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魔法騎士れいにゃーすっ!

1 :名無し娘。:2005/04/30(土) 17:03
从 ´ ヮ`)<にゃ〜♪

341 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:27

12月某日某時刻――モーニング娘。楽屋

川#VvV)y-~~<うぜえよ。マジうぜえ。そんな言い訳聞きたかねーんだよ。

川o・-・)<で、でも・・・本当に私じゃなくて・・・。

川#VvV)y-~~<もういいよ。紺ちゃんがそんな奴だったとか、別に驚かないし。

川o;・-・); <そんな・・・。


                               川#VvV) アバサ
                               ゝ| |
             ;'~                   ||
          ━~                  ((  (,,),)


川o;・-・); <ほんとに・・・ほんとに私じゃないのに・・・。

342 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:27

某時刻――同・楽屋

川o・-・)<・・・。

∬ ~▽~)<あーあ、なんか腹減ってたまんねーな。晩飯まで後何時間だよ!

川o・-・)<・・・はあ・・・。

( ・e・)<あさ美ちゃん、どうかしたの?なんかさっきから暗いけど。弁当まずかったとか?

川o・-・)<ううん・・・別になんでもない・・・。

∬ ~▽~)<うわっ、まだ一時半かよ。おやつまで二時間もあるじゃねーか!

( ;・e・)<てかまこっちゃん、昼飯食べてまだ三十分も経ってないんだけど・・・。

( ;・e・)<・・・(しかもラーメン定食にさらにラーメンとギョーザとチャーハンつけて・・・)

( ;・e・)<・・・(それならラーメン定食二つ頼めばいいじゃんっていうツッコミすら無視して・・・)

∬ ~▽~)<もう待ちきれねえ!やっぱ弁当貰って来らあ!ラーメンだけで足りるかっての!

∬ ~▽~)<どうせスタッフ用の弁当なら残ってるだろうし、ちょっくら失敬してくらあ!


                                 ∬ ~▽~)
                                 (    )
                       ドスン ドスン  |   |
                         ( ( ( (  (__,)_)


( ;・e・)<足りないのかよ・・・なんのために弁当断って外食したんだよ・・・。

343 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:27

川o・-・)<・・・。

( ・e・)<それはそうと、あさ美ちゃん大丈夫?なんか変だけど。

川o・-・)<うん・・・実はね・・・美貴ちゃんと喧嘩しちゃって・・・。

( ;・e・)<もっさんと喧嘩か・・・。

川o・-・)<うん・・・昨日カラオケ行ったんだけど、そのことで揉めちゃって・・・。

( ・e・)<あー、あの人カラオケだといつも以上(に自己中心)だからねえ。
                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                               ↑言わなくても通じる部分

川o・-・)<うん・・・でも、なんか私じゃないのに私のせいにされて・・・。

( ・e・)<誤解ってこと?

川o・-・)<うん・・・なのに美貴ちゃん・・・私のこと嘘つきって・・・。

川o・-・)<・・・。

             ふむふむ。それはなにやら事件の臭いがするのれす>

Σ川o・-・)<だ、誰?

Σ( ・e・)<そ、その声は!!!

344 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:27

 ノンノンバo∈
 の ´D`)      「勝手に現われ勝手に推理!そして勝手に解決!お勝手探偵のの見参!」
  / 〈〉,;fづ==┐
  h  ,,;r└--┘
  'r i ,,;/      オーフローニハイッテカーゾエマショー♪ ホラ オーフローニハイッテカーゾエーマショー♪
   | I ,/
  (_,/",_)             ラララ ターノシイナー♪ ラララ ターノシイナー♪ ホラ オーフローハタノシイナー♪

345 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:28

川;o・-・)<の、のんちゃん・・・。

( ;・e・)<な、何やってんの?そんな格好で?しかも登場の選曲完全に間違ってるよね?

( ´D`)<やだなあ。皆さんお馴染みの『お勝手探偵』じゃないれすか。テーマ曲もお馴染みなのれす。

( ;・e・)<あさ美ちゃん知ってる?

川;o・-・)<ううん、初耳だと思う。

( ´D`)<あれあれ。照れなくてもいいのれすよ。
       前回の謎解きでのみんなの絶賛と賞賛はのんが一番覚えてるのれす。

( ;・e・)<前回って?

( ´D`)<今を遡ること二年ほど前。狩の別荘でのんが事件を解決したのれす。

川;o・-・)<二年前とか言われても・・・全然記憶にないし・・・。

( ´D`)<・・・。

( ;・e・)<解決以前にそもそも事件とか知らないし・・・。

( ;´D`)<・・・。

( ;´D`)<ま、まあその、あれだあれ。もしかすると解決する前に未完のまま放置したとか、
       そんな手違いがあった可能性も否定しなくもないけど、とにかく二年ぶりなのれすよ。

( ;・e・)<解決してないんじゃん・・・。

( ;´D`)<いや、まあその、今となってはそんなことは迷宮入りというか・・・時効というか・・・。

川;o・-・)<全然駄目じゃん・・・。

346 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:28

ガチャッ

( ‘д‘)<あ、おったおった。やっぱここにおったんかいな。

( ・e・)<あ、あいぼん。

( ‘д‘)<のん、何やっとんねんな。けったいな格好してからに。

( ´D`)<お勝手探偵なのれす。知らないのれすか?

( ‘д‘)<知らんし知りとうもないわ。

( ;´D`)<あがががが・・・。

( ;´D`)<と、とにかく、のんは事件の臭いに敏感なのれす。

( ;´D`)<そしてその臭いに引き寄せられて来たのれすよ。

( ;´D`)<とっても美味しそうなハンバーグみたいな臭いなのれす。

( ‘д‘)<それは手にハンバーグ弁当持ってるからちゃうんか?

Σ( ´D`)<ハッ、なんという名推理!まさかあいぼんが明智君だったとは!

( ;‘д‘)<いや、推理以前に見たまんまやし。というかそれスタッフ用の弁当やろ?

( ´D`)<えへへ。一個だけ余ってたから頂戴してきたのれすよ。食べ物は粗末にできないのれす。

( ;‘д‘)<まあ最近ののんならそれくらい食った方がええかもしれへんけど。

( ;・e・)<・・・(それは別の意味でまずいことになるような・・・)

ガチャッ

∬ ~▽~)<くそっ、弁当残ってねーじゃねーか!誰だよ最後の一個を掠め取った奴は!

( ;・e・)<・・・(やっぱりか・・・)

347 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:28

( ´D`)<それはいいとして、何か事件が起きたみたいれすね?

( ・e・)<特に事件ってわけじゃないよ。あさ美ちゃんがもっさんと喧嘩したってだけで。

( ´D`)<あーー、わかるわかる。守山口のおやっさん喧嘩っ早いからねえ。

( ;・e・)<いや、守山口のおやっさんじゃなくて藤本さんなんだけど・・・と言うかそれ誰?

( ´D`)<あれれ、守山口のおやっさんじゃなかったのれすか。それは勘違いなのれす。めんごめんご。

( ;‘д‘)<というか守山口のおやっさんってうちの叔父さんやんか。なんでのんが知っとんねんな?

( ´D`)<それは守山口のおやっさんとのんの二人だけの秘密なのれす。教えられないのれす。

川o・-・)<あ、守山口のおやっさんって、もしかして守山口に住んでる叔父さんって意味?

∬ ~▽~)<てかお前ら、守山口のおやっさん守山口のおやっさんっていい加減言い過ぎだろ・・・。

( ‘д‘)<そう言うまこっちゃんかて守山口のおやっさんて言いたかっただけちゃうん?

Σ∬;~▽~)<ぐはっ・・・なぜそれを!

( ´D`)<ほほお。さすがは明智君。守山口のおやっさんの親戚だけのことはありますな。

( ;‘д‘)<とりあえず守山口はもうええさかい。それと誰が明智君やねん、誰が!

348 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:28

某時刻――同・楽屋

( ´D`)<なるほど。では藤本さんと紺野さんが喧嘩したというわけれすか。

川o・-・)<喧嘩というか誤解なんだけど・・・。

( ´D`)<ふむ。ではその概要を簡単に簡潔に端的に適切に適当にそれでいて少し艶かしく教えてくれませんかな?

( *・e・)<・・・(なんて注文の多い・・・しかもあさ美ちゃんにほのかな色香を求めてる!!!)

川o・-・)<は、はい。事件というか、発端は昨日一緒に行ったカラオケボックスなんだけど・・・。

( ´D`)っφメモメモ <ふむふむ。事件発生は昨日、現場はカラオケボックス、と。

川o・-・)<それで順番に歌ってたら、途中、私が歌い終わった後に誰も入れた覚えのない曲が流れて・・・。

川o・-・)<でも知ってる曲だったから、せっかくだし私が歌おうかってなって・・・。

349 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:28

【事件概要】――証言者・紺野あさ美

・事件発生は昨日
・現場は都内カラオケボックス
・現場にいた当事者は紺野あさ美、藤本美貴を含めて四人
・順番通りに歌っていたところ、突然誰も入力していない曲が流れた
・紺野はその曲をなんとなく知っていた
・歌い終わったばかりでマイクを握っていたこともあり、紺野はその曲を歌った
・次は本当なら藤本の順番だったが、藤本はその時は紺野が歌うのを止めなかった
・後になって、藤本は紺野が故意に入力したのだろうと言い出した
・挙句の果てに「嘘つき女」「ズルい女」「つるセコ女」「女」などと紺野を罵った
・ただの「女」は認めるとして、前の三つは紺野にとって耐えられなかった
・紺野は潔白を主張するも藤本は認めず喧嘩別れに

350 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:29

( ´D`)<ふむふむ。どうやら高度な密室トリックの予感がするのれす。

( ;‘д‘)<いや、全然せえへんし。単なる誤解による喧嘩やんか。どうせ誰かの入力ミスやろ?

川o・-・)<うん。私も入力ミスだったと思う。でも美貴ちゃんは私が故意に入力したんじゃないかって。

( ・e・)<歌っちゃったんならそう思われても仕方ないかもね。実際もっさん自身そういう卑怯なことやるし。

∬ ~▽~)<そうそう。あの人そうやってマイク独占したりするからアレなんだよねえ。

( ‘д‘)<ほないつも自分がやってたからそんな疑い持ったってわけやな?

( ´D`)<ふふふっ、明智君は甘いれすな。甘い甘い、天武天皇くらい甘いのれすよ。

( ;‘д‘)<の、のんがそないな知的なダジャレをかますとは・・・これは天変地異の前触れか!
                       オ オ ア マ ノ ミ コ
川;o・-・)<・・・(のんちゃんがそんな歴史上の人名を知ってるなんて確かに意外だ・・・)

川;o・-・)<・・・(いや、と言うかすぐにそれを理解したあいぼんも意外と言うか恐るべしと言うか・・・)

( ・e・)<天武天皇って何?

川;o・-・)<・・・(なぜだ・・・なぜこれほどまで安心できる・・・!!!)

351 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:29

( ‘д‘)<どこが甘いねんな。だってそういうことやろ?

( ´D`)<やれやれれすな。のんたちはまだ事件の概要をちょろっと聞いただけなのれす。
       推理の基本はどれだけ多くの情報を聞き出せるかにかかってるのれす。
       今の段階での決めつけや思い込みは後々大変なことになるのれすよ。

( ‘д‘)<まあ言いたいことわからんでもないが、でも間違ってへんやろ?

( ´D`)<はいはい。

( ;‘д‘)<なんやそのむかつく返事は!ほんまにお勝手やな!

( ´D`)<それほどでもないのれすよ。てへへへへ。

( ;‘д‘)<誉めたんとちゃうんやけど・・・。

( ´D`)<まあそんなことはどうでもいいとして、とりあえず詳しい話を聞かせてもらいましょうかな。

( ´D`)<まず、そのカラオケボックスには他に誰がいたんれすか?確か四人とか言ってましたな?

川o・-・)<えっ?・・・あ、うん。私と美貴ちゃん、それにまこっちゃん。

( ・e・)<なんだ、まこっちゃんもいたんだ。

∬ ~▽~)<ああ、昨日のカラオケね。あれ、なんかいまいち盛り上がりに欠けたんだよねえ。

( ´D`)<・・・で、残りの一人は?

川o・-・)<えっ?

352 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:29

( ´D`)<いや、だから残りの一人は誰れすか?四人なんれすよね?

川o・-・)<いや、だってそれは・・・。

Σ( ´D`)<ハッ。わかったのれす!ストッストップ!言わなくてもいいのれす!!!

( ‘д‘)<ん?どないしたんや?

( ´D`)<ふっふっふ。なんとなく謎が見えてきたのれすよ。これはとてつもなく重要な鍵なのれす。

( ´D`)<紺野さんは四人だったと証言したのれす。しかし、名前を挙げたのは三人。
       これが何を意味するか、のんにはすぐにわかったのれす。一目瞭然なのれす。

( ‘д‘)<何を意味するんや?

( ´D`)<その残りの一人こそがかなり怪しい人物、それも限りなくクロに近い人物ということれす!

( ‘д‘)<そのまんまやけど、でもあれや。確かにおかしな話ではあるわな。

( ´D`)<紺野さん、その残りの一人とやらを教えてもらえますかな?ふふふ、犯人をかばっても無駄ですぞ。

川;o・-・)<いや、と言うかその一人ってのはのんちゃんなんだけど・・・。

( ´D`)<・・・へっ?

川o・-・)<だから、のんちゃん。私と美貴ちゃんとまこっちゃんとのんちゃん。覚えてないの?

( ;´D`)<なななななんですとーーーー!!!

( *‘д‘)<それは確かにかなり怪しい人物やな。それも限りなくクロに近い人物やで。

( ;´D`)<ぬぬぬ・・・いきなり大どんでん返しとは、ミステリの王道を破る奇抜で斬新な展開なのれす!

353 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:29

【補足】――証言者・紺野あさ美

・当事者は紺野あさ美、藤本美貴、小川麻琴、辻希美
・四人は事件が起きた時、現場となったカラオケボックスにいた
・歌う順番は藤本→辻→小川→紺野(→藤本へと続く)
・紺野が歌い終わった後、藤本の曲との間に不可解な曲が入っていた

354 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:29

( ´D`)<なるほど。それじゃ昨日のカラオケで事件が起きてたんれすね。ちっとも気づかなかったのれす。

( ;‘д‘)<絶対こいつが犯人や。どこが事件の臭いに敏感やねんな。

( ´D`)<まあまあ。焦りは禁物ですぞ。のんはたまたま現場に居合わせただけで関係ないのれす。

( ;‘д‘)<そんな言い訳が通じるんやったら全員シロになるやんけ。

( ´D`)<はいはい。

( ;‘д‘)<ほんまお勝手や・・・この人ほんまにお勝手や・・・。

( ´D`)<それはいいとして、その四人でカラオケに行ったわけですな?

川o・-・)<うん。

( ´D`)<はて、それは少し奇妙な話ですな。

川o・-・)<奇妙?

( ´D`)<藤本美貴、紺野あさ美、小川麻琴、そして辻希美。この四人の名前を聞いてもわかりませんかな?

( ‘д‘)<どういうことや?

( ´D`)<つまり、オフの日にカラオケに行ったにしては、あまりにもアンリアルな組み合わせということれす。

( ;‘д‘)<アンリアルて、確かにありそうでない組み合わせやけど、それ以前にこれネタやんか。

( ´D`)<ネタでもリアルかアンリアルかというのは重要なのれす。
       のんが「〜れす」と喋っただけで、「萎える」とか言いやがるむかつく読者だって中にはいるのれすよ。

( ;‘д‘)<いや、小説でなら聞いたことあるけどもやな。ネタでは一度も聞いたことあらへんで?

355 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:30

( ´D`)<てへへ。嘘なのれす。

( ;‘д‘)<えーーー!

( ´D`)<のんは嘘つきなのれす。

( ;‘д‘)<えーーー!

( ´D`)<だから嘘つきというのも嘘なのれす。

( ;‘д‘)<えーーー!

( ´D`)<つまりのんは正直者なのれす。

( ;‘д‘)<えーーー!

( ´D`)<やっぱりそれも嘘なのれす。

( ;‘д‘)<えーーー!

( ´D`)<でも嘘というのは本当なのれす。

( ;‘д‘)<えーーー!

( ´D`)<ということはのんはやっぱり正直者なのれす。

( ;‘д‘)<えーーー!

川;o・-・)<あの、どっちでもいいんで、話進めませんか?

( ;‘д‘)<えーーー!

356 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:30

某時刻――同・楽屋

( ´D`)<では話を進めるのれす。

( ´D`)<まずはその誰が入れたかわからない曲というのを教えていただけますかな?

川o・-・)<えーと、曲名なんだったかな・・・。

( ´D`)<ほほお。曲名もわからないのに歌ったとは、これまた新事実発覚れすな。

川o・-・)<あの、有名な曲だったから。ひゅ〜りる〜ひゅ〜りる〜らら〜♪って曲。

( ´D`)<歌詞が少し間違ってるけど、それは『越冬つばめ』れすな。

川o・-・)<あ、そうそう。それそれ。『越冬つばめ』。それが私の後に入ってたの。
                                                  マドカ
( ´D`)<離婚で騒動になった森昌子の曲れすな。ちなみに作曲は「とんでとんで」の円ひろしなのれすよ。
       関西では嫌でも週に一度は見かけるおっさんれす。のんは別に嫌じゃないけど。

( ;‘д‘)<関係ないウンチクはいらへんから、話進めようや。

( ´D`)<てへへ。これは失敬なのれす。

川o・-・)<それで、知ってた曲だったから、美貴ちゃんに「歌ってもいい?」って聞いて。

( ´D`)<それで二曲連続で歌ったわけれすね。そして誤解が生じたと。

川o・-・)<私があの時歌わずにすぐに消してたらこんなことにはならなかったんだけど・・・。

( ‘д‘)<でもまあ、そういう偶然があるからカラオケはおもろかったりするんやけどな。

( ´D`)<ほほお。珍しくいいことを言いますな。確かカレーライス和尚とか申しましたかな?

Σ( ;‘д‘)<誰がカレーライス和尚や!どこをどうやったらカレーライス和尚なんて名前になんねん!

( ´D`)<いや、まあなんつーか、ただの昔のネタの再利用なのれすよ。作者が自分で大爆笑、みたいな。

( ;‘д‘)<ったく、のんものんやけど作者も作者やな。よりにもよってカレーライス和尚を再利用せんでも・・・。

357 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:30

( ・e・)<ねえ・・・なんか一つ思いついたんだけど・・・。

( ´D`)<ん?これはこれはマーガレット男爵殿、いかがしましたかな?

( ;‘д‘)<今度はマーガレット男爵かいな。どないな感性しとんねんな。

( ・e・)<本当に入力ミスだったのかなって。これはマーガレット男爵としての長年の経験からの疑問なんだけど。

Σ( ;‘д‘)<ほんまにマーガレット男爵やったんかいな!そっちの方が事件やんか!

( ´D`)<誰かが故意に入力したと言いたいのれすかな?ふむ。確かにありえる話れすな。

∬ ~▽~)<ありえるの?

( ´D`)<犯人には何らかの意図があった。例えば・・・退屈しのぎに適当に曲を入れて順番を狂わせようとした。
       あるいはもっと単刀直入に言えば、次の番である藤本美貴への嫌がらせという線もありますな。

( ´D`)<そう言えば小川麻琴さん、あなたさっき、昨日のカラオケは盛り上がりに欠けたとか言ってましたかな?
       しかもマイクを独占する藤本さんに対してあまりいい印象は抱いていないようにお見受けしましたが?

∬;~▽~)<そ、それは・・・。

( ´D`)<怪しいれすな。マーガレット男爵殿の閃きのおかげで容疑者が一人浮かび上がったのれす。

( ;・e・)<あ、あの、故意に入力したって言っても、私が言いたかったのはそういうことじゃなくて・・・。

( ´D`)<あ、違ったのれすか?こりゃ早とちりしちゃったのれす。めんごめんご。

358 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:30

( ´D`)<ではマーガレット男爵殿、どういうことですかな?

( ・e・)<だから、もしかするともっさんが自分で入力したんじゃないのかって。

( ´D`)<藤本美貴が自分で、れすか?

( ・e・)<本当は自分が歌うつもりだったのに、みんなもっさんがそんな古臭い曲を歌うなんて思いもよらず、
      それを入力ミスだと思ってしまった。そんな空気にもっさんも自分が入れた曲とは言い出せなくなった。
      その時あさ美ちゃんがその曲を知ってるからというので、もっさんの曲を歌い出してしまった。
      もっさんはますます言い出せなくなり、その不満がくすぶってあさ美ちゃんに怒りをぶちまけるに至った。

( ´D`)<なるほど。筋は通ってますな。筋は。

359 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:30

【推理】――新垣里沙(マーガレット男爵)

・『越冬つばめ』を入力したのは藤本自身だった
・しかし周りがそうだとは思いもよらず、入力ミスということにしてしまった
・そんな空気に藤本も自分の曲だとは言い出せなくなった

360 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:31

川o・-・)<じゃあ、あれは美貴ちゃんの曲だったんだ・・・。

∬ ~▽~)<あれ?でも『越冬つばめ』の後にちゃんと藤本さんの曲入ってたような気がするけど?

( ´D`)<ふむふむ。となると、藤本真犯人説は成立が難しくなりますな。やはり素人の浅はかな推理だったのれす。

( ・e・)<あ、でももっさんが二曲連続で入れたってことも考えられるんじゃないかな?

( ´D`)<やれやれ。敗北をなかなか受け入れないのは素人の欠点なのれすよ。

( ・e・)<だってもっさん、さっきも言ったけど、いつもそうやって自分の順番以外でも歌ったりしてたし。
      その時はあさ美ちゃんが歌っちゃったけど、本当は自分が歌うつもりだったとしても・・・。

∬ ~▽~)<そっか。『越冬つばめ』なんてみんながみんな誰かの入力ミスだって思うはずだし、
       そこで「じゃあせっかくだから私が歌う」なんて言って連続で歌うつもりだったとしてもおかしくはないか。

( ´D`)<ほほお。素人にしてはやりますな。となると藤本真犯人説が再び浮上したということになりますかな。

( ;‘д‘)<そうやって敗北をなかなか受け入れないのは素人の欠点ちゃうんかいな?

( ´D`)<はいはい。

( ;‘д‘)<くーーー!なんやこのこみ上げてくる脱力感を含んだ不思議な怒りは!!!

361 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:31

( ´D`)<しかしあれですな。そうだとしてもやはり藤本真犯人説は強引な気がしますな。

( ・e・)<強引?

( ´D`)<筋は通ってるのれす。しかし、それを許すならば、
       その藤本美貴が主張するところの紺野あさ美が故意に入力したという疑念も許されるのれすよ。

∬ ~▽~)<そっか。藤本さんがあさ美ちゃんを疑ったのとほとんど同じことだもんね。

( ´D`)<それに、少し筋が通りすぎてるのれす。推理小説ならそれでいいかもしれませぬが、
       しかし実際の事件というものは不整合で様々な矛盾を内包してるものなのれすよ。
       犯人がなぜ事件を起こしたのか自分でも把握してない、なんてことも多いのれす。

( ‘д‘)<・・・。

( ´D`)<だから筋が通り過ぎてる場合はあえて除外するべきなのれすよ。それが逆に真相に近づく一歩になるのれす。

( ‘д‘)<なるほど・・・そうや・・・その通りや!

( ´D`)<ん?どうしたんれすか?のんの推理手法に感銘でも受けたのれすか?

( ‘д‘)<その通りやで。犯人がなぜ事件を起こしたのか自分でも把握してない。それがこの事件の真相や!

( ´D`)<・・・?

( ‘д‘)<全部わかったで。どんな無意味に見える情報でも、より多くの情報を集めるのが推理の基本・・・。
       それもその通りや。最初からずっとそれが引っ掛かっとったねん。その不可解で些細な情報が!!!

( ´D`)<ほほお、それではカレーライス和尚とやら、その推理を聞かせてもらいましょうかな?

( ‘д‘)<いや、これはもう推理やない!解決編や!!!

川o・-・)<か、解決編!

( ‘д‘)<ズバリ言うで!!!犯人は・・・犯人はこの中にいる・・・!!!!!

362 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:31

   Σ( ・e・)<犯人が!!!

         Σ∬ ~▽~)<この中に!!!

               Σ川o・-・)<いる・・・!!!

                      ( #´D`)<ケッ、そんなの当たり前なのれす・・・

363 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:31

川;o・-・)<その犯人というのは、一体?

( ‘д‘)<犯人は、もちろん昨日そのカラオケボックスにいた四人の中の一人です。

( ‘д‘)<そして、この中にいない藤本さんは犯人ではありません。

( ‘д‘)<つまり、あさ美ちゃん、まこっちゃん、そしてのんの三人の中にいるってことや!

( ´D`)<ふへへへへ。何言ってんれすか。それくらいなら誰にでもわかるのれすよ。
      藤本美貴真犯人説以外なら、当事者はその三人しかいないじゃないれすか。

( ‘д‘)<まあまあ。それはそうや。せやけどうちはもう、誰が犯人かはっきりとわかったねん。

( ;・e・)<その犯人というのは・・・?

( ‘д‘)<おかしいなって思ったんは、ある人物のある証言やった。

( ‘д‘)<その人物は通常知りえない情報を知っていた。

( ‘д‘)<そして、その人物は自分が犯人であるということに全く気づいてすらいなかった。

( ‘д‘)<いや、最初はフェイクやと思ったで。こいつは隠し通してるんちゃうやろかってな。

( ‘д‘)<せやけどそれは違うわ。犯人はそういうおっちょこちょいな奴やねん。

( ‘д‘)<そう。まるで昨日のカラオケのことを全く忘れていたような・・・!!!

Σ川;o・-・)<じゃ、じゃあ犯人は・・・犯人は・・・!!!

( ´D`)<・・・。

( ‘д‘)<のん、お前が犯人や!!!

Σ( ´D`)<・・・へ?な、なんでれすか?なんでのんが犯人なのれすか?

364 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:31

( ‘д‘)<簡単や。まず、昨日のカラオケボックスの順番を考えてみーや。

( ‘д‘)<あさ美ちゃんの証言で、それが藤本→辻→小川→紺野というのは明らかになっとる。

( ‘д‘)<普通に考えて、のんが順番を間違えてもっさんの前に選曲を入れてしまったというのは十分ありえることや。

( ´D`)<やれやれ。なに普通に考えてんれすか。これだから素人は困るのれす。

( ‘д‘)<話は最後まで聞きな、ウォッシュレット博士。

( *´D`)<はい。最後まで聞きます。

( ;‘д‘)<そう素直に喜ばれても困るんやけど。まあええわ・・・。

( ‘д‘)<確かにそれは単純な順番間違いで済む話やな。せやけど、鍵はのんの忘れっぽさや。

( ‘д‘)<のんは昨日のカラオケのことを忘れてたわな。そしてまるで部外者みたいに振る舞っとった。

( ‘д‘)<そんなのんのことや。順番を間違ったことも、自分の選曲のことも、忘れてても不思議やあれへん。

( ´D`)<・・・。

( ‘д‘)<それだけなら単なる人間的欠陥に基づく状況証拠に過ぎひん。せやけど・・・。

( ‘д‘)<のんはこんなこと言いよった。みんなも覚えてるやろ?

( ‘д‘)<あさ美ちゃんの歌を聞いて、それをすぐ『越冬つばめ』だと答えよった。

( ‘д‘)<そして森昌子の曲だとも言うたわな。さらに円ひろしの名前まで出しよった。

( ‘д‘)<それは全て、十代の女性が通常答えられるはずのない情報や!

Σ川o・-・)<た、確かに!!!

365 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:32

( ‘д‘)<それをなぜのんが答えることができたか、その答えは一つしからへん!

( ;・e・)<のんちゃんが・・・。

∬;~▽~)<その曲を入力した・・・。

( ‘д‘)<その通り。のんは昨日『越冬つばめ』を歌うつもりやった。

( ‘д‘)<以前からその曲を知ってたんや。いや、知ってるどころかかなり好きで歌ったりもしてたはずや。

( ‘д‘)<そして昨日もその曲を入力した。だが、順番を間違って入れてしまった。

川o・-・)<美貴ちゃんの後なのに、前に入れちゃったんだ。

( ‘д‘)<しかし、当ののん自身は、もっさんの前に『越冬つばめ』が流れたことに気づいていなかった。

( ‘д‘)<自分の番はもっさんの後だという意識があったんやろ。

( ‘д‘)<それか、すでに何の曲を入力したかすら忘れてたかもしれへん。

( ‘д‘)<とにかく、そうやって入力したのにも関わらず、のんはその自分のミスに気づかへんかった。

( ‘д‘)<そして、それが原因であさ美ちゃんがもっさんと喧嘩したことも、のんにとっては他人事やった。

( ‘д‘)<どないや?よーく思い出してみいや。のんが入力したんやろ?そうなんやろ?

366 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:32

【推理】――加護亜依(カレーライス和尚)

・犯人は辻希美
・辻は『越冬つばめ』を知っているどころか、通常知らない知識まで持っていた
・辻の順番は藤本の後だったが、間違ってその前に入力してしまった
・しかし忘れっぽい性格から、ほんの少し前に入力したことすら忘れていた
・実際、昨日のカラオケのことも、そのメンバーのことも忘れていた

367 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:32

( ´D`)<ふふふふふふ。甘い。甘い甘い。              オ ナ ペ ッ ト
       つるっぱげの和尚やら煩悩の塊のエロ小坊主どもの凌辱妄想の対象くらい甘いのれすよ。
                           アマ
( ;・e・)<わからないけど、なんとなくお寺の尼さんのことを言ってるっぽいってのはわかった。

( ‘д‘)<何が甘いんや!最初から登場してる中で最も意外な人物が犯人ってのがミステリの定番やんか!

( ‘д‘)<のんには十分にその資格があるで!そして『越冬つばめ』に対する情報という動かぬ証拠(証言)!!!

( ´D`)<やれやれ。まだわからないのれすか・・・。

( ‘д‘)<だから何がや!のんが犯人で間違いないやんか!

( ´D`)<ぶっちゃけ、これネタれすよ?

( ‘д‘)<ネタだからなんやねん!

( ´D`)<ネタなのにそんなにムキになって真面目に推理するとかありえないのれす。笑えるのれす。

( ‘д‘)<なんやそれ!

( ´D`)<この作者のネタ的にも、そんなまともな解決編は絶対にありえないのれす。

( ´D`)<大体のんが最も意外な人物だとか言ってる時点で間違ってるのれすよ。

( ´D`)<もう一度最初から読み直してほしいのれす。あんなにヒントがあったのになんで気づかないんれすか?

( ‘д‘)<なんや、なんのことを言うてるんや!のんは誰が犯人や言うつもりなんや!

( ;‘д‘)<ハッ・・・ま、まさか・・・!!!



.

368 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:32

////////// ///////// // / // //<  ┌┴┐   |  ┌―┐  ,--t-、
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////// ///// // ///  // ////<   ・_|  └┴┘└―┘  V ,ノ
///////// / ////// //  / /////<                           ┃
// //// / //// // // ///////  <     ┼ ヽ ヤ--|-、   -┼ー  /    ┃
/// /__ // / /      //////<     ,-|--、 ヽ  ノ     ヽ、  / ,-,   ┃
////    ヽ _,,-―、_,,......_,,...-ー‐- " ̄ ̄丶 i_」 ノ  ヽ   つ ヽ_   ι'  し' ■
// | (__っ )/    `、: : : :o:ヽ     \ (_っ) |
///\__/丿丿丿丿: : : : ゚ ヽヽ ヽヽヾ___丿/VVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVVV
// // ///:: <   _,ノ , 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ  /////// //// ///
///// /::::   (y○')`ヽ) ( ´(y○')    ;;|  // ////// // /
// //,|:::     ⌒ /    ヽ⌒      ;|   ///// // ////
/ // |:::         |~ ̄ ̄~.|        ;;;|   //// ////// ////
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////|::::       | |||| !! !!||| :| |      ;;;;;;|  /// ///// /////
////|:::::      | |!!||l ll|| !! !!| |     ;;;;;;|  /// // // // /////
// / ヽ:::::       | ! || | ||!!|     ;;;;;;//////// ///// /// //
// // ゝ:::::::: :  | `ー----−' |__;;;;;;;/////// ///////////

369 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:32

  Σ( ;・e・)<あっ・・・!

      Σ∬;~▽~)<いっ・・・!

            Σ川;o・-・)<うっ・・・!










( *´D`)<ブブー、残念!

Σ( ;‘д‘)<えーーーーー!!!

370 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:33

( ;‘д‘)<な、なんやねん!それじゃないとしたら誰が犯人やねん!この作者的に!!!

( ´D`)<簡単れすよ。のんもちょっとおかしいなって思ってたのれす。

( ;‘д‘)<なんや、何がおかしいねん。どこにどんな疑念があったねん!

( ´D`)<あさ美ちゃんの歌れすよ。歌。

川;o・-・)<私の・・・???

( ;‘д‘)<歌・・・???

( ´D`)<あさ美ちゃんが歌った『越冬つばめ』は、微妙に間違ってたのれす。

( ;・e・)<あさ美ちゃん、どう歌ったんだっけ?

川;o・-・)<えーと・・・ひゅ〜りる〜ひゅ〜りる〜らら〜♪って。

∬;~▽~)<確かになんか違う気がするけど、でもだからってあさ美ちゃんが犯人だとは・・・。

( ´D`)<あれあれ。誰もあさ美ちゃんが犯人とは一言も言ってないのれすよ。

( ;‘д‘)<それじゃなんやねんな。その歌の間違いから何をどう導くんや。

( ´D`)<犯人はその歌の中に最初からいたのれす。

川;o・-・)<歌の・・・中に・・・?

( ;‘д‘)<燕が犯人ってことか?それとも、森昌子?円ひろし?

371 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:33

( ´D`)<何言ってんれすか。口ずさめばわかるのれすよ。だってそこに名前があるじゃないれすか。

川;o・-・)<ひゅ〜りる〜・・・ひゅ〜りる〜らら〜・・・・・・ひゅ〜り・・・る〜らら〜・・・・・・る〜らら・・・。

( ´D`)<ズバリそれなのれす。「るーらら」こそが犯人なのれす!!!

Σ( ;‘д‘)<・・・。

Σ( ;・e・)<・・・。

Σ∬;~▽~)<・・・。

Σ川;o・-・)<・・・。



( ´D`)<いやはや、それにしても「るーらら」という奴はほんっと、人様に迷惑ばっかりかけてますなあ。

( ´D`)<まさかつんくのみならず、あさ美ちゃんやふじもっちゃんにまで火種を撒き散らすとは・・・。

( ´D`)<でもまああれれすね。奴が犯人であれば手加減はいらないのれす。問答無用で叩きまくれるのれす。

( ´D`)<いやー、それにしてもまさかこういうオチだとはねえ。
       見事解決したとは言え、さすがにこのオチはなかなか見抜けなかったのれす。手強い事件だったのれす。

( ´D`)<さーて、それじゃ事件も解決したことだし、記念にカツ丼でも出前取るのれす。

( ´D`)<ふんふんふ〜ん♪カツ丼カツ丼楽しいな〜♪

372 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:33

( #‘д‘)<って、待ちやがれえええええーーーーー!!!!!

Σ( ;´D`)<な、なんれすかいきなり?

( #・e・)<なんか全然納得いかないんだけど!

∬#~▽~)<納得というかありえないというか!

川#o・-・)<大体その場にいなかったるーららがなんで犯人なんだか!

( #‘д‘)<それ以前にるーららオチとかありえねーだろ!!!!!

( #・e・)<というか、どう考えてものんちゃんが犯人としか思えないし!!!

川#o・-・)<やっぱりのんちゃんが間違って入力してそのまま忘れちゃってたんだ!!!

川#o・-・)<私と美貴ちゃんが喧嘩しちゃったのも・・・全部のんちゃんが原因だったんだ!!!

川#o・-・)<なのにのんちゃん・・・全部忘れてて人のせいにばっかりして!!!

( ;´D`)<う・・・ううう・・・よってたかって責めなくても・・・のんにとって会心のオチだったのに・・・。

∬*~▽~)<でもまあなんだ。カツ丼が楽しみってのは理解できるかな。

Σ( ;・e・)<ズガーーーーーンやっぱり最後は食欲肥満オチで締めるのですかーーーーー!!!



( ;´D`)<・・・というわけで、お勝手探偵の見事な名推理、いかがでしたか?

( ;´D`)<・・・それではまたお会いできる日(多分二年後)を夢見て・・・さようなら!

373 :名無し娘。:2005/12/09(金) 21:33

 ━━━━━━━━『お勝手探偵のの』2nd stage ━━━━━━━━

 ━━━━━━━━  T  H  E   E  N  D  ━━━━━━━━

374 :名無し娘。:2005/12/09(金) 22:58
すげえ・・・
アームチェアディティクティヴだ・・・

375 :名無し娘。:2005/12/10(土) 11:50
ワロタ。真相が二転三転・・・というより
のた打ち回ってるって感じw

376 :名無し娘。:2005/12/10(土) 19:45
おっさんワラタw

377 :名無し娘。:2005/12/10(土) 20:09
この延々としたやり取りが独特でね、ワロスw

378 :名無し娘。:2005/12/25(日) 23:44
今年も芸スポ+で表を作ってしまった俺;

┌────┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
|        │所属│カウス.│石井│洋七│大竹│渡辺│松本│紳助│合計│順位│
├────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
|笑い飯 ..|吉本| 95 │ 92 │ 91 │ 85 │ 90 │.*95 │ 85 │ 633.│**3 .|
|アジアン .|吉本| 90 │ 86 │ 81 │ 82 │ 80 │ 70 │ 75 │ 564.│  8 .|
|南海キャン |吉本| 88 │ 80 │ 79 │ 79 │ 79 │ 75 │ 72 │ 552.│  9 .|
|チュートリアル|吉本| 91 │.*95 │ 86 │ 84 │ 86 │.*95 │ 85 │ 622.│  5 .|
|ブラマヨ |吉本| 96 │ 94 │.*96 │.*90 │.*93 │.*95 │.*95 │ 659.│**1 .|
|品川庄司|吉本| 89 │ 91 │ 95 │ 89 │ 87 │ 90 │ 85 │ 626.│  4 .|
|タイム3号 │非〃| 88 │ 85 │ 82 │ 82 │ 83 │ 75 │ 76 │ 571.│  7 .|
|麒麟    |吉本|.*97 │.*95 │ 95 │.*90 │ 91 │ 90 │ 88 │ 646.│**2 .|
|千鳥    |吉本| 93 │ 89 │ 86 │ 88 │ 89 │ 80 │ 82 │ 607.│  6 .|
├────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│最終決戦│−−│ブラ │笑飯│笑飯│笑飯│ブラ │ブラ │ブラ │−−│−−│
└────┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘

379 :名無し娘。:2005/12/25(日) 23:44
審査員別
┏━┯━━━━┯━━┳━┯━━━━┯━━┳━┯━━━━┯━━┳━┯━━━━┯━━┓
┃順│中田カウス.│得点┃順|ラサ石井.│得点┃順|島田洋七│得点┃順|大竹まこ │得点┃
┠─┼────┼──╂─┼────┼──╂─┼────┼──╂─┼────┼──┨
┃ 1.│麒麟    │ 97 ┃ 1.│チュートリアル│ 95 ┃ 1.│ブラマヨ │ 96 ┃ 1.│ブラマヨ │ 90 ┃
┃ 2.│ブラマヨ │ 96 ┃ 1.│麒麟    │ 95 ┃ 2.│品川庄司│ 95 ┃ 1.│麒麟    │ 90 ┃
┃ 3.│笑い飯 ..│ 95 ┃ 3.│ブラマヨ │ 94 ┃ 2.│麒麟    │ 95 ┃ 3.│品川庄司│ 89 ┃
┃ 4.│千鳥    │ 93 ┃ 4.│笑い飯 ..│ 92 ┃ 4.│笑い飯 ..│ 91 ┃ 4.│千鳥    │ 88 ┃
┃ 5.│チュートリアル│ 91 ┃ 5.│品川庄司│ 91 ┃ 5.│チュートリアル│ 86 ┃ 5.│笑い飯 ..│ 85 ┃
┃ 6.│アジアン .│ 90 ┃ 6.│千鳥    │ 89 ┃ 5.│千鳥    │ 86 ┃ 6.│チュートリアル│ 84 ┃
┃ 7.│品川庄司│ 89 ┃ 7.│アジアン .│ 86 ┃ 7.│タイム3号 │ 82 ┃ 7.│アジアン .│ 82 ┃
┃ 8.│南海キャン │ 88 ┃ 8.│タイム3号 │ 85 ┃ 8.│アジアン .│ 81 ┃ 7.│タイム3号 │ 82 ┃
┃ 8.│タイム3号 │ 88 ┃ 9.│南海キャン │ 80 ┃ 9.│南海キャン │ 79 ┃ 9.│南海キャン │ 79 ┃
┠─┼────┼──╂─┼────┼──╂─┼────┼──╂─┼────┼──┨
┃--│平均点  │91.9 ┃--│平均点  │89.7 ┃--│平均点  │87.9 ┃--│平均点  │85.4 ┃
┃--│得点幅  │ 09 ┃--│得点幅  │ 15 ┃--│得点幅  │ 17 ┃--│得点幅  │ 11 ┃
┗━┷━━━━┷━━┻━┷━━━━┷━━┻━┷━━━━┷━━┻━┷━━━━┷━━┛
┏━┯━━━━┯━━┳━┯━━━━┯━━┳━┯━━━━┯━━┓
┃順│渡辺正行│得点┃順|松本人志│得点┃順|島田紳助│得点┃
┠─┼────┼──╂─┼────┼──╂─┼────┼──┨
┃ 1.│ブラマヨ │ 93 ┃ 1.│笑い飯 ..│ 95 ┃ 1.│ブラマヨ │ 95 ┃
┃ 2.│麒麟    │ 91 ┃ 1.│チュートリアル│ 95 ┃ 2.│麒麟    │ 88 ┃
┃ 3.│笑い飯 ..│ 90 ┃ 1.│ブラマヨ │ 95 ┃ 3.│笑い飯 ..│ 85 ┃
┃ 4.│千鳥    │ 89 ┃ 4.│品川庄司│ 90 ┃ 3.│チュートリアル│ 85 ┃
┃ 5.│品川庄司│ 87 ┃ 4.│麒麟    │ 90 ┃ 3.│品川庄司│ 85 ┃
┃ 6.│チュートリアル│ 86 ┃ 6.│千鳥    │ 80 ┃ 6.│千鳥    │ 82 ┃
┃ 7.│タイム3号 │ 83 ┃ 7.│南海キャン │ 75 ┃ 7.│タイム3号 │ 76 ┃
┃ 8.│アジアン .│ 80 ┃ 7.│タイム3号 │ 75 ┃ 8.│アジアン .│ 75 ┃
┃ 9.│南海キャン │ 79 ┃ 9.│アジアン .│ 70 ┃ 9.│南海キャン │ 72 ┃
┠─┼────┼──╂─┼────┼──╂─┼────┼──┨
┃--│平均点  │86.4 ┃--│平均点  │85.0 ┃--│平均点  │82.6 ┃
┃--│得点幅  │ 14 ┃--│得点幅  │ 25 ┃--│得点幅  │ 23 ┃
┗━┷━━━━┷━━┻━┷━━━━┷━━┻━┷━━━━┷━━┛

380 :名無し娘。:2005/12/25(日) 23:44
同率含む順位
┏━┳━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┯━━━━┓
┃順┃中田カウス.│ラサ石井.│島田洋七│大竹まこ │渡辺正行│松本人志│島田紳助┃
┠─╂────┼────┼──―─┼────┼────┼────┼────┨
┃ 1.┃麒麟    │チュートリアル│ブラマヨ │ブラマヨ │ブラマヨ │笑い飯 ..│ブラマヨ ┃
┃  ┃        │麒麟    │        │麒麟    │        │チュートリアル│        ┃
┃  ┃        │        │        │        │        │ブラマヨ │        ┃
┃ 2.┃ブラマヨ │        │品川庄司│        │麒麟    │        │麒麟    ┃
┃  ┃        │        │麒麟    │        │        │        │        ┃
┃ 3.┃笑い飯 ..│ブラマヨ │        │品川庄司│笑い飯 ..│        │笑い飯 ..┃
┃  ┃        │        │        │        │        │        │チュートリアル┃
┃  ┃        │        │        │        │        │        │品川庄司┃
┃ 4.┃千鳥    │笑い飯 ..│笑い飯 ..│千鳥    │千鳥    │品川庄司│        ┃
┃  ┃        │        │        │        │        │麒麟    │        ┃
┃ 5.┃チュートリアル│品川庄司│チュートリアル│笑い飯 ..│品川庄司│        │        ┃
┃  ┃        │        │千鳥    │        │        │        │        ┃
┃ 6.┃アジアン .│千鳥    │        │チュートリアル│チュートリアル│千鳥    │千鳥    ┃
┃ 7.┃品川庄司│アジアン .│タイム3号 │アジアン .│タイム3号 │南海キャン │タイム3号 ┃
┃  ┃        │        │        │タイム3号 │        │タイム3号 │        ┃
┃ 8.┃南海キャン │タイム3号 │アジアン .│        │アジアン .│        │アジアン .┃
┃  ┃タイム3号 │        │        │        │        │        │        ┃
┃ 9.┃        │南海キャン │南海キャン │南海キャン │南海キャン │アジアン .│南海キャン ┃
┗━┻━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┷━━━━┛

381 :名無し娘。:2005/12/26(月) 01:16
ありがたい表だぜ!!!!
これ見ながら録画見よう!!!!

382 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:15

年末――

川 ’ー’)<来年の年賀状は何通くらい来るやろか……。

川 ’ー’)<久住ちゃんも加わったし、あいぼんとれいなちゃんで三通は確実やね……。

川 ’ー’)<……。

383 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:15


                    ○
                / ̄\
              /WWW\
             /        \
           /           \
         ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


元日――

川 ’ー’)<みんな忙しいし、きっと出すのが遅れたんやろね……。

川 ’ー’)<……。

384 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:15

二日――

川 ’ー’)<三日にまとめて配られるはずやよ。明日に期待するやよ……。

川 ’ー’)<……。

385 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

三日――

川 ’ー’)<やっぱり三が日の年賀状は難易度高すぎやね。ここからが勝負やよ……。

川 ’ー’)<……。

386 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

四日――

川 ’ー’)<……。

387 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

五日――

川 ’ー’)<……。

388 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

六日――

川 ’ー’)<……。

389 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

七日――

川;’ー’)<い、一週間やよ。そろそろフラグが立つはずやよ……。

川;’ー’)<……。

390 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

八日――

川;’ー’)<郵便局員が廃棄したんやろか?毎年そんなニュース聞くやよ。心配やよ……。

川;’ー’)<……。

391 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

九日――

川;’ー’)<おかしいやよ。そろそろ正月気分も終わりやよ……。

川;’ー’)<……。

392 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:16

十日――

川;’ー’)<……。

393 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:17

十一日――

川;’ー’)<……。

394 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:17

十二日――

川;’ー’)<

395 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:17

十三日――

川;’ー’)<……。

396 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:17

十四日――

                                         ガタッ


川*’ー’)<き、来たやよ!い、今郵便ポストに何かが届いたやよ!はっきりと聞いたやよ!


                    うふふふふふ    川*’ー’)つ


         □⊂(’ー’*川   えへへへへへ


川*’ー’)つ□<差出人はあいぼんやよ!!!

川*’ー’)つ□<やっぱりあいぼんは親友やよ!遅出しでもいーたん全然気にしないやよ!

川*’ー’)つ□<うふふふふふ。なんて書いてあるんやろ。いーたん、あいぼんには期待しまくりやよ!

397 :名無し娘。:2006/01/01(日) 17:17

川*’ー’)つ□<えーと……。

川*’ー’)つ□<あけましておめでとう……。

川*’ー’)つ□<昨年はお世話になりました……。

川*’ー’)つ□<来年もよろしく……。

川;’ー’)つ□<……。

川;’ー’)つ□<ら、来年?

川;’ー’)つ□<……。

川;’ー’)つ□<いいよ……あたし待つから……来年まで待つから……。

川 ;’ー’)つ□<だって……だって今年はもう、あいぼんから優しさが届いたもん……。

川*;’ー’)つ□ えへへへへへ




高橋ごめん

398 :マジ高 ◆MAJI3nr8FI :2006/01/01(日) 18:27
お前そんなネタ書いて、今年は分かってるだろうな。
マジ高は今年は責めでいくぞコラ。
もう今年はビール三本飲んでるからな。もう飲ま飲まイェイだぞ。

399 :名無し娘。:2006/01/01(日) 21:03
来年w

400 :名無し娘。:2006/01/01(日) 22:51
マジ高がコテでレスをしているw

401 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/01/30(月) 20:52
>362 名前:軍艦ランチ 投稿日:2005/12/22(木) 00:11:30 0
>逃した魚はLOVEマシーン

>366 名前:軍艦ランチ 投稿日:2005/12/22(木) 00:13:54 0
>気がつけば きょうりゅう音頭

おいおい、俺よりおもしろかったら意味ないだろw
逃した魚数え歌(お風呂ば〜じょん)とか、俺はそんな感じな

402 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/01/30(月) 20:53
おっと、上のレス番は狼の某スレですんで

403 :名無し娘。:2006/01/30(月) 21:11
また偽者が出たのか

404 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:04

『さきがき!シタタカ美貴ちゃん』

405 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:04

( ・e・)<私の名前は藤本美貴。新垣家の財産を手に入れるため、思い切って整形してみた。
      すでに通帳とハンコも手に入れてある。この顔なら疑われることなく大金を手に入れられるだろう。

( ・e・)<そして私は早速、銀行へと足を運んだ。このドキドキ感がたまらない。

ウイーン

スタスタスタッ

( ・e・)<暗証番号がわからないので、並ぶのは窓口だ。47番と書かれた紙を手に取る。

( ・e・)<緊張しながら待っていると、ピポーンと電子音がしてディスプレイに47という数字が表示された。

( ・e・)<いよいよ私が大金を手に入れる時がやって来た。長年の夢が今、厳かに叶おうとしている。

スタスタスタッ

406 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:04

(´∀` ソリ<いらっしゃいませ。

( ・e・)<ど、どうも。あの、これ……。

( ・e・)<私は通帳とハンコを差し出した。通帳の名義は新垣里沙。
      この名前を見れば、目の前の私が本人であることは一目瞭然だろう。疑問の余地はない。

(´∀` ソリ<免許証など、なにか身分を証明できるものはお持ちですか?

( ;・e・)<えっ?あの、そんなのいるんですか?

( ;・e・)<なんということだろう。ただ金を引き出すだけなのに、身分証明を求められるとは。
        様々な詐欺が世間を騒がせている昨今の時勢を私も知らないわけではないが、
        というか現に今、整形してまで他人の口座から現金を引き出す未曾有の事件が起きようとしているのだが、
        それにしてもこれはガードが固すぎる。だが、心配は無用だ。そのための整形なのだから。

( ・e・)<モーニング娘。の新垣里沙です。この顔がすでに身分を証明しています。

(´∀`;ソリ<いや、私モームスとか知らないし。見たことあるってのはわかるんだけど、誰が誰とかわかんないし。

Σ( ;・e・)<ガーーーン、マジっすか!

( ;・e・)<まさかこんなところで不人気メンの辛い実情を思い知ることになるとは予想だにしなかったが、
        しかしそんなことで挫折する私ではない。田舎ではシタタカ美貴ちゃんと呼ばれていたこの私だ。
        ちゃんと保険証も手に入れてある。その辺の思いつきの犯行と一緒にしてもらっては困る。

( ・e・)<保険証でいいですか?役所からの公的な通知書等も持参してますけど。

(´∀`ソリ<あ、はい。それで結構です。今確認しますので。

( ・e・)<第一段階はなんとかクリアしたようだ。それにしてもこのガードの固さはなんだろう。
      この銀行の方針なのか、それとも新垣家に関しては扱いが特別なのか。

407 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:05

(´∀`ソリ<それではご本人確認のため、質問をさせていただきます。

( ;・e・)<えっ?

( ;・e・)<ぬぬぬ。保険証では飽きたらず、そのような念の入った防止措置を取っているとは是れ尋常ではない。
        すでに順番待ちの数字は57番まで進み、10人以上が後ろで待っている状態だというのに。

(´∀`ソリ<それでは干支(えと)を教えてもらってよろしいでしょうか?

( ;・e・)<な……なんですって?

(´∀`ソリ<干支(えと)です。教えてもらえますか?

( ;・e・)<まさかそういう質問が来るとは思いもよらず、私はかなり焦っていた。
        一応生年月日くらいは暗記してあったが、同級生ならいざ知らず、新垣の干支など知る由もない。
        とりあえず頭をフル回転させ、全ての干支をまず思い浮かべる。

( ;・e・)<ねーうしとらうー……だが続かない。自分の干支から逆算しようにも順番がわからないのだ。
        これは大きな痛手だった。干支の順番がわからない。干支の順番がわからない。干支の……。

(# ・e・)<干支ってなんだよ!!!

( ;・e・)<興奮のあまり、私は無意識にそう怒鳴っていた。店内にいた全ての店員が私を見ていた。
        そして順番待ちをしている大人どもも、嘲笑と悲哀と恐怖の色を浮かべながら私を眺めていた。

(´∀`;ソリ<……。

( ;・e・)<……。

( ;・e・)<だが、私はそれが逆に功を奏したことを知ることになる。
        質問とは、常に正しい答えを求めるものではないのだ。

(´∀`ソリ<はい。新垣里沙さんですね。ご本人だと確認できました。

Σ( ;・e・)<えーーーーー!

408 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/08(水) 21:05

( ・e・)<そうなのだ。この質問は決して新垣里沙の干支を尋ねるものではなかったのだ。
      干支というものを知っていますか?という、新垣里沙の知能を確認するためのものであり、
      本物の新垣自身、この銀行を訪れたときは毎回、その質問に窮していたのだ。
      だからこそ、それがいつの間にか本人確認の質問として採用されるに至っていたのだ。

( ・e・)<こうして私藤本美貴は、新垣里沙の口座から全財産を引き出すことに成功した。

( ・e・)<だが……。

( ・e・)<シタタカ美貴ちゃんにも失敗はあったということか。そう、計画は挫折したのだ。
      まさか新垣里沙の口座に3万8千円しか入っていないとは想像できなかったのだ。

( ・e・)<しかし、それはよく調べればわかることだったのだろう。
      現実の新垣家はそこまでの金持ちではないし、新垣が稼いだ金も、本人の口座に入るとは限らない。
      つまり、私はネタに踊らされていたのだ。新垣=成金という構図のネタに。

( ・e・)<こうして私の新垣家全財産引き落とし作戦(整形編)は失敗に終わった。
      残ったのは3万8千円と、そしてこの顔だけである。元の顔に戻るには、まだまだ時間がかかりそうである。

おわり

409 :名無し娘。:2006/02/08(水) 23:01
ワロタ    

410 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27

『さきがき!シタタカ美貴ちゃん』 vol.2

411 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27

( ‘д‘)<私の名前は藤本美貴。元の顔に整形しようとして金を稼いだまではよかったが、
         藤本美貴にしてくださいと頼んだはずなのに、なぜかこんな顔になってしまった。

( ‘д‘)<フィギアスケートのデブと間違われるよりはマシだが、まさかこんなガキと間違われるとは完全な想定外だ。
         紅白単独出演の経験もある私としては、これはショック以外の何物でもない。
         加護亜依と藤本美貴、名前も全く似ていなければ、顔も外見もキャラもなにもかもが違うというのに。

( ‘д‘)<とりあえず私の顔を知らなかった整形外科医は今すぐ沖縄のカプセルホテルに偽名で泊まるべきだろう。
         それと間違いを指摘できなかった看護婦どもも命を狙われて然りだ。

( ‘д‘)<それにしても、せっかく整形費用を稼いだというのに、まさかこんな顔になってしまうとは不運と言うほかない。
         だが、文句を言っていても何も始まらない。仮にも田舎ではシタタカ美貴ちゃんと恐れられたこの私だ。
         どんな状況に追い込まれようが、焦りは禁物。現実を直視し、そして次を見据えるのだ。

( ‘д‘)y-~~

( ‘д‘)<とりあえず、まずは再び整形費用を稼ぐべきだろう。
         新垣の顔ではかなり苦労したが、この顔であれば二三日もあればなんとかなるだろう。
         新垣の時のように、ブルマを大量に購入し、ネットオークションで写真とともに売りさばくか、
         それとも別の新しい方法を取るか、どちらにせよ、加護であれば知名度は新垣の比ではない。
         まあ新垣の場合はコアなファンなのか、ブルマ姿の需要が意外に多かったというのもあるが。

412 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27

( ‘д‘)<と、そんなことを考えていた私の前に、突然ある男がしゃしゃり出てきた。
         手にはカメラを持っている。そしてそのレンズは私の手にあったタバコを捉えていた。

カシャッカシャッ

Σ( ‘д‘)y-~~

(~ー~ 3i]<やったぞ!加護亜依の喫煙写真をゲットしたぞ!

( ‘д‘)<どうやら写真週刊誌のカメラマンに喫煙写真を撮られてしまったらしい。
         だが、私は冷静だった。私にとってそれくらいのハプニングは日常茶飯事なのだから。

スススススッ

Σ(~ー~ 3i]<えっ?

ドスッ

Σ(~ロ~;3i]<うぐっ……。

( ‘д‘)<私は滝川パンチを腹部に一発お見舞いし、その勢いでカメラをぶんどってフィルムを引っこ抜いた。
         全く無駄のない流れるような動き。自分で言うのもなんだが、もはや芸術と呼べるほどの熟練技だ。

(~ロ~;3i]<あ、あああああ……。

( #‘д‘)<たく、てめえどこのカメラマンだおい。ブブカか?それともフライデーか?

( ‘д‘)<ここでフラッシュを入れなかった理由は、ファンなら周知のことだろう。
         フラッシュはアップフロントと蜜月な関係にあり、このような盗撮は絶対にありえないのだ。
         確かにフラッシュにも何度か激写・盗撮を謳ったものが載ったことがあるが、
         安倍なつみ反省姿、市井紗耶香引越し姿など、それらは全て事務所が主導した宣伝戦略に過ぎない。

413 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:27

( #‘д‘)<で、どこのカメラマンなんだ!どこに頼まれた!

(~ロ~;3i]<ブ、ブブカです……。

( #‘д‘)<ちっ、しょーもないゴシップ誌クラスかよ。まあ加護亜依じゃその程度かもしれないが。

(~ロ~;3i]<その程度って……。

( ‘д‘)<と、その時、私に一筋の光明が射した。ゴシップ、それは逆の立場であれば、まさに金の生る木だった。
         芸能人の格付けにもよるが、掲載されるレベルに達してさえいれば、最低でも一本十万円は固い。
         大きいスキャンダルの場合は百万円を軽く超える。つまり、問題は加護亜依の相場ということになる。

( ‘д‘)<おい、確かブブカって言ったな。

(~ロ~;3i]<は、はい……。

( ‘д‘)<ブブカだと加護の喫煙はいくらだ?十万くらいか?

(~ロ~;3i]<えっと、多分五万くらいかと……。

( ‘д‘)<ちっ、やっぱゴシップ誌如きじゃ駄目だな。全く話になんねー。

(~ロ~;3i]<いや、あの、話って言われましても……。

( ‘д‘)<となると……やっぱりフライデーだな。よし、そういう線でやってみるか。

( ‘д‘)<私はカメラを男に返し、新しいフィルムを入れさせた。そして胸ポケットからバージニアスリムを取り出す。

( ‘д‘)y-~~

( ‘д‘)<よし、撮れ!

Σ(~ロ~;3i]<えーーーーー!と、撮るんですか?

414 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:28

( ‘д‘)<当たり前だろ。お前なあ、ブブカ如きじゃ金になんねーだろ。
         俺がフライデーに持ち込んでやるから。だからちゃんと撮れよ。高く売れるようにな。

(~ロ~;3i]<う、売るって、あ、あの、どういう……。

( #‘д‘)<ごちゃごちゃ言ってないでさっさと撮れ!

(~ロ~;3i]<は、はい。

カシャッ

( ‘д‘)<こうして私は喫煙写真を撮らせ、早速フィルムをフライデー編集部に持ち込んだ。
         だが、自ら持ち込んだというのに、フライデーの反応は予想よりも鈍いものだった。

( #‘д‘)<なんだと?たったの二十万だと?貴様ら、どこに目ーつけてやがんだごるぁ!!!
         天下の加護亜依様が自らネタをプレゼントしてやるってのに、金に糸目つけてんじゃねーーー!!!
         なんだったらたけし軍団雇ってもう一度襲ってやっぞごるぁ!!!

( ‘д‘)<私は編集部中に響き渡るほどに怒鳴り、対応した編集者を震え上がらせることに成功した。
         どうやら本人の持ち込みというところに困惑していたらしいが、押せばなんとかなりそうな様子だった。

( #‘д‘)<おい、お前もなんとか言ってやれ!

(~ロ~;3i]<あ、あの、私がですか?

( #‘д‘)<お前そんなんだからブブカなんかに扱き使われんだよ!売り込みイコール脅迫ってこと肝臓に刻んどけ!

(~ロ~;3i]<は、はい……(普通は肝って言うよなあ……肝臓って……)

( #‘д‘)<で、フライデーさんよお。いくらにするんだ?百万か?五百万か?それとも一千万か?

(~ロ~;3i]<それはさすがに言いすぎかと……。

( #‘д‘)<てんめーそんな弱気でどうすんだごるぁ!写真にはなあ、人間の命がこもってんだよ、命が!!!
         魂抜かれるとかって話聞いたことねーのかよ!どこの生まれだ!どこの育ちだ!

(~ロ~;3i]<げ、現代です……。

415 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/02/09(木) 22:28

( ‘д‘)<結局写真は27万円にしかならなかった。やはり加護亜依というところがネックだったのだろう。
         これが私、藤本美貴であれば百万を軽く超えていただろうが、この場合は妥協せざるをえない。
         しかし、写真とは別に、私は平和的な交渉によって整形費用をどっさり稼ぐことに成功していた。

(~ロ~;3i]<あの……これ、なんか凄い札束なんすけど……いったいどういう?

( ‘д‘)<どういうって、まあ簡単なことだ。写真以外に色んなネタをだな、ちょっとレクチャーしてやっただけだ。
         未成年メンバーの飲酒や喫煙。それに過去も含めての男関係全般。中には女関係もいるけど。

(~ロ~;3i]<マジっすか……。

( ‘д‘)<まあ男関係が結構いい額になったから、ドラッグとかの話までは持ち出さなかったけどな。
         それとメンバーの殴り合いの喧嘩なんかはここじゃなくてブブカとかの方がいいだろうし。

(~ロ~;3i]<……。

( ‘д‘)<ま、とりあえず整形費用も稼げたことだし、余った分は全部お前が持ってっていいぞ。

(~ロ~;3i]<い、いいんすか?こ、こんなに貰って?

( ‘д‘)<こうして私は元の顔に戻るための整形費用を捻出することに見事に成功した。
         私も元の顔に戻れるし、フライデーも儲かる、そしてあのカメラマンもいい小遣いになったことだろう。
         顔を間違われた時はどうなるかと思ったが、どうやら全てが丸く収まりそうである。

おわり

Σ( ;‘д‘)ノ□<な、なんやこれ!うち全然身に覚えがないで!

    ↑
本物の加護亜依

416 :名無し娘。:2006/02/10(金) 02:11


417 :名無し娘。:2006/02/10(金) 03:07
なぁーんだ、そーゆーことだったのか。安心安心!

418 :名無し娘。:2006/02/10(金) 12:07
説明口調ワロス

419 :名無し娘。:2006/02/11(土) 20:08
藤本どこまでいくねん

420 :名無し娘。:2006/02/12(日) 16:07
.

421 :名無し娘。:2006/02/12(日) 17:32
hu

422 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:55
『剣客輪廻譚』

423 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:55

一.

 道場の中は蒸しかえるような暑さでございました。普段は三十人の門弟が十分に練習できるほど
の広さがあり、特に道場が狭いというわけでもありませんが、その時ばかりはさすがに違っておりま
した。
 剣心一体と書かれた掛け軸のある上手には道場主がただ一人座っているだけでしたが、下手の
壁ぎわはびっしりと人で埋まっており、また横手にある風を通すための格子状の板戸の隙間にもた
くさんの顔がありました。どれも門弟というわけではなく、話を聞きつけた武士や町人なども混じって
いる様子です。
 そして皆が皆、こぶしを握りしめながらその勝負を見守っています。人垣によって風通しが悪くなっ
ているのは確かですが、それを超えてあまりあるほどの熱気が道場の中にこもっていました。
 しかしながら、そんな熱気とは裏腹に、道場の中央にいる二人の若者はともに冷たい汗をかいて
おりました。
 左側、白虎(びゃっこ)で木刀を構えるはしなやかな体型の飯田織部(おりべ)。
 右側、青龍(せいりゅう)で木刀を構えるは若いながら落ち着きのある福田十兵衛。
 ともに道場の将来を背負って立つことになると期待されている若き門弟でございます。

 しかし勝負はなかなか動きません。師範代の座と江戸表への剣術留学がかかっているということ
もあるのでしょうが、それ以上に二人の力量に初めてはっきりとした優劣がつけられるということが、
二人を慎重にさせ、また二人を真剣にしているのでしょう。
 これまでの稽古では飯田が六、福田が四といったところで、飯田が若干優勢でしょうか。しかし、
福田も負けてはいません。己の剣を信じているという点では、完全に福田が抜きん出ております。

424 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:55

 さて、その両者の勝負ですが、そうこうする間も一進一退の攻防が続いておりました。
 見た目には両者ともにらみ合ったまま動きがないように思えますが、二人の心中では激しい火花
が散っているのです。少しでも自分に有利な情勢に持ち込もうと様々な思惑がぶつかります。
 重心の位置をほんの少しずらしたり、木刀を握る肘の角度を広げたり、それによって相手の反応
を見ているのです。そしてそんな反応によって、突然にして空気が動くことがあります。
 例えば飯田の木刀がやや下がったかと見ると、福田が上段から木刀を振り下ろしにかかります。
飯田は待っていたとばかりにすっと後ろに下がってそれをかわすと、福田の小手を狙いにいきます。
福田はその小手を木刀を斜めにして払いのけ、そして再びの静寂に戻るのです。
 同じように飯田も動きます。福田の足がほんの少し前に出たと見るや、瞬時に突きを喰らわせま
す。福田はそれをよけずに木刀で横に払い、接近戦に持ち込みますが、これには飯田が後ろに飛
びのいて間合いを戻します。
 そしてこうした目に見える動きには、周りからおおっとかあっといった歓声があがります。そうした
ことがあって周りの熱気はさらに高まっているのです。

 しかし半刻(はんとき)もそのような攻防が続くと、どこからか野次が飛んだりします。もちろん門弟
や見学している侍たちはそのような真似はしません。町人などの剣の道を知らない者が、その真剣
勝負にたまらずに発破をかけるのです。
「おう、どうしたどうした!」
「お若いの、そろそろ疲れたか!」
 ただし邪魔するつもりはありません。その場を盛り上げようという町人の心意気なのです。
 ところが、時にそんな野次の中から場が動くことがあるのですから、勝負はおもしろいものです。
「えー、弁当はいらんかねー。夕食(ゆうげ)の弁当はいらんかねー」
 もちろん弁当売りがやって来たわけではありませんし、太陽はまだまだ高い位置にあります。勝負
が長引きそうだという冗談の言葉なのでしょう。それによって外から笑いがおきます。
 が、その笑いが何かの琴線に触れたのか、先に動いたのは飯田織部でした。まだ若いとはいえ、
福田よりは三つ年上で、それが早く決着をつけようという思いに至ったのかもしれません。
 外からの笑いが静まろうとした瞬間、ふっと飯田が前に出ました。
 上段へと木刀を振り下ろし、それから一気に進みながら胴を狙おうとする動きです。正眼の構えを
取っていた福田はこの打ち込みを木刀を横にして下から持ち上げるようにふせぎますが、福田のそ
うした力癖は飯田の熟知するところ、飯田は打ち込みの瞬間にわざと力を緩めていました。木刀が
撥ね上げられないようにするとともに、その反動を軽く利用しようとしたのです。
 そして空いた胴めがけて飯田の木刀が横を流れます。が、その瞬間、飯田は目を疑いました。

425 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56

 突然、狙っていた胴が視界から消え、木刀が空を斬ったのです。
 そしてそう思った時にはすでに飯田の脳天には福田の一撃が打ち下ろされていました。うっと声を
出して飯田が床に倒れます。
 福田は飯田の打ち込みのほんの少しの軽さを見極め、その瞬間大きく真上へと飛び、そして胴を
狙う飯田の頭上から木刀を振り下ろしたのです。その飛ぶ鳥を落とすような渾身の打ち込みに、周
りから大きな歓声がわいたのも当然のことでした。
「勝負あり」
 道場主の静かな声が聞こえ、歓声はさらに大きなものとなりました。門弟たちの間からもどよめき
が起こります。
「うーむ、十兵衛が勝ったか。織部も悪くはなかったが」
「互角であろうが、最後のあの打ち下ろしはいやはや恐るべし」
 そして町人の中からも声があがりますが、そこはそれ、町人です。
「おらあよ、あっちの小さい方が勝つって思ってたんだ」
「ちっ、調子がいいなあ。最初あっちのすらっとした方だって言ってたのはどいつだい?」
 とまあ、そんな会話は置いておくとしまして、こうして福田十兵衛が師範代の座を獲得し、ついに
江戸表へと修行に出ることになったのでございます。

426 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56

二.

 陽が暮れるのにはまだ早いが、明るいうちに次の宿場に辿り着くにはやや急がねばならぬか、
という頃合の街道に、一人の旅装束の侍の姿がありました。
 国元の道場での勝負に勝って師範代となり、これからは他流派の剣技も知らなくてはならないと
いうことで江戸表へと修行に出た福田十兵衛その人であります。
 その福田が一人峠道を上っておりました。こだま峠といい、平安時代に謀略によって地方へと
追放された貴族が旅の途中で非業の死を遂げ、それ以来夜な夜なこだまのような声が聞こえて
くるという言い伝えのある峠でございますが、それより今ではこだま党と呼ばれる山賊が出没する
峠ということで周囲に知られております。
 主街道でありながら旅人の姿がやけに少ないというのもそうしたことによるのでしょう。蛇のよう
に曲がりくねった道の中ほどにある二町ほどの直線区間を見てみても、そこに人の姿がある時間
よりない時間の方が長いほどで、多くの旅人は西に向かう人も東に向かう人も、手前の宿場で無
難に夜を過ごすのがよさそうだと思っているのでございましょう。それほどこだま党の悪名は知れ
渡っているのでございます。
 しかし剣に覚えのある若き武芸者にとっては田舎の山賊など眼中にはありません。手前の宿場
で山賊が出るからここで一泊していく方がいいと言われても、なるほどそうであるかとうなずくだけ
で、そうでないのならば陽が暮れるまでに次の宿場に着くように急ぎなされ、との宿の客引き女の
言葉にも、心配御無用とばかりに笑って流したほどでございます。
 そんな福田がおやっと思ったのは、再び蛇のような道にさしかかった時でございました。何やら
奥の方から声が聞こえてきたのです。福田は街道をそれて脇にある細い道へと足を踏み入れま
した。思った通り、そこにはどこかで見たことのあるような光景がありました。
 武家の出か町人の娘かはわかりませんが、杖を持った若い娘とそれの供であろう爺(じいや)
が、いかにも人相が悪いと思しき五人の男たちに囲まれていたのであります。
「へっへっへ、金だけで済むと思ったら大間違いだ」
「し、しかし、これで通してくれるとさきほど……」
「その面(つら)見ちまったらむざむざ返すわけにはいかねえだろ。上玉だ」
「違いねえ。確かに上玉だ」
 つまり金目のものだけに飽き足らず、その娘をものにしようとの下卑た魂胆なのでしょう。そ
んな会話を遠くから聞きながら、ささささっと侍が駆け寄ります。

427 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56

 と、賊の一人が侍に気づいて声を出しました。
「なにやつ!」
 侍が冷静に答えます。
「それがし、福田十兵衛と申す。わけは知らぬが、大勢で老人、女子(おなご)を襲うとは武士として
見過ごすことはできぬ。お相手ならそれがしがいたそう」
 相手は五人、それも悪名高き山賊とはいえ、賊ごときに負けるような軟弱な侍ではありません。
何より剣の腕に自信がみなぎっている一番の時期なのです。福田は堂々と山賊に向き合いました。
「こしゃくな、やっちまえ!」
 山賊の一人が号令を下し、それぞれ懐から小刀を取り出したり、腰にぶら下げた長脇差を手に
取って構えたりしますが、福田は全くひるみません。鞘から剣を抜き、まず最初に飛びかかってき
た左の賊の小手を打ち落とします。小刀が地面にこぼれ落ちました。そして次に右から突っ込んで
きた賊の腕を打ちます。ともに血が噴き出さなかったのは、福田が刀の刃ではなく峰の部分で打ち
込んだためでした。
「これで終わりか」
 それは自分の余裕を伝えて相手を退かせるための言葉でしたが、仮にもこだま党として悪名を
馳せる山賊です。それを挑発と受け止め、三人がかりで福田に向かいます。福田は一歩退いて
間合いを取ると、三人の勢いを見定め、近づいてきた順に相手を打ちました。一人目は肩を打た
れ、二人目は腕を打たれ、三人目は脳天を打たれてその場に倒れこみました。
 しかし、事はそれだけでは終わりませんでした。

428 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56

 福田の後ろからふっと気配がし、それと同時に声がしました。
「少しは使うようだな」
 振り向くと、そこにはそれまでの賊とは格段に様子の違う男が立っていました。細身ながら腰が
しっかりと落ちていて、着る物からも風格が漂っています。なにより驚くのは、その涼しげな表情
です。そしてその鼻には飾りでしょうか、金細工がきらっと光っていました。
「賊の頭か」
「左様。こだま党の党首、石黒の彩と申す。特別に私がお相手いたそう」
「望むところ」
 彩と名乗った賊の頭が刀を抜きます。構えはやや横向きですが、変形の下段といったところ。
一方の福田は正眼に構えますが、相手がかなりの使い手であることは剣を交えるまえでもなく
伝わってきます。嫌な汗が流れ、自ら動くことができません。
 彩がゆっくりと間合いを詰めます。福田も間合いを計りますが、そのままでは追いつめられると
思ったのでしょうか、横に動いて傾斜のやや高い位置に移動します。この相手に打ち勝つには
自分の必殺技である飛鳥剣を使うしかないという考えもあったのかもしれません。
 ふっと彩の気配がしなくなり、次の瞬間、彩は福田の目の前に迫っていました。殺意に強弱を
つけることによって相手の隙を作ったのです。しかし福田も負けてはいません。その白刃の突き
をかわすと、地面を蹴って飛び上がり、相手の頭上に刀を振り下ろします。
 すわ、決まったか、と思われたものの、倒れこんでいたのは福田の方でありました。袴が破れ、
血に染まっていました。しかし、彩が福田の動きを予め察知していたわけではありませんでした。
 福田が飛び上がった瞬間、若干の戸惑いが生じていたのです。その戸惑いの原因は二人とは
離れた場所にありました。さきほど倒した山賊の手下どもが小刀を手に爺と娘に近づいていくの
が見えたのです。
 しかしそうだとはいえ、福田の動きは素人目には全く無駄のない流れるような動きでございまし
た。そこに一瞬の隙を見出したのはこれ、彩と申す賊頭の冷徹なまでの神経によるものなので
しょう。もし福田の戸惑いがなかったとしても、福田の飛鳥剣が決まっていたかというと難しいと
ころでございます。

429 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:56

 さて、その福田十兵衛ですが、深くないとはいえ足に傷を負い、見る見る間に血が流れこぼれ
ておりました。すっくと立ち上がって刀を構えますが、もはや勝負は決したと言ってもよいかもしれ
ません。福田が立ち上がるのを彩が待っていたというのは、ある意味で武士の情けに近いものが
あったのでしょう。福田も目の前の彩がただの山賊ではないことにはとうに気づいている様子でし
た。
「元は名うての者とお見受け申す」
「くだらん侍崩れにて」
 そう答えた彩が再び攻勢に出ます。しかし傷を負う福田は後ろに下がりながら防戦する一方で、
ついに木に追いつめられて後ろに下がることができなくなりました。そしてその福田の喉元に彩の
白刃が突き刺さります。
 と、まさにその時、どこからともなく飛んできた石のつぶてが彩の手に当たり、福田はとっさに横
へと飛びのきました。
「くっ……邪魔が入ったか」
 福田とともに彩が後ろを振り返ると、そこには菅笠をかぶった一人の武士の姿がありました。黒
の着流しを着ているところは素浪人でしょうか、しかしそんな観察をしている間にも、すでに二人の
戦いは始まっていました。
 彩は福田を無視してサッときびすを返すと、その菅笠男に向かって一目散に進みました。そして
そのままの勢いで男の横を通り過ぎます。その瞬間、金属のぶつかる音がして、閃光が走りまし
た。彩が横一文字に白刃を流し、菅笠男が刀を鞘から半分ほど出してそれをふせいだのです。
男は彩が通り過ぎると再び刀を鞘に引っ込めました。福田が目を丸くするほどの剣技です。

「なるほど。流派を極めている」
 彩がそう言うと男はゆっくりと菅笠を脱ぎ捨て、ニッと笑いました。年の頃は三十過ぎか、日焼け
した肌に青い目が印象的です。
 二人は再び向き合いました。彩は福田と対峙した時と同じく変形の下段。男の方は左手の親指
で刀の柄を持ち上げてはいますが、まだ刀を抜こうとはしません。
 福田は爺と娘のそばに戻り、賊の手下どもを追い払いながらそれを眺めました。
 そして再び空気が動きます。先に動いたのはまたもや彩でした。一度目で相手の出方がわかっ
たのでしょう、今度は破られまいとばかりに再び同じ太刀筋を繰り出します。そして全く同じように
男の横を通り過ぎて立ち止まります。傍目には男の動きもさきほどと同じでした。
 が、福田はその動きをかろうじて捉えていました。男は素早い動きで刀を抜きあげると、その剣
先で斜め十字を描き、そしてそのまま刀を鞘に戻していたのです。福田の目には十字の光が焼き
ついていました。思わず声が出ます。
「す、すごい……」

430 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57

 そして、立ち止まっていた彩が突然に崩れ落ちました。胸を二重に斬られ、もはや動くこともでき
ずにいたのです。倒れた彩は目を見開いたまま、その場で絶命しました。手下どもはそれを見て
恐れおののきながら逃げていきます。それはこだま党の終焉を意味していました。

 福田は袴の布を縛って傷口をふさぎながら男に近づきました。
「あ、ありがとうございました」
 そう言って深々と頭を下げます。それに対して男が菅笠を拾いながら答えます。
「あまりのへっぴり腰に見かねただけだ」
 福田は少しむっとしましたが、しかしそう言えるだけの腕が男にはありました。そして男は親切心
なのか、福田に対して助言を口にしました。
「生を断ち切れぬようでは剣とは呼べぬ。ようよう励まれよ」
 山賊の手下を峰打ちで倒したことが、後に一瞬の隙を作ってしまったのだと男は言ったのです。
それは初めて真剣勝負に臨んだ福田に対する戒めでありました。命のやり取りに躊躇は禁物で
あるのだと。
 そして去ろうとする男に、福田が慌てて尋ねました。
「もし、お名前を……」
「中澤二十郎。来年で三十郎になる」
 その後姿を見送りながら、福田はこれからの剣術修行に更なる決意をしていたのでありました。
 目指すは江戸にある寺田道場。
 しかし、寺田流の太刀筋を福田はまだ知らないのでございます。

431 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57
 
三. 

 気まぐれで山賊を退治した中澤二十郎はそのまま休むことなく街道を進んでおりました。ところが
進めば進むほど嫌な汗が溢れ出ていくのであります。どういうことだ、と思わず口にせずにはいられ
ません。
 それというのも、中澤の前、三十間ほどのところを歩いている行商人が、まるで背中に目がついて
いるかのように中澤の歩に合わせているのでございます。中澤がゆっくり進めば行商人もゆっくりと
進み、あるいは遅く進めば遅く進むというように、その距離が全く変わらないのでございます。
 長年武者修行に明け暮れ、様々な武芸者と剣を合わせたこともある中澤にしても、そのような体験
は初めてのことで、何より気配を感じさせないことに思わず背筋が寒くなってくるのでございます。
 そして中澤はいてもたってもいられなくなり、ついに行動に出ました。曲がりくねった道にさしかかり、
前の行商人の姿が見えなくなったところで、おもむろに走って間合いを詰めようとしたのです。
 が、そこに行商人の姿はありませんでした。先の道にも姿はなく、もちろん後ろにもありません。
 中澤は目を街道脇の森の中にやりました。そしてゆっくりとその森の中に歩を進めます。五歩ほど
進んで、すぐに中澤は立ち止まりました。先ほどと同じく三十間ほど前にその姿があったのです。
 行商人は木の株に座ってキセルを咥えていました。中澤の方には全く目も向けませんが、中澤が
追ってくるのを察知し、それを待ち構えていたことは間違いありません。
 中澤はゆっくりと行商人に近づきました。近づかない方がいいということは薄々感じているのでしょ
うが、それ以上にその不気味さには興味がわきます。左手の親指はいつ事が起きてもいいように、
すでに刀の柄に触れていました。

「薬をご所望だべか?」
 どこの訛りなのか、行商人がそう言いました。相変わらず中澤の方を見向きもしません。
「拙者、中澤二十郎と申す浪人者。そなたが何者かを問いたい」
「訊いてどうするべ?」
「それはまだわからぬ。しかし訊かずにはおれぬ」
「覚悟はあるだべか?」

432 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57

 と、薬売りが言うやいなや、中澤は刀を抜いて襲い掛かっていました。先手を打たなければ負ける
相手だと思ったのでしょう。素早い動きで薬売りに近づくと、必殺の十字剣を繰り出します。
 しかし、薬売りはそのままの体勢で飛び跳ねると、別の木株の上にまたもや座ったのです。
「忍……」
 中澤はしっかりと刀を握り直し、間合いを見定めました。すでに勝っても負けても名を聞くことはで
きないということはわかっていました。こうなってしまっては殺すか殺されるかなのです。そして自分
が勝ったとしても、その時には相手は死んでいるわけですから、その名を知ることはできません。
 中澤は再び相手に向かって突進しました。相手の素早い動きを計算して、今度は剣先から相手を
逃さないように柔軟な攻撃を仕掛けます。が、薬売りは咥えていたキセルでその剣を受け止め、ふ
わりと身をかわしたかと思うや、中澤の頭上に足を乗せ、それを蹴るようにして後ろに着地したので
す。
 そして中澤が振り返った時にはすでに中澤の体を後ろから短刀が貫いていました。
「ぐはっ……」
 中澤は刀で体を支えようとしましたが、力が入らず、そのままその場に倒れ込みました。そして
結局その名を知ることなく息絶えたのでした。
「薬をご所望だべか?」
 その問いかけに答えるのは、ただ森の中を駆け抜ける風の声だけでございました。

433 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:57

四.

 薬売りの格好をした安倍那智(なち)は街道に戻ると、何事もなかったかのように再び道を進み、
峠の茶屋までやって来ました。山賊が出るとの噂のこだま峠とはまた別の峠であります。
 忍とは申せ、長旅には疲れるし、腹が減りもするのです。おいしそうなお団子の匂いに那智の足
は止まりました。
「いらっしゃい。なんにします?」
「うーんと、団子二つにするべ」
「はいな。すぐお持ちします」
 茶屋の主がすぐ団子の皿と湯呑みを運んできます。那智は木の長椅子に腰を下ろし、その団子
をつまみました。すぐ隣の長椅子にはどこぞの店の隠居なのか、旅の老人の姿がありました。
「うーん、うまいべ。やっぱり峠といえば団子だべなあ」
 そう言いながら串にささった団子をほおばり、そして次の団子の甘さを減らさないように、湯を呑
んで口の中を流します。茶屋といっても、お茶はまだ高価なもので、普通はただの白湯なのでした。
 と、隣の老人がその仕種を見て声をかけてきました。
「ほっほっほっ。お若いの、さもうまそうに食いなさる。いやはや見事でござるのお」
「照れるだべ」
 那智は素直に照れていました。忍であっても、普段は薬売りの行商人をしているのですから、こ
うしたやり取りは普通にこなせるのです。が、それはあくまでそれが普通であったらのこと。一歩
修羅の臭いがすればその場は血の海と化すこともあるのです。
「熊野にはよっぽどうまいものがござらんのであろうな」
 老人がそう言いました。那智はいやあと愛想笑いを浮かべていましたが、その内心は当然穏や
かではありません。忍であることを感づかれているどころか、那智が熊野忍であることもその老人
に見抜かれていたのですから。
 思わず懐に手が行くのを那智はなんとか止め、そのまま団子を食べて茶屋を離れました。忍と
して人の目につく場所で行動に移すことは避けたかったのでしょう。
 懐に入っているのは手裏剣でした。といってもお馴染みの十字手裏剣ではありません。通常の
忍が使う手裏剣は釘型のものがほとんどで、十字手裏剣は武器としてではなく道具として使われ
ることが多かったのです。

434 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58

 那智は街道を少し歩くと、そのまま森の中へと道をそれました。そして木陰に隠れて老人が通り
過ぎるのを待ちます。隠れたところで気づかれることは承知の上でしたが、道でただ待っていると
いうわけにもいきません。
 老人はそのまま街道を進んでいきました。当然ながら那智の存在には気づいていましたが、そ
れをどうこうするつもりはない様子でした。
 那智は老人の後を追い、二人はそのまま街道から小道にそれていきました。そして老人が立ち
止まります。
「お若いの、ただの老人を相手にしてもつまらぬだけかと思うがの」
「正体を知られたからには生かしてはおけないだべ」
「それなら仕方ないかの」
 老人は左手に持っていた杖を右手に持ちかえ、そして指差すように杖を那智に向けました。那
智は一瞬、仕込み杖かとも疑いましたが、どうやらそのようなことはない様子です。その杖だけで
勝てるという自信があるのでしょう。そしてその自信を裏づけるかのように、老人の動きには一分
の隙もありませんでした。
 そして気配というものが全くありませんでした。それは茶屋に座っていた時からそうでした。その
時点で那智も気づくべきだったのかもしれませんが、少し前に素浪人を刺した時の短刀の血の
臭いが、完全な無気配というものを那智が察知することを麻痺させていたのでした。

 那智は短刀を構えると、そのまま瞬間的に姿を消しました。空気の流れを読むことで、空気と
一体化するように高速で動くことができるのです。そして右に左にと流れながら老人に近づき、
背後から短刀を突き刺しました。
 が、その瞬間、老人の杖が後ろに伸びて那智の腹部を打ち、短刀は紙一重で老人の着物の布
に届きませんでした。

435 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58

 那智は一瞬ひるんだものの、すぐに後ろに跳ね飛んで間合いを取ります。そして今度は木から
木へと飛び移りながら相手を惑わします。いわゆる熊野の三社渡りと呼ばれる術です。
 そして釘型の手裏剣を連続して打ち込みながら、老人に向かって真一文字に突き進みます。
しかしまたしても後一歩というところで老人の杖がそれを阻止します。老人は全ての手裏剣をよ
けたのみならず、その杖を今度は那智の脳天に叩きつけていました。
 那智は空中で反転することでその衝撃を減らすと、地面に足をついた反動で再び飛びのいて
間合いを取ろうとしました。が、それは老人に完全に読まれていました。
 老人の後ろ十歩ほどの場所に着地した那智の胸に、釘型の手裏剣が突き刺さっていたのです。
「な、なんだべ?」
 那智がそう言うまもなく次の手裏剣が刺さり、さらに次の手裏剣が刺さりました。三社渡りから
投げた手裏剣が全てかわされたどころか、全て那智に向かって返されていたのです。それもど
れもが那智が着地する場所を予知して返されたものでした。
「な、なんで……」
「お若いの、そう急ぎなさるな。何が起こるかわからぬのが人生じゃて」
 振り向きながら老人がそう言いました。那智はそのまま前方へと倒れこみました。
「うう……那智が……那智がこんな老人に……」
「ほほほ、那智と申されたか。悔やまれますな。わしは名張の充代斎(じゅうだいさい)と申す老い
ぼれにて、多少は名を知られておる」
「じゅうだい……さい……?」
「平家流といえばわかるかのお」
「け、剣聖……」
 那智はそう言い残すと、そのまま息を引き取ったのでございました。

436 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58

五.

 城下町に一人の老人の姿がありました。気ままな隠居の身とはいえ、平家流の創始者であり、
今や伝説の剣聖とも称されている名張充代斎であります。
 その充代斎がまたもや団子屋で団子を食べていると、そこを爽やかな汗を流す集団が通りか
かりました。城下で三指に入る道場の道場主と門弟たちです。と、その道場主が充代斎の顔を
見るやいなや、血相を変えて飛び込んできて、その前に肩膝をついたのであります。
「も、もしや、平家流の初代様ではござりませぬか」
「ほっほっほっ。いかにも充代斎じゃが、そなたは」
「それがし、この城下で道場を営んでおり申す。まだ若い時分、江戸の剣術大会にて充代斎殿
の剣技を拝見したことがござりますれば……」
 とまあ、そんな挨拶があり、せっかくの機会とばかり、充代斎は道場へと招かれたのでありま
す。ただし、剣聖と剣を合わせられるような者は道場にはおらず、差し出された饅頭を食べな
がら稽古を見学するという程度のことでしたが、それでも門弟たちの稽古には熱が入ります。
 特に年下の門弟に敗れて師範代の座を逸した飯田織部は意欲に抜きん出ていました。
「うむ。その若いの、なかなかいい筋をしてなさる」
「は、ははははははい。こ、光栄です」
 剣聖から直に声をかけられたとあっては舞い上がるのも無理もない話で、他の門弟たちから
もおおっと声があがります。
「それは飯田織部と申し、いずれはこの道場の師範代、師範となる者にて」
 道場主がそう説明し、飯田は嬉しそうに頭を下げました。
「ふむ。よかろう。お若いの、わしにかかってきなされ」
 えっという声が方々からあがります。飯田自身も信じられないという表情を浮かべ、目をパチク
リしていました。
「ほうかひたはの?」
 充代斎が饅頭をモグモグと食べながらそう言いました。どうかしたかの、と言ったのでしょう。
「あの、ですが……」
 飯田がそう尋ねかけました。それもそのはず、充代斎はその場に座ったまま饅頭をほおばって
いて、かかってこいと言われてもどうしていいかわからないのです。

437 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58

「よ、よろしいのですか?木刀もなにもありませんが」
 飯田の問いかけに答えずに、充代斎はなおも饅頭をほおばり続けていました。
 道場主が飯田に言います。
「試してみたらよかろう。本当は私が試したいところだが、何事も勉強だ。だが油断はするな」
「は、はい!」
 飯田がそう返事をして、木刀を構えました。一方の充代斎は相変わらず座ったままです。そし
て饅頭を取る手を止めません。
 しかし木刀を構えてみればすぐにわかります。充代斎には全くといっていいほど隙がありませ
んでした。どこから打ち込んでもかわされるような、そんな気がしてきて、飯田の足は完全に止
まっていました。
 門弟たちも稽古の手を止め、その様子を見守ります。飯田もただ突っ立ってはいられません。
叶うとは思わないまでも、どのような受け方をされるのかという興味は存分にあります。
 そして飯田は動きました。座っている充代斎に対して一気に歩を進めて木刀を振り下ろしたの
です。が、充代斎は全く動きませんでした。飯田の木刀が寸でのところで止まることを見切って
いたのです。本気で打ち込んできなさい、ということなのでしょう。
 飯田は一歩退いてまたもや木刀を構えました。今度は上段ではなく中段の構えです。座ってい
る者に対してはその方が無駄がないと判断したのでしょう。
 そしてじりじりと間合いを詰め、充代斎が饅頭を手にして口にほおりこんだ瞬間に飯田は動き
ました。小手先の剣技ではどうかわされるかわかりません。飯田はその中段の構えからそのま
ま座した充代斎に向かって突きを繰り出しました。
 と、その瞬間でした。おいしさのあまりいくつも饅頭を詰め込んだせいか、充代斎は饅頭を喉
に詰まらせ、ごほごほっと苦しそうに咳き込んだのであります。目の前からは木刀が迫っていま
したが、それよりも脅威なのがその饅頭でありました。

438 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/04(土) 17:58

 充代斎はとっさに置いてあった湯呑みを手に取り、それを飲み干しながら体を後ろにそらして
木刀をかわそうとしました。が、それはそれ、経験豊富とはいえそんな体勢で湯を飲んだことな
ど当然ありません。喉に詰まった饅頭にはばまれた湯が気管へと流れ、充代斎はもがきながら
そのまま後ろに倒れこんでしまったのであります。
 その顔の上には空振りに終わった突きが浮いていましたが、飯田は当然ながらかわされたの
だと思いました。しかし一度かわされても次を打つのが必定であります。飯田はその木刀をその
まま下へと軽く振り下ろしました。
 これもかわされるだろうと当然ながら思います。しかしもはや勝敗は関係ありません。どのよう
なかわされ方をするのか、飯田のみならず皆の興味はそこに移っているのであります。

 が、飯田の木刀はそのまま充代斎の額に打ち込まれていました。コツリと音がして飯田の手に
もその感触が伝わります。しかし何が起きたのかすぐには理解できません。
 周りからどよめきが起き、飯田は周りを見ました。皆が驚きの目で見ています。そして飯田もよ
うやくそれを理解しました。飯田の木刀が確かに剣聖に打ち込まれたのです。

 しかし、その時すでに充代斎が息絶えていたことに周りの者たちは誰一人気づいてはいません
でした。饅頭で喉を詰まらせ、さらに湯を気管に入れた時点で充代斎は絶命していたのでした。
 様子が変だと思ったのはそれからしばらくしてからのことでした。息をしていないことに気づき、
周りは大慌てに慌てます。道場主もどうしていいかわからずにただただうろうろしていました。
 しかし、一つだけはっきりしたことがありました。
 それは飯田織部が剣聖に勝ったのだということ――。

 こうして飯田織部に勝った福田十兵衛を追いつめた石黒の彩を破った中澤二十郎を葬った
安倍那智の息の根を止めた剣聖名張充代斎を、飯田織部が打ち負かしたのございます。
 はてさて、結局のところ一番強いのは誰なのでございましょうか。
 それは多分、誰にもわからないことかもしれません。

 完

439 :名無し娘。:2006/03/05(日) 11:10
充代斎の最期ヒドスw
軍艦は芸風が広いな

440 :名無し娘。:2006/03/06(月) 17:21
(ノД`)・゚・。ミチャーソ…

441 :軍艦ランチ5 ◆ApwLGUN5/6 :2006/03/24(金) 23:54

  ┌―――――――――┐
  │  剣  客  至  道  │
  └―――――――――┘

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0ch BBS 2006-02-27