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なっちとガキさん
391 :
サイサ(ry
◆phy./haiHo
:2006/06/05(月) 19:12
紺野さんからメールが届いた。
『さっき、ラーメン屋さんにいませんでした?』
久しぶりのオフに僕は素通しのメガネをかけて
気になっていたラーメン屋に出かけた。
おそらくその場を目撃したのだろう。
『何で知ってんのさ?
見つけたなら声かけてくれればよかったのに』
メールを返信してすぐにまた、メール。
『だって彼女といたみたいでしたから』
392 :
サイサ(ry
◆phy./haiHo
:2006/06/05(月) 19:12
……え?
『俺に彼女がいないのは娘。のみんなが一番良く知ってるでしょ!』
歩きながらメールを打っていると、足に何かにぶつかった。
どうやら、すれ違った女性の持っていたバッグを蹴ってしまったようだ。
あわてて頭を下げると、その女性は気にしない様子で軽く会釈して行ってしまった。
「きれいな人ですねぇ」
「うん……え?」
声のしたほうを見ると、紺野さんが立っていた。
「今メール見たんですけど」
あれ? なにやら怒ってらっしゃいます?
「本当にさっきの女性は彼女じゃないんですか?」
「違うって! ちょっとすれ違うときにぶつかっちゃっただけだよ」
「そうじゃなくって! ラーメン屋さんに一緒にいた……」
「何か勘違いしてんじゃないの?」
二人の声のボリュームが次第に大きくなっていたようだ。
オープンテラスに座るカップルがこっちを見ながらヒソヒソと
話しているのが眼に飛び込んだ。
「だって……」
「ちょっと、紺ちゃん、こっちで話そうか」
そういって、オープンカフェの空き席に向かい合って座る。
393 :
サイサ(ry
◆phy./haiHo
:2006/06/05(月) 19:18
カプチーノとキャラメルマキアートを注文して、しばらく黙り込む。
さっきのカップルがまだこっちを見ているのを無視して、小声で口火を切る。
「……それで。さっきの話だけど」
「はい」
僕の眼を見る今野さんに少しばかりひるんだが、続けた。
「僕は今日、ひとりでラーメン屋に行ったんだけど」
「でも、カウンターで隣の人と楽しそうに話してたじゃないですか!」
「ちょ、ちょっと紺ちゃん声大きいよ」
そう言いながら、考える。
カウンター? 隣の人と楽しそうに?
ピコン。
頭の中に何かが降臨したかのような気がした。
――――――例えるなら空を翔る一筋の流れ星
「あー、はいはいはいはい……」
「に、ニヤニヤしないでくださいっ!」
「紺ちゃーん。今からいう事をよく聞いてねー。
僕は今日、一人でラーメン屋に行きました。
カウンターに座って雑誌を見ながら塩とんこつをすすってました。
隣の人と会話したけど、それは
『ちょっとそこの紅しょうが、いいですか?』
『あ、はい。あ、ついでで悪いんですが、そこの水とってください』
『あら、ごめんなさいねー(笑)』
……程度ですよ」
394 :
サイサ(ry
◆phy./haiHo
:2006/06/05(月) 19:27
そう言った後に、僕たちのテーブルに登場したものは、
可愛い制服に身を包んだウェイトレスさん
湯気立つカプチーノとキャラメルマキアート
ふせられた伝票
そして
こちらを見て顔を真っ赤にしている、可愛い紺野さん。
紺野さんは僕が見ていることに気づいたのか、慌ててうつむいた。
そして、バッグから取り出した携帯をいじっている。
僕はといえば
(耳まで真っ赤でやんの。可愛いねぇ)
なんて思いながらニヤニヤと見つつ、カプチーノを口に運ぶ。
「……んなさい」
「え?」
携帯から視線を僕のほうに向けて、はっきりと言った。
「勘違いしてました。ごめんなさい」
「いや、いいよ別に」
ニヤニヤしている僕と、両手でキャラメルマキアートのカップを口に運ぶ紺野さん。
〜〜〜♪〜〜♪♪
テーブルの上に置いた僕の携帯がメールを受信する。
携帯を手に取る僕と、さらにうつむく紺野さん。なんだか小さくなってる。可愛いなぁ
『今度はワタシと一緒にカウンターに座ってくれますか?』
紺野さんからのメールだ。
なおもニヤニヤする僕と、さらに赤くなってる紺野さん。
返信したメールが紺野さんのケータイに届く。
目をふせたままケータイに手を伸ばし、パカッ、と開く。
ケータイから顔を上げた紺野さんは、満面の笑みだった。
『ラーメンでよろしければいつでもご一緒させていただきます』
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