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魔法騎士れいにゃーすっ!
- 1 :名無し娘。:2005/04/30(土) 17:03
- 从 ´ ヮ`)<にゃ〜♪
- 401 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/01/30(月) 20:52
- >362 名前:軍艦ランチ 投稿日:2005/12/22(木) 00:11:30 0
>逃した魚はLOVEマシーン
>366 名前:軍艦ランチ 投稿日:2005/12/22(木) 00:13:54 0
>気がつけば きょうりゅう音頭
おいおい、俺よりおもしろかったら意味ないだろw
逃した魚数え歌(お風呂ば〜じょん)とか、俺はそんな感じな
- 402 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/01/30(月) 20:53
- おっと、上のレス番は狼の某スレですんで
- 403 :名無し娘。:2006/01/30(月) 21:11
- また偽者が出たのか
- 404 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:04
-
『さきがき!シタタカ美貴ちゃん』
- 405 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:04
-
( ・e・)<私の名前は藤本美貴。新垣家の財産を手に入れるため、思い切って整形してみた。
すでに通帳とハンコも手に入れてある。この顔なら疑われることなく大金を手に入れられるだろう。
( ・e・)<そして私は早速、銀行へと足を運んだ。このドキドキ感がたまらない。
ウイーン
スタスタスタッ
( ・e・)<暗証番号がわからないので、並ぶのは窓口だ。47番と書かれた紙を手に取る。
( ・e・)<緊張しながら待っていると、ピポーンと電子音がしてディスプレイに47という数字が表示された。
( ・e・)<いよいよ私が大金を手に入れる時がやって来た。長年の夢が今、厳かに叶おうとしている。
スタスタスタッ
- 406 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:04
-
(´∀` ソリ<いらっしゃいませ。
( ・e・)<ど、どうも。あの、これ……。
( ・e・)<私は通帳とハンコを差し出した。通帳の名義は新垣里沙。
この名前を見れば、目の前の私が本人であることは一目瞭然だろう。疑問の余地はない。
(´∀` ソリ<免許証など、なにか身分を証明できるものはお持ちですか?
( ;・e・)<えっ?あの、そんなのいるんですか?
( ;・e・)<なんということだろう。ただ金を引き出すだけなのに、身分証明を求められるとは。
様々な詐欺が世間を騒がせている昨今の時勢を私も知らないわけではないが、
というか現に今、整形してまで他人の口座から現金を引き出す未曾有の事件が起きようとしているのだが、
それにしてもこれはガードが固すぎる。だが、心配は無用だ。そのための整形なのだから。
( ・e・)<モーニング娘。の新垣里沙です。この顔がすでに身分を証明しています。
(´∀`;ソリ<いや、私モームスとか知らないし。見たことあるってのはわかるんだけど、誰が誰とかわかんないし。
Σ( ;・e・)<ガーーーン、マジっすか!
( ;・e・)<まさかこんなところで不人気メンの辛い実情を思い知ることになるとは予想だにしなかったが、
しかしそんなことで挫折する私ではない。田舎ではシタタカ美貴ちゃんと呼ばれていたこの私だ。
ちゃんと保険証も手に入れてある。その辺の思いつきの犯行と一緒にしてもらっては困る。
( ・e・)<保険証でいいですか?役所からの公的な通知書等も持参してますけど。
(´∀`ソリ<あ、はい。それで結構です。今確認しますので。
( ・e・)<第一段階はなんとかクリアしたようだ。それにしてもこのガードの固さはなんだろう。
この銀行の方針なのか、それとも新垣家に関しては扱いが特別なのか。
- 407 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:05
-
(´∀`ソリ<それではご本人確認のため、質問をさせていただきます。
( ;・e・)<えっ?
( ;・e・)<ぬぬぬ。保険証では飽きたらず、そのような念の入った防止措置を取っているとは是れ尋常ではない。
すでに順番待ちの数字は57番まで進み、10人以上が後ろで待っている状態だというのに。
(´∀`ソリ<それでは干支(えと)を教えてもらってよろしいでしょうか?
( ;・e・)<な……なんですって?
(´∀`ソリ<干支(えと)です。教えてもらえますか?
( ;・e・)<まさかそういう質問が来るとは思いもよらず、私はかなり焦っていた。
一応生年月日くらいは暗記してあったが、同級生ならいざ知らず、新垣の干支など知る由もない。
とりあえず頭をフル回転させ、全ての干支をまず思い浮かべる。
( ;・e・)<ねーうしとらうー……だが続かない。自分の干支から逆算しようにも順番がわからないのだ。
これは大きな痛手だった。干支の順番がわからない。干支の順番がわからない。干支の……。
(# ・e・)<干支ってなんだよ!!!
( ;・e・)<興奮のあまり、私は無意識にそう怒鳴っていた。店内にいた全ての店員が私を見ていた。
そして順番待ちをしている大人どもも、嘲笑と悲哀と恐怖の色を浮かべながら私を眺めていた。
(´∀`;ソリ<……。
( ;・e・)<……。
( ;・e・)<だが、私はそれが逆に功を奏したことを知ることになる。
質問とは、常に正しい答えを求めるものではないのだ。
(´∀`ソリ<はい。新垣里沙さんですね。ご本人だと確認できました。
Σ( ;・e・)<えーーーーー!
- 408 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:05
-
( ・e・)<そうなのだ。この質問は決して新垣里沙の干支を尋ねるものではなかったのだ。
干支というものを知っていますか?という、新垣里沙の知能を確認するためのものであり、
本物の新垣自身、この銀行を訪れたときは毎回、その質問に窮していたのだ。
だからこそ、それがいつの間にか本人確認の質問として採用されるに至っていたのだ。
( ・e・)<こうして私藤本美貴は、新垣里沙の口座から全財産を引き出すことに成功した。
( ・e・)<だが……。
( ・e・)<シタタカ美貴ちゃんにも失敗はあったということか。そう、計画は挫折したのだ。
まさか新垣里沙の口座に3万8千円しか入っていないとは想像できなかったのだ。
( ・e・)<しかし、それはよく調べればわかることだったのだろう。
現実の新垣家はそこまでの金持ちではないし、新垣が稼いだ金も、本人の口座に入るとは限らない。
つまり、私はネタに踊らされていたのだ。新垣=成金という構図のネタに。
( ・e・)<こうして私の新垣家全財産引き落とし作戦(整形編)は失敗に終わった。
残ったのは3万8千円と、そしてこの顔だけである。元の顔に戻るには、まだまだ時間がかかりそうである。
おわり
- 409 :名無し娘。:2006/02/08(水) 23:01
- ワロタ
- 410 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27
-
『さきがき!シタタカ美貴ちゃん』 vol.2
- 411 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27
-
( ‘д‘)<私の名前は藤本美貴。元の顔に整形しようとして金を稼いだまではよかったが、
藤本美貴にしてくださいと頼んだはずなのに、なぜかこんな顔になってしまった。
( ‘д‘)<フィギアスケートのデブと間違われるよりはマシだが、まさかこんなガキと間違われるとは完全な想定外だ。
紅白単独出演の経験もある私としては、これはショック以外の何物でもない。
加護亜依と藤本美貴、名前も全く似ていなければ、顔も外見もキャラもなにもかもが違うというのに。
( ‘д‘)<とりあえず私の顔を知らなかった整形外科医は今すぐ沖縄のカプセルホテルに偽名で泊まるべきだろう。
それと間違いを指摘できなかった看護婦どもも命を狙われて然りだ。
( ‘д‘)<それにしても、せっかく整形費用を稼いだというのに、まさかこんな顔になってしまうとは不運と言うほかない。
だが、文句を言っていても何も始まらない。仮にも田舎ではシタタカ美貴ちゃんと恐れられたこの私だ。
どんな状況に追い込まれようが、焦りは禁物。現実を直視し、そして次を見据えるのだ。
( ‘д‘)y-~~
( ‘д‘)<とりあえず、まずは再び整形費用を稼ぐべきだろう。
新垣の顔ではかなり苦労したが、この顔であれば二三日もあればなんとかなるだろう。
新垣の時のように、ブルマを大量に購入し、ネットオークションで写真とともに売りさばくか、
それとも別の新しい方法を取るか、どちらにせよ、加護であれば知名度は新垣の比ではない。
まあ新垣の場合はコアなファンなのか、ブルマ姿の需要が意外に多かったというのもあるが。
- 412 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27
-
( ‘д‘)<と、そんなことを考えていた私の前に、突然ある男がしゃしゃり出てきた。
手にはカメラを持っている。そしてそのレンズは私の手にあったタバコを捉えていた。
カシャッカシャッ
Σ( ‘д‘)y-~~
(~ー~ 3i]<やったぞ!加護亜依の喫煙写真をゲットしたぞ!
( ‘д‘)<どうやら写真週刊誌のカメラマンに喫煙写真を撮られてしまったらしい。
だが、私は冷静だった。私にとってそれくらいのハプニングは日常茶飯事なのだから。
スススススッ
Σ(~ー~ 3i]<えっ?
ドスッ
Σ(~ロ~;3i]<うぐっ……。
( ‘д‘)<私は滝川パンチを腹部に一発お見舞いし、その勢いでカメラをぶんどってフィルムを引っこ抜いた。
全く無駄のない流れるような動き。自分で言うのもなんだが、もはや芸術と呼べるほどの熟練技だ。
(~ロ~;3i]<あ、あああああ……。
( #‘д‘)<たく、てめえどこのカメラマンだおい。ブブカか?それともフライデーか?
( ‘д‘)<ここでフラッシュを入れなかった理由は、ファンなら周知のことだろう。
フラッシュはアップフロントと蜜月な関係にあり、このような盗撮は絶対にありえないのだ。
確かにフラッシュにも何度か激写・盗撮を謳ったものが載ったことがあるが、
安倍なつみ反省姿、市井紗耶香引越し姿など、それらは全て事務所が主導した宣伝戦略に過ぎない。
- 413 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27
-
( #‘д‘)<で、どこのカメラマンなんだ!どこに頼まれた!
(~ロ~;3i]<ブ、ブブカです……。
( #‘д‘)<ちっ、しょーもないゴシップ誌クラスかよ。まあ加護亜依じゃその程度かもしれないが。
(~ロ~;3i]<その程度って……。
( ‘д‘)<と、その時、私に一筋の光明が射した。ゴシップ、それは逆の立場であれば、まさに金の生る木だった。
芸能人の格付けにもよるが、掲載されるレベルに達してさえいれば、最低でも一本十万円は固い。
大きいスキャンダルの場合は百万円を軽く超える。つまり、問題は加護亜依の相場ということになる。
( ‘д‘)<おい、確かブブカって言ったな。
(~ロ~;3i]<は、はい……。
( ‘д‘)<ブブカだと加護の喫煙はいくらだ?十万くらいか?
(~ロ~;3i]<えっと、多分五万くらいかと……。
( ‘д‘)<ちっ、やっぱゴシップ誌如きじゃ駄目だな。全く話になんねー。
(~ロ~;3i]<いや、あの、話って言われましても……。
( ‘д‘)<となると……やっぱりフライデーだな。よし、そういう線でやってみるか。
( ‘д‘)<私はカメラを男に返し、新しいフィルムを入れさせた。そして胸ポケットからバージニアスリムを取り出す。
( ‘д‘)y-~~
( ‘д‘)<よし、撮れ!
Σ(~ロ~;3i]<えーーーーー!と、撮るんですか?
- 414 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:28
-
( ‘д‘)<当たり前だろ。お前なあ、ブブカ如きじゃ金になんねーだろ。
俺がフライデーに持ち込んでやるから。だからちゃんと撮れよ。高く売れるようにな。
(~ロ~;3i]<う、売るって、あ、あの、どういう……。
( #‘д‘)<ごちゃごちゃ言ってないでさっさと撮れ!
(~ロ~;3i]<は、はい。
カシャッ
( ‘д‘)<こうして私は喫煙写真を撮らせ、早速フィルムをフライデー編集部に持ち込んだ。
だが、自ら持ち込んだというのに、フライデーの反応は予想よりも鈍いものだった。
( #‘д‘)<なんだと?たったの二十万だと?貴様ら、どこに目ーつけてやがんだごるぁ!!!
天下の加護亜依様が自らネタをプレゼントしてやるってのに、金に糸目つけてんじゃねーーー!!!
なんだったらたけし軍団雇ってもう一度襲ってやっぞごるぁ!!!
( ‘д‘)<私は編集部中に響き渡るほどに怒鳴り、対応した編集者を震え上がらせることに成功した。
どうやら本人の持ち込みというところに困惑していたらしいが、押せばなんとかなりそうな様子だった。
( #‘д‘)<おい、お前もなんとか言ってやれ!
(~ロ~;3i]<あ、あの、私がですか?
( #‘д‘)<お前そんなんだからブブカなんかに扱き使われんだよ!売り込みイコール脅迫ってこと肝臓に刻んどけ!
(~ロ~;3i]<は、はい……(普通は肝って言うよなあ……肝臓って……)
( #‘д‘)<で、フライデーさんよお。いくらにするんだ?百万か?五百万か?それとも一千万か?
(~ロ~;3i]<それはさすがに言いすぎかと……。
( #‘д‘)<てんめーそんな弱気でどうすんだごるぁ!写真にはなあ、人間の命がこもってんだよ、命が!!!
魂抜かれるとかって話聞いたことねーのかよ!どこの生まれだ!どこの育ちだ!
(~ロ~;3i]<げ、現代です……。
- 415 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:28
-
( ‘д‘)<結局写真は27万円にしかならなかった。やはり加護亜依というところがネックだったのだろう。
これが私、藤本美貴であれば百万を軽く超えていただろうが、この場合は妥協せざるをえない。
しかし、写真とは別に、私は平和的な交渉によって整形費用をどっさり稼ぐことに成功していた。
(~ロ~;3i]<あの……これ、なんか凄い札束なんすけど……いったいどういう?
( ‘д‘)<どういうって、まあ簡単なことだ。写真以外に色んなネタをだな、ちょっとレクチャーしてやっただけだ。
未成年メンバーの飲酒や喫煙。それに過去も含めての男関係全般。中には女関係もいるけど。
(~ロ~;3i]<マジっすか……。
( ‘д‘)<まあ男関係が結構いい額になったから、ドラッグとかの話までは持ち出さなかったけどな。
それとメンバーの殴り合いの喧嘩なんかはここじゃなくてブブカとかの方がいいだろうし。
(~ロ~;3i]<……。
( ‘д‘)<ま、とりあえず整形費用も稼げたことだし、余った分は全部お前が持ってっていいぞ。
(~ロ~;3i]<い、いいんすか?こ、こんなに貰って?
( ‘д‘)<こうして私は元の顔に戻るための整形費用を捻出することに見事に成功した。
私も元の顔に戻れるし、フライデーも儲かる、そしてあのカメラマンもいい小遣いになったことだろう。
顔を間違われた時はどうなるかと思ったが、どうやら全てが丸く収まりそうである。
おわり
Σ( ;‘д‘)ノ□<な、なんやこれ!うち全然身に覚えがないで!
↑
本物の加護亜依
- 416 :名無し娘。:2006/02/10(金) 02:11
- 、
- 417 :名無し娘。:2006/02/10(金) 03:07
- なぁーんだ、そーゆーことだったのか。安心安心!
- 418 :名無し娘。:2006/02/10(金) 12:07
- 説明口調ワロス
- 419 :名無し娘。:2006/02/11(土) 20:08
- 藤本どこまでいくねん
- 420 :名無し娘。:2006/02/12(日) 16:07
- .
- 421 :名無し娘。:2006/02/12(日) 17:32
- hu
- 422 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:55
- 『剣客輪廻譚』
- 423 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:55
-
一.
道場の中は蒸しかえるような暑さでございました。普段は三十人の門弟が十分に練習できるほど
の広さがあり、特に道場が狭いというわけでもありませんが、その時ばかりはさすがに違っておりま
した。
剣心一体と書かれた掛け軸のある上手には道場主がただ一人座っているだけでしたが、下手の
壁ぎわはびっしりと人で埋まっており、また横手にある風を通すための格子状の板戸の隙間にもた
くさんの顔がありました。どれも門弟というわけではなく、話を聞きつけた武士や町人なども混じって
いる様子です。
そして皆が皆、こぶしを握りしめながらその勝負を見守っています。人垣によって風通しが悪くなっ
ているのは確かですが、それを超えてあまりあるほどの熱気が道場の中にこもっていました。
しかしながら、そんな熱気とは裏腹に、道場の中央にいる二人の若者はともに冷たい汗をかいて
おりました。
左側、白虎(びゃっこ)で木刀を構えるはしなやかな体型の飯田織部(おりべ)。
右側、青龍(せいりゅう)で木刀を構えるは若いながら落ち着きのある福田十兵衛。
ともに道場の将来を背負って立つことになると期待されている若き門弟でございます。
しかし勝負はなかなか動きません。師範代の座と江戸表への剣術留学がかかっているということ
もあるのでしょうが、それ以上に二人の力量に初めてはっきりとした優劣がつけられるということが、
二人を慎重にさせ、また二人を真剣にしているのでしょう。
これまでの稽古では飯田が六、福田が四といったところで、飯田が若干優勢でしょうか。しかし、
福田も負けてはいません。己の剣を信じているという点では、完全に福田が抜きん出ております。
- 424 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:55
-
さて、その両者の勝負ですが、そうこうする間も一進一退の攻防が続いておりました。
見た目には両者ともにらみ合ったまま動きがないように思えますが、二人の心中では激しい火花
が散っているのです。少しでも自分に有利な情勢に持ち込もうと様々な思惑がぶつかります。
重心の位置をほんの少しずらしたり、木刀を握る肘の角度を広げたり、それによって相手の反応
を見ているのです。そしてそんな反応によって、突然にして空気が動くことがあります。
例えば飯田の木刀がやや下がったかと見ると、福田が上段から木刀を振り下ろしにかかります。
飯田は待っていたとばかりにすっと後ろに下がってそれをかわすと、福田の小手を狙いにいきます。
福田はその小手を木刀を斜めにして払いのけ、そして再びの静寂に戻るのです。
同じように飯田も動きます。福田の足がほんの少し前に出たと見るや、瞬時に突きを喰らわせま
す。福田はそれをよけずに木刀で横に払い、接近戦に持ち込みますが、これには飯田が後ろに飛
びのいて間合いを戻します。
そしてこうした目に見える動きには、周りからおおっとかあっといった歓声があがります。そうした
ことがあって周りの熱気はさらに高まっているのです。
しかし半刻(はんとき)もそのような攻防が続くと、どこからか野次が飛んだりします。もちろん門弟
や見学している侍たちはそのような真似はしません。町人などの剣の道を知らない者が、その真剣
勝負にたまらずに発破をかけるのです。
「おう、どうしたどうした!」
「お若いの、そろそろ疲れたか!」
ただし邪魔するつもりはありません。その場を盛り上げようという町人の心意気なのです。
ところが、時にそんな野次の中から場が動くことがあるのですから、勝負はおもしろいものです。
「えー、弁当はいらんかねー。夕食(ゆうげ)の弁当はいらんかねー」
もちろん弁当売りがやって来たわけではありませんし、太陽はまだまだ高い位置にあります。勝負
が長引きそうだという冗談の言葉なのでしょう。それによって外から笑いがおきます。
が、その笑いが何かの琴線に触れたのか、先に動いたのは飯田織部でした。まだ若いとはいえ、
福田よりは三つ年上で、それが早く決着をつけようという思いに至ったのかもしれません。
外からの笑いが静まろうとした瞬間、ふっと飯田が前に出ました。
上段へと木刀を振り下ろし、それから一気に進みながら胴を狙おうとする動きです。正眼の構えを
取っていた福田はこの打ち込みを木刀を横にして下から持ち上げるようにふせぎますが、福田のそ
うした力癖は飯田の熟知するところ、飯田は打ち込みの瞬間にわざと力を緩めていました。木刀が
撥ね上げられないようにするとともに、その反動を軽く利用しようとしたのです。
そして空いた胴めがけて飯田の木刀が横を流れます。が、その瞬間、飯田は目を疑いました。
- 425 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56
-
突然、狙っていた胴が視界から消え、木刀が空を斬ったのです。
そしてそう思った時にはすでに飯田の脳天には福田の一撃が打ち下ろされていました。うっと声を
出して飯田が床に倒れます。
福田は飯田の打ち込みのほんの少しの軽さを見極め、その瞬間大きく真上へと飛び、そして胴を
狙う飯田の頭上から木刀を振り下ろしたのです。その飛ぶ鳥を落とすような渾身の打ち込みに、周
りから大きな歓声がわいたのも当然のことでした。
「勝負あり」
道場主の静かな声が聞こえ、歓声はさらに大きなものとなりました。門弟たちの間からもどよめき
が起こります。
「うーむ、十兵衛が勝ったか。織部も悪くはなかったが」
「互角であろうが、最後のあの打ち下ろしはいやはや恐るべし」
そして町人の中からも声があがりますが、そこはそれ、町人です。
「おらあよ、あっちの小さい方が勝つって思ってたんだ」
「ちっ、調子がいいなあ。最初あっちのすらっとした方だって言ってたのはどいつだい?」
とまあ、そんな会話は置いておくとしまして、こうして福田十兵衛が師範代の座を獲得し、ついに
江戸表へと修行に出ることになったのでございます。
- 426 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56
-
二.
陽が暮れるのにはまだ早いが、明るいうちに次の宿場に辿り着くにはやや急がねばならぬか、
という頃合の街道に、一人の旅装束の侍の姿がありました。
国元の道場での勝負に勝って師範代となり、これからは他流派の剣技も知らなくてはならないと
いうことで江戸表へと修行に出た福田十兵衛その人であります。
その福田が一人峠道を上っておりました。こだま峠といい、平安時代に謀略によって地方へと
追放された貴族が旅の途中で非業の死を遂げ、それ以来夜な夜なこだまのような声が聞こえて
くるという言い伝えのある峠でございますが、それより今ではこだま党と呼ばれる山賊が出没する
峠ということで周囲に知られております。
主街道でありながら旅人の姿がやけに少ないというのもそうしたことによるのでしょう。蛇のよう
に曲がりくねった道の中ほどにある二町ほどの直線区間を見てみても、そこに人の姿がある時間
よりない時間の方が長いほどで、多くの旅人は西に向かう人も東に向かう人も、手前の宿場で無
難に夜を過ごすのがよさそうだと思っているのでございましょう。それほどこだま党の悪名は知れ
渡っているのでございます。
しかし剣に覚えのある若き武芸者にとっては田舎の山賊など眼中にはありません。手前の宿場
で山賊が出るからここで一泊していく方がいいと言われても、なるほどそうであるかとうなずくだけ
で、そうでないのならば陽が暮れるまでに次の宿場に着くように急ぎなされ、との宿の客引き女の
言葉にも、心配御無用とばかりに笑って流したほどでございます。
そんな福田がおやっと思ったのは、再び蛇のような道にさしかかった時でございました。何やら
奥の方から声が聞こえてきたのです。福田は街道をそれて脇にある細い道へと足を踏み入れま
した。思った通り、そこにはどこかで見たことのあるような光景がありました。
武家の出か町人の娘かはわかりませんが、杖を持った若い娘とそれの供であろう爺(じいや)
が、いかにも人相が悪いと思しき五人の男たちに囲まれていたのであります。
「へっへっへ、金だけで済むと思ったら大間違いだ」
「し、しかし、これで通してくれるとさきほど……」
「その面(つら)見ちまったらむざむざ返すわけにはいかねえだろ。上玉だ」
「違いねえ。確かに上玉だ」
つまり金目のものだけに飽き足らず、その娘をものにしようとの下卑た魂胆なのでしょう。そ
んな会話を遠くから聞きながら、ささささっと侍が駆け寄ります。
- 427 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56
-
と、賊の一人が侍に気づいて声を出しました。
「なにやつ!」
侍が冷静に答えます。
「それがし、福田十兵衛と申す。わけは知らぬが、大勢で老人、女子(おなご)を襲うとは武士として
見過ごすことはできぬ。お相手ならそれがしがいたそう」
相手は五人、それも悪名高き山賊とはいえ、賊ごときに負けるような軟弱な侍ではありません。
何より剣の腕に自信がみなぎっている一番の時期なのです。福田は堂々と山賊に向き合いました。
「こしゃくな、やっちまえ!」
山賊の一人が号令を下し、それぞれ懐から小刀を取り出したり、腰にぶら下げた長脇差を手に
取って構えたりしますが、福田は全くひるみません。鞘から剣を抜き、まず最初に飛びかかってき
た左の賊の小手を打ち落とします。小刀が地面にこぼれ落ちました。そして次に右から突っ込んで
きた賊の腕を打ちます。ともに血が噴き出さなかったのは、福田が刀の刃ではなく峰の部分で打ち
込んだためでした。
「これで終わりか」
それは自分の余裕を伝えて相手を退かせるための言葉でしたが、仮にもこだま党として悪名を
馳せる山賊です。それを挑発と受け止め、三人がかりで福田に向かいます。福田は一歩退いて
間合いを取ると、三人の勢いを見定め、近づいてきた順に相手を打ちました。一人目は肩を打た
れ、二人目は腕を打たれ、三人目は脳天を打たれてその場に倒れこみました。
しかし、事はそれだけでは終わりませんでした。
- 428 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56
-
福田の後ろからふっと気配がし、それと同時に声がしました。
「少しは使うようだな」
振り向くと、そこにはそれまでの賊とは格段に様子の違う男が立っていました。細身ながら腰が
しっかりと落ちていて、着る物からも風格が漂っています。なにより驚くのは、その涼しげな表情
です。そしてその鼻には飾りでしょうか、金細工がきらっと光っていました。
「賊の頭か」
「左様。こだま党の党首、石黒の彩と申す。特別に私がお相手いたそう」
「望むところ」
彩と名乗った賊の頭が刀を抜きます。構えはやや横向きですが、変形の下段といったところ。
一方の福田は正眼に構えますが、相手がかなりの使い手であることは剣を交えるまえでもなく
伝わってきます。嫌な汗が流れ、自ら動くことができません。
彩がゆっくりと間合いを詰めます。福田も間合いを計りますが、そのままでは追いつめられると
思ったのでしょうか、横に動いて傾斜のやや高い位置に移動します。この相手に打ち勝つには
自分の必殺技である飛鳥剣を使うしかないという考えもあったのかもしれません。
ふっと彩の気配がしなくなり、次の瞬間、彩は福田の目の前に迫っていました。殺意に強弱を
つけることによって相手の隙を作ったのです。しかし福田も負けてはいません。その白刃の突き
をかわすと、地面を蹴って飛び上がり、相手の頭上に刀を振り下ろします。
すわ、決まったか、と思われたものの、倒れこんでいたのは福田の方でありました。袴が破れ、
血に染まっていました。しかし、彩が福田の動きを予め察知していたわけではありませんでした。
福田が飛び上がった瞬間、若干の戸惑いが生じていたのです。その戸惑いの原因は二人とは
離れた場所にありました。さきほど倒した山賊の手下どもが小刀を手に爺と娘に近づいていくの
が見えたのです。
しかしそうだとはいえ、福田の動きは素人目には全く無駄のない流れるような動きでございまし
た。そこに一瞬の隙を見出したのはこれ、彩と申す賊頭の冷徹なまでの神経によるものなので
しょう。もし福田の戸惑いがなかったとしても、福田の飛鳥剣が決まっていたかというと難しいと
ころでございます。
- 429 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56
-
さて、その福田十兵衛ですが、深くないとはいえ足に傷を負い、見る見る間に血が流れこぼれ
ておりました。すっくと立ち上がって刀を構えますが、もはや勝負は決したと言ってもよいかもしれ
ません。福田が立ち上がるのを彩が待っていたというのは、ある意味で武士の情けに近いものが
あったのでしょう。福田も目の前の彩がただの山賊ではないことにはとうに気づいている様子でし
た。
「元は名うての者とお見受け申す」
「くだらん侍崩れにて」
そう答えた彩が再び攻勢に出ます。しかし傷を負う福田は後ろに下がりながら防戦する一方で、
ついに木に追いつめられて後ろに下がることができなくなりました。そしてその福田の喉元に彩の
白刃が突き刺さります。
と、まさにその時、どこからともなく飛んできた石のつぶてが彩の手に当たり、福田はとっさに横
へと飛びのきました。
「くっ……邪魔が入ったか」
福田とともに彩が後ろを振り返ると、そこには菅笠をかぶった一人の武士の姿がありました。黒
の着流しを着ているところは素浪人でしょうか、しかしそんな観察をしている間にも、すでに二人の
戦いは始まっていました。
彩は福田を無視してサッときびすを返すと、その菅笠男に向かって一目散に進みました。そして
そのままの勢いで男の横を通り過ぎます。その瞬間、金属のぶつかる音がして、閃光が走りまし
た。彩が横一文字に白刃を流し、菅笠男が刀を鞘から半分ほど出してそれをふせいだのです。
男は彩が通り過ぎると再び刀を鞘に引っ込めました。福田が目を丸くするほどの剣技です。
「なるほど。流派を極めている」
彩がそう言うと男はゆっくりと菅笠を脱ぎ捨て、ニッと笑いました。年の頃は三十過ぎか、日焼け
した肌に青い目が印象的です。
二人は再び向き合いました。彩は福田と対峙した時と同じく変形の下段。男の方は左手の親指
で刀の柄を持ち上げてはいますが、まだ刀を抜こうとはしません。
福田は爺と娘のそばに戻り、賊の手下どもを追い払いながらそれを眺めました。
そして再び空気が動きます。先に動いたのはまたもや彩でした。一度目で相手の出方がわかっ
たのでしょう、今度は破られまいとばかりに再び同じ太刀筋を繰り出します。そして全く同じように
男の横を通り過ぎて立ち止まります。傍目には男の動きもさきほどと同じでした。
が、福田はその動きをかろうじて捉えていました。男は素早い動きで刀を抜きあげると、その剣
先で斜め十字を描き、そしてそのまま刀を鞘に戻していたのです。福田の目には十字の光が焼き
ついていました。思わず声が出ます。
「す、すごい……」
- 430 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57
-
そして、立ち止まっていた彩が突然に崩れ落ちました。胸を二重に斬られ、もはや動くこともでき
ずにいたのです。倒れた彩は目を見開いたまま、その場で絶命しました。手下どもはそれを見て
恐れおののきながら逃げていきます。それはこだま党の終焉を意味していました。
福田は袴の布を縛って傷口をふさぎながら男に近づきました。
「あ、ありがとうございました」
そう言って深々と頭を下げます。それに対して男が菅笠を拾いながら答えます。
「あまりのへっぴり腰に見かねただけだ」
福田は少しむっとしましたが、しかしそう言えるだけの腕が男にはありました。そして男は親切心
なのか、福田に対して助言を口にしました。
「生を断ち切れぬようでは剣とは呼べぬ。ようよう励まれよ」
山賊の手下を峰打ちで倒したことが、後に一瞬の隙を作ってしまったのだと男は言ったのです。
それは初めて真剣勝負に臨んだ福田に対する戒めでありました。命のやり取りに躊躇は禁物で
あるのだと。
そして去ろうとする男に、福田が慌てて尋ねました。
「もし、お名前を……」
「中澤二十郎。来年で三十郎になる」
その後姿を見送りながら、福田はこれからの剣術修行に更なる決意をしていたのでありました。
目指すは江戸にある寺田道場。
しかし、寺田流の太刀筋を福田はまだ知らないのでございます。
- 431 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57
-
三.
気まぐれで山賊を退治した中澤二十郎はそのまま休むことなく街道を進んでおりました。ところが
進めば進むほど嫌な汗が溢れ出ていくのであります。どういうことだ、と思わず口にせずにはいられ
ません。
それというのも、中澤の前、三十間ほどのところを歩いている行商人が、まるで背中に目がついて
いるかのように中澤の歩に合わせているのでございます。中澤がゆっくり進めば行商人もゆっくりと
進み、あるいは遅く進めば遅く進むというように、その距離が全く変わらないのでございます。
長年武者修行に明け暮れ、様々な武芸者と剣を合わせたこともある中澤にしても、そのような体験
は初めてのことで、何より気配を感じさせないことに思わず背筋が寒くなってくるのでございます。
そして中澤はいてもたってもいられなくなり、ついに行動に出ました。曲がりくねった道にさしかかり、
前の行商人の姿が見えなくなったところで、おもむろに走って間合いを詰めようとしたのです。
が、そこに行商人の姿はありませんでした。先の道にも姿はなく、もちろん後ろにもありません。
中澤は目を街道脇の森の中にやりました。そしてゆっくりとその森の中に歩を進めます。五歩ほど
進んで、すぐに中澤は立ち止まりました。先ほどと同じく三十間ほど前にその姿があったのです。
行商人は木の株に座ってキセルを咥えていました。中澤の方には全く目も向けませんが、中澤が
追ってくるのを察知し、それを待ち構えていたことは間違いありません。
中澤はゆっくりと行商人に近づきました。近づかない方がいいということは薄々感じているのでしょ
うが、それ以上にその不気味さには興味がわきます。左手の親指はいつ事が起きてもいいように、
すでに刀の柄に触れていました。
「薬をご所望だべか?」
どこの訛りなのか、行商人がそう言いました。相変わらず中澤の方を見向きもしません。
「拙者、中澤二十郎と申す浪人者。そなたが何者かを問いたい」
「訊いてどうするべ?」
「それはまだわからぬ。しかし訊かずにはおれぬ」
「覚悟はあるだべか?」
- 432 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57
-
と、薬売りが言うやいなや、中澤は刀を抜いて襲い掛かっていました。先手を打たなければ負ける
相手だと思ったのでしょう。素早い動きで薬売りに近づくと、必殺の十字剣を繰り出します。
しかし、薬売りはそのままの体勢で飛び跳ねると、別の木株の上にまたもや座ったのです。
「忍……」
中澤はしっかりと刀を握り直し、間合いを見定めました。すでに勝っても負けても名を聞くことはで
きないということはわかっていました。こうなってしまっては殺すか殺されるかなのです。そして自分
が勝ったとしても、その時には相手は死んでいるわけですから、その名を知ることはできません。
中澤は再び相手に向かって突進しました。相手の素早い動きを計算して、今度は剣先から相手を
逃さないように柔軟な攻撃を仕掛けます。が、薬売りは咥えていたキセルでその剣を受け止め、ふ
わりと身をかわしたかと思うや、中澤の頭上に足を乗せ、それを蹴るようにして後ろに着地したので
す。
そして中澤が振り返った時にはすでに中澤の体を後ろから短刀が貫いていました。
「ぐはっ……」
中澤は刀で体を支えようとしましたが、力が入らず、そのままその場に倒れ込みました。そして
結局その名を知ることなく息絶えたのでした。
「薬をご所望だべか?」
その問いかけに答えるのは、ただ森の中を駆け抜ける風の声だけでございました。
- 433 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57
-
四.
薬売りの格好をした安倍那智(なち)は街道に戻ると、何事もなかったかのように再び道を進み、
峠の茶屋までやって来ました。山賊が出るとの噂のこだま峠とはまた別の峠であります。
忍とは申せ、長旅には疲れるし、腹が減りもするのです。おいしそうなお団子の匂いに那智の足
は止まりました。
「いらっしゃい。なんにします?」
「うーんと、団子二つにするべ」
「はいな。すぐお持ちします」
茶屋の主がすぐ団子の皿と湯呑みを運んできます。那智は木の長椅子に腰を下ろし、その団子
をつまみました。すぐ隣の長椅子にはどこぞの店の隠居なのか、旅の老人の姿がありました。
「うーん、うまいべ。やっぱり峠といえば団子だべなあ」
そう言いながら串にささった団子をほおばり、そして次の団子の甘さを減らさないように、湯を呑
んで口の中を流します。茶屋といっても、お茶はまだ高価なもので、普通はただの白湯なのでした。
と、隣の老人がその仕種を見て声をかけてきました。
「ほっほっほっ。お若いの、さもうまそうに食いなさる。いやはや見事でござるのお」
「照れるだべ」
那智は素直に照れていました。忍であっても、普段は薬売りの行商人をしているのですから、こ
うしたやり取りは普通にこなせるのです。が、それはあくまでそれが普通であったらのこと。一歩
修羅の臭いがすればその場は血の海と化すこともあるのです。
「熊野にはよっぽどうまいものがござらんのであろうな」
老人がそう言いました。那智はいやあと愛想笑いを浮かべていましたが、その内心は当然穏や
かではありません。忍であることを感づかれているどころか、那智が熊野忍であることもその老人
に見抜かれていたのですから。
思わず懐に手が行くのを那智はなんとか止め、そのまま団子を食べて茶屋を離れました。忍と
して人の目につく場所で行動に移すことは避けたかったのでしょう。
懐に入っているのは手裏剣でした。といってもお馴染みの十字手裏剣ではありません。通常の
忍が使う手裏剣は釘型のものがほとんどで、十字手裏剣は武器としてではなく道具として使われ
ることが多かったのです。
- 434 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58
-
那智は街道を少し歩くと、そのまま森の中へと道をそれました。そして木陰に隠れて老人が通り
過ぎるのを待ちます。隠れたところで気づかれることは承知の上でしたが、道でただ待っていると
いうわけにもいきません。
老人はそのまま街道を進んでいきました。当然ながら那智の存在には気づいていましたが、そ
れをどうこうするつもりはない様子でした。
那智は老人の後を追い、二人はそのまま街道から小道にそれていきました。そして老人が立ち
止まります。
「お若いの、ただの老人を相手にしてもつまらぬだけかと思うがの」
「正体を知られたからには生かしてはおけないだべ」
「それなら仕方ないかの」
老人は左手に持っていた杖を右手に持ちかえ、そして指差すように杖を那智に向けました。那
智は一瞬、仕込み杖かとも疑いましたが、どうやらそのようなことはない様子です。その杖だけで
勝てるという自信があるのでしょう。そしてその自信を裏づけるかのように、老人の動きには一分
の隙もありませんでした。
そして気配というものが全くありませんでした。それは茶屋に座っていた時からそうでした。その
時点で那智も気づくべきだったのかもしれませんが、少し前に素浪人を刺した時の短刀の血の
臭いが、完全な無気配というものを那智が察知することを麻痺させていたのでした。
那智は短刀を構えると、そのまま瞬間的に姿を消しました。空気の流れを読むことで、空気と
一体化するように高速で動くことができるのです。そして右に左にと流れながら老人に近づき、
背後から短刀を突き刺しました。
が、その瞬間、老人の杖が後ろに伸びて那智の腹部を打ち、短刀は紙一重で老人の着物の布
に届きませんでした。
- 435 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58
-
那智は一瞬ひるんだものの、すぐに後ろに跳ね飛んで間合いを取ります。そして今度は木から
木へと飛び移りながら相手を惑わします。いわゆる熊野の三社渡りと呼ばれる術です。
そして釘型の手裏剣を連続して打ち込みながら、老人に向かって真一文字に突き進みます。
しかしまたしても後一歩というところで老人の杖がそれを阻止します。老人は全ての手裏剣をよ
けたのみならず、その杖を今度は那智の脳天に叩きつけていました。
那智は空中で反転することでその衝撃を減らすと、地面に足をついた反動で再び飛びのいて
間合いを取ろうとしました。が、それは老人に完全に読まれていました。
老人の後ろ十歩ほどの場所に着地した那智の胸に、釘型の手裏剣が突き刺さっていたのです。
「な、なんだべ?」
那智がそう言うまもなく次の手裏剣が刺さり、さらに次の手裏剣が刺さりました。三社渡りから
投げた手裏剣が全てかわされたどころか、全て那智に向かって返されていたのです。それもど
れもが那智が着地する場所を予知して返されたものでした。
「な、なんで……」
「お若いの、そう急ぎなさるな。何が起こるかわからぬのが人生じゃて」
振り向きながら老人がそう言いました。那智はそのまま前方へと倒れこみました。
「うう……那智が……那智がこんな老人に……」
「ほほほ、那智と申されたか。悔やまれますな。わしは名張の充代斎(じゅうだいさい)と申す老い
ぼれにて、多少は名を知られておる」
「じゅうだい……さい……?」
「平家流といえばわかるかのお」
「け、剣聖……」
那智はそう言い残すと、そのまま息を引き取ったのでございました。
- 436 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58
-
五.
城下町に一人の老人の姿がありました。気ままな隠居の身とはいえ、平家流の創始者であり、
今や伝説の剣聖とも称されている名張充代斎であります。
その充代斎がまたもや団子屋で団子を食べていると、そこを爽やかな汗を流す集団が通りか
かりました。城下で三指に入る道場の道場主と門弟たちです。と、その道場主が充代斎の顔を
見るやいなや、血相を変えて飛び込んできて、その前に肩膝をついたのであります。
「も、もしや、平家流の初代様ではござりませぬか」
「ほっほっほっ。いかにも充代斎じゃが、そなたは」
「それがし、この城下で道場を営んでおり申す。まだ若い時分、江戸の剣術大会にて充代斎殿
の剣技を拝見したことがござりますれば……」
とまあ、そんな挨拶があり、せっかくの機会とばかり、充代斎は道場へと招かれたのでありま
す。ただし、剣聖と剣を合わせられるような者は道場にはおらず、差し出された饅頭を食べな
がら稽古を見学するという程度のことでしたが、それでも門弟たちの稽古には熱が入ります。
特に年下の門弟に敗れて師範代の座を逸した飯田織部は意欲に抜きん出ていました。
「うむ。その若いの、なかなかいい筋をしてなさる」
「は、ははははははい。こ、光栄です」
剣聖から直に声をかけられたとあっては舞い上がるのも無理もない話で、他の門弟たちから
もおおっと声があがります。
「それは飯田織部と申し、いずれはこの道場の師範代、師範となる者にて」
道場主がそう説明し、飯田は嬉しそうに頭を下げました。
「ふむ。よかろう。お若いの、わしにかかってきなされ」
えっという声が方々からあがります。飯田自身も信じられないという表情を浮かべ、目をパチク
リしていました。
「ほうかひたはの?」
充代斎が饅頭をモグモグと食べながらそう言いました。どうかしたかの、と言ったのでしょう。
「あの、ですが……」
飯田がそう尋ねかけました。それもそのはず、充代斎はその場に座ったまま饅頭をほおばって
いて、かかってこいと言われてもどうしていいかわからないのです。
- 437 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58
-
「よ、よろしいのですか?木刀もなにもありませんが」
飯田の問いかけに答えずに、充代斎はなおも饅頭をほおばり続けていました。
道場主が飯田に言います。
「試してみたらよかろう。本当は私が試したいところだが、何事も勉強だ。だが油断はするな」
「は、はい!」
飯田がそう返事をして、木刀を構えました。一方の充代斎は相変わらず座ったままです。そし
て饅頭を取る手を止めません。
しかし木刀を構えてみればすぐにわかります。充代斎には全くといっていいほど隙がありませ
んでした。どこから打ち込んでもかわされるような、そんな気がしてきて、飯田の足は完全に止
まっていました。
門弟たちも稽古の手を止め、その様子を見守ります。飯田もただ突っ立ってはいられません。
叶うとは思わないまでも、どのような受け方をされるのかという興味は存分にあります。
そして飯田は動きました。座っている充代斎に対して一気に歩を進めて木刀を振り下ろしたの
です。が、充代斎は全く動きませんでした。飯田の木刀が寸でのところで止まることを見切って
いたのです。本気で打ち込んできなさい、ということなのでしょう。
飯田は一歩退いてまたもや木刀を構えました。今度は上段ではなく中段の構えです。座ってい
る者に対してはその方が無駄がないと判断したのでしょう。
そしてじりじりと間合いを詰め、充代斎が饅頭を手にして口にほおりこんだ瞬間に飯田は動き
ました。小手先の剣技ではどうかわされるかわかりません。飯田はその中段の構えからそのま
ま座した充代斎に向かって突きを繰り出しました。
と、その瞬間でした。おいしさのあまりいくつも饅頭を詰め込んだせいか、充代斎は饅頭を喉
に詰まらせ、ごほごほっと苦しそうに咳き込んだのであります。目の前からは木刀が迫っていま
したが、それよりも脅威なのがその饅頭でありました。
- 438 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58
-
充代斎はとっさに置いてあった湯呑みを手に取り、それを飲み干しながら体を後ろにそらして
木刀をかわそうとしました。が、それはそれ、経験豊富とはいえそんな体勢で湯を飲んだことな
ど当然ありません。喉に詰まった饅頭にはばまれた湯が気管へと流れ、充代斎はもがきながら
そのまま後ろに倒れこんでしまったのであります。
その顔の上には空振りに終わった突きが浮いていましたが、飯田は当然ながらかわされたの
だと思いました。しかし一度かわされても次を打つのが必定であります。飯田はその木刀をその
まま下へと軽く振り下ろしました。
これもかわされるだろうと当然ながら思います。しかしもはや勝敗は関係ありません。どのよう
なかわされ方をするのか、飯田のみならず皆の興味はそこに移っているのであります。
が、飯田の木刀はそのまま充代斎の額に打ち込まれていました。コツリと音がして飯田の手に
もその感触が伝わります。しかし何が起きたのかすぐには理解できません。
周りからどよめきが起き、飯田は周りを見ました。皆が驚きの目で見ています。そして飯田もよ
うやくそれを理解しました。飯田の木刀が確かに剣聖に打ち込まれたのです。
しかし、その時すでに充代斎が息絶えていたことに周りの者たちは誰一人気づいてはいません
でした。饅頭で喉を詰まらせ、さらに湯を気管に入れた時点で充代斎は絶命していたのでした。
様子が変だと思ったのはそれからしばらくしてからのことでした。息をしていないことに気づき、
周りは大慌てに慌てます。道場主もどうしていいかわからずにただただうろうろしていました。
しかし、一つだけはっきりしたことがありました。
それは飯田織部が剣聖に勝ったのだということ――。
こうして飯田織部に勝った福田十兵衛を追いつめた石黒の彩を破った中澤二十郎を葬った
安倍那智の息の根を止めた剣聖名張充代斎を、飯田織部が打ち負かしたのございます。
はてさて、結局のところ一番強いのは誰なのでございましょうか。
それは多分、誰にもわからないことかもしれません。
完
- 439 :名無し娘。:2006/03/05(日) 11:10
- 充代斎の最期ヒドスw
軍艦は芸風が広いな
- 440 :名無し娘。:2006/03/06(月) 17:21
- (ノД`)・゚・。ミチャーソ…
- 441 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:54
-
┌―――――――――┐
│ 剣 客 至 道 │
└―――――――――┘
- 442 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:54
-
┌───────────────────────────―─┐
│*主人公を選んでください │
└─────────────────────────────┘
│ │
│ 現在の選択 名張充代斎 │
│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ 説明 平家流槍術を会得。能力は安定。悲運の相。 │
│ │
┌─────────────────────────────┐
||▼|| 名張充代斎 │槍徒│平家流 │ │
|| || 中澤三十郎 │剣客│丹波流 │ │
|| || 石黒彩之進 │浪人│(我流) │ │
|| || 飯田織部 │藩士│電波流 │ 剣 客 至 道 │
|| || 安倍那智 │忍豚│陸奥派 │ │
|| || 福田十兵衛 │門弟│銀杏流 │ │
|| || ・・・・・・・・・・・・│・・・・│・・・・・・・・・・│ │
└―――――――――――────────―─────――――┘
- 443 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:54
-
┌───────────────────────────―─┐
│*主人公を選んでください │
└─────────────────────────────┘
│ │
│ 現在の選択 中澤三十郎 │
│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ 説明 丹波流剣術の心得あり。全国行脚中。 │
│ │
┌─────────────────────────────┐
|| || 名張充代斎 │槍徒│平家流 │ │
||▼|| 中澤三十郎 │剣客│丹波流 │ │
|| || 石黒彩之進 │浪人│(我流) │ │
|| || 飯田織部 │藩士│電波流 │ 剣 客 至 道 │
|| || 安倍那智 │忍豚│陸奥派 │ │
|| || 福田十兵衛 │門弟│銀杏流 │ │
|| || ・・・・・・・・・・・・│・・・・│・・・・・・・・・・│ │
└―――――――――――────────―─────――――┘
- 444 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:54
-
┌───────────────────────────―─┐
│*主人公を選んでください │
└─────────────────────────────┘
│ │
│ 現在の選択 福田十兵衛 │
│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ 説明 銀杏流剣術の門弟。やや早熟。ダートが得意。 │
│ │
┌─────────────────────────────┐
|| || 名張充代斎 │槍徒│平家流 │ │
|| || 中澤三十郎 │剣客│丹波流 │ │
|| || 石黒彩之進 │浪人│(我流) │ │
|| || 飯田織部 │藩士│電波流 │ 剣 客 至 道 │
|| || 安倍那智 │忍豚│陸奥派 │ │
||▼|| 福田十兵衛 │門弟│銀杏流 │ │
|| || ・・・・・・・・・・・・│・・・・│・・・・・・・・・・│ │
└―――――――――――────────―─────――――┘
- 445 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:54
-
┌───────────────────────────―─┐
│*こちらでよろしいですか? │
└─────────────────────────────┘
│ │
│ 現在の選択 福田十兵衛 │
│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
│ 説明 銀杏流剣術の門弟。やや早熟。ダートが得意。 │
│ │
┌─────────────────────────────┐
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ 剣 客 至 道 │
|| || │ │ │ │
||▽|| 福田十兵衛 │門弟│銀杏流 │ │
|| || │ │ │ │
└―――――――――――────────―─────――――┘
- 446 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:55
-
┃ ┏┓
┣━┗┛┃┃┃
┗━ ━┛
- 447 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:55
-
┌───────────────────────────―─┐
│*主人公は福田十兵衛に決定しました │
└─────────────────────────────┘
│ │
│ 説明 銀杏流剣術の門弟。やや早熟。ダートが得意。 │
│ │
│ 能力 剣25 力15 速15 術00 名00 │
│ │
┌─────────────────────────────┐
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ 剣 客 至 道 │
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ │
|| || │ │ │ │
└―――――――――――────────―─────――――┘
- 448 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:55
-
1.
普段は和やかな雰囲気の道場もその時ばかりは趣きを変え、ピリリとした緊張が張り詰めていた。
日はまだ高い位置にあった。窓から光が射しこみ、板の間を照らし出す。陰となった部分の方が面
積としては大きいものの、道場全てが光に包まれているような、そんな柔らかな暖かさがあり、それ
はそこにいる者全てに未来への希望を予感させた。
道場の中央の壁に「銀杏虚弱」と書かれた額が掛かっていた。銀杏流(ぎんなんりゅう)剣術の創始
者である先々代の筆で、落ちてくる銀杏の実を剣で真っ二つにしたことに由来するともされているが、
実のところ、その意味はよく伝えられていない。「いちょうきょじゃく」と読んではならない、ということだ
けが暗黙の了解として存在している。
その額の前に現在の道場主である三代目が座っていた。壮年になりかけたといった年頃で、威厳
はあまりない。しかし五年前の東京剣術大会では予選を突破して本線に進んでいるから、剣の腕は
まあまあといったところ。そのおかげで弱小の道場ながら三十人の門弟を抱えている。
その三代目の隣に左右に分かれて四人の若者が座っていた。どれも三段以上の高段者で、師範
や師範代として門下生に教える立場にある。その一番右側の溌剌とした師範代が尋ねるように口を
開いた。
「それでは始めますか」
三代目がうなずき、師範代はすっくと立ち上がった。そして今度は腹の底から大きな声を出す。
「これより、福田十兵衛の師範代昇格テストを行う。福田十兵衛、前へ」
「はい」
静かに返事をして、福田十兵衛が道場の中央、左側に立った。
年の頃は二十歳をやや過ぎたといったところ。七年ほど前に開催された織田家主催棍棒術大会、
通称オリコンでは我流ながらジュニアの部で優勝、「オリコンの一位だけが一位ではない」との名言
を残したものの、棍棒術の限界を感じ、その後は武道から遠ざかっていた。
そんな福田が復帰したのは半年前。実家の呂宋(ルソン)酒場で手代(てだい)をしながら学堂の
夜間部に通っていたのだが、卒業を機に剣の道に足を踏み入れたのだ。
元々棍棒術を習っていたわけではなく、剣技の応用として大会に出ていたため、剣術は初めてで
はなかった。ただし、ブランクがあり、過去の経歴をあまり表に出したくなかった福田が入門したの
は銀杏流だった。東京に数ある道場の中でもあまりパッとしない流派だ。
ただ、そこは武士や町人の別なく誰でも気軽に入門できる道場であり、強さを求めないという方針
があって、それが復帰を悩む福田には合っていたのかもしれない。
実際、福田は週一というのんびりしたペースでこの道場に通いながらも、見る見るうちに勘を取り
戻し、二ヶ月目で初段を獲得、更にあっさりと二段に進み、いよいよ師範代の資格を取れるか、とい
うところまで来ていた。その日のテストには三段への昇段と師範代への昇格が同時にかかっていた。
- 449 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:55
-
「師範代昇格テストは三人掛かりにて行い、勝敗ではなくその対処の仕方によって判定する」
師範代がそのように説明し、続いて三人の名を呼び上げる。
「亀井、道重、田中。前へ」
「じ、自分ですか?」
突然の指名に戸惑った田中がそう言葉を発した。
武士のせがれであるが、口先に比べて剣の腕はパッとせず、これを嘆いた親が幾つかの道場に
入門させるもどれも長続きせず、最終的にこの銀杏流に落ち着いたという、つまりヘタレである。た
だし、入門歴は三年で、おまけながら一応初段の段位を持っていた。
一方、その隣にいた二人は自分が指名されたことがよほど嬉しかったのだろう、わーいわーいと
素直に喜んでいて、そのうちの一人などは鏡を見て自分の格好よさを確認しているほどだった。田
中と同期だったが、こちらの二人はまだ段位は持っていない。
三人は木刀を手に中央の右側に立った。田中は震えていて亀井と道重は笑っていた。
「亀井、道重。ふざけてると怪我するぞ。真面目に構えろ」
師範代から注意され、二人がつまらなさそうに顔を見合わせた。田中はやはり震えている。
「それでは始め!」
四人が礼をし、木刀を構える。
- 450 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:55
-
┌―――――┬――┬―┬―┬―┬―┬―┬――――――――┐
│Fiter │素性│剣│力│速│術│名│流派/必殺技 │
├―――――┼――┼―┼―┼―┼―┼―┼――――――――┤
│福田十兵衛│門弟│25│15│15│--│--│銀杏流 │
└―――――┴――┴―┴―┴―┴―┴―┴――――――――┘
┌―――――┬――┬―┬―┬―┬―┬―┬――――――――┐
│亀井某 │雑魚│10│05│10│--│--│銀杏流 │
└―――――┴――┴―┴―┴―┴―┴―┴――――――――┘
┌―――――┬――┬―┬―┬―┬―┬―┬――――――――┐
│道重某 │雑魚│05│15│05│--│--│銀杏流 │
└―――――┴――┴―┴―┴―┴―┴―┴――――――――┘
┌―――――┬――┬―┬―┬―┬―┬―┬――――――――┐
│田中某 │雑魚│15│05│05│--│--│銀杏流 │
└―――――┴――┴―┴―┴―┴―┴―┴――――――――┘
- 451 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:56
-
左側、福田は正眼の構え。静かに前を見据える。
それに対し、早速仕掛けたのが右側の道重だった。
「うおりゃあーーー」
いきなり福田の目前に駆け込み、剣技などなんのその、力まかせに木刀を叩きつける。
「むっ」
福田は一歩退き、木刀でそれを受けて横へと払った。と、今度は亀井が道重に続く。
「ええーい」
道重のようなパワーはないが、一応基本に忠実なのが亀井だった。ただし、それは長所がないと
いうことでもあり、福田はあっさりとその面をかわして小手に一撃を喰らわした。
「いたっ」
亀井がそう口にしたと同時に、手から落ちた木刀が板の間に当たってカランという音を立てた。
カーボンコーティングされた木刀とはいえ、防具はつけていないから、小手であってもダメージは大
きい。亀井は顔を歪ませながら落ちた木刀を拾い、福田を睨みつけた。
その福田はすでに道重の二撃目に対処しているところだった。
「ちょりゃーーー」
道重の再びの面を受け止め、間合いが詰まる。パワーで押すしかない道重は接近戦にもちこもう
とするが、福田も接近戦は苦手ではない。ただ、三人掛かりであるからここは退きたいところ。
亀井が立ち上がって木刀を構えたのを見た福田は、ふっと力を弱め、道重の木刀を滑らせた。突
然の力の強弱に道重は前のめりになり、そこをすかさず福田が横に回りこむ。
若干の間合いが開き、福田は一歩退くやいなや再び前に出て道重の無防備な面を打った。
鈍い音がして道重は目を見開いたまま崩れ落ちた。周りからおおっという声が漏れる。
が、福田はすでに亀井に向かっていた。がら空きの胴に一撃をお見舞いし、うぐっという声とともに
亀井もまたうずくまる。あっさりとしたその剣技に、福田の表情もまたあっさりしていた。
- 452 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:56
-
道場の中央には福田が立っていた。そして右側には田中。一応正眼に構えてはいて、その構え方
もやられた二人とは違ってさまにはなっている。ただ、かなり緊張しているらしく、手はガチガチに固
まっていた。
「どうした」
見守っていた道場生から声が飛ぶも、田中は全く動こうとしない。ヘタレであるから動けないのかも
しれない。しかし福田は構わずに静かに田中を見据えた。すでに射程に入っている。
ガクガクと震えながら田中はゆっくりと下がった。と、転がっていた亀井の木刀を踏んづけてしまい、
びっくりしてひーっと大きな声を出した。そして更に仰向けに倒れていた道重を見て、あわわわわ、と
大きく口を開いた。そして突然、なにかの回線が切れたらしい。
「うわあああああ」
田中は突然木刀を大きく振り回し始めた。そして振り回しながら前進して福田に襲いかかる。
基本も技もあったもんじゃないそのがむしゃら剣法に福田は若干戸惑っていた。
隙はいくらでもある。しかし、そこを狙おうとしても相手はすでに剣の基本を忘れている。普通の相
手であればどういう反応をするかは大体わかる。が、田中の場合は全くそれが読めない。
福田は二歩退いて間合いを確保した。そして相手の動きを読もうとするも、田中は泣き出さんばか
りの表情を浮かべ、まるで阿修羅のように木刀を振り回していた。
と、福田は唐突に構えを解き、木刀を左手に持って腰の脇に戻した。すでに勝負は決したというア
ピールなのか、それとも無用な相手には近寄らぬが吉と考えたのか。福田から闘争の気配が消え、
一同シーンとなった。田中はあいかわらず木刀を振り回していたが、なんだか様子がおかしいとは思
い始めたらしい。その速度を弱め、それまで全く見ていなかった前方を見た。
が、そのときにはすでに福田は田中たちに対して礼をし、正面の師範代に対しても礼をしていた。
そしてそのまま下座に進み、もう一度軽く礼をして見学していた門弟たちの中に着座した。
困ったのは師範代である。その行動を見事として「勝負ありっ」と声をかけるか、それとも試合放棄
と見なすか。十秒ほど間が空いて、師範代が選んだのはそのどちらともとれる言葉だった。
「それまでっ」
その声に、やはり戸惑っていた門弟たちから歓声が上がった。いやはや見事、と声をかける者もい
れば、逆に納得がいかないと呟く者もいて、それは微妙な結末となった。
- 453 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:56
-
その日の稽古は福田のテストが最後だったため、後は三代目の結果待ちであったが、異例なこと
にその結果が講話の中で発表されることはなかった。三代目も福田の評価を迷っていたのだろう。
全員で「銀杏虚弱」の額に一礼し、いつも通りの解散となった。その後は段位を持たない門弟たち
が雑巾がけをし、片づけをする。
と、そこで三代目が福田に声をかけた。その後ろには二人の師範。部屋で話があるらしく、福田は
道場から渡り廊下を通って畳敷きの和室へと通された。
「今日のテストだが」
三代目がそう口にして、顎をあげた。福田は背筋を伸ばして正座していた。
「一応訊いておくべきであろうな。なぜ田中を打たなかったのか」
福田は一瞬黙ったものの、堂々と、しかし意外な言葉を発した。
「勝てないと思いました。ただそれだけです」
「ふーむ」
三代目は腕組みをし、そのまましばらく黙りこくった。
師範がなにか言いたげだったが、口を挟むべきではないと思ったのか、すぐにまた口を閉じた。
「銀杏流では物足りんのかもしれんな」
「そういう意味では……」
その言葉に福田が大きな声を出した。
「いや、確かに私もあれは見事だったと思う。私にもできなかっただろうし、師範も、そうだな」
「は、はい……。私なら田中に打ち込んでいたと思います。隙を見て……」
「うむ。しかし、銀杏流の剣であの阿修羅のような田中に果たしてどう立ち向かうか」
ここでもう一人の師範が口を挟んだ。
「田中は木刀を振り回すのに懸命で前が見えていませんでした。素早く後ろに回り込めば……」
「普通ならそう考える。しかし福田はそう考えてはいなかった。そうだな?」
「はい」
「横や後ろに回りこんで打ち込み、田中を倒したとして、それは勝ったことになるのかどうか」
師範があっと声を漏らした。福田の第一声の意味にようやく気づいたのだ。
「もしかすると福田は我々より剣の道に真剣なのかもしれん。だとすると、やはり銀杏流では物足り
まい。きっとそういうことなのだろう。福田十兵衛、銀杏流三段へ昇段を認める」
「はい」
「ただし、師範代への昇格は見送り、三段にて卒業とする」
師範の二人は言葉もなく、しかし福田は黙って一礼し、座を立った。
- 454 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:56
-
つづく?
- 455 :名無し娘。:2006/03/25(土) 21:11
- どんな話になるか楽しみ
- 456 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:53
- 次のネタは正月に書いたままギコペ内に忘れていたものです。
加護亜依喫煙事件とは一切関係ありません。
- 457 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:53
-
『さきがき!藤本組新年会』
- 458 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:53
-
川VvV)y-~~<ふーっ、新年の初煙ほど旨いものはなし、か。
从*・υ.・)<さすが組長、今年も堂に入ってますぜ。
川VvV)y-~~<よし、お前にも煙を与えてつかわす。これで無病息災間違いなしだ。
フーッ ;::"...; ;; )
川V 2V) ..,:;:',;",.;:''";:) (・υ.・*从<ハハー、ありがたき幸せ!
ノノ*^ー^)<なんと羨ましい!組長の伝説の赤ラークの煙に包まれるとは!
川VvV)<亀井、お前も頑張れば来年には叶うかもしれんぞ。
ノノ*^ー^)<ハハー、不肖亀井、そのお言葉を胸に今年一年を励みまする。
从*・υ.・)<鬼が笑うのを承知でのお言葉、さすが組長でござりまするな。
川VvV)<ふふっ、勝手に笑わせておけ。12mgはダテじゃないぜ。
リリo´ゥ`)<……(これが藤本組の新年会か……噂には聞いてたけど……)
- 459 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:53
-
川VvV)<ところで久住、お前はなに呑んでんだ?
リリo´ゥ`)<はい?
川VvV)<タバコの銘柄だ。なに呑んでんだ?
リリo´ゥ`)<呑む?
川VvV)<なに吸ってんだって聞いてんだよ。銘柄だ銘柄。
从;・υ.・)<す、すいやせん。組長直々のお尋ねに緊張してるのかと。
川VvV)<久住は初めての新年会だったか。なら緊張して当然だな。
リリo´ゥ`)<えっと……小春は未成年なんでタバコは……。
川VvV)<隠さずともよい。別にタレ込んで小銭稼ごうってつもりじゃないからな。
从;・υ.・)<そ、そうそう……。
リリo´ゥ`)<で、でも本当にタバコは……。
ノノ;^ー^)<こ、これ。組長はタバコを吸ってこそ一人前とのお考えだ。正直に申すがよい。
リリo´ゥ`)<あ、そうなんすか……でも小春、そこまでヘビーってわけでもないし。
- 460 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:53
-
川VvV)<謙遜するとはウブな奴め。かまわんから申してみよ。
リリo´ゥ`)<えっと……わかばですけど。
Σ川;VvV)<わ、わかば!!!
Σ从;・υ.・)<……(や、やばい……組長よりヘビーな銘柄を……!)
Σノノ;^ー^)<……(く、組長のプライドがズタズタに……!)
リリo´ゥ`)<やっぱダメっすよね。ひらがなだし。
川;VvV)<あ、ああ、そうだな。ひらがなだよな。そうそう、ひらがなだし……。
从;・υ.・)<で、ですね……。
ノノ;^ー^)<や、やっぱ組長の赤ラークにはかないませんよね……。
川;VvV)<……(そう言えば道重が教育係だったか。それならある意味納得だな……)
遠い昔の藤本派を懐かしく思い出す組長であった――。
- 461 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:54
-
『帰ってきた!藤本美貴先輩』(おまけ)
- 462 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:54
-
川VvV)<いいか久住。大阪で外食するなら注文する時に必ず「魔法のレストランを見た」って言え!
万が一ってことがあるのが世の中だからな。
(; ´ Д `)<……(ないよ……絶対にないよ……)
- 463 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/04/06(木) 20:54
-
つづかない
- 464 :名無し娘。:2006/04/07(金) 11:47
- お山の大将藤本いいキャラだ
- 465 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/18(木) 22:16
-
『さきがき!シタタカ美貴ちゃん』 vol.3
- 466 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/18(木) 22:16
-
( ´ Д `)<私の名前は藤本美貴。一人の人間を葬り去ってまで整形費用を稼いだのだが、
藤本美貴にしてくださいと頼んだはずなのに、なぜかこんな顔になってしまった。
( ´ Д `)<しかしまさか後藤真希と間違われるとは私も落ちぶれたものだと落胆せざるをえない。
だが、仮にも田舎ではシタタカ美貴ちゃんと恐れられたこの私だ。ただでは起きない。
せっかくの後藤真希の顔だ。これを存分に利用(=悪用)しない手はない。
( ´ Д `)<ということで私は早速事務所を訪れた。後藤真希に成りすまし、奴の評判をとことん落とすのだ。
(´∀` ソリ<あ、後藤さん。珍しいですね、事務所に来るなんて。
( ´ Д `)<私も知っている事務所の女性社員。まずはこの女をターゲットにしよう。
( #´ Д `)<黙れあばずれ!誰に口きいてると思ってんだ!天下の後藤真希様にあらせられるぞ!
(´∀`;ソリ<あ……はい……。
( ´ Д `)<ふふふふふ。予想以上に驚いている。これはかなりの快感かもしれない。
なんせどんなことをしようが責任は全て後藤真希本人が負うのだから私自身は気が楽だ。
これなら堂々とイケメンを逆ナンすることだってできるし、路上プレイだってできるかもしれない。
天下に名の知れたアイドルが大勢の通行人に見られながらエッチするのだからその効果は絶大だ。
スポーツ誌の一面どころか、NHKの全国区のニュースですら取り上げられるかもしれない。
- 467 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/18(木) 22:16
-
( ´ Д `)<と、そんなことを極秘裏に計画していた私の目の前に、今度は事務所の男性社員がやって来た。
さきほどの女性社員から話を聞きつけて様子を見に来たのだろう。ご苦労なことだ。
しかしせっかく現れたターゲットだ。このまま無視するようなもったいない真似はできるはずもない。
(ロ∀ロ 3ミ <あ、後藤さん。今日はどうなされたんですか?なんだかいつもと様子が違うみたいですけど。
( #´ Д `)<黙れアルフチンポ!てめえごとき安月給が気安く話しかけるんじゃねえ!目障りだとっとと失せろ!
(ロ∀ロ;3ミ <あ……はい……。
( ´ Д `)<ふふふふふ。二人目もやはり困惑が隠せないらしい。ショックのあまり視点が定まっていないほどだ。
ちなみにアルフチンポとはアルフの鼻のようにチンポの皮がドリル状をした包茎野郎という意味である。
それはさておき、これ以上身内をからかっていたところで意味はないだろう。
これから起こる後藤真希の路上露出公開プレイ特別無料イベントに比べたら屁みたいなものだ。
そう思い私は事務所を後にし、タクシーの運ちゃんに乱暴な口をききつつ渋谷ハチ公前へと向かった。
- 468 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/18(木) 22:16
-
(´∀`;ソリ <どうでした?やっぱり変でしたよね?
(ロ∀ロ;3ミ <ああ。確かにかなり変だったな。
(´∀`;ソリ <おかしいですよね?後藤さん、なにか嬉しいことでもあったんでしょうか?
(ロ∀ロ;3ミ <あんなに機嫌のいい後藤さんは久しぶりだからな。なにか天変地異が起きなきゃいいけど。
- 469 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/18(木) 22:16
-
( ´ Д `)<渋谷についた私は早速ナンパを開始した。私が後藤真希だとわかり、すぐに人だかりができる。
それ自体は若干むかつくが、その限りなく少ない人気もすぐにゼロになるかと思えば上機嫌だ。
私はハチ公の銅像によじのぼり、獣姦プレイもどきの挑発行為をしつつ、衆人の注目を集めた。
後はこの中からイケメンを選抜し、雑踏でおもむろに服を脱ぎ捨てれば歴史的事件の始まりだ。
十年後のNHKではきっと「この時、歴史が動いた!」などと真面目に論じていることだろう。
( ´ Д `)<……。
( ´ Д `)<だが、私はある重大な事実を忘れていた。顔は後藤真希でも、体はそうではないのだ。
( ´ Д `)<そしてそうだとすると、哀しいかな、私が後藤真希ではないことがばれるどころか、
そのバディが藤本美貴のものであることまでばれてしまう可能性が出てきてしまう。
( ´ Д `)<しかし、そんなことを考えている余裕はなかった。すでに私の周りには男どもが殺到しており、
歴史に名を残す壮絶な路上プレイが始まるのを今か今かと待ちわびていたのだ。
そういうわけで私は慌てて逃げ出した。もちろん後藤真希として捨て台詞を吐くことを忘れない。
( #´ Д `)<邪魔だ下郎ども!天下の後藤真希様がてめーら如き腐れチンポで満足できると思ってか!
そもそもてめーらが後藤真希様に気安く近づくなんて百億光年早いんだよ!散れコワッパども!
( ´ Д `)<またしても快感が襲う。この突然の豹変ぶりには男どもも驚愕して失禁寸前だろう。
まさか百億光年が時間ではなく距離の単位だということに気づいた者もいないに違いない。
百万光年にしてマンコーネンを強調するという手もあったが、まあそこまでは必要ないだろう。
とにかく路上プレイはなかったものの、これで後藤真希の乱交騒ぎが話題になることはまず間違いない。
( ´ Д `)<私は自宅へと戻り、NHKのニュースを待ちわびながらウキウキするような夕刻を過ごした。
- 470 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/18(木) 22:17
-
( ´ Д `)<残念なことに、その夜のニュースに後藤真希の歴史的事件はなかった。
だが、それは私の計画とは全く違ったところで確かに歴史を動かしていた。
( ´ Д `)<渋谷駅前での後藤真希の乱交騒ぎはその場にいた人間どもによって瞬く間に噂となって流れた。
写メどころか携帯で動画が送れる時代だ。それがネットに流れ、翌朝にはスポーツ誌にも掲載された。
これで後藤真希の短い芸能人生も終わりだと、普通はそう思うだろう。だが、結果はそうではなかった。
( ´ Д `)<事実は小説より木梨憲武なのかもしれない。ついそんなつまらない冗談を言いたくなるほどだ。
驚くべきことに、後藤真希の乱交騒ぎはなぜだか若者に好意的に受け入れられていたのだ。
スポーツ誌では奇跡のイメチェンとして絶賛され、「ドエロカックイーン」という新語さえ生まれていた。
( ´ Д `)<なにがなんだかさっぱりわからなかったが、それはすでに一大ムーブメントになりつつあった。
その証拠に後藤真希にはCMやドラマや映画の話が断りきれないくらいたくさん舞い込んでいた。
あまりの人気ぶりに愕然となるが、しかし失敗を成功に変えてこそのシタタカ美貴ちゃんである。
- 471 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/18(木) 22:17
-
( ´ Д `)<私は事務所を訪れて後藤真希の専属マネージャーを捕まえると、その話を持ち出した。
顔は後藤真希であるから疑いは微塵もない。様子が違っていてもそれこそが奇跡のイメチェンだ。
( ´ Д `)<そしてしばらくして、私の口座には見事に後藤真希の給料が全額振り込まれてあった。
ケチとは言え歩合制に近い事務所だ。CMを連発しただけあってそれはかなりの額になっていた。
( ´ Д `)<後藤真希フィーバーには正直嫉妬したが、その給料を全て貰ったのでそれはチャラだろう。
もちろんそこに罪悪感はない。そもそも全てが私のおかげなのだから当然と言えば当然だ。
こうして私は大金を手に入れ、ようやく元の顔に戻ることができるようになったのである。
おわり
- 472 :名無し娘。:2006/05/18(木) 22:24
- 果たして本当に戻れるのかな?www
- 473 :名無し娘。:2006/05/19(金) 02:02
- 面白い
- 474 :名無し娘。:2006/05/19(金) 21:26
- 機嫌がいいんだw
- 475 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:09
-
『さきがき!シタタカ美貴ちゃん』 vol.4
- 476 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:09
-
川o・-・)<私の名前は藤本美貴。臨時収入のおかげで整形費用には全く困らなかったのだが、
藤本美貴にしてくださいと頼んだはずなのに、なぜかこんな顔になってしまった。
川o・-・)<どうしてこうなってしまったのかは皆目見当もつかないが、ある意味では凄い技術だと感心する。
なんせわざわざ大手術をしてまで小顔を大顔に拡大したのだ。これは感心せずにはいられない。
川o・-・)<もしかするとドエロカックイーン後藤真希の顔のせいで形成外科医がパニクッたのかもしれない。
ちなみに美容整形は整形外科ではなく正確には形成外科であるが、そんなことはどうでもいい。
どうやら似非秀才キャラの顔のせいで、ついついそんな言葉が口から出てしまったらしい。
川o・-・)<しかしなぜ大手術をしてまで紺野あさ美なのかという点に関しては、やはり天を恨むしかない。
だが、仮にも田舎ではシタタカ美貴ちゃんと恐れられたこの私だ。この程度はハプニングですらない。
生活保護が突然打ち切られた時の悲惨な状況に比べたら、天国にいながら文句を言うようなものだ。
川o・-・)<それに今回は整形費用にはまだまだ余裕がある。すぐにでも元の顔に戻ることもできるが、
せっかくの紺野あさ美の顔だ。前回同様、これで遊ばずにはいられない。
- 477 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:10
-
川o・-・)<ということで私は原宿に出かけた。普段はガキ臭い原宿など行きたいとも思わないのだが、
この顔であればガキ臭いことも平気でできるのだ。ソフトクリームを食べながら街を歩いたり、
きゃーこれかわいい!などとほざきながらピンク×ピンクした雑貨屋に立ち寄ることだって可能だ。
川o・-・)<少し恥ずかしい気もするがこの顔だ。私自身が内に秘めた幼児性をさらけ出すわけではない。
そう自分に言い聞かせ、私は早速その辺にあったお店に立ち寄った。
川o・∀・)<きゃーこれかわいい!
川o・∀・)<うわープーさんのぬいぐるみだー!これあたしねー、ずっと欲しかったんだー!
川o・-・)<思わず自分で赤面してしまいそうになったがそこは我慢だ。
今の私はクールザビューティー藤本美貴ではなくポテトザビッグフェイス紺野あさ美なのだから。
川o・∀・)<きゃーこれもかわいくない?かわいいよね?よね?よね?
川o・-・)<周りには自分一人しかいないが、そんな独り言をわざと大きな声で言ってみる。
案の定周りにいた若者たちは怪訝な顔でその様子を見ていた。だが旅の恥は掻き捨てだ。
川o・∀・)<ねえねえ、これかわいいよね?そう思わない?思うよね?ね?ね?
(´u`;ソリ<そ、そうですね。か、かわいいと思います。
川o・-・)<まずは一番近くにいた女の子に視線を合わせて強引に返事をさせることに成功。
幼児性の発露がこれほどまで清々しく気持ちいいものだということを初めて知る。
- 478 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:10
-
川o・∀・)<ねえねえ、あたしクレープ食べたーい!クレープクレープ!クレープ買って買ってー!
(~д~;3||l <ぼ、ぼくがですか?
川o・-・)<今度は学ランを着たいかにも田舎から修学旅行で来ましたという感じの少年にクレープをねだる。
その戸惑い具合からすると、きっと東京には魔物が棲んでいるという伝説を思い起こしていることだろう。
もしかすると東京へ行くと聞いておばあちゃんあたりが手縫いのお守りを持たせているかもしれない。
川o・∀・)<うん、そうだよ!ねえ、せっかくだし買ってくれるよね?クレープクレープ!
(~д~;3||l <あ、あの、で、でも……。
川o・∀・)<あたしクレープ食べたいなー!食べたいなー!クレープクレープ食べたいなー!
(~д~;3||l <あ、あの、じゃああの、わ、わかりました……。
川o・-・)<あまりのウブな反応に思わずクールザビューティーがピュアザハートになってしまう私。
もしかするとこういう出逢いから恋が始まるなんてことも……なんてことをついつい考えてしまう。
(~д~;3||l <あの、じゃ、じゃあ買って来ますんで……ま、待っててください……。
川o・-・)<「佐藤」というありふれた名札をつけた名前も知らぬ修学旅行生がそう言って小走りで駆けていった。
そのまま逃げちゃってもいいよ、なんて思ったのは恋の芽生えを意識してしまった反動だろうか。
それを思えば鼠園で貧血少女をおんぶした某冴えない君の話(実話w)もまんざらでもないかもしれない。
- 479 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:10
-
川o・-・)<「佐藤」という名札をつけたまだ名前すら聞いていない少年がクレープを持って戻って来た。
その目には戸惑いはあるが疑いはない。きっとキャッチセールスもデート商法も知らないのだろう。
だがその純粋さに惹かれている私がいる。だめよ、美貴……。彼の目に映る私は私じゃなくて……。
川o・-・)<しかし二人でクレープを食べながら散策しているうちに、それはもう離れられないものになっていた。
私はそう、それをはっきりと自覚していた。この感覚はそうだ。それは……恋……。
川o・∀・)<ねえ、今度はあたしがソフトクリーム買って来てあげる!あ、二段アイスとかの方がいいかな?
(~д~;3||l <え、えっと……う、うん……。
川o・-・)<私はにこやかに微笑むと、ウインクをしてから彼を残してアイスクリーム屋を目指した。
田舎の子だからきっと特殊なアイスは合わないに違いない。私はそんなことを考えて、
バニラとチョコの無難な二段アイスと、抹茶とストロベリーという実験的な二段アイスを購入した。
川o・∀・)β <お待たせー!待ったー?待ったー?待ってなーいー?やっぱり待ったよねー?
ニθ
川o・∀・)β <あれれ……。
ニθ
川o・∀・)β <……。
ニθ
川o・-・)β <私が戻った時、すでにそこに彼の姿はなかった。だけど、それが当然なのかもしれない。
,ニθ 修学旅行でワクワクしながら訪れた原宿で突然ヘンテコな女の子に声をかけられたのだ。
それに自由散策と言っても学ランを着るような修学旅行だ。時間だってあるに違いない。
- 480 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:10
-
川o・-・)β <でも、でも……。最後にバイバイって、バイバイって一言くらい言わせてくれても……。
ニθ
川o;・-・)β <……。
ニθ
川o;・-・)<そのアイスクリームはとっても甘くて……。そしてどこか懐かしい味がした……。
川o;・-・)<私はそのまま家へと戻り、そのまま眠りについた。全てを忘れるかのように……。
- 481 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:10
-
川o・-・)<翌朝になり、目覚めた私はシタタカ美貴ちゃんに戻っていた。失意に暮れていても何も始まらない。
逆境をはねのけて利益を見出してこそのシタタカさだ。だが、今回ばかりはやや趣きが違っていた。
川o・-・)<私は事務所へ向かうタクシーの中であることを考えていた。それは藤本美貴が一般人に戻れる可能性。
アイドルでいる限り、私の周りには胡散臭い人間ばかりで、ピュアザハートな男性とは一生巡り合えない。
だけど私が辞めると言って辞めさせてくれるような事務所ではない。事務所との絶対的な契約もある。
芸能界の毒に汚染された私の数々の過ち。それを事務所は全て握り、そして私を守っている。
川o・-・)<きっと私はそこから抜けることはできない。でも、私じゃなければそれはもしかすると……。
川o・-・)<事務所についた私は顔見知りの女性社員を見つけて声をかけた。
川o・-・)<あの、おはようございます。
(´∀` ソリ<あら、紺野さん。どうかしたの?
川o・-・)<実は大切なお話がありまして。
川o・-・)<私は会議室でその女性にそれを伝えた。それは紺野あさ美の引退……。
モーニング娘。を辞めて、ハロープロジェクトを辞めて、芸能界から引退したい……。
わがままかもしれないけど、芸能界ではない普通の社会で自分の新しい可能性を見つけてみたい……。
川o・-・)<その女性はそれをうんうんとうなずきながら聞いてくれた。そして、上に伝えてくれると約束してくれた。
もちろん、この話は紺野あさ美本人は知らない。その点で私は残酷なことをしていると思う。でも……。
川o・-・)<私自身は無理でも、紺野あさ美ならこの世界から抜けることができるかもしれない。
それはある意味で、私から紺野あさ美への、一方的かもしれないけれど確かな恩返しだった。
この顔のおかげで、私はピュアザハートな恋を体験することができたのだから……。
- 482 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/05/21(日) 21:11
-
川o・-・)<それから一週間後、紺野あさ美のモーニング娘。卒業の噂が事務所内に流れていた。
本人も以前から進学を希望していたらしく、それがなかなか言い出せずにいたらしい。
友達が一人減るのは淋しいけれど、それは全て私が仕向けたことだ。そしてそれはうまくいった。
川o・-・)<これで全ては丸く収まった。整形費用はまだまだ十分に残っているし、後は元の顔に戻るだけだ。
さっき小川が会議室から青白い顔をして出てきたが、きっと紺野の卒業話を伝えられたのだろう。
茫然自失といった表情で「加藤紀子加藤紀子」と呟いていたから、かなりショックだったのかもしれない。
川o・-・)<その気持ちもわからないでもないが、でも友達の卒業を祝福してこその友達だろう。
その点で私の気分はとても清々しかった。そして私は軽やかな足取りで形成外科へと向かうのであった。
おわり
- 483 :名無し娘。:2006/05/22(月) 13:13
- ま、麻琴が・・・w
- 484 :名無し娘。:2006/05/22(月) 21:38
- ま、魔物や・・・w
- 485 :名無し娘。:2006/06/21(水) 15:17
- 終わり?
- 486 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/06/21(水) 20:51
- 忙しいんすよ。
いや、暇はあるんだけどやるべきことがいっぱいあって。
おまけに娘。に関して手を広げすぎて連載抱えすぎってな状態なんで。
そんな感じなんで、慌てず焦らず草葉の陰から見守るような感じでいてくださいな。
│ノノハゝ ヒョイッ
│;´▽`)<勝手に読者殺すなよ、おい。
│ ノ
↑
多分ここが草葉
- 487 :名無し娘。:2006/07/26(水) 21:16
- 生きてるよ
- 488 :gmlarv zwvrb:2006/08/06(日) 22:26
- xcvnwypo rufxsyegd nqovg zxlysnw zlpvawnj civotq ynwo
- 489 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:52
-
,.-ー-,、
(ノノノハiヾ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
||(‘〜‘川リ < いや〜ん 見ないでよ〜
||(´ヽ´,<l|/ \______________
i\ y'^ア〜~ヽ
i. ヽ__/ヾ ,.. \ ))
ノ . ! ゝ "' ヽ え
γヽ、__j i_,ノ⌒ソ' )) お ね さ ん
i'⌒ヽ_ノl
ヽ ヽ i ス イ ッ
\ ヽ チ
,ゝ ,,) の
/ /i つ
./ ,/! l く り
( ヽ } { か た
`、,,,ッイ_゙-ァ
- 490 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:52
-
(*u_u)<おがわの ゆーうつ、ごちゃいでちゅ。
川;‘〜‘)||<憂ちゃんの妄想上の隣のお姉さんの飯田圭織です。
本日挑戦するのは、小川の憂鬱さん自称五歳と、隣のお姉さんの飯田圭織さん二十五歳です。
それではスイッチを押してもらいましょう。
- 491 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:52
-
(*u_u)<お姉さんスイッチ、『あ』!
カチッ
川;‘〜‘)||<えーと……あ、あえぐ……?
- 492 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:53
-
『あ』――あえぐ
ノノハヽ グヘヘヘヘ
+ (*u∀u) +
(( /つ っノノハヽ + +
i ,ィ⌒川*´〜`)|| + あは〜ん うふ〜ん
(_(__人__,つ 、つ
- 493 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:53
-
(*u∀u)<ハアハア…ハアハア……お、お姉さんスイッチ、『い』!
カチッ
川;‘〜‘)||<い?それじゃあ……い、いく…………。
- 494 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:53
-
『い』――いく
ノノハヽ オレオレオレオレ
+ (*u∀u) +
(( /つ っノノハヽ + +
i ,ィ⌒川*´〜`)|| + あんっ だめ いっちゃう! いっちゃう!
(_(__人__,つ 、つ
- 495 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:53
-
(*u∀u)<ハアハア…ハアハア……お、お姉さんスイッチ……ハアハア、『う』!
カチッ
川;‘〜‘)||<ハアハア……う?……うーんと……埋める?
- 496 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:54
-
『う』――埋める
ノノハヽ ホレホレ ドウシテホシインダ?
+ (*u∀u) +
(( /つ っノノハヽ + +
i ,ィ⌒川*´〜`)|| + う、埋めて!憂ちゃんのオチンチンでカオリのオマ○コを埋めて!
(_(__人__,つ 、つ
- 497 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:54
-
(*u∀u)<グヒヒヒヒ……ハアハア…ハアハア……お姉さんスイッチ……『え』!…ハアハア……。
カチッ
川*´〜`)||<ハアハア……ハアハア……エッチする……エッチするの、憂ちゃんとエッチするの…ハアハア……。
- 498 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:54
-
『え』――エッチする
ノノハヽ ケッ ソンナニ エッチガシタインカ? シタインカ?
+ (*u∀u) +
(( /つ っノノハヽ + +
i ,ィ⌒川*´〜`)|| + う、うん したいの エッチしたかったの ほんとはエッチ大好きなの
(_(__人__,つ 、つ
- 499 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:54
-
(*u∀u)<ハアハア……ハアハア……お、お姉さんスイッチ……ハアハア……ハアハア…『お』!
カチッ
川*´〜`)||<ハアハア……ハアハア……お……犯される……犯されるの、カオリが犯されるの……ハアハア……。
- 500 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:54
-
『お』――犯される
ノノハヽ オラオラ カラダハ ショウジキダナ オイ
+ (*u∀u) +
(( /つ っノノハヽ + +
i ,ィ⌒川*´〜`)|| + いやん やめて〜 犯さないで〜 ああん でもやめないで〜
(_(__人__,つ 、つ
- 501 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/08/14(月) 20:54
-
(*u∀u)<ハアハア……ハアハア……ハアハア……。
川*´〜`)||<ハアハア……ハアハア……ハアハア……ハアハア……。
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