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ドンドコ ドンドコ ドンドコドーン

1 :名無し娘。:2003/09/09(火) 21:21
ごめん

128 :名無し娘。:2003/11/14(金) 17:03
更新乙

一つ気になったんだが、ドムの装備してるのはヒートサーベルでは?

細かいコト言ってスマソ
続き期待してるよ

129 :名無し娘。:2003/11/14(金) 17:25
ジオンのMSってギャンしかビームサーベル装備してないんだっけ?

それを換装したんでしょ

130 :名無し:2003/11/14(金) 18:28
>>128 調べてみたらご指摘通りでした。すみません。
    これからはビームサーベルと書き直します。

>>129 フォローありがとうございます。
    ただ、ギャンのビームサーベルはかなり特異な形状で
    ドムには似合いそうにないので、ヒート剣と書き直す事にしました。

131 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:15
ザ――ッ。

アヤカの座る通信席のモニターが、砂嵐に覆われる。
今まで、コックピット内のオガワ軍曹を映していたモニターだ。

「オガワ軍曹!!軍曹!?」

アヤカは何度も通信機を通じてオガワに呼びかける。
しかし、返事は無い。

「そんな・・・!!」アヤカは狼狽しながらキーボードを叩いた。
するとモニターが三つにコマ割りされ、それぞれにオガワ機・ヨシザワ機・ゴトウ機の内部が映し出された。

しかし、オガワ機のコマとヨシザワ機のコマにはあの砂嵐が映るだけで、唯一映っているのはゴトウ機のコマだけだった。
アヤカは直ちにゴトウ機に通信を送る。

132 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:15
「大尉!!戦況はどうですか!?」

返事はすぐに返ってきた。

「このグフ!そーとー強いよッ!!かなりのパイロットが乗ってるみたい!!所で、そっちはどうなってるの!?」

「こちらは・・・。」アヤカは一瞬、ヨシザワ少尉とオガワ軍曹がやられた事を言おうか言うまいか迷った。が、言う事にした。

「ガウより降下してきたMSによりヨシザワ機とオガワ機が大破しました。現在、基地所属のMS隊は・・・キャアッ!!!」

突如、通信が切れた。

アヤカの悲鳴と何かが崩れるような大きな音と共に。

133 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:15
「アヤカ軍曹!!」

ゴトウは一瞬、通信機に目を落とした。
その瞬間、陸戦ガンダムの警戒音が激しく鳴り響く。

「えっ!?」ゴトウが再びモニターに目を戻した時、そこにはヒート剣を振り上げたグフが大きく映っていた。

「しまった!!!」

シールドで防ぐ間も無く、グフのヒート剣が陸戦ガンダムの肩口に振り下ろされる。

ガンッ!!

機体の損傷する音と共に、コックピットが一瞬右に傾いた。

「落されたか!?」

ゴトウはサブカメラで剣を打ち込まれた右肩を見た。
グフのヒート剣は陸戦ガンダムの肩の装甲を叩き破りながらも、そこで止まっていた。

134 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:16
「一体どういう装甲してるの・・・?このMSは?」

イイダとゴトウが全く同じタイミングで言った言葉だった。
だが、これはゴトウにとってはうれしい誤算だ。

ゴトウは肩口からヒート剣を抜こうとするグフに胸部バルカンを撃ちこんだ。
高速で発射される弾丸がグフの胸部の青い装甲を少しずつ引き剥がしていく。

「くっ!!化物めっ・・・!!」

グフは右に跳んでバルカンの雨から逃れると、シールドの下からヒートロッドを引き出した。

「喰らえっ!!」

ヒートロッドが強烈な電気を帯びながら振り回される。
だが、陸戦ガンダムは素早く屈み込んでそれを避けた。

そして、屈んだ体勢のまま手にしたビームサーベルをグフへと突き出した。

135 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:16
ザシュッ!!

グフの腹にビームサーベルが突き刺さる。

「ぐうっ!?」

激しく揺れるグフのコックピットの中で、イイダはうめいた。
機体の異常を知らせるランプがけたたましく鳴り響く。

「くそっ!!こんな所でやられるわけにはッ!!」

イイダは警告ランプを無視して、操縦桿を翻した。
それに呼応してグフの腕が、陸戦ガンダムの肩にめり込んだヒート剣の柄を掴んだ。

「まだ動くの!?」
ゴトウは叫びながら、ビームサーベルをさらに深くに刺し込んだ。

136 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:17
グフの傷口の周りの装甲が溶けて、液体となり下に流れていく。
(その液体には冷却水も混じっているようだった。)
それでもグフは止まらなかった。

「おおおおッ!」
グフはその腕を震わせながら、ついにヒート剣を引き抜いた。

こうなってしまうとまずいのはゴトウの方である。
今、陸戦ガンダムは屈んだ状態である上、ビームサーベルのせいで腕も固定されている。
この体勢で攻撃されたら回避しようがないのだ。

グフは引き抜いたヒート剣を両手で握ると、左肩の辺りまで振り上げる。

「させるかっ!!」
ゴトウはグフの腹の中のビームサーベルを思いっきり押し上げた。

ビームサーベルの光が、かつての傷口から上へと線を造りながら伸びていく。
新たに生まれた傷口から激しく火花がほとばしった。

グフのコックピットに鳴り響く警告ランプの音が一層に高まる。
だが、イイダはそれを全て無視した。

このヒート剣で、この新型の首を刈ればそれで勝負は決まる。
警告ランプの指示に従うのはそれからでいい!!

「死ねッ!!新型ッ!!」

イイダは十分に力を溜めた後に、ヒート剣を思いっきり振りかぶった。

137 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:17
ゴオオオオッ!!!

剣に宿る熱が、周囲の空気を焼き焦がしながら陸戦ガンダムに迫る。
そして、ついに剣の腹が陸戦ガンダムの首に入った。

だが、それと同時に、グフのモノアイが光を失った。
ガンダムのビームサーベルが核融合炉を擁する腰から、コックピットのある胸部にかけて、完全に切り裂いたのだ。

グフの両手が力無く落ちて、ヒート剣をこぼした。

「勝った・・・。」

ゴトウはビームサーベルを収束すると、機体を立ち上がらせた。
陸戦ガンダムはわずかに首に切り込みが入ったものの、さほど重傷ではないようだ。

ビームサーベルが引き抜かれたグフは、そのまま仰向けに倒れこんだ。
腹から胸にまでかけて開いた傷が激しく燃え盛る。

138 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:17
「強敵だった・・・。」
今回勝てたのは機体の性能のおかげだ。
もし、陸ジムなんかでこいつと対峙していたら間違いなく死んでいた。

そんなことを思いながらも、ゴトウは機体を反転させ、一気にバーニアを噴かせた。

早く基地まで戻らなければ。
アヤカはヨッスイ〜とオガワがやられたと言っていた。
さらに、その直後の爆発音と共に通信も途切れた。

これは相当やばい事になっているに違いない。

「みんな・・・生きててよ・・・。」
ゴトウは猛スピードで推進する陸戦ガンダムのコックピット内で一人つぶやいた。

その時、はるか後方でイイダのグフが爆発を起こしたが、もはやゴトウには関係無かった。

139 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:19
私(プッチ隊のオペレーター:アヤカ・キムラ)は、両手をあげた状態で格納庫の床に座り込んでいた。

それをやっているのは私だけじゃない。整備兵や駆けつけたMSパイロット。
とにかく、この格納庫にいる人間全員がこのポーズで床に座り込んでいる。

それは何故か?

理由は簡単。ドムがシャッターを壊して格納庫内に入ってきたからだ。
そのドムのパイロットはマシンガンの銃口を私達に向けながら言った。

「全員、手を上げてその場に座るんだ。言う事を聞いてくれれば危害は加えない。」と。

私はオペレーター室を出て、崩れるようにしてその場に座り込んだ。
勿論、両手をあげるのも忘れなかった。

壊されたシャッターの向こう側に、炎をあげて燃え盛る陸ジムの姿があった。
あれはヨシザワ少尉のMSだ。その手前には頭部を失ったザクが横たわっている。
オガワ軍曹のザクだ。

140 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:19
2人は無事なのだろうか?もしかしたらダメかもしれない。
それに、ゴトウ大尉は?通信を繋いだ時、相当強いパイロットと戦っていると言っていた。
もし、これでゴトウ大尉までやられてしまっていたらプッチ隊はもう・・・

そう考えると、アヤカの瞳から涙がこぼれてきた。

ヤグチは、ドムのモノアイカメラを左右に動かしながら格納庫内に並ぶMSを見ていた。
左から、陸戦ジムが2機に全身を白に染めたズゴックが一機。その隣りは3つ空いていて、右端の方に見慣れないMSが3機。

「よし、大体の目星はついた。おい!!イシカワ!!聞こえるか!?」

ヤグチはガウ内のイシカワのMSに通信を送る。

「ハイ。聞こえてますよ・・・。」

返ってきたその声は先程のハイテンションとは正反対にかなり沈んでいた。

141 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:19
「ん?どうしたイシカワ?」

「たった今、カゴから連絡があって・・・イイダ少佐が戦死したそうです・・・。」

「えっ・・・。」ヤグチは一瞬言葉を詰まらせた。が、すぐに持ち直した。

「そうか・・・分かった。イシカワ。カゴにドップを4機出すように言ってくれ。そして、出撃できなかったパイロットは
 パラシュートでオイラの元へ。そしてイシカワ。お前も出るんだ。ガウに寄って来るMSを全て撃破しろ。」

ヤグチは冷静に、イシカワに命令した。今はイイダの死を悲しんではいられない。
イイダがいないからこそ迅速に動かないといけない。
この作戦を必ず遂行する。涙を流すのはそれからでいい。

142 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:27
「・・・・。分かりました。」

イシカワはヤグチと同じくらい冷静に答えた。
どうやらイシカワもヤグチと同じ事を思っているようだ。

「よし!それじゃあ行動に移ってくれ!!」

「了解!!!」元気のいい返事が聞こえて、通信は切れた。

ヤグチはそれを確認すると、通信用モニターに向けていた視線を正面に戻した。

整備兵達は先程と変わらず、万歳をしたまま地面に座っている。
他の一般兵達も同じだ・・・と思いきや、一人掲げた両手をこっちに向かってしきりに振っている者がいた。
作業服を着ている所からして整備兵のようだ。

「お前、何をしている?」
ヤグチの声がマイクを通じて、外に流れた。

すると、その整備兵は両手でメガホンを作って叫んだ。
「ジオンの馬鹿野郎め!!たった今、この基地の防衛部隊が出動した!お前はもうオシマイだ!!」と。

143 :名無し娘。:2003/12/15(月) 23:54
「防衛部隊・・ね。」そう言うとヤグチはドムの操縦桿を軽く倒した。
それと同時に、ドムの右手が振りあがり、その整備兵に向かって真っ直ぐ落ちていく。

「えっ・・・!?うわああああっ!!」

迫り来る巨大な鋼の拳にその整備兵は悲鳴をあげた。

ドンッ!!!

轟音と共に、格納庫自体が大きく縦に揺れた。
衝撃で天井のライトが何個か床に落ちて割れた。

だが誰もライトのことなど気にとめない。
ただただ、呆然として目の前で起こった惨劇を見つめていた。
恐怖のあまり言葉も無くして。

床に叩きつけたドムの拳がゆっくり持ち上がった。
拳の底から赤い雫がポタポタと流れ落ちる。

そして、その下には無数の砕け散った床(セメント製)の破片と一緒に何か赤黒いものが転がっていた。

もし、それをよ〜く観察してみればきっとそれが元人間だったものだという事が分かるだろう。
ビリビリに破けた真っ赤な作業服に、飛び散る臓物、粉々になった各部の白い骨。
周囲に満遍なく散った茶色いカスみたいなものは俗に言う脳漿というやつだ。

数秒して、思い出したように女性兵が悲鳴をあげた。
それを皮切りにして他の兵達も騒ぎ始める。

その様子を見ながらヤグチは言った。

「誰が動いていいと言った?両手をあげて座れ・・・。守れないならここにいる全員、叩き潰してもいいんだ。」

再び、ドムの手が振りあがる。
拳についた赤い液体が勢いで飛び散り、床にいくつかの点をつくった。

兵達は全身を震わせながら、手を上げその場に座り込んだ。

144 :読者:2003/12/17(水) 23:48
うわっ
ヤグチ残酷・・・

145 :名無し娘。:2004/01/17(土) 23:30
ホセ

146 :名無し娘。:2004/02/02(月) 21:04
メンドーサ

147 :名無し娘。:2004/02/03(火) 23:15
おもしろいでーす。イイダ少佐が戦死ですか・・・残念

148 :名無し娘。:2004/02/11(水) 09:37
コウシンマダカナ

149 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:17
そろそろいけそうです。

150 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:44
「あっ・・・あ・・・あ!!」私(ことアヤカ)はそれ以外の声は何一つ出せなかった。

何故かって?それは格納庫を占拠していたドムがいきなり素手で整備兵一人を叩き潰したからだ。

私はそのつぶされた整備兵の事を知っている。プッチ隊専属の整備兵だったからだ。

確か名前はタケヒト=ムラヤマ上等兵。おしゃべりな人で作業中によく無駄口を叩いては整備兵長に怒鳴られていた。

そのムラヤマ上等兵は、今や物言わぬ肉の塊になってしまった。

たった一瞬で。ただ少し口を開いただけで。

私は本当に何もいえなかった。ガクガクと震える両足を押さえつけるので精一杯だった。

怖い!怖い!怖い!怖い!!両の頬に伝わる涙をぬぐおうともせずにただひたすら私は震え続けた。

何で?何でこんな事になったのよ!?何で管制塔はガウの接近に気付かなかったの!?

何で迎撃に出たヨシザワ少尉とオガワ軍曹はやられてしまったの!?

ドムの両足の間から向こう側の景色がかすんで見える。

そこには確かに、頭を失って倒れこむザクとまっぷたつになっている陸ジムの姿があった。

何で・・・ゴトウ大尉は戻って来てくれないのよ!?

アヤカは心の中で絶叫すると、ただひたすら泣き続けた。

151 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:44
「これが俺たちの初舞台か。緊張するな。」
「敵MSは絶対にオレが落すぜ!!」
「馬鹿野郎!オレに決まってるだろう!?」
「ハァ。いいよな。ジムに乗れる奴は。オレなんて戦車だぜ?」

ニューバーン基地の中で最も大きな規模を持つ02格納庫では、
15機の陸戦ジムと5機の61式戦車がスタンバイしていた。

これらのMSと戦車のコックピットには、初出撃に胸を躍らせる若きパイロット達がいた。
彼らのノーマルスーツの胸の部分には「訓練兵」のマークがある。

「まあ、いいじゃん!戦車でもさ!!」
「なら交換しやがれ!」
「絶対に嫌だ!!」

この陸ジムのパイロットと61式戦車のパイロットとのやり取りを聞いて、
他の訓練兵は笑い声をあげていた。

まるで、これが初出撃とは思えないリラックスぶりである。

そんな彼らを叱責する怒号がいきなり飛んだ。

「貴様ら!何をふざけている!!」

152 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:45
「ひっ・・・!!」その怒号を聞いて訓練兵達は一瞬で静まり返った。

「これは訓練じゃない!実戦なんだ!!もっと気を引き締めろ!それでも基地防衛部隊か!」

「ハイ!失礼しました!アサド教官!!」

全員が声を揃えて謝罪する。

アサド教官。この言葉はこのアサドという男が基地防衛部隊・隊長であり、
訓練兵達の教官である事を示している。

この基地では新しく配属されてきた新兵達を訓練兵と呼称し、
MSの操縦などの必要技術をある程度叩き込んだ後にこの基地防衛部隊に入隊させる。
そこでさらに厳しく訓練を積んでやっと卒業。そして、一人前の兵士として扱われるのだ。

つまり、基地防衛部隊というのは新兵達の教育カテゴリーの内の1つでもあった。

153 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:45
本来、ほとんどの兵士が実戦を経験するのは基地防衛部隊を出てからである。
しかし、彼らはまだ入隊してから1ヶ月のまさに素人兵。

そんな彼らが実戦に出なくてはいけないことをアサド教官はあまり良く思っていなかった。
こいつらには軍人として足りないものが多すぎる。
出撃前の軽口がいい証拠だ。できるものならまだ実戦には出したくない。
今のままなら確実に敵に殺されるからだ。

が、「出動命令には逆らえんか・・・。」
アサドはそうつぶやくと、ノーマルスーツのヘルメットをかぶった。

そして、全機に対して通信を送る。

「我々の任務はガウの撃墜と第4格納庫の解放だ。
 現在エース部隊専用の第4格納庫上空にジオンのガウが一機。
 そして、第4格納庫には一機のドムが人質をとってたてこもっている。
 これの迎撃に向ったプッチ隊のMSが2機やられた。
 この事より、敵は相当の実力を持っていると考えられる。」

「プッチ隊の奴らが弱すぎただけじゃないですか?」
訓練兵の誰かが笑いながら言った。

アサドはそれを無視すると言葉を続ける。

154 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:45
「ここから第4格納庫は目と鼻の先だ。
 ここを出たらすぐに二手に分かれて各自の持ち場へ向え!
 自分の担当場所は分かってるな!?ガウの周囲に14機、格納庫には1機だぞ!?」

「了解!!」

アサドは全員の返事を聞くと、隊長機のペイントがされた陸ジムの歩を進ませた。

その後ろに訓練兵達のMSと戦車が続く。

開け放たれたシャッターから外に出ると、
アサドはすぐに陸ジムのバーニアをふかせて第4格納庫へととばした。

それに訓練兵達も続いていく。

155 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:46
「駄目です!高度が保てません!!」

ガウの通信兵が悲鳴に近い叫びをあげる。
ガウは左翼を壊された影響で、その高度を下げつつあった。

「くっ・・・!」カゴは操縦桿を必死で引き戻し高度をあげようとするが、もはや詮無きことだった。

「このままじゃ墜落する!」カゴがそう言いかけた時、モニターにいくつものMS反応が現れた。

「何!?この数・・・!?」
見ると一機の陸ジムが、第4格納庫と基地を隔てるフェンスをジャンプして飛び越え、こちら側に降りてきていた。
それに続いて後続の陸ジム達も同じようにフェンスをジャンプし、こちら側に着地する。

そして、着地した陸ジム達はすぐさまガウを包囲し始めた。

「何だってこんな時に!あいつら、ここでこのガウを落とす気か!?」
「あわわわ!ヤグチ大尉!どうしましょう!?」

カゴはヤグチに助けを求めて通信を繋いだ。

156 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:46
「悪いけど、それはできない。」
「いいから、人質を解放するんだ!!」
「今、出来ないと言ったはずよ。」

「???ヤグチ大尉?」
通信機から聞こえてきたのはヤグチの声、そして聞き覚えの無い男の声だった。

「この声・・・そうか!今、下にいる陸戦ジム部隊の奴がヤグチ中尉の所にも行ってるんだ!!」

「あっ!なるほど。だから人質って・・・!!サカキさん、頭いいね〜!!」

(ちなみにサカキとは通信兵の名前である。)

サカキは「普通に考えりゃ分かるだろ。」と思いながらも言わなかった。

その時、ガクンッ!!といきなりガウの機体が大きく縦に揺れた。
そして、一気に落下が始まる。

157 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:46
「げっ!!マズイ!!落ちてる!!」

カゴは操縦桿を掴み取ると一気に右へとなぎ倒した。

ガウはそれに呼応して右へとスライドを始める。
大きく広がった右翼が先程、陸ジム達が飛び越えたフェンスを突き破り倒壊させた。
それにも構わずガウはその巨体を強引に滑らせ、基地の中枢部ともいえる横長の建物の前に着陸した。

「アサド教官!あのガウを蜂の巣にしてしまいましょう!」
いきなり大移動したガウに向かって訓練兵達がマシンガンを向ける。

「馬鹿!よせ!今撃って爆発でもしたら基地が吹っ飛ぶぞ!まさか、あのガウ・・・これを狙っていたのか!」

アサドはわずかに戦慄しつつも訓練兵達に再びガウを包囲するように指示した。

アサドの指示を聞いて訓練兵のジム達は倒れたフェンスを踏みつけ、ガウの元へと走る。

158 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:47
それと同刻・・・。

「とりあえず、指示された所に着陸できたね。」
「確かに・・・お見事です。」

カゴは誇らしげに笑みを浮かべながらイシカワとドップに出撃指示を出した。

「イシカワ中尉!ドップ4機と出撃してください!今、敵基地中枢部前に着陸しました!!」

「ったく、いきなり落ちるんだもん。びっくりしたわよ。
 ま、とにかく了解。私とドップはわらわら出てきた陸ジム達を始末すればいいんでしょ?」

「ハイ!お願いします!!」カゴははっきりと答えた。

イシカワはそのカゴの毅然とした態度に満足感を覚えながら自らのMSを起動させた。

「さて・・・イシカワ、行くわよ!!」

イシカワはMSの歩を進ませると、ハッチの前まで歩いた。

「カゴ!ハッチを開いて!じゃないと出られないわよ。」

「それが・・・さっきから開閉スイッチを押してるんですけど動かないんです。壊れちゃったみたいですね。」

「ハァ!?」

「だから・・・自分で壊して出てください。中尉のMSなら余裕ですよね。何でしたっけ?その蒼くて気持悪い奴・・・。」

「ハイゴックよ!名前くらい覚えない!!」イシカワは怒鳴りながらガウの分厚いハッチをぶっ叩いた。

159 :名無し娘。:2004/02/11(水) 14:47
明日にでももっかい更新します。
期間が空いてしまってすみませんでした。

160 :読者:2004/02/17(火) 23:44
待ってましたー!
更新お待ちしてます

161 :名無し娘。:2004/03/09(火) 10:44
hozem


それにしてもこのスレタイ見ると天空のレストランを思い出す。

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0ch BBS 2006-02-27