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【下克上】例えば名無しが作者編【成り上がり】

1 :名無し娘。:2006/03/25(土) 03:16 ID:13s.MAi2


この狩狩には多数の”ネタ”存在する。

そこでどうだ、君も、そこのお前も、その”ネタ”を書いてみないかい?

91 :さゆみん熊のパン祭り ◆SAYU/RD1dk :2006/04/10(月) 00:34 ID:QOQdEpSU

  D/^ノハヽ
  リノ*^∇^)<みんな、12番はサービス問題というけど、わからなかった人もいるはずだよ!

  〃ノハヾヽ
  从*・ 。.・)<だれなの?

  D/^ノハヽ
  リノ*-∇-)<………道重編を読んでない哀チュン

92 :名無し娘。:2006/04/10(月) 01:34 ID:H2vj/Kw2
現時点での回答

 1:
 2:みゅん八
 3:チン亀
 4:サイサリス記念日
 5:
 6:
 7:
 8:チン亀
 9:エリックス
10:SKP
11:ニュース屋
12:SKP
13:みきれな

ボツネタ リブラー

93 :名無し募集中。。。 ◆MSFG2bNo :2006/04/10(月) 09:16 ID:uWBxmLIc
(偽5-_-)<皆さん予想お疲れ様でした。

(偽5-_-)<僕が書いたのは5番の>>33でした〜

(偽5-_-)<ヒサブリにネタ?書いたので、長いのは書けませんでした・・・


(偽5-_-)ノ<また機会があったら参加したいと思います。

94 :Anna ◆2kw/h.Od9M :2006/04/10(月) 21:10 ID:EDf2ArWk
〃ノハヾヽ
川 ・△・)。o( 6番 >>34-39でした

95 :名無し娘。:2006/04/10(月) 21:24 ID:r4ZY31To
現時点での回答

 1:
 2:みゅん八
 3:チン亀
 4:サイサリス記念日
 5:偽5を
 6:アンナ
 7:
 8:チン亀
 9:エリックス
10:SKP
11:ニュース屋
12:SKP
13:みきれな

ボツネタ リブラー

96 :うっかり娘。:2006/04/10(月) 21:41 ID:b/UuecY.

∬ ●-●)<7番(>>40-43)を書きました。

97 :名無し娘。:2006/04/10(月) 21:46 ID:6/QvXWow
確定

 1:とりあえず名無し
 2:みゅん八
 3:チン亀
 4:サイサリス記念日
 5:偽5を
 6:アンナ
 7:うっかり娘。
 8:チン亀
 9:エリックス
10:SKP
11:ニュース屋
12:SKP
13:みきれな

ボツネタ リブラー

98 :名無し娘。:2006/04/10(月) 22:25 ID:6eRdXiIE
1番(>>6-13)を書いた者です。
たしかに元々コテはありましたが、ゴミ箱の名無し232さんとは別人です。
(そもそも俺は参加表明自体していません。)

>>3のルール
・コテでない方もどしどし参加してください。

をみて参加した一名無しなのでとくに作者発表する気は無かったのですが
このままじゃなんか気持ち悪いので一応報告しておきます。

皆さんお疲れ様でした。

99 :みゅん8 ◆KVQrt4jLmo :2006/04/10(月) 22:44 ID:QDj/AqZc
これで全員出揃ったね

君達おつかれいな!

>>98


100 :名無し娘。:2006/04/10(月) 22:48 ID:K1e9X2Sc
参加者並びに予想したみなさん、お疲れ様でした

第2回も期待

101 :名無し娘。:2006/04/11(火) 12:58 ID:PCwRFebE
 1番 >>6-13    とりあえず名無し
 2番 >>16-23    みゅん八
 3番 >>24      チン亀
 4番 >>25-31    サイサリス記念日
 5番 >>33      偽5を
 6番 >>34-39    アンナ
 7番 >>40-43    うっかり娘。
 8番 >>47      チン亀
 9番 >>48-49    エリックス
10番 >>50-53    SKP
11番 >>54-55    ニュース屋
12番 >>57-63    SKP
13番 >>64-65    みきれな

安価付

102 :名無し娘。:2006/04/11(火) 14:42 ID:.HkOeSMM
>101


103 :名無し娘。:2006/04/11(火) 23:55 ID:YKn3FyS2
(ご参考)
http://www.omosiro.com/~sakuraotome/live/test/read.cgi/bbs/1107612915/556-564

104 :名無し娘。:2006/04/22(土) 16:00 ID:k1vGK2Og
第二回はあるの?

105 :名無し娘。:2006/06/05(月) 18:40 ID:hyV4YcD2
期待しながら待ってるんです

106 :名無し娘。:2006/07/18(火) 18:21 ID:1vEDtd0k
第2回やろうぜ

107 :名無し娘。:2006/09/26(火) 12:46 ID:Aul5earY
第2回企画まだー?

108 :チン亀太郎 ◆kaMeXBmqDk :2006/09/29(金) 07:11 ID:acRR6pF2
 
 
 
第二回 「もしもミキティが幼なじみの隣の娘だったら in狩狩」
 
 
 

109 :チン亀太郎 ◆kaMeXBmqDk :2006/09/29(金) 07:11 ID:acRR6pF2



「おい美貴、第2回は俺達らしいぞ。」
「ふーん。まぁどうせだったら可愛く書いてよね。」
「お前ってヤツは・・・。ルールはこんな感じだ。」



【ルール】
・とりあえずみんなで「もしもミキティが幼なじみの隣の娘だったら in狩狩」を書いてみましょう。
・ネタは設定に沿ったものでお願いします。
 (どの程度までを「設定に沿う」とするかは、各自で自由に判断してください。)
・参加は自由です。ただし、名無しでネタを書いてください。
・ROMのみなさんは「このネタは誰が書いたんだろう?」と妄想してください。
 もちろん、感想などを書いていただいても結構です。
・コテの方は、ネタ投下期間終了後から作者発表期間の間にどのネタを書いたのか申告してください。
・コテでない方もどしどし参加してください。
・ネタの優劣を競うものではなく、作者予想→正解発表を楽しむ企画です(重要)。

【期間】
・ 9月30日(土)00:00:00から、10月13日(金)23:59:59までを『ネタ投下期間』とします。
 この期間中にネタをこのスレに投下してください。
 その際、他の作者さんとネタがかぶらないように更新チェックをしてからの投下をお願いします。

・10月14日(土)00:00:00から10月14日(土)23:59:59までを『作者申告&作者予想期間』とします。
 この間にこの企画に参加したコテのみなさんは参加したことをコテで申告してください。
 予想をするという目的上、できるだけ早めの申告をお願いします。

・10月15日(日)00:00:00を過ぎると『作者発表期間』です。
 このネタは僕が書きました、という発表をお願いします。

【参考サイト】
もしもミキティが幼なじみの隣の娘だったら 臨時まとめサイト
ttp://www.geocities.jp/mossanmatome/



「ざっとこんな感じだな。まだ2回目なんで急遽ルール変更などあるかもしれんがそこは大目に見てくれ。」
「なんていうか・・・堅苦しいよね。」
「それはいうな。」
「でもそういうきちっとしたとこ結構好きだよ。」
「み、美貴・・・それって告白」

ドゴッ

「ごふっ・・・だめだこりゃ・・・。」

110 :名無し娘。:2006/09/29(金) 09:39 ID:XT.Ojwas
高まる期待

111 :名無し娘。:2006/09/29(金) 19:19 ID:d9vZpdk.
参加者一人しかいなかったらどうするんだろ?

112 :名無し娘。:2006/09/29(金) 20:11 ID:WOqEuCEk
参加するよー?

113 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:51 ID:vU/8Z4.6
1日目

 友人のYが美貴についてたずねてくる。俺の家の隣に住んでて
幼馴染だというと妙に納得していた。それがどうしたんだと聞いても
それ以上はなにも話さない、というか、他のやつらが来てその話は
終わった。そういえばYは前の彼女と別れてから結構たつ。まさか
あいつを?いやYは俺たちの中でも目立って女にもてるから、
いくらなんでもわざわざ美貴をえらぶことはないよな。学校も違うし。

114 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:51 ID:vU/8Z4.6
2日目

 今日もYは美貴について聞いてきた。「なに?惚れたの?」と
聞いたら、あいつ照れくさそうに頭掻いて「まぁな」と言った。それから
美貴のバイトの時間とかを聞いてきた。俺はたまたま知ってたから
教えてやった。なんで知ってるかと言うと、たまたまあいつがバイト中
のコンビニに入ったら、妙に向こうが気まずい気持ちになったらしく、
この曜日のこの時間にはくるな、とご丁寧にエクセルの表までつけて
パソのメールで送ってきたからだ。そこまで嫌うことあるか?

115 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:52 ID:vU/8Z4.6
3日目

 Yは今日、美貴に告白すると言う。頑張れ、と言った。

4日目

 学校は休み。美貴の部屋がなんとなく気になる。カーテン越しに
シルエットがみえるが、なんだかずっと宙をみているみたいだ。
突然のYの告白に戸惑っているのかな?

116 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:52 ID:vU/8Z4.6
5日目

 今日も休み。遊びに行く途中、偶然美貴に会う。明らかにいつもより
機嫌がいい。あんなあいつをみたことがない。きっとYを振っていい
気分になっているんだろう。あいつかなりサドだからな。「なんだか
機嫌よさそうだな」と言ってやると、「そんなことないよ」といいながら
顔が笑っていた。本当にわるいやつだ。


6日目

 体が朝からだるかった。Yは学校であうなり、俺に例の件について
話そうとしてきた。俺は振られたと思ってた。なんなんだろうな。
すこし複雑な気分だ。別にうらやましいとかじゃない。

117 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:52 ID:vU/8Z4.6
7日目

 風邪を引いた。だるい。


8日目

 昨日は学校を休んだ。体は元気になったが今日も念のために
休んで医者に行った。症状を訴えたが流行の風邪ではないらしい。
なにかストレスになるようなことはなかったですか?と聞かれた。
ない、と答えた。


9日目

 学校に行った。Yはめちゃくちゃ幸せそうな顔をしていた。俺は苦手
科目の英語でめちゃくちゃ宿題が出ていてあせった。

118 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:52 ID:vU/8Z4.6
10日目

 美貴に駅に行く道で会う。会うなり、「おめでとう」と言ってやると、
「なんでそれを知っているの?」という顔をしたので、「おめでたい顔
してるな」と言い直してやった。当然「ぶっ殺すぞ」くらいは言われると
思ったのに、上機嫌だったらしくぜんぜん怒ってこなかった。
それはそれでつまらない。

 学校でYにこのことを話した。美貴は周りに秘密にしたがってると
Yは言った。だからデートも駅で待ち合わせじゃなくて現地集合なんだ
そうだ。ていうか、もうデートしたのか。おい、どこまでいったんだよ、
とからかってやった。

119 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:53 ID:vU/8Z4.6
11日目

 全然たいしたことはないけど、すこしだけ風邪がぶり返してきた。
咳が出るが学校に行った。電車の中で寝た。内容は覚えてないけど
ものすごく悪い夢を見た気がする。「待って」と叫んで目覚めたのは
確かだ。人がいっぱいこっちを見てきたのでめちゃくちゃ恥ずかし
かった。おまけに1駅乗り過ごした。


12日目

 学校は休み。英語の宿題がやばい。やらなきゃとは思うが机の前
でへばってしまう。Yから電話がかかってくる。美貴になにをあげたら
喜ぶかって?そんなの知るかよ。そんなことより英語の宿題助けて
くれよ。


13日目

 英語の宿題がやばい。

120 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:53 ID:vU/8Z4.6
14日目

 やってしまった。美貴に駅に行く途中でたまたま会ったのがまず
かった。英語の宿題のありえなさを熱く語るあまり、つい勢いで「お前
のせいでYが俺の英語の宿題を手伝ってくれない」と言ってしまった
のだ。あんなに顔の赤い美貴を久しぶりに見た。小学生の時クラスの
暴れん坊にスカートをめくられて以来だ。そいつはぼこぼこにされた
けど、俺はぼこぼこにはされなかったからまだ良かったけど。


15日目

 英語の宿題を征服した。さすが俺。やっぱり俺。ただし答えは
はっきり言ってあっていないと思う。でもこの際それは関係ない。
とりあえずこれは進歩だ。今までYに頼りすぎていたと思う。そう
いえばYには昨日のことを言っていない。帰りの駅のホームで
美貴を見かけたが気まずくて声をかけなかった。明日からしばらく
は早起きして学校に行くことにしよう。


16日目

 遅刻した。目覚ましが鳴らなかった。ていうか早く鳴らしすぎて消した。

121 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:53 ID:vU/8Z4.6
17日目

 Yにばれた。時間の問題とは思ってた。もちろん他の誰にも言って
ないし、言う気もないと強調しておいた。実際俺は親にも言ってない。
というか、黙ってなきゃいけない理由がわからない。はっきり言ってYが
学校で女にちやほやされたいだけじゃないか?美貴が黙っていて
ほしいって言ったなんて嘘かもしれない。美貴はだまされてる?
いやでもYがそこまで悪いやつじゃないことは俺がよく知っている。

18日目

 また遅刻しそうになった。でも今朝は美貴が迎えに来たので助かった。
親には頼まれてた宿題を渡すついでだと言ったらしい。もちろんそんな
もの頼んでない。後でからかい混じりの説教を受けるのは決定じゃないか。
ひどい迷惑だ。家を出るなり俺が「どういうことだよ。」と言ったら
「今度デートしない?」と言ってきた。この日の美貴は今までで1番
おかしな美貴だった。「からかうなよ。そんなのYと行けよ。」と行ったら、
「Y君の家ってどこにあるの?」と聞き返してきた。俺はなぜか動揺した。
なんで動揺したのかはよくわからない。だけどなんだかそれを悟られ
てはいけない気がした。だから冷静に教えてやった。その後「そんな
ことを聞きに迎えにきたのか?メールでも入れろよ。」と言ったら
返事がなかった。


19日目

 学校は休み。出かけようと思ったがなんだかその気にならなかった。
本当のことを言うと、美貴が遊びに誘ってくれるんじゃないかと少しだけ
期待してた。昨日の出来事のせいだ。なんだか1日を無駄に過ごした
気がする。先週もそうだった。夕方ごろになって散歩に出た。気の向く
ままに歩いていると駅の向こう側に出た。きっとこの足はYの家に
向かっているな、と思った。その通りだった。足はぴたりとYの家の前で
止まった。Yの部屋のプラモデルが俺を見つめた。エヴァンゲリオンだか
ガンダムだかのプラモデルだった。自転車が1台やってきたので不審者
だと思われる前に家に帰った。

122 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:54 ID:vU/8Z4.6
20日目

 夢を見た。はっきりとした夢だった。俺は自分の部屋で美貴と
おままごとをしていた。「俺たち幼稚園児かよ」と俺が突っ込んだところで
夢から覚めた。

 学校もないし特になにもしなかった。

21日目

 Yが美貴の心配をしていた。連絡がつかないらしい。なにかしたのか?
と聞いたが別になにもしていない、と答えた。俺はなんだかほっとした。

 いや別に美貴がYとなにをしようと俺には関係ないのだけど。

123 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:54 ID:vU/8Z4.6

22日目

 帰宅後、美貴から電話があった。携帯電話をなくしたらしい。だから、
Yの携帯電話の番号を教えて欲しいと言って来た。

 やっぱりYの部屋に行ったのか。


23日目

 昼にカツ丼食べた。


24日目

 書くことがない。


25日目

 俺あいつのこと好きだったんだな……。



124 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:54 ID:vU/8Z4.6

1日目

 今日も駅で○○を見かけた。学校違うのにホントよく見るんだよね。
なんかいつも同じ集団でいる。仲のいい友達グループみたい。○○は
最近雰囲気変わった。たぶんそのグループの子たちに影響された
んだと思う。その中の一人とか背が高くてかっこ良くてし女の子に
もてそうな感じだし。


2日目

 2日連続で今日も背の高いあの人を見かけた。○○も一緒だった
けど結構すごい偶然かも?今日はいつものグループじゃなくて2人
だった。仲良いんだあの2人。今度それとなく○○にあの人のこと
聞いてみよっかな。

125 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:55 ID:vU/8Z4.6

3日目

 なにから書いたらいいんだろう。わかんない!とにかく今日駅の
自転車置き場の前で彼に話しかけられた。完全に油断してた!
すこしだけ話したあと携帯の番号を書いたメモを渡してきた。急いで
家に帰ってみてみたら9時に電話が欲しいって書いてあった。その
時間ならバイトも終わってるからラッキーって思った。電話はなんか
初めは変な感じだったけど、すぐにいい感じになった。日曜日に遊び
に行く約束をした。明日は電話くれるらしい。

4日目

 一日中そわそわしてた気がする。電話は夜くれるって言ってたけど、
いない間にかかってくるかもしれないって思ったら出かけられなかった。
夜なんかずぅっとぼうっとしてた。なんかこのことは秘密にしておきたい
気がして、ぼうっとしてる顔を見られないようにカーテン閉めて鍵とかも
しっかりかけて電話を待ってた。明日の待ち合わせの場所を決めた。
すごく楽しみ。

126 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:55 ID:vU/8Z4.6
5日目

 彼と映画を見た。すっごいおかしい映画だったあんなに笑ったの
ひさしぶり。結構趣味があうなって思った。昼ごはんはそこら辺の
ファミレスだったけど、話が面白かった。○○の話とかもした。やっぱり
彼と仲が良いみたい。私たちのことは周りに黙っててほしいって
ことをそれとなく言った。帰り道でキスした。なんか家に帰ってから
彼から電話があったとき恥ずかしかった。

6日目

 学校に行く途中で○○がいた。そういえば昨日遊びに行くときにも
偶然あったっけ。どこに行くか聞かれたけど嘘ついちゃったから、
なんか気まずかったし向こうは気づいてない見たいだったからそのまま
声もかけなかった。なんか元気なさそうだったな。
 彼とのメールが楽しくてやばい。バイト中はお互い迷惑かけたくない
からってことになってるから、ついつい夜遅くなっちゃう。

127 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:55 ID:vU/8Z4.6
7日目

 彼が朝携帯に電話くれた。遅かったから起きてるか心配だったって。
すごくうれしかった。そういえば昼にもメールがあって○○が学校を
休んだって言ってた。やっぱり体の調子がわるかったんだ。

 彼にうつさないでよ○○。


8日目

 ○○が原因不明の病気らしいって彼が言うから驚いちゃったけど、
結局はたいしたことないらしい。あいつも誰かと夜遅くまでメール
してるのかなって一瞬思ったけど、あいつに限ってそんな相手絶対
いないと思う。

128 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:56 ID:vU/8Z4.6
9日目

 夢に○○が出てきた。幼稚園のお昼寝の時間に隣に寝ている○○の
ほっぺにキスする夢だった。夢って言うかこれ幼稚園の時に本当にあった
ことなんだけど。なに思い出してこんな夢見てんだろう私。なんか彼にうしろ
めたいもの見ちゃったから今日はいつもよりもたくさんメールした。ちょっと
しすぎちゃったかも。面倒な女の子だと思われちゃったかな。

10日目

 ○○に会った。「おめでとう」って言われた。やっぱり知ってたみたい。
なんだか辛そうな顔をしてた。病気が治ってないのかと思ったら、
「お前はおめでたいやつだ」っていうから「○○はなにか悩みでもあるの?」
って聞いたら「まぁな。」って言っていた。

11日目

 ○○が悩んでいるなんて言うから、またあの夢を見てしまった。○○は
あの時のことなにか覚えてるのかな、とか余計なことばっか考えてたら
なんか学校の近くの駅のホームで○○の姿が一瞬見えたような気がした。
あいつの学校は1駅前だから余計に幽霊になったのかと思って心配になった。
○○のことばかり心配になってる自分が理解できない。
 彼からあまりメールが来ないから心配だってメールが来た。学校の友達の
悩みの相談にのってて返事ができなかったって返事した。

129 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:56 ID:vU/8Z4.6
12日目

 昨日あんな嘘を言った罰なのか、学校の友達に呼び出されて、本当に
恋愛の相談をされちゃった。全然もてそうな子じゃないのに三角関係
らしい。「で、どっちが好きなの?」って聞いたらあっさりと「どっちも」っていう
ものだからびっくりした。

13日目

 彼とデート。服みたりご飯食べたりした。最後に行った公園が素敵だった。
私は彼のことが好きなんだって改めて思った。そう私は彼のことが好きなんだ。

14日目

 ○○の悩みは英語の宿題だったらしい心配して損した。なんか余計なこと
ばかり考えてた自分が恥ずかしかった。いつもは彼に教えてもらってたのが、
私に電話したりメールしたりせいで自分の分が締め切りギリギリになって、
教えてもらえなくなったって言ってた。

130 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:56 ID:vU/8Z4.6
15日目

 学校で友達に三角関係の件がどうなったか聞いたけど、正直興味なかった。
おとといは彼のことが好きなんだって書いたけど、なんかよくわかんなくなって
きた。ほんとなんかよくわからないけど、彼のことかんがえるとあいつのことも
一緒に考えてしまう。別に好きとかじゃないと思ってたけど、それもどうなのか
今はよくわからない。

16日目

 今朝、○○に会って自分の気持ちをはっきりさせようと思って、学校の支度を
して部屋からあいつが出てくるのをずっと待ってた。けど全然出てこなかった。
学校に遅刻しそうになったから仕方なく出発した。一日中そのことで嫌な気持ち
だった、それで彼から電話が来たときにけんかしちゃった。○○に私たちの
ことがばれてることを理由に怒ったんだけど、はっきり言ってただの八つ当たりだ。

131 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:56 ID:vU/8Z4.6
17日目

 朝から電話して彼に謝ったら許してくれた。それから週末のデートの話をした、
彼は私の誕生日を知ってたらしい。そんなことまで○○から聞いたんだ。もし
良かったら今度は彼の部屋にこないか、って言われた。バイトが入るかもしれ
ないから今度のデートのことはまた決めることにした。

 彼の部屋に行くことになった、なんて言ったら○○はどんな顔をするんだろう。

18日目

 もう我慢できないと思って、今日は○○の家にあいつを迎えにいったら、
そんなことは久しぶりだったのでおばさんが驚いてた。適当な理由をその場で
作って言ったけどごまかせたのかどうかわからない。とにかくあいつとは話が
できたけどなにを言ったかなんて覚えてない。けど、なんかとっても○○は
冷たかった。あいつは普段どおりだったかもしれないけど、今日の私にはそう感じた。

132 :名無し娘。:2006/09/30(土) 18:57 ID:vU/8Z4.6
19日目

 彼の家に行った。今日は彼の家には彼だけだったけど、彼はケーキを用意
してくれてた。私は胸がドキドキした。部屋で2人とも沈黙した時に1番それが
ひどくなって胸がくるしく感じた。誰かに助けてほしいと思った。でも部屋には
彼以外には窓の近くにおいてあるプラモデルしかいなかった。そういえばこの
部屋にはプラモデルがあるから外からでもよくわかるって教えてくれたのは
あいつだった。プラモデルは助けてくれない。あいつも助けてくれない。仕方ない
と思った。外から聞こえた自転車のベルがその沈黙を破った瞬間、私は彼に抱きついた。

20日目

 携帯電話がない。昨日彼の家で電池が切れたことは覚えているから忘れて
きたかもしれない。彼の家まで取りにいくのは家族の人がいると気まずいし、
大切にとっていたはずの彼にもらった携帯番号のメモが見つからない。
最後の手段は○○に聞くことだけど……。

21日目

 私、あいつのこと好きだったんだ……。


おわり

133 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:00 ID:g3i/0tr6

 * * *

134 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:00 ID:g3i/0tr6

「……ってことなんだ」
「ふむふむ」
「おーい?」
「ふむふむ」
「聞いてる? 美貴の話」
「ふむふむ」
「アンタ馬鹿?」
「ふむふむ」

 ――ムカつく

「ぎゃ!? 痛いっ!」
「人の話も聞かないで、なに雑誌なんか読んでんのっ!」

135 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:01 ID:g3i/0tr6

読んでいた雑誌を取りあげて言ってやった。
あ、ここは美貴の部屋で、大して強く叩いたわけでもないのに大袈裟に頭さすってるコイツ。
一応幼なじみ……、なんか気がついたら隣にいたって感じのヤツ。
こっちに出てきて、コイツとの縁も終わりなるのかなぁ、なんて思ったものだった。
なのに、高校卒業するなり就職するのにこっちに出てきて、あげくにウチから五分のボロいアパートに越してきた。

「だからって叩かなくたっていいじゃんか……」
「大体、なんでアンタ此処にいんの?」
「なんでって……自分で呼んだんだろーに。それ買ってこいって」

そう言いながら指差した先にあるのはトイレットペーパー。
12ロール入り……ダブルのヤツ。

「……そっか」
「そうです」
「………」

なんか勝ち誇った顔してる。
ちょっとムカつくんですけど……

136 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:01 ID:g3i/0tr6

「こんなのもいる?」

ヒラヒラと宙に踊らせた手をギュッと擦りあわせるように力を込めてる。
スッと力を抜いてゆっくり手を開くと……

「いりませんーっ!」
「そう?」

ポケットティッシュ。
いつのまにかヘンな手品覚えて、時折こうやって美貴のコトからかったりする。

「ってゆーか、そろそろ帰れば?」
「ヒドイなおい、カレシに向かって帰れだなんて」
「はっ? 彼氏? ドコに?」
「目の前に愛しいハニーがいるじゃないか」
「カ・エ・レ」
「はい……」

137 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:02 ID:g3i/0tr6

 ――ったくもう……ふざけてばっかなんだから。

けっ飛ばしたお尻を押さえてスゴスゴと帰って行く背中を見ながら思った。
思い返してみればいつもそうだった気がする。学校でも、家でも、いつも。
いつだっておちゃらけた態度で人のことからかうようなことばっか言って笑ってる。
バカでとぼけたちょっと憎らしい兄妹みたいなヤツ。

138 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:02 ID:g3i/0tr6

さすがに昨日のあれは悪かったかなって思って、仕事帰りにおみやげ買ってアイツのアパートのそばでタクシーを降りた。
時間的にもう帰ってるだろう二階の一番奥のアイツの部屋へ、錆びた階段をカンカンと小気味よく鳴らして上がっていった。
登り切るところでアイツの部屋の前に見慣れた背中を見つけて、ちょうどいいタイミングだったって声をかけようとした。

「おー、い……?」

口にした声が尻つぼみに小さくなる。
アイツの向こうにもう一人の人影があったからだった。
バレたらマズイかなって慌てて帽子を深めにかぶり直すと、少しドモリ気味に美貴の名前を呼ぶアイツの声が聞こえた。
かぶり直した帽子の陰からそっと様子をうかがうと、なんか気まずそうなアイツと、……知らない女が立っていた。

139 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:03 ID:g3i/0tr6

「……あれ? なにカノジョ?」
「そうですけど、貴女は?」

冗談交じりにそう聞くと、アイツを引き寄せるように前に出てきた女がそう言った。
強気な、でもどこか弱々しく感じる口調だった。

「み…アタシは……幼なじみだけど。ゴメン、知らなかったからさ。邪魔しちゃった?」
「別に平気ですよ? あがっていかれませんか?」
「いーよ。そんなヤボじゃないし。二人で仲良くやればいーじゃん。美貴だってそうする相手ぐらいいるしね」
「……そっか」

やっと口を開いたアイツは少し疲れたみたいな顔してボソッとそう呟いた。

「これ、良かったら二人で食べなよ」

美貴とアイツの分だったお弁当の箱をポイッと放り投げて階段を下りていく。
錆びた階段が、上がってくるときよりも軋んでるような気がした。
なんか胃の中に鈍りでも入ってるみたいな感じがする。
重くって気分が悪くて……なんか苦しい。

140 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:04 ID:g3i/0tr6

その日からアイツはうちにこなくなった。
週に二回も三回もきてたアイツがもう二週間も姿を見せない。
どうやらホントにあれがカノジョにだったってことなんだろうって思った。

アイツの顔を見なくなってから三週間。
こんなに会わずにいるのは東京に出てきたとき以来だと気がついた。
けど今回はあのときとは違う。
互いの状況も……それ以外のことも。

141 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:04 ID:g3i/0tr6

仕事を終えて帰ってきた自分の部屋でベッドに倒れ込んで、ふと上げた顔の先にコルクのボードが見える。
こっちにきてからプライベートで撮った写真が貼られてるボード。
亜弥ちゃんや娘。のメンバーと撮った写真が所狭しと貼り付けてある。
その中に一枚だけ、アイツと写ってる写真があった。
おちゃらけたポーズで笑ってる写真の中のアイツは、今日のアイツとは全然違うものだった。
美貴の知ってるアイツは、根はマジメなくせにふざけてて、そんでもってバカで……でもいっつも美貴のそばにいてくれて……

142 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:05 ID:g3i/0tr6

 ――バカなのは美貴の方だ…

アイツにカノジョがいるのがこんなにイヤだってこと、今頃になって気がついて。
今頃になって気がついて、こんなに胸が苦しくなるなんて……

「美貴はバカだ……」

143 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:05 ID:g3i/0tr6

枕が濡れるくらいに時間が過ぎた頃、さんざん泣いたせいかヤケに喉がかさついた。
冷蔵庫にはなにもないはずだった。からっぽの冷蔵庫を思いだして長いため息をつく。
けだるい身体を起こして、放り出してあった大きめの帽子だけを目深にかぶった。
その感覚で思い出してしまった。この帽子はあの日にかぶっていたものだ。
苦しいよ……。

144 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:05 ID:g3i/0tr6

コンビニを出るなり、よく冷えたスポーツドリンクのキャップをひねった。
一口含んでみてどれほどの水分を流したのかって思った。
500mlのペットボトルを一気に飲み干してしまったけれどまだ足りない。
違う種類のスポーツドリンクを開けて一口喉に流し込む。
口元を乱暴に拭って歩き出してすぐ、どこか耳に馴染む声を聞いた気がした。

「美貴…?」

振り返っってみれば汚いスニーカーが見えた。
こっちにきてからずっと履いてるって言ってたかな。

145 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:06 ID:g3i/0tr6

「……こんな遅くに買い物かよ」
「アンタには関係ないじゃん」

どっか刺々しい口調に苛立って、こっちまで言葉が荒くなる。

「っ……あぁ、そーだな。カンケーないよ。俺なんかよりも心配してくれるヤツがいんだろ」

ちょっとキレたようなアイツの言葉がすごく痛かった。
痛い、痛い、痛い……

146 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:06 ID:g3i/0tr6

「おい……どーかしたのか?」

なにも言えずにいる美貴に、少しやわらいだ口調でアイツが聞いてくる。
悔しいけど涙が出そうになる。

「…………もない」
「え? なんかあったのかよ」
「なんでもないっ! カノジョいるくせに優しくなんかすんなよっ!」

美貴じゃない女に話すための口で優しい言葉なんかかけんな。
これ以上情けないところなんかアイツに見せたくなくて、コンビニの袋を投げつけてアイツの前から逃げ出した。

147 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:07 ID:g3i/0tr6

夢中になって走って、息が切れるほど走って。
なのに気がついたら腕を掴まれて。
転びそうになったところをもう一本の腕で支えられていた。

「走んのはえーよ、バカ」

少し乱れた呼吸に合間にそんな声が聞こえた。
振り解こうともがくけれど、アイツの腕はしっかりと美貴を掴んで放さない。

「ちょっとこい」
「なんでよ、離してっ――」
「いいからこいってっ!」

グイグイと掴まれた腕ごと引っ張られて。
それっきり黙って歩くアイツの背中について歩かされた。

148 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:07 ID:g3i/0tr6

気がつくと美貴たちは、あの錆びた階段を上がっていた。
カンカンと二人の足音が噛み合わないリズムを刻んでるみたいに。

狭い部屋の中で気が抜けて座り込んでる美貴に、アイツが話しかけてくる。

「この部屋に入ったの初めてなんだぞ。男以外は」
「ウソばっか」
「こないだのは違うぞ。会社の子で、なんだか知らねーけど好かれちゃって。でも帰ってもらったし」

聞こえてきた言葉が信じられなくて、見上げたアイツの顔はいつになく強ばっていた。

149 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:08 ID:g3i/0tr6

「何年も、ずっと前から言ってんだろ。お前のこと好きだって」
「っ――だって、そんなの……あんなからかうみたいに――」
「しょーがねーじゃん。……本気で告って本気で拒まれたら、もうそばにいらんなくなるから」
「……バカ」
「マジで言うよ。……俺、ずっと美貴のことが好きだった。ずっと一緒にいたいよ」
「……ばーか」

目も鼻も、あつくてツンとする。
泣くつもりなんてないのに……止まんない。

「使えよ」

ポンと目の前に置かれたティッシュの箱。未開封のヤツ。
開けて渡してよ、なんて思いながら何枚も抜き出したティッシュで涙を拭ってた。

150 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:08 ID:g3i/0tr6

続けて数枚ティッシュを抜き出したとき、なにかおかしな感じがして箱を持ち上げてみる。
アイツが楽しそうに笑ってる。
もしかしたらって立て続けにティッシュを抜き出し続けると、箱の中にもう一つの箱があった。

「プレゼント」

アイツが楽しそうにそう言った。
その箱はよく見かける青紫のパコって開く小さな箱。
そっと取り出したソレを見つめてる美貴に「安いけどな」ってアイツが笑う。
おかしくなっちゃうんじゃないかってくらいドキドキしながら慎重に蓋の部分に手をかけて。
そっと、大切に開けた箱の中からひょっこりのぞいたソレは……小さく丸められたポケットティッシュだった。
またからかわれたって思った美貴はキレそうになる寸前に誰かの声を聞いた気がした。

151 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:08 ID:g3i/0tr6

 ――だめだこりゃ

152 :名無し娘。:2006/09/30(土) 22:09 ID:g3i/0tr6

なんかのTVだっけかな。
そんなことを考えながら蓋を閉めて。
その安い箱を思いっきり投げつけた。

ヒョイと箱をかわしたアイツが声を上げて笑いながら目の前に座り込む。

「プレゼント」

美貴の目の前に掲げられたそれは、親指と人差し指で摘まれた銀色のリングだった。
クルクルとめまぐるしく変わる状況の中で、もっとも強い思いを掴まえてアイツの首にしがみついた。

「バカッ……でもダイスキ」



おわり

153 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:37 ID:k20CQu22
「皆さんお疲れ様っしたーっ!!」

どこにでもあるチェーンの居酒屋で、
よくある打ち上げの風景。

「無事、我々のサークルは文化祭で黒字を出す事ができましたー!」
「イェーイッ!」

その空気に溶け込みながら俺も声を張り上げる。

「今日はもう無礼講で、思いっきり飲みましょう!
 カンパーーーイッッッ!!」

154 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:37 ID:k20CQu22
皆が早いピッチでビール瓶を空けていく。
ただ、俺はそうしなかった。
そうしたくない理由があったから。

「イエ〜イ!飲んでる〜?」
「…吉澤もう酔ってんの?」
「ん〜?まだジョッキ3杯しか飲んでないよ〜?」
「完全に酔っとるやんけ」

スッと吉澤が俺の隣に入り込み、
空のグラスを2つ手に取った。

「ほら」
「…わかったよ」

155 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:37 ID:k20CQu22
しぶしぶ近くのビールを1つ目のグラスに注ぐ。
2つ目のグラスに…

「あぁそっちは私がするの!ほら!」
「お前やっぱ酔ってるな」

吉澤が流れるような動きで俺からビール瓶を奪うと、
代わりにグラスを持たせてギリギリまでビールを注ぐ。

「ハイカンパ〜イ♪」
「…カンパイ」
「ほらほらダメでしょ?乾杯はぁ、『杯』を『乾かす』ってぇ書くんだよ?」
「その話何回目だよ?」
「何回しても覚えないからでしょぉ?」
「うっせーなぁもう」

このやり取りも何度目だろう。
ただ、いつもはこれで終るのに、
今日は何かが違っていた。

156 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:39 ID:k20CQu22
「ねぇ」
「ぅん?」
「あんたさぁ、美貴ちゃんとは最近どうなの?」
「ハァ?」
「いやぁ…やっぱり仲いいのかなぁって」
「そんな事聞かなくても知ってるだろ?」
「そ、そうなんだけど…」
「それとも他になにかあるのか?」
「そんなんじゃないけどさ」

157 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:39 ID:k20CQu22
「それがそうもいかないんですよねー」
「里沙ちゃん!」
「おぉー新垣さんお疲れ」
「センパーイ飲んでますかぁー?
 あ、吉澤さん向こうで男子が呼んでましたよ」
「マジ?うー…早めに潰してくるか」

そう言うと吉澤は濃いサワーのピッチャーを抱えて
少しおぼつかない足取りで向こうへと歩いていった。
入れ替わるように新垣さんが俺の隣に座ると、
赤くなった顔を近づけてこう切り出した。

158 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:39 ID:k20CQu22
「さっきの話の事なんですけど」

「吉澤さん、最近すっごくセンパイの事気にしてるんですよ」
「へ?」
「どうも石川さんが最近カレシ作ったらしくてぇ、
 それで吉澤さんに自慢してるみたいなんですよ」
「でも、そんなの前もあったじゃん」
「イヤイヤイヤそれがねぇ、どうも石川さんが吉澤さんとセンパイを
 くっつけようとしてるみたいなんですよぉ」
「何ィ!」

かなり大きな声を出した事に自分でも驚いた。
周りのざわめきに全てかき消されたとわかっていても。

159 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:40 ID:k20CQu22
「でぇ、吉澤さんもまんざらでもないみたいでぇ」
「え!?あのサッカー部のやつとは…」
「あぁもうとっくに別れてますよぉ知らなかったんですか?」
「あいつそういう事言わないからなぁ」
「ほら!言わないって事はやっぱ好きなんですよぉ」

心の奥でミシッという音がした気がした。
そういう話は何回か聞いた事はある。
飲みの席で本人に聞いた事もある。
その時は笑って否定していたけど、
多分我慢していたんだろう。

160 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:40 ID:k20CQu22
「センパーイ、どうしたいんですか?てか今彼女いるんですか?」

この質問をされるといつも戸惑う。
今までは曖昧にうなづいたりしていた。
俺の事を良く知ってる人はこうすれば察してくれた。
もっと俺の事を良く知ってる人はこんな質問をしてこない。
今日もそうすればよかった。
それで何も問題はなかった。

・・・なのに。

161 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:42 ID:k20CQu22
その時、机の上でケータイがうなりだした。
すかさず俺は目で合図を配りながら席を立つ。
早足でテーブルから離れながら、
なぜか大切な物を置いてきたような気持ちになった。

店から出てケータイの画面を確認する。
分かっていた事なのに、ドキッとした。
慌てて電話に出る。
あぁ、いつもの感じだ。

162 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:42 ID:k20CQu22
「もしもし」
「もしもし?ゴメンねーまだ飲んでるの?」
「そうだな…もうしばらくかかりそう」
「今日オールするんじゃない?明日どうしよっか?」
「ぅん…行くよ…」
「でもさ、午前中映画見てご飯とか無理じゃない?」
「いや、絶対に行くよ」
「本当に?無理しないでよ」
「美貴が前から見たがってた映画だろ?」
「そうだけどさ…」
「約束は守るよ」
「フフッ」
「何かおかしかった?」
「今日はずいぶん男らしくない?」

163 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:43 ID:k20CQu22
言われて初めて気がついた。
普段なら言わないような事。
お酒のせいにしておけばいいんだろう。

「ん?俺はいつもこうだろ」
「バッカみたい」

このやり取りは初めてかな。
でも、ずいぶん昔からやってたような気がする。

164 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:44 ID:k20CQu22
「適当な所で帰るよ。それでも無理だったらさ」
「何?」
「看病してよ」
「…分かった」
「何だよお前も酔ってるの?」
「ナイショ♪」
「…それでさ、聞きたい事あるんだけど」

「石川さんが、俺と…」
「よっちゃんをくっつけようっていうやつ?知ってるよ」

思わず出た、自分の言葉。
思いがけない、美貴の言葉。

165 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:44 ID:k20CQu22
「…え?」
「知ってるよその話。梨華ちゃん私に聞いてきたもん」
「何て?」
「『美貴ちゃんさぁ、今カレシいる?』って」
「それで、何て答えたの?」
「明日教えてあげる」
「・・・そっか」
「じゃ、明日ね」
「うん」

ゆっくりとケータイをたたみ、店の中へと戻る。
さっきの自分と美貴の言葉がぐるぐると頭の中でらせんを描く。
自分達のテーブルに戻る。
さっきと何も変わらない、バカ騒ぎの中に身を投じる。
吉澤も、新垣さんもそこにいる。

166 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:45 ID:k20CQu22
「ただいま」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「いない間にずいぶん飲んだ?」
「えーそんな事ないですよぉ」
「じゃあこの空のグラスは何かな?」
「私そんな芋焼酎なんて知りません!」
「はい自白いただきましたー」

「そんな事より、さっきの続きなんですけど」

「センパイは彼女いるんですか?」

167 :名無し娘。:2006/10/01(日) 23:45 ID:k20CQu22
黙って手に持ったままのケータイを取り出す。
電池パックのふたを外して、裏側を新垣さんに見せた。
美貴と2人で撮ったプリクラ。
そのままふたを新垣さんに手渡し、
近くにあった青りんごサワーのグラスを引き寄せた。

「・・・」

相変わらず周りは騒々しい。
今俺が何を言ったかは誰も聞いてないんだろう。
そう思いながら、一息にグラスを乾かした。

終わり

168 :名無し娘。:2006/10/02(月) 11:50 ID:78Hq7fDY

川VvV)ノ<ぃょぅ、いるかい?

(  -_-)<いるけど・・・なんでいつもノックもせずに俺の部屋に
       入ってくるんだよ!

川VvV)<いいじゃん、固いこというなよ。
        なんか見られて困るものでもあるのかよ?
        ハハァ〜ン、さては一人エッチでもしてるんだな?

(* -_-)<バ、馬鹿!・・・そりゃしないことはないけど・・・
       女がそんなこと言うなよ!

川*VvV)<ミキのことを想像してたりしてぇ

(* -_-)<するか!お前みたいなチンチクリンを想像したら
       タツものもたたねぇよ!

( ; -_-)。0(ホントはしてるけど・・・)

川VvV)<ふ〜ん。そっか・・・。


川*VvV)<・・・たまにはミキでしてもいいぞ。
        そんで感想聞かせて♪

(* -_-)<だから、お前じゃしないっての!
       それよりなんか用事か?

169 :名無し娘。:2006/10/02(月) 11:50 ID:78Hq7fDY

川VvV)<おう、そうだった
        お前パソコンくわしいかったよな?

(  -_-)<詳しいってほどじゃないけど、人並みには使えるよ。

川VvV)ノ■<これに入ってる資料で、なんかよくわかんない記号がでるんだけど
          なんとかならない?

(  -_-)<どれどれ?このエクセルファイルを開いてっと

川VvV)<これ、この「#DIV/0」ってやつ。これを消したいんだけど・・・

(  -_-)<あのなぁ、営業職っていったってこれくらいできるようになれよ。

川VvV)<うるさいなぁ、ミキはそういうのが苦手だから営業職になったの!

(  -_-)<まあ、分かるような気がするけど
       えーっとIF関数とISERROR関数を使ってっと・・・はい、できた。

川VvV)<おぉ、サンキュー。やっぱ頼りになるねぇ♪

( ; -_-)。0{ IF(ISERROR(ミキに告白),気まずくなる,進展なしの幼馴染)・・・か}

煤i ; -_-)。0(っていうかこれ上手くいったときの式が入ってないじゃん!)

(  -_-)=3<こんな弱気じゃ
        ・・・だめだ、こりゃ・・・

170 :名無し娘。:2006/10/02(月) 23:11 ID:loGAHRnE



急に呼び出された近所の公園。
ガキの頃、二人で走り回ったこの公園も、
久しぶりにきてみればずいぶん小さく感じるものだなと思った。

隣に座ってる美貴もそう感じてるのかなと横を向いたときだった。
いつになく大人しかった美貴が突然俺に抱きついてきた。
予想外な行動に動揺した俺はなんの反応もできず、ただ呆然とされるがままでいた。

「昨日さ、なにしてた?」
「え? 昨日……?」

俺の肩にあごをのせるようにしてるミキはどんな表情でいるんだろう。
耳元で掠れる声に答えを返しながら考えた。

171 :名無し娘。:2006/10/02(月) 23:12 ID:loGAHRnE

「梨華ちゃんとなにしてた?」
「な、なにってなんだよ」
「告白、された?」
「――っ!?」

何で知ってるんだって驚きで言葉にならなかった。
そう聞いてくる美貴の表情が気になって、離しかけた身体を細い腕が邪魔をする。

「知ってるんだ。ミキさ、梨華ちゃんに相談されてたから」
「そ、そうだったのか……」
「返事…してあげた?」
「したよ。キチンと――」
「言わなくていいっ」
「え?」
「聞いちゃったら言えなくなるもん」
「なにを?」
「ミキね、梨華ちゃんに謝らなきゃなんない」
「それって――」
「あんたのこと好き。ううん、ずっと好きだったみたい」
「ミキ……」
「あんたと梨華ちゃんが付き合うって考えたら、どうしても伝えずにいらんなくなっちゃって……」

172 :名無し娘。:2006/10/02(月) 23:13 ID:loGAHRnE

その声は微量の湿気を帯びていて、耳元でスンと洟をすする音が聞こえる。

「ゴメンね。梨華ちゃんと仲良くね」

美貴の手が俺の肩を掴み、グッと腕を伸ばした。
腕一本分の距離で、ミキの双眸から雫がこぼれ落ちた。

「じゃあね」

そう言い残して立ち上がった美貴を伸ばした俺の腕が掴まえる。
引き寄せられるように立ち上がると、今度は俺の方から美貴を抱きしめた。

「どこ行くんだよ」
「だって」

小さな美貴にはなかった甘い香りが鼻をくすぐる。
その感覚に勢いづけられた俺は、今まで言えずにいた言葉を口にした。

173 :名無し娘。:2006/10/02(月) 23:14 ID:loGAHRnE

「俺も、ミキのこと好きだっ! 先に言われちゃってカッコワリーけどな」
「でも梨華ちゃんが……」
「関係ねーよ。俺はミキ……ミキがいいんだ。気にするんだったら石川さんには俺から話すさ」
「ごめん」
「俺でいいか?」
「あんたじゃなきゃヤなの」

そう微笑む美貴がギュッと強くしがみついてくる。

174 :名無し娘。:2006/10/02(月) 23:14 ID:loGAHRnE
あまり肉付きがよくない、けれど柔らかなふくらみが遠慮がちに俺の胸を刺激する。

「ミキさ、そんなない胸押しつけんなよ」

聞かされた言葉の嬉しさと、刺激に対する気恥ずかしさと。
照れ隠しでつい口にした言葉、その失言に気がついて返ってくるはずの痛みに身体を硬くした。

「今なんつった、コラッ」

が、返ってきたのは更なる刺激だった。違う方向性の。

「これでもかっ」

お、大きくは、ない……けれど、そんなことも口にできる状況じゃあなかった。
なによりもこの自分の身体的な変化を美貴に気づかれ……!?

「エッチ……」


 だめだこりゃ

175 :名無し娘。:2006/10/03(火) 12:15 ID:uXBU/9.M

「ねぇ、あんたってさ好きな子いないの?」
「はぁ?」

俺のベットに寝転びながら漫画を読んでいる女。
こいつは、俺の幼馴染でしかも家が隣同士。まさに、ベタな恋愛ドラマの
ような俺とこいつ。けど、俺はこいつに恋愛感情なんてもったことない。

「だ〜か〜ら〜、あんた付き合ってる人とかいないわけ?」
「いねぇ〜よ、お前も知ってんだろ。俺は、生まれてから彼女なんて
 できたことないぐらい」

自分で、言ってて情けなくなる。俺は、生まれてきて20年彼女なんてもってのほか
好きなやつなんて出来たことなかった。

「そうだけどさ…あんた、外見はいいのにねぇ〜」
「うるせえよ。お前こそ、どうなんだよ」
「美貴? 美貴もいないよ」
「え? お前、この前彼氏と歩いてなかった?」
「あ〜あれ? 面白くなかったから別れた」
「(お前、男に対してあれって…)」
「まぁ、美貴ずっと好きな人居るし…」
「は? なに? ごめん、聞こえなかった」
「もういい!!」

そう言って、美貴は怒ってベットの布団に潜り込んだ。

176 :名無し娘。:2006/10/03(火) 12:16 ID:uXBU/9.M

「おい、美貴。お前ガキじゃねぇんだから、布団なんかにもぐりこむなって」
「むぅ〜…」
「むぅ〜って…はぁ、美貴〜!!」

俺は、ベットにダイブする。そして、布団の上から美貴の脇をくすぐった。

「!! にゃははははは!!」
「早く、俺の布団から顔出せ〜。じゃねぇと、もっとひどくするぞ」
「わかったぁ〜、わかったから〜!!」

美貴は、勢いよくガバッと起き上がった。

−チュッ−

「!?」
「あ…」

目の前には、美貴の真っ赤な顔。

「ご、ごめん。美貴どっかぶつけなかったか?」
「う、うん。だ、大丈夫」
「あ、お、俺、なんかジュース買ってくるから」

自分の火照った体を冷まそうと足早に外に飛び出した。

「(…帰ったら、俺あいつに殺されるんじゃないか?)」

そんなことを、考えながら近くの自販機に向かって歩き出した。
その時、俺の右手に暖かくてやわらかい感触が。

「み、美貴?!」
「一緒に行こ」
「う、うん」
「美貴さ、好きな人いるって言ったじゃん…」

そう言って、僕を見つめる美貴。
なんか、頭がクラクラしてきた。

−だめだ、こりゃ−

177 :名無し娘。:2006/10/03(火) 15:10 ID:7wTZMWfo
美貴「お前さぁなんで最近俺を避けるんだよ〜」

俺 「避けてるんじゃないよ、逃げてるんだよ」

美貴「同じじゃないか!何でだよ〜ちっちゃい頃は隣同士で
   仲良くて、よくお医者さんごっこして遊んだじゃないか」

俺 「って、大抵俺が患者で美貴がお医者さんの役じゃないかぁ、
   嫌がる俺のズボンをおろしてアソコを観察してたじゃないか」

美貴「うん。あの頃はアソコがどうなってるか興味があってな。
   それより、何で俺が嫌いなのか、理由を言えよ」

俺 「今だって興味があるくせに〜、とにかく美貴とは
   やって行けないんだぁ、もう疲れたよ〜」

美貴「何が疲れるんだよ、それに近頃希美と付き合ってるって
   話じゃないか、あんな子供っぽくて色気のかけらもない
   ヤツとよく一緒にいられるな〜」

俺 「あのなぁ希美は色気は無いけど、陽気で明るくて
   一緒に居ると癒されるんだよぉ。
   美貴なんか癒されるどころか、毒気ばっかりじゃないか!」

美貴「何だとぉてめえ!毒気ばっかりで悪かったなぁ!
   尻から毒を注入してやろうか〜!!」

俺 「ダメだ、こりゃ〜」


   続く。  

178 :名無し娘。:2006/10/03(火) 20:37 ID:7wTZMWfo

美貴「今日こそは、俺が嫌いな理由を聞かせろや〜」

俺 「そんな事は胸に手を当てて考えればわかるだろう」

美貴「それがわからないから聞いてるんだろ!
   ちっちゃい頃はお前の家にお泊りに行ってよく一緒に
   お風呂に入ったじゃないか、あんなに仲良かったのに」

俺 「って、美貴は洗いっこしてて、よくすべった振りをして俺の
   アソコを触ってきたじゃないか、恥ずかしかったなぁ」

美貴「うん。あの頃はアソコがどんな具合か興味があってな、
   それよりこの前の日曜日、里沙とデートしたって聞いたぞ、
   あんな、いつもコラ〜ァって突っ込んでくるヤツとよく
   一緒にいられるなぁ」

俺 「今だって触ってくるくせに〜、
   とにかく、里沙は確かにコラ〜ァって突っ込んでるけど、
   同じツッコミでも美貴と違って里沙のは愛があるんだよ〜
   美貴のは毒があるんだよ」

美貴「また毒かよ〜、毒ならさゆの方がコブラ並みだよ〜」

俺 「ま、さゆの毒には可愛げがあるから救われるんだ、
   よし、美貴が嫌いな理由を言ってやる」

美貴「おう、聞かせて貰おうじゃないか」

179 :名無し娘。:2006/10/03(火) 20:40 ID:7wTZMWfo

俺 「なぜ美貴は人を蔑んだ目で見るんだよ、なぜ皆と一緒に
   笑ってやれないんだよ、
   確かに、誰とは言わないけど北極点並みに寒い事言う者も
   いるよ。でもそれで迷惑かけるわけでもないし、
   あんなに蔑んだ目で見ることないじゃないか」

美貴「・・・・」

俺 「俺は別に美貴に愛想良くしろって言ってるわけじゃないよ、
   でも、すぐ高慢ちきに人をあげつらって蔑む事はよくないって
   俺は思うんだ。相手の気持ちを思いやって、みんなのように
   笑って流してやればすむことじゃないか。
   なぜそれが美貴には出来ないんだ・・・」

美貴「俺は、器用に愛想笑いなんか出来ないんだよ、
   誰かのように自分を飾り立てる事なんて出来ないんだ、
   人から何と言われようとも、そんな生き方しか出来ない、
   幼なじみのお前だけはわかってくれてると思ってた・・・」

俺 「美貴・・・泣いてるのか、俺の前で泣いてる美貴は初めてだな」

美貴「・・・・」

俺 「美貴、俺が悪かった。 俺は美貴が素直になって欲しいんだ、
   自分や他人にも素直で正直になって欲しいんだ」

美貴「そんな事出来ないよ・・・」

俺 「そんな事ないよ、今日の美貴は素直じゃないか、
   人前で涙を流すなんて今まで無かったじゃないか、
   涙は素直だから出てくるんだよ。俺はそんな美貴が好きだよ、
   俺の言う事がわかるだろう」

美貴「うん・・・」

俺 「わかってくれたか、よし!そうだ今度の日曜久しぶりに
   俺とデートしてくれよ」

美貴「いいよ」

俺 「あっ!いけねぇ今度の日曜は、れいなとデートする予定なんだ、
   それに来週の日曜は絵里とする予定なんで、その次だな」

美貴「だめだ、こりゃ〜」


       終わり。

180 :名無し娘。:2006/10/07(土) 18:50 ID:sVbTKPV.

ここのところ美貴の様子がおかしい。
隣の家に住み、ベランダ越しに人の部屋へ入ってきたり、互いにあけすけに話をしあえる仲だったはずなのに。
四、五日前からだったろうか、妙に口数は減り、俺の部屋へ顔を出すこともなくなった。
そして昨日、いや一昨日だったな。
ついには俺を避けるような様子まで見せ始めた。

正直ショックだった。
嫌われるようなことはした覚えがないし、もし気がつかずにしてしまったとしても、真っ直ぐにそれを話してくれるヤツだったから。
事情も解らないままに離れていく幼なじみに言い表しがたい淋しさを覚えていた。
考えても考えても答えは出ない。
当たり前だった。なにもしてない、ハズなんだから。

181 :名無し娘。:2006/10/07(土) 18:50 ID:sVbTKPV.

それでも考えて考え抜いて、そして一つの結論にたどり着いた。
それが事実だとすれば……そう考えると何故だか胸が苦しくなってくる。
ああ、そうだったんだと気がつかされるんだ。

「俺、美貴のことが好きだったんだな」

言葉に出してしまえば簡単なことで。
だけどそれは決定的に時機を逸してしまっているだろうことがより俺の胸の痛みを強くする。
日の沈みだした薄暗い部屋で横たわり、自分はどうするべきなのかを探し求めていた。

182 :名無し娘。:2006/10/07(土) 18:50 ID:sVbTKPV.

部屋が真っ暗になった頃、ようやく導き出した答えに身体を起こしたとき、美貴の部屋に明かりが灯った。
カーテンに映るシルエットが美貴の行動を逐一教えてくれる。
窓際にある勉強机に肘をついた姿勢で落ち着いたらしい。
俺はベランダへ出て、口笛で一つ合図をする。
すぐに気がついたらしい美貴がカーテンを開くけれど、俺の顔を見るなりサッと閉められてしまった。
やれやれとため息を洩らし、美貴のベランダへと渡ることにした。
コンコンとノックをして「ちょっと話せないか」と声をかける。
少し逡巡するような間をおいて、静かにガラス戸が開かれた。
怒っているようなぶっきらぼうな表情で部屋へと迎え入れられる。

183 :名無し娘。:2006/10/07(土) 18:51 ID:sVbTKPV.

「なに?」
「お前さ……好きなのか?」
「な、なに言ってんのよ、今さら……」

図星だったらしい。
少し頬を赤らめて、動揺が声にもありありと表れている。
改めて事実と向き合うのはなかなか辛いことだった。

「お前がそう決めたんなら……俺は祝福するよ」

やっとの思いで口にしたセリフだった。
笑顔の美貴が見たかったから、笑ってそう口にしたつもりだった。

184 :名無し娘。:2006/10/07(土) 18:51 ID:sVbTKPV.

「アンタ……バカ?」
「えっ?」
「なんでそんなこと言うのっ? なんでそんな他人事なワケっ!?」

急に激昂した美貴に捲し立てられる。
俺がなにをしたって言うんだろう。

「だって……違うのか?」
「違わないっ! 全然違わないから怒ってんでしょ!」
「ち、ちょっと待てよ。訳が解らないよ」
「ハァ!? アンタふざけてんの?」
「いや、マジで。どういうことなんだよ」
「それが美貴が必死んなって書いた手紙の答えだってことでしょ」
「手紙? 手紙って……なんの?」
「えっ? 手紙……入ってたでしょ。下駄箱に」

美貴が急激にトーンダウンする。
手紙? 手紙……

185 :名無し娘。:2006/10/07(土) 18:52 ID:sVbTKPV.

「あぁ!?」

一声上げて急いで自室に戻った。
机の引き出し……確か無造作に放り込んだハズだ。

「あった!」

とんぼ返りで美貴の部屋へ戻る。
困ったような顔で立ちつくしている美貴へ手紙を見せた。

「これのことか?」
「ほ、他になにがあんの」
「これ……美貴が?」
「そうだよっ。今さら照れくさかったけど、どうしてもって思ったから書いたのに……」
「いや、だってこれ……イタズラだと思って」
「はっ? なにそれ。人が恥ずかしいの我慢して一生懸命に書いた――」
「名前、書いてないから……」
「……え?」
「名前、書いてないんだ。誰かのイタズラかと思った」
「……え?」
「いつもの美貴の字じゃないし」
「うっ……」

186 :名無し娘。:2006/10/07(土) 18:52 ID:sVbTKPV.

よほど丁寧に書いたんだろう。
普段の美貴の字とはまるで違う文字で書かれている手紙。

「そっか。美貴だったのか……」
「そ、そうだよ」
「そっか。ふはっ、はははっ」
「なに笑ってんだよっ」

思わずこみ上げてきた笑いを、美貴が真っ赤な顔で遮る。
やっぱ可愛いやコイツ。

「それで……?」
「え?」
「ど、どうすんの? それ」

ついには耳まで真っ赤にしてささやくような小声で見上げてくる美貴。
どうしようもないほどにわき上がってくる思いと、少しばかりのこみ上げる笑いを堪えて。
そっと手を差し伸べた。

「これからもよろしくな」

笑顔の美貴が見たいから……。



 おわり

187 :名無し娘。:2006/10/07(土) 22:40 ID:QNDmXXhc

 ○○さん、美貴さん、本日はおめでとうございます。そしてご両家の皆様には心よりお
喜び申し上げます。わたくしは新婦の美貴さんの幼なじみの●●と申します。

 わたくしには美貴さんがいかに素晴しい方かぜひご紹介を、とのことでございましたが
、わたくしから申し上げるまでもなく、美貴さんは世間に知られたアイドルでございまし
て、その魅力のほどはよくよく知られているところでございますので、私としましては、
アイドルになる前の美貴さんのエピソードを1つ紹介させていただきたいと思います。

 あれは中学生の時分でした。わたくしは部活動で野球部をしていたのでございますが、
来る日も来る日も玉拾いばかりで本当につまらない日々でした。ある日、わたくしはやっ
とのことで守備の練習をさせてもらえることになったのですが、先生の見ていないところ
で先輩のノックを受けたものですから、先輩たちが調子にのって千本ノックをすると言い
出したのです。わたくしはその時、ここでいやだと言えば一生玉拾いだと思ったものです
から、一生懸命ノックを受けました。そして夕焼けがやってきました。わたくしはまだ先
輩のノックを受けていました。わたしはもうへろへろだったことを、覚えています。それ
でも先輩たちは面白がってやめようとしなかったのです。

 もう、お分かりでしょうが、その時私を助けてくれたのが美貴さんでした。あの時の光
景は今でも目に浮かぶようです。美貴さんの投げた球は素晴しいコントロールで先輩の頭
のボール1つ分横を通り過ぎました。そして「●●はもうへとへとなのに、これ以上ノッ
クを続けるならタダじゃおかない」と言ってくれたのです。

 ○○さん。このように美貴さんは正義感がつよくて、行動的なすばらしい人だと思いま
す。その行動に面食らうことがあっても、必ず理由のあることだと思います。ですから、
なにがあっても美貴さんのことを幸せにしてあげてくださいね。

 どうか幸せな家庭を築いていただけますように。それではもう一度お祝いの言葉を述べ
させていただきたいと思います。本当にこの度はおめでとう。

188 :名無し娘。:2006/10/07(土) 22:40 ID:QNDmXXhc

 「こんな感じでいいかな?お前どう思う?」
 「うーん、ちょっと普通すぎねぇか?」
 「そうかな?野球部のくだりなんかよくねぇ?」
 「うーんでもさ、ちょっとこれじゃあ怖い人っぽくない?」
 「あー、ちょっとやりすぎたか。こういうエピソードって作るのむずかしいな。」
 「おい。作り話かよ。」
 「そうだよ。」
 「そうだよ、ってお前。そんなの新婦が会場で聞いたらびっくりするじゃないか。」
 「大丈夫だって。うーん、ていうかさ、やっぱ今はサッカーかな。俺、野球部とサッカ
  ー部ならどっちがかっこいい?」
 「知らねーよ。ていうかなに?お前本当はなに部なの?」
 「帰宅部だよ。」
 「おいおい。なんだよそれ。そんなの美貴さんの中学時代を知ってる連中はみんな苦笑
  いじゃないか。」
 「苦笑いでも笑いは笑いだろ?」
 「その発想はどうかな。」
 「わかったよ。じゃあ特に面白いことはありませんでした。ってことにしておくわ。」
 「おいおい。それはないだろ。なんか1つくらいないのかよ。実話でさ。」
 「意外とないものだぜ。お前さ、自分の幼なじみのこと考えてみろよ。何かあるか?」
 「そういわれると確かに思いつかないな。」
 「だろ?そういうもんなんだよ。だからさ、適当にいい話をでっち上げた方が客の受け
  もいいし、簡単なんだって。」
 「わかったよ。じゃあとにかくさ、先輩にボールを投げつけたっていうのは無しにしろ
  よ。それから自分のことわたくし、っていうの堅苦しいからやめにしようよ。」
 「俺様、とか?」
 「だめだよ。」
 「そうかな?面白くね?」
 「面白くても、新婦に恥じかかせちゃだめだよ。ここは僕でいいだろ。」
 「はいはい、僕ね。」
 「それからさ、なんていうんだろもう少しお前の本音っていうかさ、堅苦しい一通りの
  話だけじゃなくて、もうちょっとおまえ自身の言葉を多くした方がいいと思うよ。」
 「そういうものかな。」
 「うん。みんな堅苦しいからなスピーチってのは。もっとくだけた感じでもいいと思う
  んだよね。俺は。」
 「わかった。もうちょっと考えてみる。」

189 :名無し娘。:2006/10/07(土) 22:41 ID:QNDmXXhc

 ○○さん、美貴さん、本日はハッピーウェディング。そしてご両家の皆さん心よりチェ
ケラッチョー。俺様、新婦の美貴さんの幼なじみの●●。オナショーでオナチューってや
つだからマジで腹いてぇ。

 美貴さんは、なんつぅか、たしかにアイドルとかしてるらしいんすけど。はっきり言っ
て、曲とか聴く気んなんねぇ。ていうかつんくっしょ?腹いたくね?俺様はさっきからマ
ジいてぇんだけど。マジ?お前も?俺様もさっきからなんすよ。料理やばくね?

 あぁ、っつーか、エピソードなんすけどぉ。昨日からマジ徹夜してでっち上げてやろう
っていうか、まあ嘘ぶちかましてやろうかとおもったんですよー。いや、マジマジ。マジ
で嘘の話なんですけどね。俺様、昔ラグビー部にいたんすよ。あ、いま笑ったやつはオナ
チューでうちにラグビー部無いって知ってるやつなんすけどぉ。うはっ。言っちゃった。
うーわ。お前のせいだからな。マジで。マジでお前のせいだからな。うはっ。あいつ要チ
ェックだったわ。もう要チェケラッチョーだったわ。うわ。まじうぜぇ。全存在がうぜえ
。まぁ嘘ってばれちゃったんすけど。あえてそれを無視するのがクールなんす。マジっす
。だからみんなもマジ無視してくれるのがクールなんすよ。まぁ、結局なにが言いたかっ
たかって言うと、美貴さんは先輩ぶん殴っておれを助けてくれたんす。いやホント感謝っ
す。

 あ、そうだ○○さん。この通り美貴さんは……うはっ。俺様、美貴さんが殴ったってい
っちゃったじゃん。うはっ。やっべぇ。言うなって言われてたんすよね。うーわ。やっべ
ぇ。ていうかマジ腹いてぇ。腹痛くて死にそ。うーわ。ま、ともかく今日は本当におめで
とうっす。美貴さんのこと幸せにしてほしいっす。

 ていうか、最後なんで、もう一回お祝いなんすけどぉ、その、えっとなんだっけ。えっ
と……えっと……あ、そうだ。ハッピーウェディング、アンド、要チェケラッチョー。○
○ですた。うわ、噛んだ。

190 :名無し娘。:2006/10/07(土) 22:41 ID:QNDmXXhc

 「どう?」
 「お前は俺をおちょくってるのか?なんだよ腹いてぇって。」
 「なんか書いてるうちに緊張してきちゃってさ。」
 「だからって原稿用紙に書くことないだろ。」
 「俺どうしても頭のイメージに文章が引きずられちゃうんだよな。」
 「それになんだよ。俺様はやめろって言っただろ。」
 「それもさ、なんか緊張したら言っちゃいけない事を言っちゃったていうかさ、ほら、
  自転車とか運転しててもぶつかりそうな方に目が行って結局本当にぶつかったりする
  じゃん。」
 「そんなたとえとかいいから。ていうか、なんだよはじめちゃんと書けてたのにこれは
  ぜんぜんだめじゃん。」
 「だってお前みてたじゃん。俺さぁ人に見られてると緊張してダメなんだよね。」
 「そんなやつがよく結婚式のスピーチなんか引き受けたな。」
 「いや、まだ引き受けてないよ。」
 「なんだ。そうなのか。じゃあ今から断りの電話入れろよ。こんなんじゃあ頼む方は迷
  惑だよ。」
 「あぁ、その必要は無いよ。」
 「なんで?」
 「俺、頼まれてすらいないから。」
 「頼まれてすらいないのかよ。じゃあなんでお前こんなの書いてるの?」
 「だって俺幼なじみだよ?絶対頼まれると思ってさ。」
 「あぁ、前もって準備しておこうってことか。」
 「うんだって、急に頼まれたらそれこそ緊張でどうなるかわからないじゃん。」
 「その時は丁重に断ればいいだろ?」
 「あー、それもそうだな。」
 「あ、そうだそうだ。そういえばさ、美貴さんって藤本美貴だろ?」
 「そうだよ。」
 「あーやっぱりそうなのかー。残念だなー。俺大ファンなんだよね。
  あーショックだぁ。結婚しちゃうんだー。知らなかったよ。」
 「あ、お前しらなかったの?」
 「そうなんだよ。まあ覚悟はしてたけどな。あ、それでさ。その結婚式なんとかもぐり
  こませてもらえないかな。ほらファンとしてはどんなやつか顔見ておきたいし。」
 「あー、でもなぁ。」
 「そこをなんとか。」
 「いや、でもな。いつ結婚するかわからないぞ。アイドルは恋愛とか結構厳しいらしい
  し。」
 「ん?」
 「だからいつ結婚するか…」
 「え?なに?お前結婚式があるからその準備してるんじゃないの?」
 「ちがうよ。」
 「は?じゃあ、お前はなにしてるの?」
 「お前のことおちょくってやろうと思って。」
 「うわ、やられた。だめだこりゃ。」


 おわり

191 :名無し娘。:2006/10/07(土) 23:35 ID:oGoSH3/g
俺のベッドでマガジンを読んでいる美貴。
退屈だ。

「なぁ美貴。」
「ん。」
「お前焼肉好きだよな。」
「うん。」
「納豆は?」
「好き。」
「ネギは?」
「好き。」

こいつ俺の話聞いてないな。

「亜弥ちゃんは?」
「好き。」
「俺のことは?」
「好き。」

「・・・え?」
「え?」
「マジで?」
「何が?」
「好きなの?」
「え?え?アンタ何聞いたの?」
「そうか、美貴は好きなのか。」

ドカッ

「痛っ!殴るな!」
「どうせエッチなこと聞いたんでしょこの変態!」

ダメだこりゃ・・・。

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