それはれいなのののたんっちゃ!

33 :名無し娘。:2007/01/22(月) 00:58
れいなは止めとけばいいのに、奇声を上げながら
ののたんとあいぼんの間に強引に割って入った。
ピスタチオの殻は割れなくてもこのくらいは出来るのだ。
「なんやお前」
あいぼんはテレビに出るときとは1オクターブは下げた声で
れいなに一言発した。凄みのある声だった。

やばいヤクザっちゃ。れいなはヤンキーだから格上の相手だ。
普通なら上納金を納めなければいけないような相手だ。
だがれいなは臆さなかった。正義のために。ののたんのために。
「そこの豆腐みたいにブヨブヨの女、れいなと勝負っちゃ」
れいなの言葉を受けてあいぼんの眼光がギラリと光る。
あいぼんの黒目がちの瞳はまるで全ての闇を受け入れたような
どこまでも深く沈んでしまうような黒さだった。そうまるで醤油のような。
「面白い。勝負したるわ。そこのガリガリの高野豆腐が!」
ののたんと年寄りと高野山の山々が見守る中、
ふたりの悲劇的な戦いが今、始まろうとしていた。

34 :名無し娘。:2007/01/22(月) 14:49
絵里とさゆみの得意技かよ!

35 :名無し娘。:2007/01/22(月) 17:24
>まるで醤油のような

warosu

36 :名無し娘。:2007/01/24(水) 01:17
れいなはあいぼんと距離をとって身構えた。
未知の相手と戦う時はまず相手の実力を測らなければならない。
れいなはあいぼんを舐めるように足元からじっくり観察した。

まず一見するにあいぼんはおっぱいが大きかった。
まるで大きな落花生を詰め込んだような感じの膨らみが
あいぼんの胸を押し上げていた。うらやましい程だった。

いやちょっと待て。あれはおっぱいじゃない。
れいなははっと気づいた。
恐らくあれは胸へのダメージを軽減させる防具だ。
あんな大きなおっぱいはこの世に存在しないはずだ。
多数決をしてみよう。
大きなおっぱいはあいぼんが1票。
そうでもないおっぱいは、ののたんとれいなで2票。
ほら結論が出た。そうでもないおっぱいが正しい。
つまりあの大きなおっぱいは偽物っちゃ。胸の防具に違いない。
そうじゃないとれいなやののたんが貧乳みたいっちゃ。
でもこれでようやく安心して冷静に戦える。
れいなはほっと胸を撫で下ろした。
限りなくスムーズに手は胸を撫で下りた。

37 :名無し娘。:2007/01/24(水) 01:25
胸を過剰に防御するって事は逆に言うとそこに弱点がある。
れいなはあえてあいぼんの胸を攻撃する事にした。
あいぼんは見たところ重そうだ。つまり動きはにぶい。
ヒットアンドウェー。攻撃するだけして逃げる。
れいなはれいならしい卑劣な戦い方を選んだ。

「勝負。博多娘がめんたいこみたいに真っ赤に染めてやるっちゃ!」
れいなが動く。あいぼんも動く。その距離が縮む。
思ったより速い!れいなは予想が外れてビックリした。
「いくで。これがあいぼんさんの実力や!」
あいぼんの華麗なハイキックがれいなの顔を襲う。
これ以上おかしな顔になったら大変だ。
なんとか身体を反らしあいぼんの蹴りを避けた。

危なかった。準備運動もせずにあれだけ足が上がるとは
なかなか柔らかな身体をしているようだ。
いやもっと大事なのはあの胸も柔らかそうだった事だ。
あいぼんが走ると激しく胸が豆腐のように揺れた。
まさか本物なのか?そんなバカな。でも揺れたし本物っぽいけん。
れいなは許せなかった。
巨乳がいるから相対的に自分が貧乳になってしまうのだ。
名誉のために。自分のプライドのために。
憎っくきあいぼんを倒してみせる。れいなは闘志を燃やした。
そして悲劇が起こったのだった!

38 :名無し娘。:2007/01/24(水) 03:37
妙に「豆腐」という言葉を押すなw

39 :名無し娘。:2007/01/25(木) 18:48
絶妙の小ネタがたまらん

40 :名無し娘。:2007/02/11(日) 23:34
この文体が面白い

41 :名無し娘。:2007/02/17(土) 04:23
あいぼんとの戦いは明らかにれいなの劣勢だった。
最初のハイキック攻撃に怯えてしまい思うように動けない。
足がすくんでいるのだ。れいなはあいぼんに怯えていた。
絵里とさゆみにハブられるのと同じくらい怯えていた。
目の前であいぼんに手を叩かれてただけで思わずビビッてしまう。猫だまし。
れいなは自分の前世は猫では無いかとひとりで思っていたが
それが確信に変わった。ちょっと嬉しかった。

そして普段よりやけに息が乱れる。
まるで夜絡んでいる時のようにはぁはぁと息が乱れてしまう。
もしかして欲情しているのか?れいなは発情期なのか?
あいぼんの揺れるおっぱいを見て興奮しているのか?
いやその可能性は否定できないがそれだけじゃない。
思い出して欲しい。ここは日本屈指の霊山である高野山なのだ。
空気が薄く激しい運動には向いていない場所なのだ。
休憩したい。だが今は真剣勝負の真っ最中だ。
さすがに疲れたから休憩しようとは言いにくい。
もっとあいぼんと仲良くなってから戦えば良かった。
れいなは激しく後悔した。

42 :名無し娘。:2007/02/17(土) 04:23
れいなは困った時は親友頼みとばかりに辺りを見回した。
ののたん。れいなの親友のののたんに助けて貰おう。
だがののたんは居なかった。
ひょっとしてキレイな蝶々でも追いかけてどこかに行ったのかな?
ははは、ののたんは無邪気っちゃね。とののたんに萌えている時だった。
れいなは右肩にまるで蹴られたような衝撃を受けて吹っ飛んだ。
右肩をあいぼんに蹴られたのだ。れいなはペタンと尻餅をついた。
しまった。戦いの最中によそ見してる場合じゃなかった。
倒れこんだれいなに容赦なくあいぼんが襲い掛かる。
やばい、殺される。れいなが死を覚悟したその時だった。
「ちょっと待つのれす!」
二人が出会ったあの日のようにののたんが
れいなとあいぼんの間に割り込んできた。手には手土産。
近所の店で焼きそばを買ってきてくれたのだった!

43 :名無し娘。:2007/02/17(土) 17:27
あいぼんのハイキックってなんか笑える

44 :名無し娘。:2007/02/17(土) 23:29
このスレのれいなはイノセントで可愛いね

45 :名無し娘。:2007/02/18(日) 00:26
次の展開が全く読めん

46 :名無し娘。:2007/02/18(日) 03:15
3人は新聞紙を広げて並んで地面に座った。
激しい戦いで乱れた息を深呼吸して整える。澄みきった空気が美味しい。
目の前には青々とした山々と青い空。
美しい自然に囲まれているとなんだか幸せな気分になれる。
「はい。れいなのれすよ」
ののたんから手渡される焼きそば。温かかった。
まるでののたんのように。

焼きそばはお世辞にも美味しくなかった。
何度も温めなおした焼きそばは完全に伸びきっていて
まるでゴムを噛んでいるようだった。

47 :名無し娘。:2007/02/18(日) 03:16
「はい。これもれいなのれすよ」
れいなの焼きそばの上にののたんの食べ残しの焼きそばが重なる。
重なり合うふたり。絡み合う焼きそば。
どうやらののたんも美味しくない焼きそばだと思ったようだ。
れいなとののたんは同じ気持ちなんだと思うと嬉しかった。
「悪い。食うて」
更にその上にあいぼんの残飯が重なる。
3倍になったっちゃ。れいなが小さく呟くとあいぼんが睨んできた。

れいなは仕方なく焼きそばを3人前食べた。
油が回っている。胃がもたれる。さっぱりした食べ物を食べたい。
例えば湯豆腐を日本酒でも飲みながら。れいなは年寄りみたいな事を思った。
だからと言ってののたんに奢って貰った焼きそばを捨てる訳にはいかない。
れいなは涙目になりながら必死で食べた。
ののたんとあいぼんは美味しそうにお饅頭を食っていた。

48 :名無し娘。:2007/02/18(日) 16:41
れいな…

49 :名無し娘。:2007/02/19(月) 00:56
いきなりピクニックすか

50 :名無し娘。:2007/02/19(月) 01:13
ののたんが焼きソバ残すってどんなけ不味かったんだ

51 :名無し娘。:2007/02/20(火) 11:17
ピスタチオへの道のりは険しいな

52 :名無し娘。:2007/03/16(金) 19:07
ああ

53 :名無し娘。:2007/04/09(月) 17:13
そう

54 :名無し娘。:2007/05/03(木) 23:46
マダカナー

55 :名無し娘。:2007/05/03(木) 23:49
あいぼんショックが癒えません

56 :名無し娘。:2007/06/07(木) 08:16
そうか

57 :名無し娘。:2007/06/18(月) 22:21
所変わってここは東京。神保町。
れいなは夕暮れの街をひとり徘徊していた。
高野山から帰ってきて早4ヶ月、れいなはひとりで修行を続け
ピスタチオ程度なら周りの大人に色目を使って
割って貰えるまでに成長していた。
だがその過酷な修行の中で沢山の物を失っていた。
具体的に言うとののたんとあいぼんだ。

あの後、あいぼんと友人になったのだが
いつの間にか連絡がつかなくなっていた。
最後に連絡があった時にはあいぼんは確か、
今度東京に行くわ。奈良漬買うていくから楽しみにしててな。と言っていた。
だがどういう訳かあいぼんは草津温泉で遺体となって発見された。
れいなは泣いた。数少ない友達が死んだのだ。

58 :名無し娘。:2007/06/18(月) 22:21
その悲しみを分かち合うためにののたんに電話した。
用意周到にも非通知設定で。おかげで電話は繋がった。
だが相手はこう言ったのだ。「はい杉浦れすよ」と。
れいなは黙って電話を切った。
あはっ間違い電話っちゃ。れいなって本当に慌てんぼうたい。
れいなはののたんに再度確認の電話をしようと一瞬思ったが
何か知らなくて良い事を知らされそうな気がしたので
電話せずにそのまま憂さ晴らしの為に外に飛び出しのだ。
行き先も解らぬまま。暗い夜の帳りの中へと。

と言っても大体の目星はついていた。
この辺に目当てのお店があるはずなのだ。
女の子の夜の悩み特集目当てで買った雑誌に載っていたお店だ。
『ビールと有機栽培の枝豆で仲間と素敵な夜を』
と書かれていた。お店の人が枝豆を畑で栽培しているのだ。
枝豆か。れいなは新たなる敵と巡り合った。
そして運命に引き寄せられるようにそのお店の暖簾をくぐったのだった。

59 :名無し娘。:2007/06/18(月) 22:36
おいおいw

60 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:48
中に入ると威勢の良い声でまるでブックオフみたいに
店中の店員から声をかけられた。
良かった無視されなかった。れいなは嬉しくて泣きそうだった。
だが決してれいなは涙をこぼさなかった。
なぜれいなは泣かないのか?考えてみればわかるだろう。
この店員どもはれいながお客さんだから挨拶したのであって
知り合いだからとか好意があったりとかで声をかけたのではない。
金。そう、れいなから金をむしり取る為に愛想を振りまいているのだ。
これだから東京は怖か。れいなは寒気で身を震わせた。

れいなは九州から出てきた田舎者と思われないように
左右の目をバラバラに動かしてエレガントに店中を見回した。
なるほど人気があるのもうなずける。
暖色の照明が白木を使った和風の内装に落ち着きを与え
長居していくらでも金を使ってしまうそうな気がするけん。怖か。
そしてもっと恐れていた現実が目の前に広がっていた。

61 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:50
お店に居る客は熱々の恋人同士、もしくは気の置けない仲間と、
はたまた会社帰りの上司と部下などだったのだ。
要するれいなみたいにひとりで来ている客は皆無だった。
騙された。このお店に来たのは枝豆と戦うためだ。だがそれだけじゃない。
素敵な夜を『仲間』と過ごすために来たのだ。
これじゃいつもと変わらないじゃないか。

「おひとり様でよろしいでしょうか?」
店員がにやにやしている。馬鹿にされているのだ。
おひとりだと2人前から注文のお鍋セットは頼めませんよ。
と今にも言われそうだった。
「れ、れいなの親友が先に来とるけん。親友が」
言ってからしまったと思った。とっさに出た悲しい嘘だった。
れいなの親友はもうこの世には居ないのだ。

目の前で店員同士で何かひそひそ話している。
恐らく通報するかどうか相談しているのだ。
れいなが逃げ出そうとしたその時だった。
「あ、お連れ様はこちらの奥です。案内いたします」
店員はそう言って足早にれいなを先導して歩き始めた。
れいなはしばらく呆然としていたが意を決して店員の後を追った。

62 :名無し娘。:2007/06/19(火) 20:59
おおおおお!

63 :名無し娘。:2007/06/19(火) 21:55
相変わらず面白いですな

64 :名無し娘。:2007/06/20(水) 07:06
親友!?
新展開キタコレ

65 :名無し娘。:2007/06/21(木) 18:06
ここのれいなは熱いな

66 :名無し娘。:2007/06/22(金) 18:25
親友。この先にれいなの親友が居るのだ。
あやとりだろうか?PSPだろうか?MDプレーヤーだろうか?
いや落ち着け待ってるのは人間のはずだ。
絵里か?それともさゆか?
れいなは歩きながら考えたがそれ以外に親友は頭に思い浮かばなかった。
そしてそのふたりは未成年。
居酒屋で酒を飲んでいる可能性は無いと言ってもいいだろう。
つまりこの中に居るのは親友ではないと断言出来る。

「こちらです。どうぞ」
すだれのような物で目隠しされた個室の中に誰かが居る。
誰だ?れいなは目を細めたり見開いたり
いつもより更に目をおかしくしたが中の様子はわからない。
れいなは思わず店員にこれは誰ですか?と聞きそうになったが
店員はそんなれいなの戸惑いを嘲笑うかのような笑みを残して
れいなの前から立ち去っていった。

67 :名無し娘。:2007/06/22(金) 18:26
ここでれいなに出来る選択はふたつある。
ひとつはこのまま立ち去る。もうひとつはこのすだれを捲り上げ
やあ。れいなっちゃ久しぶりやけん。元気やった?
と親友のふりをする事だ。親友のふりは簡単そうで難しい。
コツはあれ面白かったね。とか、あの時さゆみびっくりしちゃったの。とか
絵里、あの子の事好きじゃないから。とか、さゆみも。絵里とやっぱり気が合うね。
などとふたりにしかわからない会話をする事だ。
どうするれいな?

「アヤちゃん?どしたの入りなよ」
びっくりした。いきなり中から声をかけられた。
落ち着け、冷静になってみよう。
まず自分はれいなであってアヤちゃんではない。
いや待て、自分が知らないだけでもしかしたらミドルネームかも知れない。
田中アヤれいな。可能性は無いとは言い切れない。
仮に自分がアヤちゃんでないとしてもだ、中の人に入って来いと言われたのだ。
これで中に入ってもれいなは悪くない。中の人の指示に従っただけだ。
れいなは自己正当化の末に禁断の扉を開いたのだった。

68 :名無し娘。:2007/06/22(金) 19:24
ワクワクテカテカ

69 :名無し娘。:2007/06/22(金) 20:01
可能性あんのかよw

70 :名無し娘。:2007/06/22(金) 20:40
田中アヤれいなちゃんを全面的に支持します

71 :名無し娘。:2007/07/01(日) 22:03
続きがすげー気になるんですけど

72 :名無し娘。:2008/02/03(日) 02:53
そろそろ書くか

73 :名無し娘。:2008/02/03(日) 08:44
そろそろ書いてよ

74 :名無し娘。:2008/04/17(木) 01:20
そろそろ本当に書くか

75 :名無し娘。:2008/10/10(金) 01:58
れいなはすだれを捲り上げかけたが直前で思いとどまった。
また逃げるのか、いつものように臆病風に吹かれて。
自分の中の自分が弱気な自分を嘲笑う。
相変わらず卑怯なの。怖くなってあっちに行ったりしてww
どこからともなく絵里とさゆの声まで聞こえてくる。
落ちつけれいな。こんなのちっとも怖くなんか無い。
実際、普段からはぶられたり虐められたりしているので
多少酷い目に合うのなんて怖くもなんともなかった。
それなのになぜ思いとどまっているのか?

考えて欲しい。もしこの部屋を覗き込んだ時に中の人が
見られてはいけない状況であったらどうなる?
仮に自慰行為でもしていたとしよう。
「ふへへ。見ちゃったけんね」
「いやん。恥ずかしい」
「バラされたくなければ今すぐれいなの親友になれっちゃ」
「なります。だから言わないでください」
なんだ親友になれるじゃないか。
れいなは安心してすだれをくぐった。

76 :名無し娘。:2008/10/10(金) 01:59
「いやあ、随分お待たせしたっちゃね」
目が合った。咄嗟にれいなは微笑んでみた。
中に居た人は冷めた視線でほんの少しだけれいなを見て
再びメニューに視線を戻した。無視だ。
つまりこれはさゆか?それとも絵里か?いや顔がどう見ても違う。
れいなはそれほど頭の良い人間では無いが
親友の顔くらいは覚えているつもりだ。
様々な記憶の糸を手繰り寄せてみたが結論から言うと
残念ながらこの中の人はれいなの親友では無かった。

おろおろしてると中の女が声をかけてきた。
「ねえ亜弥ちゃんは?携帯繋がんないしどうなってんの?」
女はそう言うと手に握ったグラスを垂直から水平方向に倒し
グラスの中の琥珀色の液体を体内に流し込んだ。
「美貴がどのくらい待ってると思ってんの?」
美貴というのか。良かった。これで会話しやすくなった。

77 :名無し娘。:2008/10/10(金) 01:59
れいなはグラスが空になってるのを確認すると
テーブルに置いてあるビール瓶を掴みグラスに注いだ。
なぜかペコペコして。女は礼も言わずにそのまま飲み始めた。
グラスの中のビールはあっと言う間に無くなった。
美貴は無表情でおいさっさと注げよ。とれいなに命令して下さった。
怒ってる。怒ってらっしゃるこの方は。
なかなか来ない亜弥ちゃんに痺れを切らしておられるのだ。
れいなは舎弟のようにさっとビールを注ぎ足した。

とりあえずテーブルを挟んで美貴の反対側の席に
座ってみたものの当たり前のように無視されて会話にならない。
沈黙が怖い。不規則的に発する舌打ちが恐怖を増幅させる。

78 :名無し娘。:2008/10/10(金) 02:00
れいなは間が持たないので機嫌を直させるために
亜弥ちゃんはそろそろ来るはずですよ。と適当な事を言った。
「え?本当に?亜弥ちゃんってば焦らすの大好きでさあ。
昨日の夜も…ってゆうかさあ、おめーは誰だよ」
「れ、れいなは…亜弥ちゃんの親友っちゃ!」

こうしてれいなの人生で一番長い夜が始まったのだ!

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0ch BBS 2006-02-27