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NACCI
- 1 :名無血 ◆A2ulM5E56A :2004/02/13(金) 22:33
- In Another Time, In Another World...
- 174 :名無血:2004/05/27(木) 08:06
- (●^▽^)<正解は出ないかと思ってましたー
- 175 :名無し娘。:2004/05/27(木) 08:50
- 新井素子を思い出した
- 176 :名無血:2004/05/29(土) 10:40
- 「最初から説明するね」
すっ、と部屋が真っ暗になった。かと思ったらいきなりぽつんと
小さな光が浮かぶ。ぽつん、ぽつん、ぽつんと無数に広がる。
「これが世界」
「セカイ」
「中心を見てて」と言われ私は、頷き顔を上げる。
くるくると回るのは、ちょっとだけ大きな炎の球。やがて炎は
小さくなって、消えて、茶色の球形になる。でも止まらない。
冷え続け凍り、溶けて青になり、青の側に緑が産まれる。
回りの光は光のままで、中心のそれだけが変化し続けてる。
「もしかしなくてもこれってterraだよね?」
「Yes.でもまだ終らないよ」
んっ?色が濁り出した。緑が黒に、青が赤に。そしてterraの
横にぽつりとシルバーの点が産まれる。シルバーはやがてterraと並ぶ
大きさの球になると、完全に黒くなったterraから離れ進み出した。
「これが私達の今居る場所、shipです」
あっと言う間の物語。terraの歴史なんて、私の青春の1ページの、
その1行にも満たない速さ。
- 177 :名無血:2004/05/29(土) 10:41
- のろのろと進むshipを、ぼんやりと眺めてた。スクールで私達は、
故郷の星を離れ旅を続けるうちに、次の移住地を発見し今こうして
住んで居ると習ったのに。
「旅立ちはもう6000年も前の話。真実は消える様に忘れられました」
こんな大事な事を大の大人が忘れるものなのでしょうか。
「はい。旅の結末の統べてをナッチに委ねて」
視線をshipからナッチへ移す。バイザーで表情は解らないけどこんな
小さな子に…って違う。こう見えてナッチは6000年生きてるんだ。
「生きてるよな生きてないよな」
どゆ意味?
「なっちも実は0005人目なのさ」
ぴん、と来た。つまり私に遺志を受け継いで欲しいって訳ね。
0006人目のなっちとして!このshipを統べて!
- 178 :名無血:2004/05/29(土) 10:42
- 「もしだよ、もし。もし私が断ったらどうするの?」
「デリートかな。そして急いで次をセレクトする」
それは怖い話です。
「ライト点けて欲しい」
言うなりshipとterraが消え、真っ暗から真っ白になり、私は
「ひっ」と声を出してしまう。無数のケーブルがナッチの手に
足にコネクトされ、指先を動かすのすら戸惑うんじゃないの?
「そうでもないよ」とナッチは指を持ち上げる。「驚いた?」
「驚いた」
私は頷く。夢の中のナッチと違い過ぎるもん。
「バイザーも取ろっか?」
ゆっくりと指先が持ち上げるバイザーの中に剥き出しで回路とか
配電線がちらと見え、私は瞳を閉じた。
- 179 :名無血:2004/05/29(土) 10:42
- No.0001へ選ばれたのは夢の中のナッチ。
「私達の役目はshipの中の1億2千万人の保護です」
No.0002には背の小さな金髪の娘。
「そしてそれは第二のterraを見つけるまで終わりません」
No.0003の目が離れた少女。
「ナッチがセレクトした誰かがナッチと共にnacciとして」
No.0004が八重歯で舌っ足らずの子。
「そして私はNo.0005として0800年程、ここで過ごしました」
美人ヒューマノイドさんの声が透き通る響き渡る胸を掴む。
もうキャロットが食べられない。カフェでアイスラテも飲めない。
シアターで宝塚も見れない。もう家族にもアイにも会えない。
でも、ね。――それはそれでええやんって、誰かが言ってた。
- 180 :名無血:2004/05/29(土) 10:43
- 「受け入れてもらえそうですね…すみません」
美人ヒューマノイドさんが私の瞳を覗き込み言う。まぁ、デリートは
嫌ですし。ここに来てたった0005分。せめて少しでも前向きにね。
「私が頼り無かったばっかりに結論を急がせてしまって」
美人さんの髪が指の端が足の爪先が薄くなった?気がした。
「でもこれで大丈夫、完璧です。これできっと」
気だけじゃない。実際に薄くなっていき砂の城のように崩れる。
ナッチは知ってたかのように微動もせず。もしかしてあの青い光を
私に渡してしまったから?根拠なんて無いけどそんな気がした。
突然の真実、突然の交代劇、突然のサヨナラ。突然過ぎる。
「一族は滅びない」
- 181 :名無血:2004/05/29(土) 10:43
- ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
- 182 :名無血:2004/05/29(土) 10:43
- (●^▽^)<気分が良くなってきたので歌を歌います
- 183 :名無し娘。:2004/05/30(日) 15:16
- エントリーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
- 184 :名無血:2004/05/31(月) 08:03
- (●^▽^)<春はお別れの季節です♪みんな旅立って行くんです♪
- 185 :名無血:2004/05/31(月) 08:03
- 「おはよ。なんか眠そうだね」
「太陽光が出るまで勉強してたからね。今日マセマティクスの試験だし」
「げっ!今日だっけ?」
「今日だよ。もしかして勉強して来なかったとか?」
「そのもしかしてでございます」
- 186 :名無血:2004/05/31(月) 08:03
- (●^▽^)<淡く色づく桜♪花びらもお祝いしてくれます♪
- 187 :名無血:2004/05/31(月) 08:04
- 「アイスオレとアイスラテとアイスエスプレッソで1700Yenになりまぁす」
「別々ってお願いできますか?」
「できませぇん」
「じゃああたし代表して払う。このカードから引いてください」
「ありがとぉーございましたぁー」
- 188 :名無血:2004/05/31(月) 08:04
- (●^▽^)<ずっと仲良しで居てくれた♪刻は想い出の宝物♪
- 189 :名無血:2004/05/31(月) 08:04
- 「ミキちゃん。お父さん、晩ご飯ですよ」
「わぁ嬉しい。私、お肉大好きなんです。いただきまぁす」
「ミキちゃんみたいに喜んでくれる子が居るとおばさんも作り甲斐あるわ」
「やっぱり若い子が居ると食卓が賑やかで良いな」
「…じゃあ明日はミキ特製パスタをご馳走しますね、おじさま、おばさま!」
- 190 :名無血:2004/05/31(月) 08:05
- (●^▽^)<そんな悲しまないで♪目の前の階段を上るだけ♪
- 191 :名無血:2004/05/31(月) 08:05
- 「落ちぶれましたわねマキさん。宇宙刑事は私ひとりで充分ですわ」
「貴女に全然かなわない。成長したわね。さぁリカ、私をデリートなさい」
「もう思い残す事はなさそうね。マッキング・メガフォン、転送!」
「あは、雲間から太陽灯が射し込んでる…。雪は止んだ、か」
「それではさようなら。フレッシュ・ヴォイス!」
- 192 :名無血:2004/05/31(月) 08:05
- (●^▽^)<そうよ手を振って♪だめよ泣いたりしちゃ♪
- 193 :名無血:2004/05/31(月) 08:06
- 「マキさんアヤさんリカさん。アイです。スクール卒業して正式に入学しました」
「待ってたよ、久し振り。こちらこそよろしく」
「はい、よろしくお願いします!…でも何か変な感じなんですよね」
「あ、アイちゃんも?実は私も気持ちがもやもやしてるんだぁ」
「この時の喜びを分かち合える誰かがおったような気がするんやけど…」
- 194 :名無血:2004/05/31(月) 08:06
- (●^▽^)<あぁいつまでも私達は振り向けばほら友達♪
- 195 :名無血:2004/05/31(月) 08:07
- 壁を埋め尽くす無数のモニターが0001秒おきに映像を切り替える度、
自分達がshipのクルーと知らない1億2千万の姿が映し出される。
その中にささやかな哀しみやひそやかな不幸せを見つけると、
ナッチは「7463F-21M-6をお願い」と声をかけ私がそれを差し出す。
ケーブルを替えればそれは、さりげなく緩和され、私達は微笑みを浮かべる。
偶然と必然を司りながら、まだ見ぬ故郷に思い馳せ――。
- 196 :名無血:2004/05/31(月) 08:07
- This Is A True Love Story.
Mothership Continued Everlasting Voyage.
In Another Time, In Another World...
- 197 :名無血:2004/05/31(月) 08:08
- (●^▽^)<じゃあね!
- 198 :名無し娘。:2004/05/31(月) 17:30
- またね
その顔文字好き
- 199 :名無し娘。:2004/05/31(月) 23:59
- テンポがよくて面白かったよ
- 200 :名無し娘。:2004/06/04(金) 02:54
- 急に終わったな、つらかったのか?
まー乙。
- 201 :名無し娘。:2004/06/10(木) 21:22
- じゃあね!
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