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リリモニAA版
- 1 :あいぼん:2004/01/31(土) 16:38
- AAリリモニを描くプニ!!
- 46 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:22
- 「おい・・・」
ガッガッ・・・ドサッ
「なんだおめーら俺らが誰だ・・・ブヘッ」
「さすがケンさん・・・」
許せねえ・・・
許せねえ・・・
許せねえ・・・
許せねえ・・・
「おめーら全員ぶっ殺す!!」
俺の言葉を合図に皆が一斉に魅鬼帝に向かって襲い掛かった
久しぶりの感じだ
喧嘩は腐るほどやってきたが抗争はただの喧嘩とは一味もふた味も違う
まさに生きるか死ぬかの戦場だ
「おら!!」
「死ねてめー!!」
「寝てんじゃねーぞ!!」
「かかってこいや!!」
「ゴルァ!!ゴルァ!!」
そこらじゅうでどつき合いが繰り広げられている
いつもとは雰囲気が違う・・・・
今まで以上に殺気立っている・・・
早くキメねーと・・・
- 47 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:23
- 「マリー!!何処だー!!」
俺は必死になってマリを探した
居ない・・・
何処だ・・・
この混乱の中人を探すのは思った以上に大変だ
「マリー!!マリー!!」
「よう探し物はこれか?」
声の方に目をやるとそこにはぐったりしたマリと
不敵な笑みを浮かべている寺田と女が居た。
「てめー・・・・」
「ヒャハハハハハまさかここに来るとは思ってもみなかったぜ
まさに飛んで火に居るなんとやらだな。今日でお前の人生も
終わりにしてやるぜ」
「・・・・・」
「ん?ああコレか」
寺田はマリの頭を踏みつけながら続けた
「俺らの新しい公衆便所だヒャハハハハハハハハ
何だ?お前も使いたいのか?安くしとくぜヒャハハ・・・ブヘッ」
もう我慢ならねー
「もういいしゃべんな・・・」
殺してやる・・・・
- 48 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:23
- ガッガッドカッ
「死ねやーー!!」
ドカッ・・・・・・ドサッ
「はぁはぁはぁ・・・」
もうとまらねー・・・・
止めさせねー・・・・
「オルァァァァァ!!」
ガッガッ・・・シュッ
「クッ・・・」
「お〜いって〜・・・へへへへ」
ナイフか・・・・
やっぱりな・・・
「おいおい何だよ〜あせんなあせんな」
「・・・・・」
「思い出したかぁ?前にもあったよなぁ?へへへ」
「・・・・・まれ」
「女のためにへへへ」
「黙れ・・・・」
「あいつ死んだんだってなぁヒャハハハハ」
「だまれっつってんだよー!!」
- 49 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:23
- ガッ
「へへへきくねー・・・・」
シュッシュッ
「またお腹に穴開けちゃうよー」
シュッシュッ
「やってみろよその後お前がどーなったか思い出しながらな」
ピクッ
寺田の顔色が変わった
「あの時は痛かったぜ・・・お前のせいで総入れ歯だよ・・・」
「へっ今度はそんな事心配する必要もねーよーに殺してやるよ」
ピーンと緊迫した空気が張り詰めた
「死ねやーーー!!」
寺田がナイフを突き立てて突っ込んできた
「ゴルァァァァァァァァ!!」
俺は渾身の力を込めて寺田の顔面に蹴りを入れた
ナイフは俺の腹をかすめた。
「クッ・・・・」
腹から血が滴り落ちる
- 50 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:23
- ドサッ・・・
その瞬間寺田が膝から崩れ落ちた
「へっそのまま死んでろ・・・・」
気が抜けた瞬間痛みが込み上げてくる
「いって〜・・・・」
そうだ・・・
マリは・・・
俺は慌ててマリに駆け寄った
「マリ!!マリ!!」
「・・・・・」
大丈夫だ息はしているしかし・・・・
また俺の中で怒りとともに何かが込み上げてきた
「殺してやる・・・・」
俺は落ちてるナイフを手にするとフラフラと倒れている寺田に近づいた
「やめてー!!」
そばに居た女が俺の前に立ちふさがった
「どけよ・・・そいつは生かしちゃおけねー・・・」
「嫌よ!!」
女が寺田に覆いかぶさるようにかばった
- 51 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:23
- 「どけよ・・・」
無理やり女を寺田から引き離すと俺は馬乗りになって
ナイフを振り上げた。
「そこまでー!!」
俺は突然何かに突き飛ばされた
「なにしやがんだ!!」
振り返った瞬間顔面に張り手を食らった
「なにしやがんだじゃないわよ!!」
リカだった
「心配してきてみたら危うく人殺しになる寸前だし」
「そいつだけは生かしちゃおけねーんだよ」
「ばか・・・」
またまた一発
「あんたが居なくなったら矢口さんはどーするの?」
「・・・・・」
「今はそばに居てあげなさい」
俺は・・・・
「マリ・・・終わったよ・・・・」
- 52 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:24
- アレからもう半年も経つのか・・・・
あの時あそこまでド派手にやらかしたわりには俺らは
一人の死者も出さずにすんだ・・・
しかしやりすぎた事には変わりない
案の定俺らは見事にパクられBLUEは解散に追い込まれた
マリの方は・・・・・
「ケン〜!!こっちこっち」
「おう・・・・」
「いよいよだね」
「おう・・・・」
「何よ浮かない顔してさ・・・」
「おう・・・・」
「寂しいんでしょ?」
「まぁな・・・・」
社会的制裁を食らい鑑別にぶち込まれていた俺は今日ようやく出所だ
マリはリカと一緒にしょっちゅう面会に来てくれてた。
あの時の事はあまり覚えていないらしい
良かったといえば良かったが・・・・
で今日はぶち込まれていて出来なかったBLUEの解散式
俺の出所に合わせてくれたらしい
- 53 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:25
- 「え〜みなさんお久しぶりです。」
どっ
公園に笑い声が響く
懐かしい公園懐かしい面子たかだか半年会わなかっただけだが
どれもコレも懐かしい・・・
「みんなありがと」
「ケンさんお疲れ様」
皆・・・・
退屈だったあの頃
俺は何か大切なものを忘れていた気がする・・・
マリとであってなかったら今でも『ソレ』を見つけられなかったかもしれない
「ありがとう・・・・ごねんな・・・」
ポンとマリの頭をなでる
「???」
よくわからなかった用だが笑顔で答えてくれた
「ホントありがと・・・・好きだぜ・・・・」
「初めて言ってくれたね・・・・私もだよ・・・・」
END
- 54 :名無し娘。:2004/03/05(金) 00:25
- あとがき
うーんなんつーか初めての小説で自分でも何書いてるのか
解らない部分もありましたが、何かを感じ取ってくれたらコレ幸いです
はっきり言って駄作です展開も終わりもめちゃくちゃ
お笑いネタなら無理やりな作りでもいいんですけど
こう言った物は起承転結ハッキリして無いと読みづらいですね・・・
このスレはコレにて放棄します誰かが再利用してくれることを
祈りつつもしまた何か書こうと思ったら書きます。
あと読んで『ここはこうした方が〜』てのがあったら言ってください
次回書くときの参考にさせていただきます。
書くかは分かりませんが・・・・
それでは読んでくれたかた(いるのか?)短い間でしたがご愛読ありがとうございました。
- 55 :名無し娘。:2004/03/07(日) 07:45
- おつかれー
今見つけて一気に読んだ。
句読点無しってのは狙ってやってるんだよね?
会話主体で読みやすかったしラストはハッピーエンドで良かったよ。
特にこうした方がいいってのは思いつかないけど
ちょっと誤字が目立つかな。
でも面白かったよ。
要望を聞いてもらえるならバイオレンス抜きの恋愛コメディーも読んで見たいな。
- 56 :名無し娘。:2004/03/07(日) 20:54
- >>55さん
良かった・・・
ものが物だけに誰も読んでくれないのかと思ったけど取り合えず一安心です。
>>特にこうした方がいいってのは思いつかないけど
ちょっと誤字が目立つかな。
誤字ですか・・・
自分の国語力の低さに鬱です・・・
>>でも面白かったよ。
要望を聞いてもらえるならバイオレンス抜きの恋愛コメディーも読んで見たいな
そうですね今度はそういうのも書いてみたいと思います。
- 57 :名無し娘。:2004/03/08(月) 11:17
- 話の筋自体は面白かった
緊張感もあったし
誤字以外だと、バトル場面とかの描写が地の文でもう少し欲しいとかそんなところかな
あっさりしすぎてたというかなんと言うか
- 58 :名無し娘。:2004/03/15(月) 11:34
- http://dx1.kakiko.com/anime/aib/aibon/page2.html
- 59 :名無し娘。:2004/03/15(月) 12:03
- 面白かったよー>作者さん
あっさりはしてたけど、それはそれで味になってよかったと思う。
ただ、>37〜>39あたりのくだりはちょっと誰がどうなっているのかが分かり難かった。
地の文を増やすか、ケンの友達に個性をつけるかすれば、読みやすかったんじゃないかな。
他の作品も読んでみたいです。
- 60 :名無し娘。:2004/03/18(木) 13:45
- おもしろかった〜。
途中で誰がどのセリフ言ってるかわかんなくなるとこあったから、
そこをなおしたらもっといいかも。あと、ケンカのシーンも描写が入れば良いと思う。
内容はめっちゃおもしろいっす
- 61 :蛇策:2004/03/20(土) 23:17
-
『ありがとう』
たった五文字の言葉だが語りつくせないぐらいの
気持ちが込められている。
.
- 62 :蛇策:2004/03/20(土) 23:17
-
【心を込めて】
.
- 63 :蛇策:2004/03/20(土) 23:17
-
僕が初めて彼女に出会ったのは今から丁度一年前
セラピストとして第一歩を踏み出しすべく大学で臨床心理学を学んでいるときであった。
それと同時に彼女が僕の最初のクランケになった。
そこは親元を離れ心に傷を負った子供達が集り生活をしている場所であった。
僕はそこに「研修」という形で子供達と接する事になった。
そこでは約50人もの子供達が生活していたがどの子も心にひどいトラウマを抱えており
最初はまともに会話をすることも出来なかった。
特に彼女は親からの酷い虐待を受け『言葉』を失っていた。
週に四日研修に行きだして一月がたった頃には他の子供達は少しずつだが
心を開いてきてくれていた。
しかし彼女だけは心を開いてはくれなかった。
言葉を話せないいじょうこちらが一方的に話しをするわけだが
彼女はいつも悲しそうな顔をして此方を見つめているだけであった。
頷く事も、まして笑顔になることは一度も無かった。
その時僕は「この子をもう一度笑顔にさせてみせる」て誓った
それから僕は研修の無い日も施設に通い続けた。
- 64 :蛇策:2004/03/20(土) 23:18
-
彼女の名前は辻希美。
言葉を失ってからもう6年は経つ
僕に出来ることはただ一つ彼女の心の傷を少しでも和らげることだった。
彼女の元に通い続けてはや3ヶ月がたったが一向に変化は見られなかった。
いままで何人もの先生が『治療』を行ったが結局駄目だったみたいだ。
ましてや僕なんかじゃ・・・・
そう思うことがしょっちゅうあった。
それでもめげずに通い続けたのは恐らく意地になっていたからだと思う
彼女の笑顔が見たい、声が聞きたい・・・・と
根気よく通い続けたかいあってか彼女にある変化が見られた
表情に変化は無いが僕の話や問いに首を上下左右に動かし相槌?をしてくれる様になったのだ。
この時はホントに嬉しかった。
それからと言うもの僕は俄然やる気になり毎日何時間も彼女に話しかけ続けた
面会時間を過ぎて怒られる事もしばしばあったぐらいだ。
彼女と出会って半年が過ぎたころ
青々としていた木々は色を変えて紅葉シーズン真っ盛りになっていた。
僕は施設の所長さんにしつこく何度も何度も掛け合ってようやく彼女との外出許可を貰った。
たったの3時間だがこれ以上の無理はいえなかった。
そしてぼくは彼女と短い散歩に出かけた。
施設近くの林道を二人で歩いた。
僕は特に何も語らずただ一言「景色を楽しもう」って言っただけ
彼女はコクリと頷いた。
- 65 :蛇策:2004/03/20(土) 23:18
-
こういう形での外出は初めてだったのであろう
彼女はいつもよりも足取りが軽やかに見えたのは恐らく錯覚ではないはず
暫く歩いていると彼女と突然立ち止まり何かを見つめていた
僕がそれを眺めているとこっちを振り向き手招きをした。
「なに?」
僕は近づきながら言うと目の前の木を指差した。
そこにはリスが二匹じゃれあっているのが見えた。
その時一瞬だか彼女の顔に笑顔が見えた。
「かわいいね」
僕が優しく微笑むと今度ははっきりと僕を見て微笑み頷いた。
泣きそうになった。
そんな僕を見て「どうしたの?」と言わんばかりの顔をする彼女に
「なんでもないよ」
と彼女の頭を撫でながらいった。
もう少しこうしていたいそんな気持ちとは裏腹に時間は無情にも過ぎた。
僕は時計を見て
「そろそろ帰らなきゃ・・・」
と言うと彼女は僕の服を掴み激しく首を振った。
その時の顔は今でも忘れられない・・・・
とても悲しそうに目を潤ませていたっけ・・・
- 66 :蛇策:2004/03/20(土) 23:18
-
只の学生の俺には所長との約束を破るなんてことは出来ず
何とか彼女を説得して施設に帰った。
施設に帰ってからも表情は今まで以上に悲しくまた寂しそうな感じだった。
その後2時間ぐらい話しをしたが頷きもしなかった。
それから暫く彼女は僕に会ってくれなかった。
彼女と会えなくなってから一週間がすぎた頃所長に彼女と何かあったのか聞かれた
僕はことの成り行きを話した。
どうやら彼女はこの一週間さらに落ち込んだ表情でただただ窓越しに外を眺めて過ごしていたようだ。
何をするわけでもなく。
彼女にとってあの時間は生まれて初めて味わった自由な時間だったのかもしれない
僕は所長に掛け合ってまた外出許可を貰った。
今度は朝から夕方まで
それから更に一週間経ってようやく彼女に会えた
表情はあの時のままだった。
いやあの時よりいっそう沈んだ感じに見えた・・・
そんな彼女の顔を見たとき
僕はその時何故だか解らないが謝った・・・・
「ごめん」
突然の事で彼女は少し困惑気味な表情を浮かべたが
すぐに首を横に振り少しだけ笑顔を見せた。
僕は早速外出許可を貰えた事を伝えた
その時の彼女はとても喜んでいた。
言葉は話せなくても表情からはっきりとその気持ちが伝わった瞬間だった。
- 67 :蛇策:2004/03/21(日) 23:37
-
翌日僕は彼女と二度目の外出をした
しかし僕は外出許可を取ることだけに必死になり
何処に行くかを決めていなかった。
「何処に行きたい?」
当然答えてはくれない
彼女は少し首をかしげて困った顔をしただけであった。
「そうだなぁ・・・」
少し考え込み結局映画を見に行く事にした。
こんなんだから女の子にもてないんだろうなぁ
なんてことを思いながらいざ映画館へ
施設から大きな町まではそう離れていなく車で約30分って所だった
彼女はその30分間僕の話を聞かず小さな子供のように
窓に張り付いて景色を眺めていた。
「よし着いたよ」
その言葉を聴くと彼女はこちらを振り向き目をキラキラさせてはしゃいだ
丁度その日は休日だった為結構な人が映画を見に来ていた。
僕は彼女が迷子にならないようにと思い手を差し延べると
少し恥ずかしそうに僕の手を握った。
「どれみよっか?」
大きな映画館だけあって色々と公演していた。
彼女は少し迷いながら一つのパネルを指差した。
人と動物の感動のドキュメンタリーだった。
- 68 :蛇策:2004/03/21(日) 23:38
- 「動物が好きなの?」
そう聞くと彼女は大きく頷き微笑んだ
早速チケットを買ったところタイミングよく公演時間
ダラダラと待たずにすんだ。
僕は映画と言えば比較的アクションやホラーなどを見るため
こういう物が苦手で必死に眠気をこらえていた。
一方彼女は食い入るようにスクリーンを見つめ時折涙を流していた。
「楽しい?」
そんな問いにも小さく頷くだけであまり僕の話は聞いていないようだった。
映画が終わりエンドロールまできっちり見て外に出た。
その時の彼女の表情は少し名残惜しそうだったのを覚えている。
「よし次は・・・・」
僕がそう言いかけた時お腹が「グー」と大きな音を立てた
彼女はさっきまでの悲しそうな表情から一変笑いを堪えるのに必死な感じだった。
僕も思わず笑った。
「よしお昼にしよう」
彼女は満面の笑みを浮かべながら頷き僕の手を握り歩き出した。
近くのファーストフード店に入りメニューとにらめっこ
僕はあっさり決まったが彼女は中々決まらなかった。
「何でもいいんだよ好きなの選びな」
それから5分後ようやくメニューも決まり呼び出しボタンを押す
すかさず現れたウエイトレスにメニューを注文
15分後机に並べられた料理を見て圧巻
「これ全部食べるの?」
彼女は大きく頷いた。
- 69 :蛇策:2004/03/21(日) 23:39
- 僕はさっさと食べ終わり彼女の食べっぷりを眺めていると
彼女にはそんな僕がもの欲しそうに見ているように見えたのであろうか
自分の料理を僕に分けてくれた。
「ありがとう」
そう言うと彼女は少し照れくさそうに微笑んだ。
全部の料理を平らげた頃僕のお腹はパンパンになっていた。
「よし出ようか」
そう言うと彼女は首を横に振り人差し指を立てた。
何の事か解らなかったが次の瞬間その意味がわかった。
「デザートかぁ・・・・」
いつの間にかテーブルの上に大きなパフェが置かれていて
彼女はそれを嬉しそうに頬張っていた。
「よく食べるね・・・・」
ボソッと呟いた僕の言葉が聞こえたのか
彼女は食べるのを止めそれを僕に差し出した。
「いいよ僕は」
そう言うと
彼女は首を横に振りさらに僕の目の前にパフェを押し出した。
「だからいいよ」
しかし彼女は激しく首を横に振るだけであった。
「仕方ない・・・・」
そう言いながらパフェを一口食べて彼女のほうをチラッと伺うと
口をぽかっと開けてもの欲しそうに眺めていた。
- 70 :蛇策:2004/03/21(日) 23:40
- 僕は苦笑しながら
「一緒に食べようか?」
と言うと
彼女は嬉しそうに頷いて口を大きく開けた。
「へ?」
これって「アレ」か?よくカップルがやる・・・
そんな事を考えていると彼女が催促の視線を送ってきたので
少し照れながら僕は彼女にパフェを食べさせてあげた。
「あーん」
声に出す気は無かったのについ出てしまった。
赤面する僕に彼女は気付きもせず嬉しそうに微笑んでいた。
「ふー食った食った」
僕はそう言いながらお腹をポンと叩いて見せた
すると彼女も僕の真似をして自分のお腹をポンと叩いた
「こらこら女の子がそんなはしたない事しちゃ駄目だぞ」
そう言いながら彼女の頭にポンと手を置くと
彼女は舌をぺロッと出しておどけて見せた
「次はドライブでもする?」
僕の問いに彼女は大きく頷いて見せた
「よし出発進行〜」
とは言ったものの何処に行くかは未定
はぁ・・・・僕って奴は・・・・
- 71 :蛇策:2004/03/21(日) 23:40
-
僕は結局海に行く事にした
彼女は行きと同様に窓に張り付いて外の景色を楽しんでいた
僕は話しかけても大した反応をもらえないので
音楽を掛ける事にした。
ジャンルはラップ
気持ちよく歌を口ずさんでいると彼女が突然振り向き
少ししかめっ面をした。
「こういうの駄目?」
彼女はコクリと頷く
しょうがない僕はMDを入れ替える
お次はバラード系だ
彼女はニコッと微笑むとまた窓の外を眺め始めた
リズムに乗りながら体を動かしている様子はまるで歌っているように見えた。
それから暫くして海が見えてきた。
窓を開けると潮の香りが漂ってくる。
彼女は窓から顔を出しおおはしゃぎだった。
海岸沿いの道路に車を停めると彼女は一目散に海に向かって走り出した。
「気を付けろよ」
僕の声に彼女は振り向きもせず手を振った。
暫く車から彼女の様子を眺めながら色々と考えた
彼女の事を・・・
今までの事とかこれからの『治療』の事とか・・・
どうすればトラウマを取り除けるのか
いつになったら声が聞けるのだろうとか
そんな事を考えていたら彼女が駆け寄ってきて
僕の手を掴み再び海に向かって走り出した。
- 72 :蛇策:2004/03/21(日) 23:41
-
突然の事で足がもたつき2〜30mも走らないうちに僕は転んだ
それを見て彼女はお腹を抱えて笑っていた。
意地悪してやれ
僕はピクリとも動かずにそのまま浜辺に寝転んだ
彼女は異変に気付き僕の方へと駆け寄り
僕を揺すった
しかし僕はわざと動かずにその状態を維持し続けた
すると彼女の揺する力が次第に大きくなっていくのが解った
次の瞬間僕の顔に何か雫らしい物が落ちてきたのが感じ取れた
僕はハッとして起き上がる
彼女は泣いていた
声を出さずに・・・
彼女は起き上がった僕を見てホッとした表情を見せたが次の瞬間
再び泣き出した。
僕はどうしたらいいのか分からずあたふたしながら
とっさに彼女を抱きしめた
「ごめんね」
そう言いながらギュッと抱きしめた。
自分でも何をしているのかわけが分からなかった
なんせ女の子に泣かれるのは初めての事だったから。
彼女は暫く泣き続けた
僕は彼女が泣き止むまでずっと抱きしめ続けていた。
帰りの車で彼女は泣きつかれたのか景色を見る事も無く
施設に着くまでぐっすりと眠っていた。
- 73 :名無し娘。:2004/03/22(月) 15:41
- 今までにない感じでいい!続き待っております
- 74 :蛇策:2004/03/23(火) 22:29
-
その日から僕の彼女に対する思いが少し変わってきた。
彼女を只のいちクランケとしてではなく
別の感情を抱くようになってきたのだ。
何事もなく過ぎていく日々
それに比例して高まる思い
『精神科医たるものクランケに深入りするべからず』
先生がよくそうぼやいてたなぁ・・・
「最近希美ちゃんが君だけではなく私達にも笑顔を見せてくれるんですよ。
君には本当に感謝しているよ。ここまで親身になって治療してくれる先生は
いないからね・・・・本当にありがとう。この調子で行けば喋れる様になる日も
近いんじゃないのかね?」
所長は嬉しそうに語ってた。
「いや僕はまだ先生なんて呼ばれる身分じゃないですよ、只の研修生です。
それに僕は大した事はやってませんよ」
治療と呼べる事は何一つ・・・
「いやいや君はもう立派な先生だ。彼女に笑顔を取り戻させたんだからね。」
僕を褒めちぎる所長に罪悪感に近い物を感じる
ふと扉の向こう側に視線を送るとそこには彼女が居た。
彼女は僕と目が合うと笑顔で小さく手を振った。
僕はわざと視線をはずしたて所長と話しを続けた。
所長は前もって言ってくれればいつでも彼女との外出を許可してくれたが
しばらくはそんな気にはなれなかった。
所長との話しが終わり再び扉の向こうに視線を送ったがそこには彼女の姿はもうなかった。
- 75 :蛇策:2004/03/23(火) 22:30
-
「それでは失礼します」
所長室を後にして彼女を探したが何処にも見当たらなかった。
さっき手でも振り替えしてやればよかったかなぁ・・・
でも・・・・
「辻さん見かけませんでしたか?」
職員の人に聞いて回ったが中々見つからなかった。
「しょうがない今日はもう帰ろう・・・」
ボッソと呟いた瞬間『ドンッ』と背中を押された
振り返るとそこには彼女が居た。
少し怒った様子でこちらを睨み付けている
「さっきはごめんね・・・所長との話しに夢中でさ」
とっさに苦しい言い訳
彼女は首を横に振ると僕の手を引っ張り走り出した。
今度は転ばずにちゃんとついて行けた。
彼女に連れてこられた場所は施設の屋上だった。
「うわすっげー星が綺麗」
僕は思わず声を漏らした
彼女は満面の笑みで頷く
山の上にあり町から離れているだけあって
見上げるとそこは天然のプラネタリウムだった。
遠くを見れば町の明かりが小さく見えた。
- 76 :蛇策:2004/03/23(火) 22:30
- 僕はそこで彼女と少しだけ話をした。
「そろそろ帰らないと・・・・」
僕は時計を見ながらそう言った。
すると彼女は突然僕に抱きついてきた。
「!!!」
前にも言ったが僕は女の子に全くもてなかった。
ましてやこんなに積極的に抱きつかれた事なんて一度も無い。
頭の中はまさにパニック状態だった。
「えっ?えっ?」
慌てふためく僕をよそに彼女は中々離れようとはしなかった。
「ちょ・・・・ちょっと待った。」
僕は彼女を無理やり引き離すと
彼女はうつむき肩を震わせていた。
「どうしたの急に?」
僕の問いに彼女はうつむきながら首を振った。
「・・・・・」
僕はなにも言えなかった。
すると彼女は顔を上げ僕を見つめた。
じっと僕を見つめるその瞳は涙で潤んでいた。
彼女はそのまま目をつぶり僕に体を預けた。
- 77 :蛇策:2004/03/23(火) 22:30
- 『精神科医たるものクランケに深入りするべからず』
先生の言葉が僕の頭の中を過ぎった。
同情からは良い治療は出来ない
クランケに対する恋愛感情と同情はクランケの精神状態を
さらに悪くさせる可能性が十分にある。
僕は必死で理性を保つ
彼女はクランケだ・・・
『もしクランケに恋愛感情を持つような事があったら精神科医なんて辞めちまえ』
『一生面倒見れるのか?』
『別れたりでもしたらまた心に大きなトラウマが出来るかもしれないんだぞ』
先生の言葉が僕の頭の中でぐるぐる回る
駄目だ!
駄目だ!!
駄目だ!!!
僕は彼女の頭を軽く撫でるとすぐさまその場を後にした。
それから暫く僕は何かと理由をつけて彼女の所には通わなかった。
あの日あの時彼女はあの星空の下で何を思っていたのか
その時の僕には分からなかった。
彼女に会わなくなって2週間が過ぎようとした頃所長から連絡が入った
「施設の移動!?」
僕には所長に話が理解できなかった。
- 78 :名無し娘。:2004/03/25(木) 21:04
- 俺は勝手に「へびさく」と呼んでいる。
- 79 :蛇策:2004/03/27(土) 22:50
-
気付いたら僕は車に乗り込んで施設に向かっていた。
会えなくなる
そう思った瞬間僕はいてもたってもいられなくなっていた。
──────────────────────────
「なんでそんな急に!!」
「急にではないんだよ君が最後に来た日には決まっていたんだ」
「じゃなんでその日に言ってくれなかったんですか!!」
「中々切り出せなかったんだよ・・・・」
「彼女はそれを?」
「ああ・・・君が来る前に伝えておいた。」
「それで・・・・」
所長を攻めても仕方がないのは分かっている
自分の考えの甘さ愚かさを痛感した。
彼女が何を伝えたかったのか自分が彼女に何を伝えるべきだったのか
僕は車の中で必死に考えながら車をとばした
家を出てから40分もしないうちに施設の明かりが見えてきた
僕は更に車の速度を上げていった
- 80 :蛇策:2004/03/27(土) 22:50
-
バタン!!
車の扉を勢いよく閉め施設に駆け込んだ
もう面会時間はとっくに過ぎていたが所長が特別に扉を開けてくれた
「すいませんいきなりで。それで彼女は何処に?」
僕はあたりを見回しながら所長に尋ねた
「それが何処にも見当たらないんですよ・・・
外は雨だしこの施設のどこかに入るとは思うんですが・・・」
所長が困った顔をする
僕はすかさず
「心当たりがあります」
そういい残してその場を走り去った。
多分あそこだ・・・
僕は息を切らせながら階段を駆け上がり屋上を目指した
ガチャッ・・・・ザァ―――――
扉を開くとなにもない屋上に雨の音だけが響いていた
それほど広くない屋上だが雨のせいで視界が悪かったが
僕は直ぐに彼女を見つける事が出来た。
あの日のあの場所に彼女がいたから
- 81 :蛇策:2004/03/27(土) 22:50
-
彼女は雨の中見えない星を見上げていた。
僕は彼女にそっと近づき声をかけた
「風邪引くよ」
彼女はこちらを振り向きニッコリと微笑んだ
「久しぶりだね・・・ゴメンね中々会いにこれなくて・・・・」
僕も微笑みながらそう言うと彼女は首を振りながら微笑み
再び振り返り空を見上げた
僕は彼女の隣に立つとそのずぶ濡れになった肩を抱いた
「風邪引くからもう中に入ろう」
僕は彼女にそう言うと
彼女の肩を抱きながら施設中へと入った。
翌日僕は彼女の見送りに空港へ向かった。
彼女は北海道の施設に行く事になりそこで暫く暮らす事となっていた。
「元気でね・・・・」
僕は彼女に手を差し延べた。
彼女は僕の手を握り優しく微笑んだ。
その目には涙が溢れそうになっていた。
「手紙書くから・・・」
彼女は泣くのを堪えながら大きく頷いた。
僕はそんな彼女を抱き寄せた。
「きっと会いに行くから・・・」
僕は彼女にそう囁くと彼女のおでこにキスをした
彼女もこれには驚いたらしくびっくりした顔でこちらを見ていたが
直ぐに頬を赤く染めて小さく頷いた。
- 82 :蛇策:2004/03/27(土) 22:50
-
「じゃまた・・・」
彼女はしきりに手を振り続けた
僕も負けじと振り続けた
ずっと・・・
ずっと・・・
それから僕らは文通を始めた
今考えたら筆談すれば良かったんじゃないの?
て思う事がしばしば。
「へっ・・・きったねー字だな・・・」
僕は彼女の手紙を読むたびにいろんなことを思い出していた
始めてあった時から別れるまでの半年間長いようであっという間に過ぎた日々
彼女の手紙は内容が様々でその日のご飯の感想とか何をして過ごしたとか
まれに僕の事などを書いてくれていた。
彼女が北海道に行って文通を始めはや半年が過ぎようとしていた
桜が咲き乱れる季節僕は春休みを利用して彼女に会いに行った。
「う〜寒み〜・・・」
桜が咲き乱れる季節
のはずがここ北海道ではまだまだ寒い季節であった。
手紙では空港に彼女が迎えに来てくれる筈だったのだが
姿が見当たらない。
僕は仕方なく外に出るとそこには彼女が立っていた。
あの時何一つ変わらない姿で
- 83 :蛇策:2004/03/27(土) 22:50
-
彼女はニッコリと微笑むとこちらに向かって走り出し僕に飛びついてきた
「おっと・・・」
僕は思わずよろけるがしっかりと彼女を受け止めた
「久しぶりだね元気だった。」
手紙をやり取りして彼女が元気そうなのを知っていたが
やっぱ聞かずにはいられなかった。
彼女は大きく頷いた。
「それでどう?」
僕の問いに彼女は少し困った顔をして首を横に振った。
「そっか・・・」
そう簡単に治るわけないか・・・・
「はぁ・・・・」
僕は溜息をつくと彼女が笑顔で再び僕に抱きついてきた
戸惑う僕に彼女がそっと囁いた
『ありがとう』
- 84 :蛇策:2004/03/27(土) 22:51
-
あとがき
前回とは違う感じで書いてみたんですが書いてるうちに設定に問題がありすぎだなって
思う事がしばしば。ラストは打ち切りが決定した漫画のように無理やり終わりに持っていった
感じになってしまって読みづらくなってしまいました。
なんかロリコン小説になったしまったのが残念です。
もっと違う感じで書きたかったんですがそれに気付いたのが遅すぎました。
コテに負けない作品にはなったと思います。
次回作はもう考えてあるので近いうちにあげたいと思います。
またまた読んで下さった読者の皆さんどうも有難うございます。
ではまた。
- 85 :名無し娘。:2004/03/28(日) 21:35
- 良かったよ。ホントに。
次回も期待しております。
- 86 :名無し娘。:2004/03/30(火) 20:25
- おお。次回咲くがあるのか
- 87 :蛇策:2004/03/30(火) 23:21
- 次回作はここを埋め立てるぐらいのつもりで長編を書きます
ファンタジーコメディーちょいラヴもんです。
これっぽちも期待せず待っててください。
- 88 :名無し娘。:2004/03/31(水) 00:20
- いや、期待しちまうよ。楽しみ
- 89 :蛇策:2004/04/03(土) 21:43
- 作風をガラッと変えてボブ風に書いてみようと思って
今書いてるのを書き直すのでもうちょっとお待ちください。
- 90 :名無し娘。:2004/04/06(火) 16:02
- 待ってるよ〜〜
- 91 :名無し娘。:2004/05/10(月) 21:44
- 新作マダー?
- 92 :名無し娘。:2004/06/26(土) 22:31
- みんな・・・・ドンマイ
- 93 :あいぼん:2004/07/17(土) 13:49
- (●´ー`)<プニプニプニプニプニプニプニプニだべ。
(0^〜^)<プニプニプニプニプニプニプニプニだYO!
( ^▽^)<プニプニプニプニプニプニプニプニ。
( ‘ д‘)<プニプニプニプニプニプニプニプニやで。
( ´D`)<プニプニプニプニプニプニプニプニなのれす。
(〜^◇^)<プニプニプニプニプニプニプニプニ!!
( ・e・) <プニプニプニプニプニプニプニプニぃ。
川o・−・)<プニプニプニプニプニプニプニプニです。
∬ ´▽`)<プニプニプニプニプニプニプニプニ。
川’ー’)<プニプニプニプニプニプニプニプニやよ。
川゚〜゚)||<プニプニプニプニプニプニプニプニ。
从^ー^)<プニプニプニプニプニプニプニプニ。
从・ 。.・)<プニプニプニプニプニプニプニプニ。
从 `,_っ´)<プニプニプニプニプニプニプニプニばい。
川VvV)<プニプニプニプニプニプニプニプニ!!
( ´ Д `)<んぁプニプニプニプニプニプニプニプニ。
( `.∀´)<プニプニプニプニプニプニプニプニ!!
- 94 :名無し娘。:2004/07/17(土) 13:56
- あいぼんいい加減にsageを覚えろ
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